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「…で、なんで今まで教えねーんだよ。」斗真に連絡を取ると、会社を出たというから風間の店に誘った。病み上がり…というより、まだ微熱はあるかもしれないけれど、、酒は頼まず、体に良さげな野菜スープだけ頼んだ。「いや…だって、、翔くん聞かないから…」楠と斗真が幼なじみだという事実を今、、知った。…聞かないから…って、、聞くかよ普通。新しい秘書とおまえの関係性は?…って?聞かねーし。「…風磨がおまえの知り合いだって言ってはいたけど…プライベートな知り合いなんて思わ
苦しくて苦しくて息が出来ない駅まで走って、電車に飛び乗った。ハアハアハア…車内の人が私を見ている。落ち着いて落ち着いて…と自分に言い聞かせて…次第に呼吸が正常に戻ってきたから家に帰ることだけを考えた。今…他のことを考えたらまた苦しくなるから…今の私は…それを受け入れられないから┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈部屋に着き床にそのまま倒れ込む。「…好きなんだ」あの人も…私に言っていたその言葉をもう二度と信じないと誓ったはず…でも…あの
「…辞める理由は、、」「…」「…理由は話したくありません。更新を望まないだけです。」「望まない理由を聞いてるんだ。…オレの、せいか?」「……いえ。そんなことありません。それより、今の電話なんですが、生田部長が休日出勤していたら、人事部宛にメールがきたんだそうです。」それより…って、、辞める理由を話したがらず、強引に話題を変えた楠のことが気になったものの、楠の話を先に聞くことにした。「…うん?」「私と専務がホームセンターで買い物したり、専務のマンションに車で入ってくところの写
目が覚めた。…なんだか凄くスッキリしてた。熱はまだあるかな…でも大分下がってるだろう。ベッドサイドのテーブルに置かれた体温計に手を伸ばす。37.8℃びっくりするくらい下がってんじゃん。腹も減ってるし、、食欲があるってことか。よかった。これなら明日、仕事を休まずにすみそうだ。…楠、、は?もう帰った?時計を見たら16時を回っていた。立ち上がり廊下に出ると、丁度玄関の扉が開いた。「専務…体調はいかがですか?」「…ありがとう。大分いい。熱も7.8分まで下が
閉じられた瞳にホッとしている一緒にいてくれ……どうして専務は、そんなふうに言ってまるで好きな人をみるかのような瞳で私をみつめるのだろう…誰にでも…?無意識で…?体調が悪くて心細いから…?片思いしているヒトの……代わり?専務の顔を見つめながら心の中で聞いてみてももちろん答えは…返ってこない規則正しい寝息とともに、握られていた手が…自然と離れて…そっと、、寝室からでた。みなみとサクラは、仲良くケージの中で遊んでいた。その様子を手早
ピピピッ体温を測り終えたことを知らせる電子音がして、取り出し、見てみると…39.5℃はあ?ちょ、高すぎじゃね?こんな熱は……いつぶりだ?「…何度ですか?」楠に聞かれたが、素直に言ってもいいものか躊躇う。心配させるだけだし…低めに言ったほうが…そんなオレの気持ちを把握されてるかのように、手を差し出してきた…「…見せてください。」……仕方なく、、体温計を渡す。「……専務、、とりあえず寝室に。…歩けますか?」「ああ。。つーか、ホントにうつすと困るから、もう大丈夫だよ
……ん、、朝か…窓から差し込む日差しとにゃあにゃあ鳴く声で目が覚めた…あ、、何時だ?エサあげねーと。。薬も…起き上がろうとして、、頭がクラクラして…ベッドに再び横になる。ニノと電話で話した後、、随分……飲んで。意識を失いかけそうになりながら、ベッドまでフラフラ歩いて…そのまま眠ったんだ。胸のムカムカと割れるような頭の痛さに自己嫌悪に陥るけど…そうでもしなきゃ…考えたくないことばかり考えてしまうから…にゃあお〜にゃあお〜リビングにいる猫達
