池澤夏樹

水俣病慰霊式公式確認68年毎年5月1日は水俣病慰霊式です。雨と寒さが心配されましたが、ちょうど良い加減の曇り具合の中、恙なく式は進行されました。今年は水俣病公式確認68年。あと2年で70年になろうというのに、未だ解決していません。国も県も謝罪を口にするものの、苦しんでいる人たちすべての救済には至っていません。そんな中、毎年、水俣の未来は明るいかもしれない、と思わせてもらえるのが、小学…www.gasshodanminamata.meホームページの中で触れている「祝福」という合唱曲の詩

新潮社2015年11月発行193頁先に逝った人への哀悼に満ちた短編小説集「砂浜に坐り込んだ船」「苦麻の村」「上と下に腕を伸ばして鉛直に連なった猿たち」「大聖堂」「夢の中の夢の中の、」「イスファハーンの魔神」「監獄のバラード」「マウント・ボラダイルへの飛翔」今は死者となったかつての親友、東日本大震災で祖母を喪った少年、続く原発事故で故郷に戻れなくなった老人他に、死後の世界で出会った早世した姪、父の今わの際に見た不可思議な現象、現実社会に生きる男性が見る夢と、さらに

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いつもそばに置いておきたくなる大切な図録です。この展覧会は2019年に神奈川近代文学館で開催されたもの。懐かしい✩『中島敦展-魅せられた旅人の短い生涯』のちほど、が遅くなりました。やっと中島敦展の感想を書いてみます(ˊᵕˋ)9/29に行ってきました、神奈川近代文学館。入口から敦先生°˖✧まず先に、…ameblo.jpこの頃は横須賀に住んでいました。そして東京→横浜（いまここ）この図録はまず装丁が美しいです。敦先生の直筆が使われているのも最高です。「

２０１９年夏のブログです＊池澤夏樹さんの『双頭の船』（2015・新潮文庫）を読みました。この本も旭川の本屋さんで見つけたもの。４年遅れの読書となりました。おもしろかったです。久しぶりにワクワクしながら読み進めました。不思議な物語です。東日本大震災のあとの東北地方が舞台ですが、おとなの童話のような、しかし、リアルなお話。生きているものと死するもの、記憶と追悼、祈りと希望、そして、土への郷愁。どれが正解ともいえず、正解がいくつもあるであろう人生の

２０１９年夏のブログです＊池澤夏樹さんの『春を恨んだりはしない－震災をめぐって考えたこと』（2016・中公文庫）を読みました。これも旭川の本屋さんで見つけました。３年遅れの読書。やはりボーッと過ごしていたなと反省です。２０１１年９月１１日発行の同名の単行本と「東北の土地の精霊」という「考える人」２０１２年春号（新潮社）に掲載されたエッセイからなります。単行本は震災後６か月での発行で、それまでの短い間の池澤さんの三陸各地の取材とボランティアの経験をもとに、鋭い

２０１９年夏のブログです＊池澤夏樹さんの『終わりと始まり』（2015・朝日文庫）を読みました。この本も旭川の本屋さんで見つけました。２０１５年の本ですから、４年遅れでの読書です。もともとは「朝日新聞」夕刊に２００９年から２０１３年にかけて連載されたエッセイです。ということは、２０１１年３月11日の東日本大震災をはさんでの激動の４年間です。しかし、文章は少しも古びていません。むしろ、新しさを増している印象を受けます。本の中で、当初は、普天間基地の問題やアメ

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スティルの意味を調べると「動かずに，静かに，じっと」だそうです。物語も無機質な静かな世界が広がるような感じ。音の全くない場所にいると音が聞こえる。よく静かな場面を「しぃーん」と言うような表現をしますが、まさに「しぃーん」と言う音を聞きながら読み進んで行く感じです。話の筋より、静かな言葉の流れを心地よく楽しむ、そんな本でした。芥川賞受賞の本書は"理系の村上春樹"と評する人いるらしいです。私も初めて読んだとき村上春樹さんを感じました。にほんブログ村ガーデニング初心者ラ

