ブログ記事63件
令和八年(2026年)八月十八日京都文化博物館『王将』(映画トーキー92分1948年10月18日封切製作大映京都脚本・監督伊藤大輔)鑑賞。将棋極道に徹した棋士・草履職人坂田三吉の情熱を探求する。妻小春と娘玉江の献身が語られる。仏壇・着物を売って将棋資金に変えてしまう三吉に悲憤を覚えつつ、将棋極道を歩む夫を支える。小春の母性愛は暖かい。坂田三吉/阪東妻三郎小春/水戸光子玉江/奈加テルコ三條美紀四人の名演が家族の絆を教えてくれた。スクリーン鑑賞は今日
同僚の敬子(水戸光子)が住むアパートに引っ越してきた菊子(田中絹代)。そして義次郎(笠智衆)が訪ねてくる。隣家の火事が原因で実家が燃えたと話し、叔父(河村黎吉)に相談するために上京してきたと言う。義次郎は叔父を頼るしかないと話すが、叔父は貸せるカネがないと言う。「ないものを無理にお願いしてもしょうがない」から帰ろうと菊子が兄に言うと怒り出す叔父。徹(徳大寺伸)に「捨てられ」「一人でうろうろ」している彼女のことを叔父が批判すると、かつて叔父は自分の父に無心していたではないかと菊子が言い返す。
昭和十四年の渋谷実による作品。前年の「母と子」で出世のために田中絹代が演じる専務の娘、知栄子との結婚を考える寺尾役だった佐分利信だが、ここでは菊子(田中絹代)を支える為藤を演じている。葉山正雄の出演。*****東京へ行きたいと言う菊子(田中絹代)だが、理由がわからないと反対する兄の義次郎(笠智衆)をなだめる妻の(若水絹子)は東京にいる徹(徳大寺伸)が理由ではないかと言う。菊子は、さみしくなると言う母(二葉かほる)に働くなら東京だと。徹が理由ではないと菊子は兄に言うが、義次郎は徹は「いい加減な
茅ヶ崎に引っ越してきたおりん(吉川満子)と知栄子(田中絹代)。知栄子は手伝いに来た寺尾(佐分利信)とオルガンを弾く。彼女は妾と妾の子をどう思っているのかと寺尾に問う。いまさら何を言うのかと寺尾。そして彼は、考吉(徳大寺伸)が女給を囲っているという噂が職場にあると言ってしまうのだ。寺尾、工藤(河村黎吉)、そして考吉のいずれも信用しきれないおりんの妹のおとよ(松井潤子)が姉に忠告するが、おりんは聞く耳を持たない。*****下宿のおばさん(高松栄子)に聞いたしげ子(水戸光子)が、どこに引っ越すの
これも渋谷実監督による作品(昭和十三年)。*****舞を稽古する知栄子(田中絹代)に母のおりん(吉川満子)から電話。その日は知栄子の誕生日で、「お父さま」も来ることになっていた。めずらしく咲いたリラの花を見て、今年はいいことがあるはずだとおりんは言う。やってきた知栄子の兄、考吉(徳大寺伸)は母に、忙しい「お父さま」は「来られたら来るって」。「お父さま」はさっぱり訪れず、母を不憫に思う知栄子だが、考吉は妾の子だから頻繁に来ることはできないし、両親のどちらの味方でもないと言う。さびしさが募る
渋谷実監督による初作品(昭和十二年)。同監督による「好人好日」と「てんやわんや」を見たが、痛快だったので他の作品も見ることにしたのだ。笠智衆がボクサー役!長唄の会で歌われているのは、どうやら「鶴亀」。*****美容体操に励むふみ子(岡村文子)だが、体重は減ってくれない。女中のお初(水戸光子)に痩せすぎだと言って八つ当たりする。お初はもう少しおいしいものがいただければいいのだがと言い返す。そんな言い草が気に食わないふみ子は、食事に太る薬でも入れているのかとさらに八つ当たり。夫の横山(斎藤達雄
トラックの荷台に乗せてもらう二人。「お前なしでは生きていけないんだ」と言って正(小沢栄太郎)が敏子(水戸光子)を抱き寄せようとしていると、巡回の警官。何事もなかったが、どうしてこんな人間になってしまったのかと正は頭を抱え、自分を見捨てないでくれと敏子に言う。いくつものトンネルを抜けて進むトラック。敏子は恍惚の表情になっていく。かわいがってやるし、もう悪事はしないと約束する正。敏子は自分も別れるのはつらいと言う。正はニヤり。*****熱海。敏子の正への不信と不安は消えていない。悪事を働いてき
