ブログ記事15件
1.LatestNews(https://note.com/16361341)2020/11/7週刊東洋経済「依頼したい弁護士」25人2020/11司法試験考査委員(労働法)2020/5/11「内部通報」に救われる設計と運用、6つのポイントhttps://note.com/16361341/n/n9842280ae766?magazine_key=m746a8c5c4ecf『実務家のための労働判例』発刊!実務家のための労働判例読本Amazon(アマゾン)2
今日の労働判例【国立大学法人群馬大学事件】前橋地裁平29.10.4判決(労判1175.71)この裁判例は、複数回のハラスメントを行った大学教授を懲戒解雇した事案で、懲戒解雇を無効とした事案です。1.手続的な瑕疵の有無この事件では、諭旨解雇に同意するように求められた教授が、同意を拒んだところ、その場で懲戒解雇が申し渡されました。これは、就業規則の定める懲戒事由のうちの、退職願の提出の「勧告に応じない」場合に該当する、というのが大学側の主張です。裁判所は、諭旨解雇への同意を求めて
今日のキーワード:【ストレステスト】業務がどれだけの負荷に耐えられるかを、予めテストしておくこと。個別の案件の最悪シナリオと異なり、業務環境が悪化した場合など、業務全般について想定される負荷を高め、対応可能かどうか、どのような対応が必要か、を予め経験しておく。【解説】悪いことばかりでなく、良いことも含めて、ストレスをテストしておきましょう。たとえば生産能力。注文が殺到したとき、原料の調達、工場の稼働率、人員や配送の手配など、シナリオありますか?自分の周りで
今日のキーワード:【ローリング】新たな事務手続を構築する際、その事務手続が機能するかどうかを、その手順に従ってシミュレートし、確認するもの。法的リスクへの対応に際し、対応策が機能するかどうかを、関係者で具体的に検証するツールとして活用できる。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、法的リスクを問題にしています。けれども、それに限定するものではありません。ローリングは、新しい手順やシステムを導入するときに、必ずやっているはずです。これを、他部門も巻き込んでやっ
今日の労働判例【乙山青果ほか事件】名古屋高裁平29.11.30判決(労判1175.26)この裁判例は、職場の先輩従業員2名の行き過ぎた指導(いじめ)によって若手従業員が自殺した事案で、先輩従業員2名の責任と、会社の責任を認めた事案です。実務上のポイントとして特に注目している点は、先輩従業員2名と会社の双方が、いじめ行為に関する責任を負うとしつつ、自殺した点については、会社についてだけ責任を認め、先輩従業員2名の責任を否定し、両者の間に差が設けられた点あります。1.先輩従業員2名の
今日のキーワード:【弱みの自白から】法務の使い方に慣れていない部門は、法務に都合の良いことしか言わない。それでは後で足元をすくわれるので、部門担当者は、会社にとって気になる点や弱みから話をしてもらう。弱みを認めない部門担当者を、信頼してはいけない。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、法務の側から見ています。ビジネスの側から見ると、弱みを聞こうとせず、しかりつけるだけの法務です。こんな法務では、会社を守れるか心配、となりますね。弁護士が、依頼者から聞いて
今日のキーワード:【記者会見テスト】特にトラブル対応において、会社の対応が社会的に受入れられるかどうかを検証するためのツール。記者の質問に対して、「何も知らないくせに」「不勉強だ」と反感を持つのではなく、そのような部外者でも納得できる説明を心がけるのがポイント。【解説】「これ以上注意したら、私ばかり悪者になってしまう。。。」良かれと思って気になる点を教えても、邪魔に思われ、逆効果の場合があります。記者会見テストは、このような逆効果を防ぐためのツールです。「もし炎
今日の労働判例【学校法人M学園ほか(大学講師)事件】千葉地裁松戸支部平28.11.29判決(労判1174.79)この裁判例は、男子学生による男性講師へのセクハラ行為が存在する、と認定したうえで、学生と大学の責任を認めた事案です。実務上のポイントとして特に注目している点は、2点あります。1.セクハラ行為の有無この事件では、セクハラの有無に関し、目撃証言がなく、それによって怪我した、などの客観的な証拠もありません。当事者の供述だけが証拠です。このような場合、どちらの証言も裏付けが
