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こんにちは!今日無事にアルバムゲットすることができました(*´ω`*)初めて、CDショップにアルバム専用通路が作られていて、改めてたくさんの人が予約したんだな〜と思いながら、私が行ったときはすいていて助かりました︎💕︎💕初回盤2枚をゲット。もったいなくて、これが最後のアルバムかもしれないと思うと切ない気持ちになって、封を切らずにパッケージを眺めています。嵐さんの愛がたくさん詰まっている、これまでの全てのアルバムと、今回のベスト盤。大切に聴いていきたいです。読売新聞は、明日かな?ド
それから、おいらは再び施設長と警官に入ってもらって、きちんと説明した。島でニノと出会ったこと。島に家族がいて、この5年、ニノが行方知らずになっていたこと。警官が、身元照会しますと言って、警察署に戻って行き、ニノを施設に常駐する看護師に看てもらっている間に、島の二宮の家に電話を入れた。おばさんが、電話の向こうで泣いていた。おばさんは、5年前においらが人魚のおばあさんと出会ったことを知っていて、ニノが本当に姿を現したことに驚いていた。─じゃあ、本当に、本当に和也くんはこの世界に帰ってこれ
色の白い綺麗な腕が、着ているシャツから伸びていた。この暑い夏にはちょっとしんどそうな、力のない目で、おいらをチラッと見た。「すみません、彼、通報を受けて保護したんですが、何もわからない様子なんです。年齢も、どこから来たかも、全くわかりません。体調も心配だったのですが、この暑さと、病院よりこちらのほうが近かったので、少しこちらで調書を取らせていただいてよろしいでしょうか。」きびきびとした声で話す警官の言葉が、左の耳から右の耳に流れた気がした。抱っこしていたかなちゃんは、すやすやと規則正しい
5年という時間が、おいらの人生を大きく変えていた。「大野くん!かなちゃんがむずがってる!」「はい!今行きます!」職員室にいたおいらは、呼ばれて、急いでかなちゃんのいる部屋に向かった。ここは、東京。おいらは、高校卒業後、親父の漁を手伝うことを断念し、上京して働きながら専門学校を出て、養護施設に就職していた。「おーちゃぁん、おーちゃぁん!」わああああん、と泣いているかなちゃんに駆け寄った。「なんだー?どうした?怖い夢でも見たんか?」がしっと抱きついてきたかなちゃんは3歳。おいら
それは、見たことのない、綺麗な光景だった。抱きしめていたニノの体が、虹色に輝いたと思ったら、足からさらさらと、星の砂のように波に還っていくようだった。怖かった。何が起こってるのかわからなかった。ただただ、ニノが消えて失くなるということ。またおいらは、大切な、初めて恋した人を失おうとしていた。「ニノ、行くな!ニノーーーっ!!!」おいらの叫びは、虚しく波の音に紛れて消えていった。そして、何もなくなった。今まで、今この瞬間まで、この腕の中にいたのに。ニノの体は、キラキラと輝きながら
自分の部屋のカーテンから、月の光が薄く差し込んでいた。虹色の小瓶を、そっとその月の光にかざしてみた。この島の海岸で、飲んだそれと同じもの。いま、この薬を飲んだら、俺はどうなるんだろう。ひと思いに消えてしまえたら。海の泡になってしまえたら。「………っ。」小瓶を握りしめて、溢れる涙と戦っていた。大野さん。大野さん、大野さん。想いは、溢れ出る涙と同じように大きく膨らんでいた。しばらくじっとしていた後で、俺はゆっくりと部屋に背中を向けた。ドアを開け、階段を降りた。まだ深夜で、お
大野さんの突然の一言に、俺は言葉を失った。大野さんは、静かに続けた。「だって、お前のことが好きって気づいたのに、るみと付き合うことはできない。」でも……!その先の言葉が続かなくて、俺の頭は混乱した。嬉しいのか、悲しいのか、るみや相葉さんや翔さんの顔が交互に浮かんだ。るみは、ずっと大野さんを思い続けていたるみは……。「るみ、泣いてた。」また小さく笑った大野さん。痛いくらい、気持ちが伝わってきた。まだ、人間になって日は浅くても、ちゃんと芽生えた感情が、こんなにたくさんあるんだって
きっと、誰もが大野さんとるみのことを見守っている。今日一緒に帰ってくれた、相葉さんも翔さんも。クラスの皆んなも、島の人達も。俺と、大野さんの気持ちだけが、置き去りにされている。俺は、大野さんと気持ちが通じたのに、言わなければよかったと、思っていた。相葉さんと翔さんが家まで送ってくれて、夕飯もそこそこに、自分の部屋に上がった。バッグを机に置いたとき、ポケットに入れていた携帯が振動した。俺は、のろのろと携帯を取り出して、力なく画面をタップした。新着メールが1件。─ニノ、今日も学校、