木下惠介監督による昭和二十三年の作品。出演者と呼べるのは水戸光子と小沢栄太郎のみかな。「昭和二十三年三月」が英語字幕では"February,1947"になっている。*****舞台裏。町田正(小沢栄太郎)が踊り子の一人、林敏子(水戸光子)に、いまから箱根へ行くから、あすの始発で来いと命じるように言う。舞台があると言う敏子だが、「お前の役なんか、誰だってできるよ」と正。*****言われた通りに箱根湯本沢まで来た敏子。車内で見たのは三人組の強盗の新聞記事。正は始発に乗り遅れた彼女に不満。
半額だけを三田(佐野周二)に届けにきたおみつ(安西郷子)。彼が父親の病状をたずねると、おみつは宗教頼みだと言う。そこへおつぎ(川崎弘子)が部屋に来て、洋服を仕立て直したい客がいるとおみつに言うが、父は病気だとおみつ。それなら下請けに出せばいいとおつぎ。その客は野呂(多々良純)だった。おみつが部屋を出てから三田が読もうとするのはクローニンの「星は地上を見ている」。そして、野呂の部屋へ行ったおみつは、どうやら…。*****「ええ拾いもんした」と野呂が言っていたとおりか(水戸光子)が三田に言う。お
うわばみ(乙羽信子)から、「インチキもんはやめなはれ」と書いた紙とともに服地が三田(佐野周二)に届く。インチキ服地のことを仲介したおっさん(藤原釜足)が苦情を言いに行くと風呂場で三田の背中を流しながら言うと、自分が行くと三田。結局、二人で行くことになり、着いた先は「御うた教」と書かれた提灯がぶら下がる家だった。中では太鼓を叩きながらの南無妙法蓮華経。祈祷する者が踊る。病気らしい男(杉寛)。そして、おっさんがおみつ(安西郷子)に返金しろと迫ると、彼女は自分もだまされたのだから時間をくれと言う。
●美しき隣人(1940年)監督:大庭秀雄主な出演:水戸光子飯田蝶子笠智衆高倉彰大塚君代廣瀬徹三浦光子坂本武丸の内の大手企業で働く秋元邦子(水戸)は、兄・信夫(笠)の出征で独りぼっちになった母親(飯田)と暮らすため、会社を辞めて郷里の信州へと帰る。実家に到着するや否や、彼女の帰郷を聞きつけた幼なじみの青年・前田清(高倉)が駆けつけてくる。清は軍馬を育てる仕事に従事しており、邦子の家でも秋月という名の馬を育てている。“馬”という共通の仕事を通じ、互いの想いが一層募る
『雨月物語』1953年「朧ろな湯気の中に、純白の肌を沈めて男の肌をまさぐる美女ひとり!」上田秋成原作、溝口健二監督の幽霊話。『浦島太郎』、泉鏡花の『高野聖』、『耳なし芳一』を想起。演者がリアリティーに溢れていて良かった。特に、陶工の隣家の、侍になって出世しようとする男の妻役の水戸光子が、躍動的で身体に感情がたっぷり入っていると思った。水戸光子-Wikipedia戦乱と欲望に翻弄される人々が、幽玄な映像・音楽の中で描かれる。以下、基本Wikipediaの文に、
●母と子(1938年)監督:渋谷実主な出演:田中絹代佐分利信徳大寺伸吉川満子河村黎吉葛城文子水戸光子斎藤達夫松井潤子磯野秋雄葉山正雄おりん(吉川)は、工藤(河村)という男の妾であり、2人の間にできた娘の知栄子(田中)と暮らしている。おりんにはもう1人、知栄子の兄に当たる孝吉(徳大寺)という息子があるが、嫡子のいない工藤夫妻の家に息子として入り、工藤の会社で働いている。ある日、孝吉が久しぶりにおりん宅を訪ねたところ、「お父さん、かれこれ2カ月くらい来てくれ
小津安二郎監督お久しぶり、小津ワールドに浸りました。笠智衆さんこのとき38歳小津監督のもとではじめての主演作品。堀川周平(笠智衆)息子・良平(津田晴彦)金沢で中学教師をしている堀川周平は妻を亡くし男手ひとつで息子・良平を育てている。良平は小学六年生。「忘れ物はないか」朝のひととき服装から持ち物までこまかく注意し支度の合い間にいかにも教師らしく父「円の面積は?」良平「半径の二
(再レビュー)●花は偽らず(1941年)監督:大庭秀雄主な出演:高峰三枝子佐分利信徳大寺伸水戸光子葛城文子森川まさみ斎藤達夫大山健二岡本文子槇芙佐子大阪に住むカナ子(高峰)は母親(葛城)と共に、東京の大野木夫妻宅に招かれた。夫妻(大山・岡本)の狙いは、大野木氏の会社に勤める甥の舟木(徳大寺)とカナ子を引き合わせるため・・・つまり、お見合いである。そうとは知らず、カナ子と舟木は大野木宅で初対面する。ピアノでショパンの幻想即興曲を披露するカナ子だが、舟木のほうと言