今日のキーワード:【書面回答】苦情顧客に対し、口頭ではなく文書で回答する方法。特に、苦情の一部を認めて謝罪する場合、文書で回答することに抵抗を感じる場合があるが、文書での回答のメリットと限界を理解すれば、苦情対応を一段階進めることができる。【解説】文書が怖いのは、それが一人歩きするからです。ネットに回されるなど、会社が謝罪した事実が晒されてしまいます。それでも、書面回答のメリットがあります。第1は、前提事実を画定し、謝罪の対象が膨らまされることを防げます。納
今日のキーワード:【対立する利害の把握】問題となる事案を、細部からではなく、大局から把握するための分析手法。「結局のところ何が問題なのか」を把握するために役立つ。「憲法訴訟」の1つのポイントであり、「立法趣旨」の背景である。【解説】「ルールだからって、何でもかんでも事前申請って、おかしくないですか?」思わず怒鳴りたくなること、ありませんか?自分の立場からではなく、一歩退いたところからルールを見てみましょう。事前申請によって、何と何を調整しているのでしょうか?①
今日の労働判例【学校法人札幌大学(給与支給内規変更)事件】札幌高裁平29.10.4判決(労判1174.5)この裁判例は、大幅な給与減額を主な内容とした給与内規の変更を無効とした事案です。実務上のポイントとして特に注目している点は、「一部無効の法理」の適用が問題になった点です。1.判決の論理すなわち、組合との協議の過程で、段階的な引き下げを内容とする①「提案」をしたものの、結局、一気に大幅減額する内容の②「変更」を行いました。この「変更」が無効であるなら、せめて、その前の①「提案
今日のキーワード:【事件相談】正式な被害届や刑事告訴などではなく、苦情被害などが深刻化する前の段階で、その状況を予め所轄の警察署などに報告し、対応を相談しておくもの。特に、警察にとって慎重な判断が必要な私人間のトラブルについて、急な事態の変化に対応してもらうために重要。【解説】最近は、モンスタークレーマーが増え、反社との関係遮断も叫ばれています。自分の仕事に関して、いつ、警察のお世話になるかわかりません。警察にお願いする際のポイントを1つだけ、勉強しておきましょう。
今日のキーワード:【立法趣旨】法律が設けられた本来の目的。法律に隙間があるとき、その隙間を埋める代替的なルールとして機能する。法律以外のルールについても、隙間を埋めるために活用できる。また、立法趣旨から「対立する利害の把握」にもつながる。【解説】仕事に関係する法律が、また改正されるらしい。けれど、一々条文を読んでいる余裕もない。どうしよう。そんなときは、改正の趣旨を理解します。何のためのルールなのか、どのようなルールなのか。条文では記憶に残らなくても、このよ
今日の労働判例【国際自動車(差戻審)事件】東京高裁平30.2.15判決(労判1173.34)「労務事情」連載中!!(毎月1日号)https://www.e-sanro.net/magazine_jinji/romujijo/この裁判では、①基本給+諸手当部分と②歩合給部分の2本立ての給与を支払っているタクシー会社の給与体系が問題になりました。すなわち、②歩合給部分では、残業代などが控除される計算式になっているため、①②の給与を合算すると、残業しても手取りが変わらないことになるのです
今日のキーワード:【形から入る】仕事のやる気を出すツール。いきなり中身の検討から始めるのではなく、決裁書の書式に日付や記載部門名を入れるような、仕事の成果物の形を整える作業から着手する方法。成果物のイメージができると、不思議と中身の検討も進む。【解説】報告書、議事録、稟議書、どれから手を付けるか、さっきからずっと悩んでいます。そんなときは、まず全部、最初に書類の形式を整えてしまいます。担当者名、担当部署名、案件名など、頭を使わなくて済むところを埋めてしまいます。仕
今日のキーワード:【プリンシパル】ルールに対比される概念。「ルール」という言葉の持つ、細かくて技術的、というイメージではなく、骨太で荒削り、というイメージを持つ。枝葉末節にとらわれるのではなく、原理原則に基づいた判断と行動を支える概念として活用できる。【解説】こうしなければならない、これをしてはならない。ルールを考え始めれば、細かいことがいくらでも出てきてしまいます。細かいルールをたくさん作ると、きっと覚え切れなくて、読んでもらえなくて、守ってもらえないんです。
今日のキーワード:【1つ仕上げる】仕事のやる気を出すツール。すべての仕事を同時進行で平均的に仕上げていくのではなく、簡単な仕事やきりのいい仕事を先に仕上げる。すべての案件が残っているというストレスよりも、1つ達成したという手応えが、やる気につながる。【解説】やることが多すぎて、仕事をする気持ちになれません。どれから手をつけようか、ということばかり考えてしまい、手が動き出さないのです。そこで、簡単な作業でいいので、何か『1つ仕上げる』ことを考えます。仕事を片付け