防波堤の向こうで、波の音が聞こえた。この島どこにいても、波の音が聞こえる。それは時々、俺を海の底へとホームシックにさせた。「船が沈んだとき、心配して見に来たるみが、灯台の近くの岸に流れ着いてるおーちゃんを見つけて。他の友達は、いくら待っても、帰ってこなかった。」「雅紀、その話しは…。」遮った翔さんの腕を俺は掴んだ。大丈夫。知ってる。そう言うと、翔さんは驚いた顔をした。「知ってる?誰から?」聞かれて、大野さん、から。と、応えると、翔さんも相葉さんもびっくりした顔になった。「
相葉さんが、俺の肩にそっと手を乗せた。俺は、自分より背の高い相葉さんの顔を見上げた。「おーちゃん、なんだね、やっぱり。」やっぱり?俺が繰り返すと、相葉さんはちょっと悲しい笑顔になった。「ニノが、おーちゃん好きなんじゃないか、って思ってたんだけど、まさか恋愛対象として?」うん、と言えば、軽蔑されるのかなと思った。だけど、嘘はつけなかった。うん。頷いた俺に、相葉さんが、ふーってため息をついた。コートの中では、激しいボール争奪戦。バスケットボールは、結構激しいし、動きも速い。ド
8人しかいないのに、夜の学校は騒がしくて、そして楽しい。8人しかいないからこその楽しさもあった。男女関係なく、楽しく仲良くというこの環境は、少しだけ人魚の世界と似ている気がした。そう。何も、人間と人魚を区別することなんてない。俺は、俺の思うように、これからここで生きて行けばそれでいい。「智くん、ここ重要だって。」ふと、るみの声が聞こえて、俺は後ろを振り返った。授業中寝てる大野さんは、放課後にるみのノートを写すのが日課で。るみが、赤ペンでノートの一部を〇で囲んでるところだった。
それから、大野さんに手を引かれて、俺は二宮の家に戻った。玄関の引き戸をそっと開けたのに、お母さんはすぐに気づいて駆けつけてくれた。「和也くん!!」そう言って俺を抱きしめたお母さんは、温かくて優しい香りがした。繋いでいた手をそっと離した大野さんは、「海で、偶然会ったんです。それじゃ。」また、学校でな。大野さんの手が、俺の髪の毛をそっと撫でてくれて、玄関の向こうにいなくなった。お母さんは、ようやく腕を緩めると、「智くんと一緒でよかった。あなたが、海に帰らなくてよかった。」と、涙目
そうして、2人、見つめあって。自然と顔が近づいた。大野さんの唇が、俺の唇を塞いだ。この行為は、なに?俺は知らない。ただ、胸がなんだか、痛かった。ドキドキと、早く早く動いて、そのうち、「〜〜〜……!!」大野さんが目を開けて、唇を離した。ぷはーって、息を吐いた。「なに、お前、息止めてたんか!?」んふふふ、って大野さんが笑った。背中をゆっくり摩ってくれながら。俺は大野さんの胸を、両手をグーにして、ぽかぽか叩いた。なんで笑うの!?これ、なに?大野さんを見つめてそう言うと、
そうして、どれくらいの時間が経ったんだろう。大野さんは、俺を抱きしめたまま、何度も何度も俺の髪の毛を撫でていた。「おいらも、お前が…。」それから先の言葉は、出てこなかった。そして、「ニノ、足、疲れるだろ?あっちに座ろう。」って、手を引かれて、先日一緒に座った白い流木に並んで座った。ザザン。ザザザー。聞こえるのは、波の音だけ。見えるのは、たくさんの無数の星。そうだな。人間にならなければ、こんな世界があるなんて知らなかった。大野さんに出会わなければ、七夕、なんて言葉も、誰か
走って、走って。息を弾ませながらたどり着いた海は。真っ暗で、でも、寄せては返す波の音が大きく聞こえていた。砂浜に出て、履いていたサンダルを脱ぎ捨てて、波に足が触れるところまで歩いた。足首に冷たい海水が触れると、少し頭が冷える気がした。俺は、なんのために産まれてきたのだろう。せっかく海に、人魚に戻れたのに、また人間になって帰ってくるなんて、バカバカしいにもほどがある。そんなふうに思いながら、深く息を吐いた。その時、何かの気配がした。俺の中の何かがそれに反応した。横を見る。──
家に帰って、遅くなっても夕飯を作って待っててくれる、お母さん。俺の顔が、元気に見えなかったんだろうか。「何か、あった?」ダイニングテーブルを向かい合って座っていたお母さんが俺を呼んだ。動かしていた箸を休めて、俺はノートに書いた。大野さんに、とどかない。「届かない…?」お母さんは、困ったような顔をした。おれも、大野さんも、男だから。好きになっちゃいけなかった。だけど、大野さんがほしい。るみが、いるから、それができない。続けてそう書いたら、お母さんは、そうね、と言った。「好き
放課後。「じゃあね、ニノ。てかさ、よかったら今度、バスケ見学しない?」SHRが終わり先生が出て行くと、スポーツバッグを肩にかけた相葉さんに誘われた。今日は、日直。ノートにそう書いたら、「そうか、日直な?なら、また今度ね。翔ちゃん行こう?」「おう。」相葉さんと翔さんも仲がいい。「ちょ、俺も行くから待ってよ!」松本潤がその後を追って教室から出て行くと、俺は日直の仕事、ノートを書き始めた。「今日は二宮くんが日直?」時間割を書いていたら、後ろから肩を叩いた人がいた。るみだった。
