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図書館からカヴァフィスの詩集を一冊借りてきていて、手元所持の中井久夫訳のものと引き比べてあれこれ読んでいる。…というわけで、今日もギリシャの民衆語詩人、カヴァフィスの詩集からのご紹介を。本日はカヴァフィスが公にしたなかで、もっとも短い詩といわれている作品を。〝感覚のよろこびに〟わがいのちの喜びと香り。望みどおりの喜びをみつけ捉えた思い出よ。わがいのちの喜びと香り。私はありきたりの情事に耽るのを拒んだのだよ。(中井久夫訳)〝悦楽〟わたしの人生の喜びと香り、望むところの快楽をみ
昨日まではペソアだったのだが…さて、カヴァフィスである。実は過日に己れのなかでずっと探していたにもかかわらず、取り逃した大きな獲物ががあり、何を隠そうその本がカヴァフィスだった。なじみの古書店に顔を出したときに、あるじが顔をほころばせて近寄ってきて、その手から差し出したのがカヴァフィスの詩集だった。探求書として伝言しておいたのである、訳は中井久夫訳と池澤夏樹訳があるが、訳は問わない、するとあるじは市場へ行ってそのカヴァフィスのために札入れして落としてきたとのことである。しかしながらその
七月はじめりくぐんひふくししょーにネコがやってきた。ヘータイさんははだかでせんそーできないから服をつくったり、返ってきた服を洗って、穴があったら繕って、また使えるようにするんだと神社のまえのクスノキがおしえてくれた。なんで穴があるの?鉄砲の弾が通ったからその人は死んだだから脱がせて、穴をかがって、次の人に着せて送り出す。次の人も次の人も……。パステルや水彩絵の具で描かれた絵と、積み木のような木製の倉庫や兵隊さん、ネコにクスノキが、コラージュされてい
BOOKカフェではないのですが、・読書するお客様のため、一切の会話禁止・注文も極力小声、もしくは筆談という、少し変わった喫茶店があります。以前メディアで紹介されており、いつか機会があれば訪れてみたいと思っていました。先日、電車を乗り継ぎ、道に迷いながら行ってきました。店内のテーブルに、以前来たお客さんたちが書いた読書記録やオススメ本に関するメモが残されており、自由に閲覧できるとのことで、それを読みたかったのもあります🥰(実際に読んだら失恋話やモラトリアム的な独白がほとんどで、ちょっ
アトミック・ボックス(角川文庫)/池澤夏樹小さな島で漁師をしていた寡黙な父が癌で亡くなり、ささやかな葬儀が営まれた。父は生前一人娘にある物の存在を教え、自分が死んだ後に取りに来る者がいるがそれを渡すかどうかは娘に任せると託していたが、それは漁師になる前の父が秘密にしていたことと関係があり、娘は中身が判然としないそのものの処置に頭を悩ませていた。葬儀の数日後、島の郵便局員を勤めていた男が家に現れて、父が残したものを渡すように娘に迫るが、不審を感じた娘が拒否すると男は自分は警視庁
図書館に行って多和田葉子の「地球にちりばめられて」という小説を借りるついでに、池澤夏樹編の河出日本文学全集の「日本語のために」という本を借りた。これがとてもおもしろい。家に帰って横になりながら読み始めたら読み耽ってしまった。30分くらい読んでいた。たまたまなんだけども、今日借りた多和田葉子の本の解説も池澤夏樹が書いている。いま「地球にちりばめられて」も28ページまで読んだ。文章も読みやすいしとてもおもしろい。30分くらいぶっとおしで読めた。言語学を専攻するデンマークの大学院生と自分で作った
会うのは何か月ぶりだろうかこの間までお喋りを楽しんでいたのに、彼女が去ってからあっという間に時間が経っていた久し振り会う彼女は今までと同じように元気に思えた細かい手仕事の好きな彼女は、今回も手作りの物を身にまとっていた細かい目で手縫いされたスカーフ兼用の冷却タオル夏のスーツをリフォームしたブラウス。その手順を伝えてくれる表情から、手作りを心から楽しんでいる様子が見てとれた長いスパンの人生計画を立て、揺るがない自分を持っている強さは相変わらずだあっという間に時間が経