昨日は読書会の日でした。私が釧路ゆるゆる読書会に参加し始めたころは参加人数は、多い日でも十人に満たないくらいでしたが、去年の自粛期間が明けたあたりから次第に参加人数が増えてきて、今では３つのグループに分けなければ時間内に収まりきらないくらいになっています。昨日も会が始まるころまでに次第に人数が集まっていったので３グループに分けられ、私は６人の中で進行役を仰せつかりました。その中で紹介された本は、「ともぐい」／河﨑秋子これは私が紹介した作品です。以前に読書会の仲間の一人から貸していただいて

読んでいて身体の中を静かに流れていくような小説。ヘルシンキ、パリ、メキシコ、バリ、アマゾネス、沖縄。それぞれの地で何でもない日常を切り取って書かれた短編小説。大きな出来事もなくただただ静かに流れていく。そういう小説は退屈、つまらないという人も多いと思うけど。心地よいと思う人もる。私はその時の気分でどちらにもなります。この本「きみのためのバラ」はたぶん20年前くらいに買って読まずにずっと本箱に入れっぱなしでした。それはどうしても読む気にならなかったからです。そん

昔のサーファーは海に行って波乗りを楽しむのはもちろんですが、ハワイや西海岸からサーフィンとともに入ってきた、自然を愛し、体制から距離を置くというライフスタイルに憧れていました😃🏄‍♂️🌊「いちご白書をもう一度」の歌詞のように、就職して髪を切ってスーツにネクタイで、満員電車に揺られて、楽しくもない会社に勤めることがどうしても出来ない連中がほとんどでした😭私も、大学を卒業しても就職せずに、先輩に紹介してもらったデザイン事務所でアルバイトをしながらサーフィンを続けていました。でも、平日でも波が立

ここに1冊の洋書（ページパーバック)がある。100ページほどの薄いものだ。古ぼけて日焼けしている。それもそのはず、1977.5.22に大阪梅田の紀伊國屋書店で買ったものだ。210円だった。社会人2年目のときだった。サン=テグジュペリの「THELITTLEPRINCE」だ。私は断捨離の肯定派でなにかとモノを捨てたがるが、幾度かの断捨離にもかかわらずこの本は生き延びてきた。心の片隅にいつか英語の勉強をしなければという思いがあったのだろうか。サラリーマンの日々の生活に追われついに勉強するこ

こんにちは。心の病を治療中のせなです。ブログはリハビリになっている気がして、難しいけど頑張っていますお題は雑談用の話題提供アプリから拝借しております。不死身になったら、最初は喜んだとしても、あとからじわじわ永遠の孤独を生きなければならない事実に気付いて、絶望するかな、と思います家族が、友人が、生まれては死に、生まれては死に、を未来永劫繰り返すことに、とても耐えられないと思います。池澤夏樹さんの『北への旅』（短編集『骨は珊瑚、目は真珠』文春文庫より）が、人類最後の1人が孤独に耐えられな

誰かが辛い思いをしている時に、何の助けもできないままただ共に辛く思う人がいる。そういう共感の力は即効性がないが、長い目で見ればずっと深いところで、被災者を支える。多くの人は「悶え神」ではない。できるのは義援金を送るくらいだが、わずかだが即効性があるはずである。

ガザで４，５歳に見える子が「弟が死んじゃった。弟と一緒にぼくも埋めて」着衣もさせずパレスチナの人たちを集めて銃で脅すイスラエル兵。麻酔なしの手術食べ物もなく餓死者が出ているというニュース、、、どのニュースも辛くて、目を覆いたくなるようなものばかりです。また、何の罪もない市民が亡くなっている時に、「難しい問題だ」とか「どっちもどっちだ」とか言われると悲しくなります。家族を亡くした子や子を失った親、希望のない瞳をしたパレスチナの方々が目の前にいても同じことが言えるのでしょ