自宅に戻り、一番に猫達を見に行くと、2匹はベッドの中でくっついたまま眠っていた。…可愛い純粋にそう思う。…ただ、、仕事の時は長時間留守することになる。やはり…飼い主を探すべきだろう。写真を撮ってにのあいに貼ってもらうのが、一番効率良さそうだ。あの2人なら優しい飼い主をみつけてくれそうだから…窓から月明かりが差し込んでくる今しがた車の中で楠にしようとしたことを思い出す…楠にかわされなかったら…キス…しようとしたのか、、オレは…頬に触れようと
「…可愛いですね」子猫の寝顔を見ながら、楠が目を細めて言った。「…そうだな。」「…専務、、お礼を言わなければいけないのは私の方です。」楠は猫達を見つめたまま話し始めた。「…私は、、この子達をみつけても…どうしたらいいか迷うばかりで…今のマンションでは飼うことも出来ないし、、もし専務が来なければ…この子達をそのままにして…あの場を離れてしまったかもしれません…」「……それは違うと思う。」「えっ…」「車を運転してて、声が聞こえただけとはいえ、捨て猫に気付いたのに
病院に着き、薬のあげ方やこれからの治療のことを詳しく説明された。2匹は買ってきたキャリーバッグに入れ、楠に猫達と一緒に後部座席に座ってもらった。茶トラも大分元気になったのか、黒猫と一緒にニャーニャー元気に鳴いていた。楠がキャリーバッグの窓から中を見つめて柔らかな笑みを浮かべている…「…楠さ、遅いから申し訳ないんだけど、部屋に猫部屋セッティングするの…手伝ってもらっても…」「もちろん大丈夫です!」「…ごめん。ゆっくりメシ食ってないで、先に部屋に行ってやっておけばよか
アンティパストにシーザーサラダシーフードピザにペンネアラビアータサクサクと運ばれてくる『お任せ』に楠がびっくりした顔してる。一口食べれば更に「美味し!」って笑顔になった。ニノもそれに気づき「ん。ありがと。…今はイタリアンなのよ。相葉さんの気分が…ったく、なに対抗心燃やしてんだか…」「…イタリアンのお店よりも美味しいですよ。」「…相葉さんさ、ココはカフェだって言ってんのに、『食』に目覚めちゃってさ。和洋中、なんでもプロ並みよ。だから土曜だっていうのに
ホームセンターの中にあるペット用品売り場にいくと、多種多様なものが置いてあった。今までは目にしていてもまるで脳内に入ってこなかったモノたちが、急に興味深いモノに変貌するんだから人間なんて勝手な生き物なんだと思う。…棒の先にひも、、ひもの先にネズミがついてる?…釣竿みたいな…?なんだ?コレ?「猫じゃらしですよ、猫と遊ぶ時に使うんです。」楠がすかさず解説してくれる。「ほおー。じゃ、、コレは?」「…トイレの砂です。」「固まる…って、書いてあるぞ?」「…オシッコした部分が固
「…あがって。…適当に座ってて。」そう言って玄関を離れ着替えをする為にクローゼットのある部屋へ向かった。思ったより体が冷えていた。シャワーを浴びたかったが、楠が待っているのにそんなワケにはいかない。「専務!」楠がデカい声で呼んでくる。「なんだ〜」デカい声で返すと、「体が冷えてしまわれてませんか?シャワー浴びた方がいいと思います。私のことはお気になさらずに。」…と。よく気付く、立派な秘書さんだ。「わかった。そうする。ちょっと待っててくれ。」「は
病院での診察が終わった。元気のなかった子猫の方は夜まで預け治療をしてもらうことになった。元気な方の猫はワクチンやらノミの駆除検便や伝染病の検査まで一通りをすませた。「…人間みたいだな、、」ボソッと呟いたオレに、「今日から2人のお父さんですから、頑張って育ててくださいね。」と、院長である真崎先生に言われた。年齢はオレより少し上…位だろうか。猫達の飼い主を探す話をしていたが、「…櫻井さんが、飼うことになりそうな気がしますよ。」と、笑っていい、猫を飼ったことのないオ
ダンボールがあった場所の近くのコインパーキングに車を停めた。既に雨足は強くなってきていた。…しまった、、傘持ってねーし。けど…ドアを開け外へ飛び出した。…この雨から守ってやりたいただ…それだけだった。走ってダンボールが置かれていた場所へ行くと、誰か…が、その場所で自分が濡れるのも構わずにダンボールに傘をさしていた。ニャオーニャオーニャオーネコはさっきより激しく…目の前のその人に助けを求めるかのように鳴いていた。「…こまったな、、、」その人が、、呟くように
