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「リツイート」による氏名表示権侵害を認定した事例▶令和2年7月21日最高裁判所第三小法廷[平成30(受)1412]前記事実関係等によれば,被上告人は,本件写真画像の隅に著作者名の表示として本件氏名表示部分を付していたが,本件各リツイート者が本件各リツイートによって本件リンク画像表示データを送信したことにより,本件各表示画像はトリミングされた形で表示されることになり本件氏名表示部分が表示されなくなったものである(なお,このような画像の表示の仕方は,ツイッターのシステムの仕様によるものである
「著作物の公衆への提供若しくは提示」(19条1項)の意義▶令和2年7月21日最高裁判所第三小法廷[平成30(受)1412]著作権法19条1項は,文言上その適用を,同法21条から27条までに規定する権利に係る著作物の利用により著作物の公衆への提供又は提示をする場合に限定していない。また,同法19条1項は,著作者と著作物との結び付きに係る人格的利益を保護するものであると解されるが,その趣旨は,上記権利の侵害となる著作物の利用を伴うか否かにかかわらず妥当する。そうすると,同項の「著作物の公衆へ
氏名表示権侵害(「読売新聞社会部」→「読売社会部C班」)を認定した事例▶平成26年9月12日東京地方裁判所[平成24(ワ)29975等](2)氏名表示権侵害について著作権法19条1項によれば,著作者は,その著作物の原作品に,又は著作物を利用するに当たって著作者名を表示するか否か,表示するとすればいかなる著作者名を表示するかを決定することができると解されるところ,前記及び証拠によれば,原告は,原書籍1及び2の出版に当たり,その著作者名を「読売新聞社会部」とすることに決定して表示した
氏名表示権侵害の成否につき、参考文献の記載だけでは足りないとした事例▶平成19年01月18日東京地方裁判所[平成18(ワ)10367](2)争点2-2(氏名表示権侵害の成否)についてア被告Bは,本件原著の二次的著作物である本件論文を公表する際,本件原著の共同著作者である原告に無断で,被告Bのみを本件論文の著作者であると表示したにすぎず,本件原著の共同著作者として原告の氏名を表示しなかったのであるから,原告の氏名表示権が侵害されたものと認められる。イ被告Bは,本件論文に本件記載が
【氏名表示権】著作権法第19条(1項,2項,3項)を解説します。3/3▶第2項の解説著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従って著作者名を表示することができます(2項)。どういうことかと言うと、著作者が別段の積極的な意思表示(例えば、それまで用いていたペンネームを変更したり、無名表示だったものを実名表示に切り替えたりすること)をしない限り、著作物の利用者がその著作物について「すでにその著作者が表示しているとこ
よく読まれています【氏名表示権】著作権法第19条(1項,2項,3項)を解説します。2/3▶第1項の解説(氏名表示権の意義)「氏名表示権」は、著作者が自己の著作物の著作者であることを主張するために、その著作物の原作品に又はその複製物に著作者名を表示するのか否か、表示するとしたら実名を表示するのか変名(ペンネーム・雅号など)を表示するのかを決定する権利(その二次的著作物における原著作物の著作者名の表示についても同様**)です。**(注)二次的著作物の公衆への提供又は提示に際
【氏名表示権】著作権法第19条(1項,2項,3項)を解説します。1/3著作権法第19条(氏名表示権):「1著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。2著作物を利用する者は、その著作者の別段の意思表示がない限り、その著作物につきすで
氏名表示権に消滅時効はあるか▶平成17年6月23日東京地方裁判所[平成15(ワ)13385]被告は,原告の氏名表示権に基づく請求権が,消滅時効ないし権利失効の原則により消滅しており,給付の訴えを提起してもその請求が認められないのであるから,確認の訴えが認められることはないと主張する。しかし,原告の氏名表示権に基づく請求権が,消滅時効ないし権利失効の原則により消滅していないことは,後記のとおりであり,被告の主張はその前提を欠き,理由がない。そもそも,著作者人格権は,著作者の一身に専属し,
氏名表示として「協力者」「参考文献の著者」では足りないとした事例▶平成25年03月14日東京地方裁判所[平成23(ワ)33071]原告の氏名表示権の侵害の成否について被告書籍の第3章は,原告の著作物又はこれを原著作物とする二次的著作物を含むところ,証拠によれば,被告らは,被告書籍の発行に際し,原告の同意を得ることなく,被告書籍に原告の氏名を著作者名として表示しなかったことが認められるから,被告らは,原告の氏名表示権を侵害するものと認められる。被告らは,被告書籍の参考文献欄等に原告の氏
氏名表示権の意義▶平成17年6月23日東京地方裁判所[平成15(ワ)13385]▶平成18年02月27日知的財産高等裁判所[平成17(ネ)10100等]氏名表示権(著作権法19条)については,公表権(同法18条)のように,著作者の同意があれば侵害の成立を阻却することを前提とする規定(同条2項)が設けられていないこと,著作者ではない者の実名等を表示した著作物の複製物を頒布する氏名表示権侵害行為については,公衆を欺くものとして刑事罰の対象となり得ることをも別途定めていること(同法121条)か
よく読まれていますテレビ番組エンドロールでの「参考文献X著『…』」の表示(氏名表示)が問題となった事例▶平成27年2月25日東京地方裁判所[平成25(ワ)15362]氏名表示権侵害の成否につき原告は,被告各番組において原作者として原告の氏名が表示されていないとして氏名表示権侵害を主張するところ,前記のとおり,被告各番組のエンドロールで,「参考文献X著『田沼意次主殿の税』」,「参考文献X著『開国愚直の宰相堀田正睦』」,「参考文献X著『調所笑左衛門薩摩藩経済官僚』」と表
Q著作者名を省略できる場合はないのですか。Aあります。著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができます(19条3項)。例えば、音楽をホテルのロビーなどでBGMとして利用する際の作曲家又は作詞家の氏名表示の省略(例えば、館内アナウンスの省略)が、典型的にはこれに当たると考えられます。この場合、著作者名を表示しなくても(省略しても)、氏名表示権の侵害とはな