それから。学校で、それまでほとんど接点のなかった大野さんが、いろいろと話しかけたりしてくれるようになった。俺は、少しも聞き逃さないように、必死でこの人の話すことを追いかけていた。「最近、おーちゃんとよく話してるね。」休み時間に、俺の後ろに座る相葉さんが肩を叩いた。相葉さんを振り返り、俺は頷いた。「おーちゃん、ちょっといろいろあって、あまり人と関わろうとしなくなってね?るみだけが、おーちゃんとずっと離れずにいたから、ニノが友達になって、嬉しいと思うよ?」るみ……。なんで、るみだけが
「ボート、は、船。船はわかる?」聞かれて、俺は頷いた。ふね。人魚姫の絵本で出てきた。人間が、海を渡るための道具。「素人の修理だったから、しばらくは漕いでいられたんだけど、そのうち、座ってるところからどんどん海水が入ってきて。」そして。「必死に水を汲んで出してたその船が、一瞬でひっくり返った。みんなでその船に掴まってたんだけど、船がどんどん沈んでいく。夜だったから、辺りには誰もいない。叫んでも助けはこない。怖くて怖くて、1人、また1人と真っ暗な海に沈んでいった。手を伸ばしても、そいつ
翌朝。カーテンの向こうから、明るい光が差し込むので目が覚めた。足の痛みは、本当に消えていた。ゆっくりと体を起こして、2本の足を見つめた。疲れると、痛くなる。また一つ、勉強になったと思いながら、ベッドから降りて、着替えると部屋を出た。階段をゆっくり降りると、お母さんはもう起きていて、台所で朝ごはんを作っていた。その肩を、とんとんと叩くと、「あら、おはよう。もう大丈夫そうね?」お母さんがふふ、っと笑いかけた。うみ、いってくる。口の動きでお母さんが読み取り、「気をつけてね。あま
いまは休みたい。足がいたい。ノートに書いた俺の顔をじっと見て、大野さんはふいっと俺から視線を反らした。「わかった。明日また、学校で。」そう言うと、制服の上から優しく俺の膝を撫でた。「痛いときは、言えよ?遠慮すんな?」優しくそう言われて、俺はこくんと頷いた。「じゃあな。」片手を挙げて、大野さんが俺に背を向けてドアを閉めた。トントントントン。階段を降りる、足音。不意に襲う淋しさに、布団をぎゅっと握りしめた。仰向けに寝て、両手を目の上で交差させた。それから、階下から何か話してる
放課後。足の痛みはかなりひどくなっていた。引きずるように歩いて階段を降りて靴箱に向かう。働きながら学校に通うだけでもすごいのに、相葉さんや翔さんはバスケ部も作ってる。だから、帰りはいつも1人だった。靴箱に着いたときは、倒れ込みそうにバランスを崩し、靴箱に手をかけて踏ん張った。どうしよう。歩いて帰れそうもない。家にLINEを送るか?制服のズボンに突っ込んでた携帯を取り出したところで、「……!!」ガタン!と床に敷いてあるすのこにくずおれるように倒れ込んだ。カシャンと携帯がその
「おいら、ねみー。」ふわあって大きな口を開けて欠伸するのを見ていた。大野智。俺があの日、あの海で助けた人間。学校に入って、この教室に入って、大野さんの顔を見た瞬間は、心の臓が止まりそうになった。もちろん、大野さんは俺のことを覚えていない。あの日、どうしてあの海で溺れていたのかも、助けて、と言った誰かが、どうなったのかも、知らない。ただ、クラスメイトとして、普通に接してくれる。絵を描くことと、ダンスが好きな大野さん。「今日は何してたの。」今日は遅れてきて、さっきの授業中から爆睡
「ねぇ、何読んでるの?」トントン、と肩を叩かれて、俺は後ろの席を振り返った。口の動きで、なんとなく言ってることを理解すると、俺は呼んでいた大きな絵本を見せた。「え?人魚姫?」後ろの席に座ってるのは男子生徒。俺は、肌身離さずになったノートとペンをとり、やっとよみおわった。たどたどしい平仮名でそう書いた。「やっと?絵本なのに?」面白そうに聞いてくる。至極真面目にうなづいた俺に、そいつが、にいっと笑った。「島は、慣れた?」聞かれて、俺は校舎から見える運動場と、その先を緩やかに下
次に目を開けたとき。辺りはすごく眩しかった。なんか、ふかふかしたものの上に寝ていた。まだ体が重いしだるい。起こすことができなくて、声を出そうとした。「………、…………。」だれか、きて。そう言ったつもりだった。あれ?変だ。「……!…!」あー!あー!出るはずの声が、出ない!そして一番心配なことに気づいた。足、足はどうなってる!?だけど、体が動かなかった。そのとき。カチャン。扉の開く音がした。「…和也くん!」入ってきたのは、女の、人間だった。「いいわ、無理しない