五味川純平原作/山本薩夫監督による三部作で日活製作による戦争大河超大作の第二作目。当初は東京裁判までの四部作を予定していたが、制作費が膨らみ日活が経営悪化により日活ロマンポルノの”礎を築く”ことになった記念すべき作品。日中戦争の勃発から、主人公たちの運命が大きく変わっていく様子を描いている。抗日パルチザンや金日成の人物感は当時こんな感じだった。描かれている二・二六事件の始まりは大阪天満のゴーストップ。盧溝橋(日本軍が、夜間軍事演習中に中国軍から発砲があったとして、攻撃した)事件
五味川純平原作/山本薩夫監督による三部作で日活製作による戦争大河超大作の第二作目。当初は東京裁判までの四部作を予定していたが、制作費が膨らみ日活が経営悪化により日活ロマンポルノの”礎を築く”ことになった記念すべき作品。軍部の無能さと太平洋戦争突入までを描いてっるんだが、肝心なところで終わってる。今考えると惜しまれて仕方がない。最後まで完遂していれば歴史的超大作になったのに。精神力で数字を空気でふくらませる、これは今もやってる。民主主義の右側にいる人が得意やもんな。そして投降した
本日十二月十九日十八時三十分・二十二日十三時三十分・十七時、京都文化博物館フィルムシアターにおいて映画『王将』が上映される。坂田三吉が将棋に全てを賭ける。妻小春が献身的に支える。夫婦愛・家族愛物語の傑作である。『王将』昭和二十三年(1948年)十月十八日公開制作大映京都企画奥田久司原作北条秀司脚本伊藤大輔将棋指導舛田幸三撮影石本秀雄田中省三録音海原幸夫
ラピュタ阿佐ヶ谷昭和の銀幕に輝くヒロイン[第110弾]久我美子より製作:大映監督:市川崑脚本:和田夏十原作:京都伸夫撮影:武田千吉郎美術:西岡善信音楽:黛敏郎出演:久我美子森雅之水戸光子堀雄二伊藤雄之助津村悠子望月優子1952年12月23日公開大阪の郊外に住む鳥羽(森雅之)は、妻の近子と二人暮しをしています。鳥羽は大学の助教授を務める一方、名のある作家ではありませんが文芸雑誌に連載を持っています。近子夫人は新聞社の文化部の顧問をしていて、新聞の身の上
監督:溝口健二1953年公開原作:上田秋成『雨月物語』(1776年)所要時間:1時間37分本作は、江戸中期の歌人であり読本作家でもあった上田秋成が書いた、原作をもとにして制作された映画です。巨匠である溝口健二の手によって作られ、1953年に公開されています。内容としては、上田秋成『雨月物語』のなかの「浅茅が宿」「蛇性の婬」という2作と、モーパッサンの短編も加えて新しい物語を作り出しています。舞台は戦乱の世の日本。様々な人間の欲に圧倒されていた時代に生きた人々を
三遊亭圓朝の「真景累ヶ淵」から、豊志賀を翻案。踊りの師匠、若柳吉登世の家に警察に追われる男が逃げ込み、水だけ飲むと一息ついて出て行った。ある日、吉登世の弟子お久が熊本傳次郎の後援で派手な御披露目を行ったが、それには裏があった。お久の養父母は熊本に娘を売り飛ばす約束をしており、その夜には何処に連れて行かれる筈だった。ところがお久を乗せた車屋は勝手に吉登世の家の前に彼女を降ろし、そのままどこかに走り去った。車屋は吉登世の家に逃げ込んだ相良新吉という男で、熊本の手下にも関わ
●花咲く港(1943年)監督:木下恵介主な出演:小沢栄太郎上原謙水戸光子笠智衆東野英治郎東山千栄子坂本武槇芙佐子村瀬幸子大坂志郎木下恵介の初監督作品。舞台は鹿児島県のとある離島。かつてこの島に造船所の建設を計画した人物がいた。ある日突然、一通の手紙と共に、その人物の息子兄妹を名乗るペテン師2人(小沢・上原)がやって来た。父の遺志を継ぎ是非とも造船業を立ち上げたいということなのだが、実は、村人から資金を集め、適当なところでトンヅラしようという魂胆だ。
●秘話ノルマントン號事件仮面の舞踏(1943年)監督:佐々木啓祐主な出演:佐分利信徳大寺伸水戸光子桑野通子斎藤達夫葛城文子河野敏子葉山正雄三井秀男大久保晴子藤野秀夫吉川満子小沢栄太郎日本人乗客25名が犠牲となった明治19年のノルマントン号事件をきっかけに、イギリスとの不平等条約による領事裁判権への不満が民衆の間で一気に爆発した。事件の生き残りである中国人料理人・朱源章?の口を封じんと誘拐したイギリス人勢を追うのが、剣術士として巷に名を馳せる潤之助(