約6年のアメリカ駐在を終えて、2022年8月に日本に帰国しました。かなーり狭いマンションに引っ越した我が家。アメリカで集めたアンティークを少しずつ処分しようと思ったけど、やっぱり止める事にしてその分、本を処分する事に。毎週土曜日に通っている製菓の専門学校。2016年当時のテキストは改訂になって授業では使わなくなったから以前のテキストを紙ごみの日に捨てました。その他、オットの「池澤夏樹」の本を小さなスーツケースに満載してBookoffに。重すぎ
1999年1月第1刷解説・日野啓蔵-現代の恋愛小説212頁大手企業勤務の野山が出会った、タイのカンボジア難民キャンプで働く修子偶然の出会いから2人の距離は急速に縮まります東京で一緒に暮らしたい、と願う野山に対し、生き方そのものとして仕事の場を持つ修子には、自分にとって一番居心地のよい場所、難民キャンプを離れ東京で暮らすことは考えられませんでした深く愛し合いながら、東京とタイに離れて暮らす2人およそ、恋愛ものが盛り上がる要素のひとつは2人の間を阻害する障害ですしかし、
http://www.suguru.jp/learn/big.htmlおカネと云う訳じゃあなくて、数の単位の話。池澤夏樹氏の単行本エッセイに出ていた。京までは皆知っていると思うが、それ以降の単位までは別に必要ないので、あまり知られていないかと。店名で見たことある単位もあるような気もするけれど。呼び名が不可思議な単位名も多いかもと。京保有の方々居られる。ネットに出ていた。なるほど!因みに、小さな桁単位はナノしか知らないのだが⁉️ナノ、微粒子過ぎて、化粧コンパクトパウダーだが、、きちんと閉め
文庫本の値段も随分高くなっていてびっくり。著者には敬意感じながらも怯んでいる。旦那がTSUTAYAに行きたいというので行った。本人は、我慢して買わず。わたしが6冊チョイスして、結局2冊購入した。杉浦日向子のベストセラーエッセイ→ページを捲ると、、何故に江戸時代に執着しているか問われると困惑すると有り。杉浦日向子氏というと江戸と結び付く気はしていたが、過去に、絵柄入った文庫本1冊読んだだけ。内容憶えてない。お風呂だけぼんやりと記憶にある。惜しくも他界されている。椎名誠の『この道を何処までも行くん
作家の池澤夏樹が海軍に務めた大叔父の生涯を基にして新作『また会う日まで』を3月7日に刊行した。主役の秋吉利雄(1892年生)は海軍で日食を観測したり、水路部で海図を作成したりした。朝日新聞朝刊に2020年8月から2022年1月まで連載。キリスト者で海軍兵学校、海軍大学校に学び、東京帝大で天文学を専攻し、大戦期には海軍の水路部(現・海上保安庁)に奉職。南洋諸島トラック諸島近くのローソップ島で1934年に皆既日食を観測して報道陣に騒がれた。敗戦後の著作に『航海天文学の研究』(絶版)がある。池澤
朝からまるで霧がたちこめているような春の空を見あげてしばし佇む。過日親しい友と話をしていて池澤夏樹の名前が出てきたので久しぶりに手元にある詩集を繙いてみたくなった。湧きあがるのが己(おれ)だ空充すのが己だ天の境万象以前ここにかしこにわたる霧々混じりあいほの光れども己だけがあるどこか時なくところなく闇の冷々押しあいくぐもる広大無辺ただに己だけが湧くあるいはむらむらと熱い雲々八方から寄せようまた己くさぐさ並び立ってよばわろうともみな己の声聞く耳
すばらしい新世界(中公文庫)/池澤夏樹電力発電のための風車を建設する技術者の男は、環境問題をテーマにする一般向けの小冊子の記者をする妻から、チベットの山奥に小出力の風車の設置を計画する団体があることを知らされる。一企業の会社員として大型の風車の誘致に向けて奔走していた男は、車が辿りつけない山奥でも設置ができる小型の風車に興味を持ち、途上国に電気を普及させようと上司に売り込みを図る。男は会社の支援を受けて単身チベットに向かい、その地でチベットの国民の自立に取り組む日本の団体を知
それでは#架空書店230220⑤👋🏻また会う日まで池澤夏樹また会う日まで[池澤夏樹]楽天市場3,960円#予約受付中#新刊#読書好きな人と繋がりたい#本#予約#読書垢#架空書店の本棚#230307on#また会う日まで#池澤夏樹#朝日新聞出版【架空書店本店】https://kakuushoten.com/