今日のキーワード:【文殊の知恵/知恵出し】アイディアを出すだけでなく、そのことをきっかけに、関係者を議論に巻き込むために活用すべきツール。特に、会議の場で「最悪シナリオ」と組み合わせて活用すると、会議参加者の一体感が高まる盛り上がりにつながることもある。【解説】「ここで事務部門が特別対応してくれれば良いんだよ!」「何であんたに指示されなきゃいけないんだ?」少し会議が険しくなってしまいました。そこで、もっと気楽な「ゲーム」にしましょう。「『知恵出し』です。突拍子もない
今日のキーワード:【細かい仕事を片付ける】仕事のやる気を出すツール。仕事のやる気がないとき、ファイリングや業務日誌など、細かい仕事を、あせらずのんびりと片付ける。散らかっていた机も片付いてくれば、それとともに、重たい仕事に取り組む意欲も、戻ってくる。【解説】私の場合、まずは目に見える机周りからです。資料を片付ける際、ちょこっとメールだけ打てば済む仕事も、ついでに片付けます。次に、溜まったメールの処理です。机がきれいになり、メールボックスも空になれば、嬉しくなって机
今日のキーワード:【怒る人テスト】会社や個人の活動への反応を検証する手法の1つ。怒る人としては、取引先や株主などの抽象的な存在ではなく、取引先で昔から品質にうるさいX社のY常務、などの具体的な存在をイメージすることがポイント。社内の関係部門の担当者をイメージしても可。【解説】「またあの人に怒られたよ」「口うるさい人だよね」そんな「あの人」も、ツールとして活用してしまいましょう。気楽に雑に仕事を放り投げてくるA君。何度も注意しているのに、今回も、領収書を付け忘れてい
今日のキーワード:【居場所を作る】仕事のやる気を出すツール。専門家として認められ、任される領域を作り、居場所を作ることで、仕事が安定する。1つの得意分野ができると、どこまでやれば認められるかがわかるので、次の得意分野を作るのも楽になる。【解説】「法務の技法」からの引用ですので、専門家になろう、と呼びかけています。けれども、専門家でなくても、得意分野を作ってやる気を出しましょう。1つ得意分野を作ると、他の分野ではどうだろうか、とイメージできたり応用できたりします。
今日のキーワード:【違和感】理屈ではうまく言えなくても、感覚的におかしいと感じるという感覚。自分自身の違和感を大切にするだけでなく、他部門の担当者の違和感も大切にすることがポイント。他部門に正式な回答を迫らずに意見を求める場合、特に有効である。【解説】「この考えでどうですか?」と質問したら、「戻って上司に確認します」と逃げられました。意見を聞きたかっただけなのに。あなたが質問される立場で想像してください。「この考えに『違和感』はないですか?」ほら、自分の意見を言
今日の労働判例「A不動産事件」広島高裁平29.7.14判決(労判1170.5)この裁判例は、第三者に告発文を送った社員に対する懲戒解雇に関し、解雇としては有効であるとして、解雇の効力が生ずるまでの間の賃金請求だけを認めた事案です。実務上のポイントとして特に注目している点は1点あります。一方で解雇は合理的である、というのは、会社代表者の息子である専務が、レンタルビデオ店で他人名義の不正な会員カードでDVDを借りて逮捕された、という事実を、同業者の協会にFAXしたため、会社の名誉や信
今日のキーワード:【ホビー(ペットジョブ)】仕事のやる気を出すツール。上司から与えられた仕事だけでなく、自分がテーマを持ってコツコツ取り組み、完成したら会社のためになる仕事(ホビー/ペットジョブ)を、時間を見て少しずつ進めていく。自分から会社に働きかける実感を狙う。【解説】このままでは良くない、こうしたら皆ハッピーなのに、という点が、職場には必ずあります。改善活動として、会社として取り組んでいる場合もあります。そうでなければ、「1人改善活動」を展開してしまうのです。
今日のキーワード:【最悪シナリオ】リスクを、抽象的な言葉ではなく、具体的なシナリオによってイメージする手法。想像力の鍛錬に使うだけでなく、会議の場で議論を充実させるツールとしても使える。ゲーム感覚でシナリオ作りをすれば、連帯感も生まれる。<解説>「あなたのプランには、リスクがないんですか?」と質問したら、警戒されてしまいました。責めるつもりはないのに、残念です。そこで、もっと気楽な「ゲーム」にしましょう。「『最悪シナリオ』作りです。私なら、取引先の倒産かな、と思いますが