「あなたがおっしゃるのは、私が言うところの上の農民のことでしょう。上中の農民は行いが良くなかったりすると、家を混乱させその村を混乱させることをやらかし、地頭様の厄介になることもある。下の農民たちは、ただ働くだけであって驕るようなことをしないので教えなくても、自らの驕りは出てこないものです。まず、上の農民について述べていきます。そもそも上の農民というのは、その場所に長く住んで家柄もよく『それがしの末裔は』のようにいかめしく先祖を名乗り、広く玄関を構え、弓矢鉄砲を飾り、常に床の間には唐絵の掛け軸を三