2月ハワイのカワラ版はハワイの小説です🍀2月のハワイカワラ版近藤純夫2月のカワラ版今月はハワイの小説と題し、片岡義男やよしもとばなな、池澤夏樹など日本の作家を紹介しました。ハワイの空気をより深く味わいたくなったら手に取ってみてください。www.facebook.com
2022年9月以前暮らしていた北大東島に遊びに来た9月でもまだまだ夏本番の暑さ何をするわけでもなく、よんな〜よんな〜で海岸沿いをドライブ沖縄県最東端の碑がある沖縄海を散策岩場から生える植物たちの生命力岩場を歩きながら、ふと顔を上げるとうさぎ雲もううすぐ十五夜だし、お月見しているみたいで愛おしく思えた自然はときどきこんなサプライズな景色を見せてくれるから本当に面白いうさぎ雲のアップ帰り際に見つけた岩が赤鬼
■桃太郎と教科書ー知的な反抗精神持ってー新聞記事の切り抜きが目に留まりました。池澤夏樹が自身の書いた文章について考察しています。ーー日本人の(略)心性を最もよく表現している物語は何か。ぼくはそれは「桃太郎」だと思う。一方的な征伐の話だ。鬼は最初から鬼と規定されているのであって、桃太郎一族に害をなしたわけではない。しかも桃太郎と一緒に行くのは友人でも同士でもなくて、黍団子というあやしげな給料で雇われた傭兵なのだ。更に言えば、彼らはすべて士官である桃太郎よりも劣る人間以下の兵卒として(略)
『エレニの帰郷』TheDustofTimeΗσκόνητουχρόνο映画トーキー125分カラー2008年11月22日ギリシャ公開平成二十六年(2014年)一月二十五日日本封切製作国ギリシアドイツカナダロシア製作言語英語製作会社テオ・アンゲロプロスフィルム製作フィービー・エコノモプロス脚本テオ・アンゲロプロス脚本協力トニーノ・グエッラペトロス・マルカリス音楽エレニ・カラインドルー撮影アン
最近読書が好きなのでコロナ以降約3年ぶりになる図書館に行ってみました。読書用の椅子の間隔も広く取ってありいろいろ配慮されていましたよ。以前より空いているようにも感じました。借りて来たのはこれ↓ブルガーコフの「巨匠とマルガリータ」は以前河出書房の池澤夏樹世界文学全集で読みましたがこれは岩波文庫だし訳が違うのかなと思いちょうど上下揃っていたので借りてみました。…後で確認したら同じ訳者でしたが💦もう1冊は何の予備知識もなく返却コーナーで目に付いたのを手
のりものづくし(中公文庫)/池澤夏樹著者の幼児体験から始まって、これまでの人生の中で乗って来た様々な乗り物について書き綴ったエッセイ集です。バス、タクシー、列車、飛行機、船だけでなく、市電やカヤック、自転車、ケーブルカーからロバまで、その種類は多岐にわたります。乗り物を移動の道具として世界中を旅してきた中で、それにまつわる著者の体験などを絡めながら面白おかしく読ませてくれます。著者の書くエッセイは時事や政治にまつわるものも多いですが、こういった力を抜いた読み物的なエッセイも魅
年末年始、カレンダーの並びが悪い~。6日しか休みがない。サラリーマン課長は、ここしか休めないのにそのうち二日間は酔ってたし🍶本は読めず。でも、7冊だけ読んだよ~。1️⃣平野啓一郎さん私とは何か「個人」から「分人」へ(講談社現代新書)Amazon(アマゾン)770円個人単位よりもっと細かく、人っていうのは分けられるのではないかという提言。相手によって、自分っていうのは変わるけど、そのどれもが自分だし、一つでなくて良いんじゃないか?悩んでるのは自分の中の一部分
〈文春砲〉などという造語がまだない頃、「週刊文春」をよく読んでおり、週替りの執筆者による書評欄を楽しみにしていた。池澤夏樹が担当回の文章は、痺れるほどカッコよかった。初めて触れた池澤の書評は2003年刊行の書籍「朗読者」であるから、もう20年ほど前になる。その文章に驚き、他の雑誌を購入してそこに掲載された他の方が書いた書評と読み比べてみたほど、彼の文章は素晴らしかった。そんな池澤夏樹の芥川賞受賞作である「スティル・ライフ」。おそらく誰もが感じる〈理系の匂いに満ちた〉文章。使われている単語が