骨は珊瑚、眼は真珠(文春文庫)Amazon（アマゾン）${EVENT_LABEL_01_TEXT}内容（「BOOK」データベースより）夢の中で、十二年に一度の沖縄・久高島の祭イザイホーに、巫女として参加している自分を見つける「眠る女」。亡くなった夫の骨を砕き海に撤く妻を、遠くからそっと見守る夫がやさしく語りかける「骨は珊瑚、眼は真珠」。さわやかに、そして心に深く届く言葉が紡ぎだす九つのものがたりを収録した秀作短篇集。池澤さんの作品についてはそんなに詳しいわ

池澤夏樹著「スティル・ライフ」1991年12月10日初版発行2020年3月30日28刷発行中公文庫<目次>「スティル・ライフ」「ヤー・チャイカ」解説須賀敦子元は1988年2月、中央公論社刊池澤さんは1945年7月7日生まれの現在78歳で、出身は両親の疎開先だった帯広市。加藤周一、中村真一郎らと共に文学研究グループ「マチネ・ポエティク」を結成したフランス文学者の福永武彦を父に持つ。母親の原條あき子もその同人だったが、1950年に離婚した後は母と共に東京に移ったとのこと

時間が空いてしまったので本日二回目のSTARBUCKS。ワン・モアコーヒーで。隣の本屋で池澤夏樹訳の古事記をかう。読みながら時間調整。ちょっと古い訳だが池澤夏樹さんは好きな作家なので。お父様の福永武彦さんも古典を翻案した小説書かれていたなあ。

池澤夏樹さんは1984年に『夏の朝の成層圏』でデビューした小説家です🆕✏️主な長編小説に『マシアス・ギリの失脚』、『花を運ぶ妹』等、短編小説集に『きみのためのバラ』等が有ります🌹📕そして池澤夏樹さんは1987年に『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞します✨🏆️自分もこの中編小説が池澤夏樹さんの作品の中で一番好きですね🥰ストーリーは主人公の「ぼく」がアルバイト先で出会った佐々井と言う男との交流を描いた物語です🧑‍🤝‍🧑実は佐々井はある会社の公金を横領した逃亡犯でした😵❗佐々井の申し出でぼくは佐々

「「科学する心」池澤夏樹著角川文庫」科学に関するエッセイ集です。「日時計と冪とプランク時代」ラプラスの魔物（僕は「ラプラスの悪魔」として知ってましたが・・）、大学生の頃だったかな？この概念を知った時は感動でした。宇宙は、決定論的ではなく、明日はわからないと言うことを知りました。「無限と永遠」「2014年、世界各国の国内総生産の合計は約77兆ドル。これに対して外国為替取引高は700兆ドルを超えた（p.52）」・・・大丈夫なんですかねぇ。「原子力、あるいは事象の一回性」

２０２０年１１月のブログです＊本棚を眺めていたら、池澤夏樹さんの小説『タマリンドの木』（1999・文春文庫）が目に入ったので、久しぶりに読みました。おそらく２０年ぶりくらい（池澤さん、ごめんなさい）。当然（？）、なかみは忘れていて、またまたどきどきしながら読みました。池澤さんにはめずらしく（？）すごい恋愛小説（池澤さん、ふたたびごめんなさい）。それもかなり純粋なおとなの恋愛小説です。６６歳のじーじでもどきどきしながら読みました。例によって、あらすじは書き

おはようございます１０月に入ってずいぶん涼しくなりましたね！今年のカレンダーもあと３枚に…残り３カ月大切に過ごしていきたいです。今月もよろしくお願いします古本市へ♪今回は、９月のお出かけ備忘録。わんことは別のわたしの趣味の世界ですが（←いつもながら・汗）よかったらご覧ください(*´∀｀)読書の秋…ということで古本市に出掛けてきました。会場はFURUYUCAMP（元富士小学校）近年は