それから数日間なに事もなかったかのように、いつも通りの忙しい日常を過ごした。…いや、、本当はそうじゃない。楠に触れた…そして触れられたぬくもりが頭から体から…離れない。そしてそのままこの胸の中に…と、思った心はずっと、、楠を求めていた。専務室に2人でいる時…車内で2人でいる時…エレベーターで2人きりになった時…堪えきれない感情が溢れそうになって必死で自分自身を抑えつけた。こんな感情はただの欲求に過ぎない偽らざるをえない気持ちになんの意味
岡田社長の30周年のパーティー会場で、自社の営業部長とその秘書に会った。互いに軽く挨拶を交わしたが、すぐに別れた。いつもなら、得意分野の愛想笑いも…斜め後ろにいる楠のことばかり気にかかる。『オトコの匂いがしない』『翔さんのこと、意識してるみたい』『自分のことは見えなくなるけど、人の事はよくみえる。』ニノの言葉に頭の中で一生懸命反論してた。海外出張して一緒にいないから…オトコの匂いがしないんだろう?オレを意識してる?…ありえない。全くそんなこと感じたことない。自分
「溜め息ばっかついてると、幸せが逃げますよ?…翔さん。」「ん、、ああ。」「今度つくってあげますよ、、翔さんにも。」「…いらねーし!!」「んー。そうかな?…ホントは飲みたいくせに……なんか2人、、似てますよね。クククッ…」「え?」「え?」「クククッ…ほら。被っちゃってんじゃん。」楠と顔を見合わせ、お互いに首を傾げる…「フハハハハッ〜仕草までおなじよ、ふたり。」ニノが大口開けて笑うから、反論しようと口を開きかけた時、「お待たせ〜サンドイッチだよ〜」雅紀がス
✱TheRose第1章のラスト、「梨恵」と安斎が『にのあい』から帰った後に、櫻井専務来店しています。┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈『にのあい』のドアを開ける。ランチタイムを過ぎているからか、客はいなかった。「いらっしゃい。…翔さん。」ニノが明らかにいつもとは違う、、沈んだ声で言った。…菜月が、発ったからか?「…見送ってきた。無事に行ったよ。」「………あ、、ん。そう。。よかった。」…菜月のことじゃないのか?じゃあ…?「…そちらは?……あ、クスノキさんだね。二宮です。よろ
高速を降りて一般道に入ったのが分かった。「…この道沿いで大丈夫だ。店の近くにパーキングがある。」目を開けて、、楠に声をかけた。「はい。」思い切って単刀直入に言うことにした。「…楠さ、、腹減ってない?一緒に食いに行かないか?」「…いえ。大丈夫です。お気遣いくださりありがとうございます。」即答で断られるし。。「…コーヒー好きだったよな。そこの店、めちゃくちゃ美味くてさ。」「…専務。私は車で待っています。お気になさらずにゆっくりされてきてください。まだ時間は充分あ
【第1章82より続いてます】(お忘れの方はこちらから→TheRose82)┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈楠を『にのあい』に誘ういい口実が思い浮かばずにいた。何を言っても断られそうだ…ふと…楠と初めて出会った日のことを思い出した。もう8ヶ月位…経つか、、「専務の秘書はすぐに辞めてしまう」そんなことをいつからか社内で言われていた…秘書課からくる女性は何故かオレの秘書になると…数ヶ月、、早い者は数週間経つと皆辞表を提出してきた。それぞ
なんだかまた、砲弾が落とされましたね。そんな気はしてましたけど。今年いっぱい、次々と、予想してないことや予想したくないことが、次々と発表会されていくんじゃないかなと。もーさ、嵐が既婚グループになるんじゃないかなーなんて。そんな気さえしています。ライトな嵐ファンでいようかな。裏を探らず。プラベを見ようとせず。見えても気にせず。彼らの素を想像して楽しむのをやめる。素を(プラベを)想像しちゃうのがくせにになっちゃってるからさ。サラーッと、番組を楽しめばいいんだよね。誰の目線がー
1話前この部屋以外にもいくつかお部屋(ブログ)を持っています。ここも他と同様、妄想の、お部屋です。今は「いいね!」など閉じている状態です。どこからどう見ても高校生なのは、制服を着ているから分かるし、もっと言えば…その制服は私が今立っている場に、そびえ立つ学校の学生服なのだから高校生で、この学校の生徒なんだと思う。自分が見惚れている事は理解しても、その理由は全くわからないのだが。理由の1つとして浮かぶのは、もうすぐ入学式が始まっるのに一向に動こうとしないから…なのかもしれない。でも、