父と息子の優しくも悲しい物語。雑音が多くて、聞き取れない場面がいくつかある。映像も所々途切れている。妻と死別している堀川(笠智衆)は(旧制)中学校で数学を教えている。引率した修学旅行で生徒のひとりが亡くなってしまい、彼は生徒の命に責任を持たねばならない教師という職業を辞し、故郷の長野県上田市に戻る。まだ小学生の息子、良平(津田晴彦)もいっしょである。しかし、堀川は息子の進学費用のこともあって、彼を残して働くために東京へ行くことに決める。静かに涙する良平。いつの間にか、良平は仙台の帝大に進学し
戸田学の映画ごたく#70雨月物語監督溝口健二家・映画コラムニスト戸田学私が好きな映画に関係するあらゆるエピソード、俳優や監督、カメラマンなどなどさまざまな観点から切り取ったお話をくどくどと言いたてたいと思います。ブログ:戸田学の映画誌https://ameblo.jp/toda-eiga/Twitter:戸田学の映画誌@todaeigashiお仕事...youtu.be#戸田学#映画ごたく#白石忠義#雨月物語#溝口健二#宮川一夫#京マチ子#水戸光子#田
監督:野村浩将1938年公開原作:川口松太郎『愛染かつら』(1937年)所要時間:1時間29分本作は、とある男女の恋愛が実るまでを描く日本のメロドラマ。17歳のときに結婚して一子をもうけるも、その後夫と死に別れてしまい独身となった高石かつ枝は病院で看護師として働いていました。その病院長の令息である津村浩三と彼女が結ばれるまでの過程を描いた作品です。当時はまだ家柄や身分差というものがあり、この二人もそういったものに阻まれながらも惹かれ合っていくのです。当時はまだ携
●絹代の初戀(1940年)監督:野村浩将主な出演:田中絹代河野敏子佐分利信水戸光子河村黎吉坪内美子葛城文子吉川満子田中絹代さんが“絹代”という役名だから、作品のタイトルも『絹代の初戀』。初恋でなおかつ憧れの男性・昌一郎(佐分利)が、妹(河野)に惚れてプロポーズしたことにショックを隠せない絹代だが、母親代わりを自負し、妹に幸せになってもらいたい気持ちのほうがはるかに勝る。その複雑な思いを幼なじみののぶちゃん(水戸)に打ち明ける。方や、昌一郎に思いを寄せる芸者(坪内)は独
どうも。先制攻撃した側(イスラエル)を責めず、自衛権を行使して反撃した側(イラン)を責める国際社会(というか英米)は、小学校の学級会より不公正な場です。それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『花咲く港』です。舞台は南九州の、とある小島。15年前、その地に造船所を造ろうとして人々に尊敬されていた男の遺児を名乗る男がふたり、島にやってきた。兄弟を装うこのふたり、実はペテン師なのだが、あまりにも島の人々が善良過ぎることに、逆に戸惑いを隠せない。そんな折、太平洋戦争が勃発し……(木下
ひとつ前の当ブログで、有吉佐和子さんの小説を映画化した『私は忘れない』(1960堀内真直監督)のラスト近く、佐野周二さんの印象的な台詞に触れました。この映画は、八重山諸島の中のひとつ「黒島」が舞台です。山腹で子どもたちと一緒にいる教師・赤間君雄(小坂一也さん)の所に郵便配達夫が手紙を届けるところから始まります。手紙はしばらく前まで島にいた門万里子(中圭子さん。「第一回主演」とクレジットがついてます)からで、子どもたちが「読んで!読んで!」とせがみ、そこから映画は回想に入ります。若い教師の君
1981年に肝腫瘍のため62歳で死去した、女優の水戸光子さんを、趣味の姓名判断で、占ってみました。水戸さんには、苦労する事もある。家族縁や病難に注意。自我が強い。家庭運や人との不和に注意。成功するが、中年以降は何事も注意。といった暗示があります。引き続き水戸光子さんの本名、関場ミツ子さんを、趣味の姓名判断で、占ってみました。関場さんには、苦労や家族縁に注意だが、社交性がある。不和に注意すれば成功する。虚栄心や家庭運に注意。非難や浮き沈みに注意。不安定運。といった暗示があります。常盤英文