写真・本橋成一光文社2003年1月初版1刷発行2003年3月4刷発行87頁2002年、池澤さんが写真家の本橋成一さんと共にイラクを訪れた時に見聞きした現地の様子や市民の生活ぶりをまとめたものです直接の目的は遺跡を見ること基本条件は池澤さん自身が企画した取材旅行で、行く場所、見るべきもの、話を聞く相手、全てご自分で決めたそうですテレビなどで知る他国の人々の暮らしぶりが偏った報道により色付けられていることが、よく分かりましたそれらを鵜呑みにしている自分に恥じ入る

＄＄世界文学を読みほどく(新潮選書)TankobonSoftcover池澤夏樹（著）世界文学を読みほどく(新潮選書)TankobonSoftcoverby池澤夏樹(著)＄解説池澤版『世界文学全集』は、ここから始まった!「世界が変われば小説は変わる」――稀代の読み手にして実作者が、『カラマーゾフの兄弟』『ハックルベリ・フィンの冒険』『百年の孤独』など10大傑作の面白さや世界との関わりを、21世紀の今に生きる人々に向けて語り尽くす。ロングセラーの京大連続講義

『YAMAP春山氏と成田先生の『教育の場としての自然』』先日、息子のインターの後輩さんの保護者様からご連絡をいただきました。・クラスに嫌な子がいる、・学校TOPの先生方４名と話したが学校はクラス替えに応じてく…ameblo.jpこちらの方がわかりやすいかもです。池澤夏樹×YAMAP春山慶彦｜写真家・星野道夫が遺したメッセージまずは知りましょう、見ましょう、何が違うかっていうと、自然界ってのはある意味厳しいんですよ容赦ないで、その容赦

これを書いた池澤夏樹さんは、沖縄にも精通している作家さん。「沖縄いろいろ辞典」とかにも関わっていたんだなあ！そんなことさえ忘れてしまってたけど、よみがえってきた。ふと、この文庫本がめぐってきたのです。この短編集の中に、「レシタションのはじまり」という話があって、とっても衝撃的だった。ホモサピエンスは、「ンクンレ」というメロディー？を唱えると、欲望や闘争意識が消え去り、宇宙に対して畏怖の念をいだき、己を正しく律するようになった、という、文明的な進化をとげた。という

急きょ用事ができたので、先週の火曜日の午後からお休みを取って札幌に帰っていました。今回はなかなか自由にできる時間が取れなかったのでブックオフに寄ることができないかなと思いましたが、２軒ばかり覗くことができて本を４冊買ってきました。１冊目は、桐野夏生著「ハピネス」（光文社文庫）です。女性のハードボイルド作家による人間模様を描いたサスペンス作品です。ハピネス(光文社文庫)/桐野夏生２冊目は、まさきとしか著「祝福の子供」（幻冬舎文庫）です。ちょっと気にな

紫式部「源氏物語上」角田光代訳池澤夏樹さん個人編集の日本文学全集に収められている源氏物語。訳は角田光代さん。この全集には古典が多く選ばれていて、その現代語訳されている方々が非常にユニークです。この角田さん訳の源氏物語は、光源氏の話ことばが非常に現代語で、高校の時の古典で習った尊敬語など、どこいったのかっていうほど読みやすい。ここで語られる光源氏のナンパはハンパでないことがよくわかりました

2023年6月23日に池澤夏樹「古事記ワールド案内図」を読了しました前に「個人編集日本文学全集01古事記」を買って、家で時々読んでいたのですが、途中で完全にストップ。この本を見つけて、とりあえず買っていたのですが、石見神楽を観て、またまた古事記熱が再燃。作家・詩人なので、着眼点など学者と違って楽しい。めっちゃおススメです。特に、第四章や、他にも第七章や第八章。第二章を読みながら、「女ことばってなんなのかしら？」にあった、日本語は主語がないという話を思い出しました。【「生る」は日本