寂天(シャーンティデーヴァ)は東インドのベンガル地方の、とある土地の王の息子として八世紀に生まれました。いよいよ王位に就くという時に文殊菩薩の夢を見て、「王位はあなたの為のものではない」というお告げを聞きました。文殊菩薩のアドバイスを真剣に受け止めた寂天は王位を捨て、ジャングルに隠遁しました。そこで数々の仏教以外の導師達に出会って修行をし、厳しい瞑想修行を行って非常に高度な禅定(心の深い集中状態)に至りました。しかし、釈尊の場合と同様に、深い集中に入り込むだけでは苦の根を断ち切る事は出来ないと気