Q「氏名表示権」とは何ですか?A氏名表示権とは、著作物の原作品や著作物(複製物)の公表の際に、実名や変名を著作者名として表示する、又は表示しないことを決定する権利のことです。氏名表示権(19条1項)は、著作者が有する著作者人格権の1つで、「その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利」のことです。「その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作
ニコニ・コモンズ(ニコニコ動画関連サービス)で公開した楽曲をユーチューブに投稿することが著作権侵害(著作者人格権侵害も含む)にあたるとして、プロバイダ責任制限法に基づき発信者情報の開示を求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和5.1.30)判決は、著作者人格権(氏名表示権)侵害を認めた。この判決で注目すべきことは、著作権法19条3項により氏名表示の省略が可能なものであったかである。まず、被告は、原告が本件ポータルサイトにおいて、本件楽曲の利用を広く許諾しており、氏名
今回は著作者に与えられる権利のひとつ『氏名表示権』について要注意です。これの2つめの関門氏名表示権は、著作者人格権に分類される権利の一つです。著作権法第19条(氏名表示権)著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。『著作物
(一社)日本音楽著作権協会(JASRAC)に提出した作品届の著作者欄に実名を記載しなかったことが著作者人格権侵害などにあたるとして、楽曲の著作者が音楽出版社に慰謝料を求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和4.6.24)判決は、著作者人格権(氏名表示権)侵害などを否定した。判決内容は以下のようになっている。原告は、著作者には自己の著作物の作品届に著作者として正しく記載される法的利益が認められるところ、被告が本件作品届を提出したことにより、本件作品に係る原告の著作者と
ツイッターに投稿した鉄道写真を改変しインスタグラムなどSNS(交流サイト)に転載することが著作権侵害(著作者人格権侵害も含む)にあたるとして、損害賠償(慰謝料も含む)を求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和4.4.15)判決は、著作者人格権(同一性保持権及び氏名表示権)侵害を認めた。この判決で注目すべきことは、氏名表示権についてである。被告は、原告写真1及び2には原告の著作権であることを示す原告のウォーターマークの表示はなく、被告がこれを削除したものではないし、
共同著作物である論文に氏名を表示しなかったことが著作者人格権侵害にあたるとして、共同著作者の1人が慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が知的財産高等裁判所であった。(知財高裁令和3.12.2)判決は、一審判決と同様、著作者人格権(氏名表示権)侵害などを否定した。判決内容は以下のようになっている。これらによると、被控訴人は、本件著作物に基づいて本件論文を作成すること及び本件論文の著作者として被控訴人の氏名のみを表示し、これをIAFORに送付して、そのような本件論文を本件ウェブサイト内に
写真共有サイト「filkr」(フリッカー)に投稿されたインドの世界遺産であるエローラ石窟群のカイラーナ寺院を撮影した写真をインターネット上で違法に転載されたことが著作権侵害にあたるとして、損害賠償などを求めた訴訟の判決が東京地方裁判所であった。(東京地裁令和2.12.23)判決は、著作権侵害及び著作者人格権侵害を認めるものであった。この判決で注目すべきことは、氏名表示権侵害の過失についてである。まず、被告は、本件写真を有形的に再製し、原告の氏名の著作者名として表示することなく、本件
Twitterに無断で投稿された写真が第三者のリツイートによって改変され著作者人格権を侵害されたとして、プロカメラマンがツイッター社にプロバイダ責任制限法に基づく発信者情報の開示を求めた訴訟の上告審判決が最高裁判所であった。(最判令和2.7.21)判決は、一、二審判決と同様、著作者人格権(氏名表示権)侵害を認め、リツイートした者の情報(メールアドレス)の開示を命じた。この判決で注目すべきことは、リツイートによる画像トリミングで氏名が表示されなくなったことは氏名表示権侵害になるかである
昨日、令和2年7月21日にリツィートに関する最高裁判決がありましたが、ある識者は最高裁判決が厳しすぎるというようなことをインターネット上のウェブサイトに寄稿しています。世の中には、毎日、ツィートやリツィートをしている人達もいるのですが、そのようなヘビーユーザーの観点からは、リツィートが著作権を侵害するという判決は厳しすぎるということになるのかもしれません。一方、私は毎日、ブログを執筆しているのですが、ツィートはしていませんし、そもそもツィッターアカウントもありません。多分、最高裁判事
最高裁判所第三小法廷は、今日、令和2年7月21日にツィッターのリツィートが著作権を侵害する旨を判示しましたが(平成30(受)1412)、結局のところ、知的財産高等裁判所の判決を追認しており、上告は棄却されています。写真家が自己の氏名を記載した花のデジタル写真をウェブサイトに掲載したところ、第三者が無断でこの写真をツィートし、更に、このツィートがリツィートされたのですが、リツィートのときに写真の端がトリミングされており、これに伴って、著作権者の氏名が削除されていました。著作権は著作者人
この記事は4727文字です。(読破予想時間:約11分15秒)■まえがき僕も以前は、曲のカバーを精力的にYouTubeにアップしてましたが、今は、それも長い間ストップしてます。『皆見つかさ・カバー曲動画一覧』この記事は560文字です。(読破予想時間:約1分20秒)◇『昭和カバー曲集/皆見つかさ』<皆見つかさのカバー全曲・再生リスト>※YouTubeへ移動しての再…ameblo.jp『YouTubeの更新が止まっている訳』この記事は6345文字です。(読破予想時間:約15分6