コンビニで飲み物を買って、車に乗った。深い溜息をつく。できるなら、このまま帰ってしまいたかった。ニノに……会いたくなかった。結城の声が耳に残っている。「二宮先生、かっこいいですね」…か。結城まで…ニノがそんなに、カッコいいのかよ。いや、そりゃあね。カッコいいけどさ…。…ニノはダメだろ。麗香がいるんだし。好きになっても辛いだけだ。好きに……なった?いやいや、まさか…そんなわけない…よなオレは…なにをこんなに動揺してるんだ?なにをこんなにイライラしてる?結城が……
「はああ?何?どういうこと?」院長が益々、機嫌悪そうに二宮先生を見ながら言った。二宮先生は、そんなこと全く気にしない様子で、いや、院長の機嫌の悪さを楽しんでいるように私に笑顔を向けて「オレが駅まで送るって話してたんで。行こっか。ユウキちゃん♡」と、語尾にハートマークをつけたかのように言った。「…二宮先生、あの、本当に1人で大丈夫なんで。」「ダメだよ。こ~んな可愛い子を1人で帰してなんかあったら、大変だから。ね…翔さん。院長として、責任重大だよね。」「あ、でもいつも1人ですし。」「
勉強会の日早めに病院をでたのに、携帯をロッカーに忘れてきたことに途中で気付き、仕方なく病院に戻ることにした。病院に着くと、ちょうど、麗香先生が駐車場に車を停めていた。麗香先生とは、一緒に仕事をしたことはないが、たまに本院に遊びにきたり、難しい症例の患者を連れてきたりしていたので面識があった。私は誰にも分け隔てなく優しい麗香先生が、大好きだった。そして、凛としたその雰囲気に女性として憧れていた。「麗香先生、今晩は。」「今晩は……って、あれ?結城さん…だよね?どうしたの?」「今、こちら
翌日、結城は普段と何も変わらない様子で仕事をしていた。オレも普段通りに接していた。その日は、院内で眼科専門医の竹田先生を呼ぶ勉強会の日だった。勉強会には、獣医しか参加しない。結城も早めに帰宅させた。本院の獣医も何人かくるから、会えばなんと言われるかわからない。結城は困るだけだろう。オレの予想通り、勉強会にやってきた本院の獣医たちは、オレが聞くより先に苦情を訴えてきた。「翔先生、結城さん早く返してくださいよ。まだ、求人こないんですか?こっちも彼女いなくて困ってるんですよ。」「そうそ
スゲー旨そうに、オレが頼んだ大盛りラーメンを食べている。よっぽどお腹空かせてたんだな。そりゃもうこんな時間だし。…にしても、食うね。気持ちいいくらいにね。オレがあんまり見てたからか、急に照れた様に顔が赤くなった。「…院長も食べてください。…私、なにか変ですか?」「…いや、よく食うなって。」「な、ヒドイ。院長が大盛りにしたんじゃないですか。」「ん、でも、余裕で完食しそうですけど?」「…ここのラーメン、スッゴイ美味しいです。」「ん、スゲー旨そうに食ってるから、見てればわかる。」
ラーメンを食べた後、車に乗り込むと急激な眠気に襲われた。そんな私をみて、「駅まで15分位かかるから、少し寝てな。」と、院長が言ってくれた。そう言われても眠るつもりはなかった…けれど、お腹はいっぱいだし、疲れているし、ラーメン屋さんで、院長と沢山話していたら少し緊張がほぐれ気が緩んだ。それに院長の車は、いい匂いがする。車の芳香剤?ううん。そんな匂いじゃない。院長の匂い…爽やかないい匂い。男の人の…匂い…運転席の院長の横顔を気付かれないように、そっと見た。そして、ドキドキし
彼女の初日の勤務は残業になってしまった。もう10時を過ぎている。今やっと、診察時間終わり間際に立て続けにきた2件の急患の検査や処置、飼い主への説明が終わった。オレと彼女と獣医の近藤が残っていた。オレは着替えが終わり、近藤とどっかメシでも食いに行くかと話してた。近藤「それにしても、結城さん…凄い子ですよね。本院で3年やってただけあって、素晴らしい仕事ぶりにびっくりしましたよ。」翔「…いや、本院とか関係ないよ。あれはさ、彼女のやる気の問題だよ。」近藤「確かに。オレ、朝から感動しましたか