今更ですが、サンテグジュペリの『星の王子さま』を読みました。今迄、一度も読んだことがなかったし、これからも読むこともないはずでしたが、来年2月に森山開次さんが、びわ湖ホールでこの作品をダンスで表現する公演(★)を、いつもコンサートに一緒に行く地元の幼馴染みと観ることにしたので、やっぱりどんな話なのか予習をしておこうと思ったからです。*表紙の写真はネットからお借りしましたamazonでは以下のように、内容、著者、訳者が紹介されています。内容(「BOOK」データベースより)沙漠の真っ只
セーヌの川辺(集英社文庫)/池澤夏樹'05年にフランスに移住した著者が、異国で過ごした間に感じてきた日本への想いについて、'06年から2年半の間に文芸誌に連載したエッセイ集で、異国にいることで気がついた日仏の文化や政治の違いや当時の時事的な話題などをまとめたものです。ちょっと難しくて政治的な話題でも、著者の抑制された文章によってとても読みやすく書かれていて、世界中で勃発するさまざまな問題が身近に感じられます。著者の書く小説も面白いですが、個人の意見を伝えるエッセイをとても興味
『JETSTREAM』作家が描く世界への旅。今週は、『ジェットストリームインハワイ』。作家・池澤夏樹の小説『カイマナヒラの家』には、ハワイイに暮らすロコたちが、生き生きと描かれている。今日は、ダイヤモンドヘッドの麓にある家で、ウィンドサーファーのミッキーが、ハワイイの波と風を語る一編。「ウィンド・サーファー」〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ジェニーのボーイフレンドのミッキーとは、あまり話をした事がなかった。彼はいつもマウイにいて、時折、カイマナヒラの家に帰ってくる。
『JETSTREAM』作家が描く世界への旅。今週は、『ジェットストリームインハワイ』。作家・池澤夏樹の小説『カイマナヒラの家』より、一部編集してお送りしています。今夜はその第4夜。爽やかなハワイイの海風を受ける家に暮らす、サーファーのロビン、ジェニー、サムの3人と主人公は、夕闇のレストランで語らい続ける。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜その晩行ったのは、気取らないイタリア料理の店だった。3種類のパスタと、1種類のリゾットを取って、みんなで分けて食べている時、僕は尋ね
『JETSTREAM』作家が描く世界への旅。今週は、『ジェットストリームインハワイ』。作家・池澤夏樹の小説『カイマナヒラの家』より、一部編集してお送りしています。今夜はその第3夜。主人公が、ワイキキの沖で出会った青年ロビンは、伝統的なハワイ建築の広大な家に、ジェニーとサムの3人で住んでいた。庭から、ダイヤモンドヘッドが見える、家だった。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ハワイイの名門アレグザンダー家が、1930年頃、当時ハワイイで一番の建築家と言われた、チャールズ・デ
『JETSTREAM』作家が描く世界への旅。今週は、『ジェットストリームインハワイ』。作家・池澤夏樹の小説『カイマナヒラの家』より、一部編集してお送りしています。このカイマナヒラの家は、建築家チャールズ・ディッキーが設計し、実際にあった家が、舞台になっているという。今夜は、第2夜。ある日主人公は、ワイキキ沖の波間で、偶然知り合ったサーファーのロビンが暮らす家に招かれた。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「カイマナヒラの家」ロビンは、一度ホテルに戻った僕を、迎えに来て
『JETSTREAM』作家が描く世界への旅。今週は、『ジェットストリームインハワイ』。作家・池澤夏樹の小説『カイマナヒラの家』より、一部編集してお送りします。太平洋の真ん中に浮かぶ楽園、ハワイ。その自然と人々の暮らしに惹かれた、作家・池澤夏樹は島々を巡って、名著『ハワイイ紀行』を書いた。そして池澤は、小説でもその魅力を描いている。今日は、その第1夜。物語はワイキキ沖の波の上で、ロコの青年ロビンと出会うところから、始まる。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「全ての始