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読書ノートの262回めは、樋口有介さんの『風少女』(1990年発表。文庫版は創元推理文庫)です。電子本での読書。樋口さんは初読みの作家さん。推理小説畑の方ですが、青春ものが多いのかな。わたしより十歳くらい年上で、作家さんとしてはやや遅咲き。本作が二作目になります。本作のほか、『彼女はたぶん魔法を使う』『月への梯子』『ピース』などの作品を書かれています。風少女(創元推理文庫)[樋口有介]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}あらすじ。継父危篤の報を受けて東
2023年3月のブログです*またまた有介ワールドに浸ってしまった。樋口有介『11月そして12月』(2009・中公文庫)。マラソン女子とカメラマン志望の主人公の切ない恋愛物語。青春だなー。しかし、有介さんはうまいな、と思う。文章も物語も…。七十近いじーじが読んでしまうのだから、すごい。じーじもこんな恋愛をしてみたかったなあ、と思ってしまう。「きみに会ってから、毎日練習をしていた」「大人になることを?」どう?この会話。すごいでしょう?二人
2018年のブログです*佐伯一麦さんの『ショート・サーキット-佐伯一麦初期作品集』(2015・講談社文芸文庫)を読みました。またまた佐伯さんの小説で、このところ、じーじは(佐伯)一麦ワールドと(樋口)有介ワールドにハマってしまった感じです。佐伯さんが初期に書かれた小説から選ばれた作品集ですが、なかなか読み応えがあります。あらためて思ったのは、佐伯さんは文章がうまいな、ということ。丁寧で、美しい日本語です。誰が下手とはいいませんが(?)、佐伯さんの文章が
2018年のブログです*樋口有介さんの『横浜ではまだキスをしない』(2018・ハルキ文庫)を読みました。すごーく面白かったです。久しぶりに有介ワールドを堪能しました。じーじは樋口有介さんの小説が大好きですが、世間的にはどうなのでしょう。じーじにとっては、村上春樹さんと先日ご紹介をした東直己さん、そして、樋口有介さんの3人が現代日本の小説作家のベスト3ではないかとひそかに思っています。3人とも文章がうまいですし、お話は一見、軽妙ですが、なかみはかなり深いです
本屋大賞にもなったこの本は、読んだものと思っていました。窪美澄さんの「晴天の迷いクジラ」と混同していたみたいです💦一昨年の本屋大賞ですから、読んでいる方も多いでしょうし、ブログでも、複数の投稿を見ています。最近の話題本というのは、虐待、ネグレクトなどの親子間、家族間の問題を、テーマにしたものが多いですね。この本も、そういうお話しなのですが、だけど、何故か、明るい強さを、全編で、ずっと感じます。たぶん、お話しの冒頭から、主人公は、もう、そういう所からは、抜け
『ともだち』(樋口有介/中公文庫2002年8月15日初版印刷/2002年8月25日初版発行)。11月22日に読了。ブログ(アメブロ&ジュゲム)内を検索。富良野に住んでまもない2017年5月、「ブックオフ滝川店」での購入。既読本は29冊で2位・松岡圭祐(23冊)、3位・村上春樹(21冊)らを大きく引き離している。さらに、読書メーター登録(2009年1月)より前の既読本も多数あって、まさにダントツな樋口有介である。さて、本書。2015年7月(単行本/函館市中央図書館)以来
こちらも、初めての作家さん埼玉県北西部の田舎町元警察官のマスターと寡黙な青年が切り盛りするスナック「ラザロ」の周辺でひと月に二度もバラバラ殺人事件が発生した被害者は歯科医とラザロの女性ピアニストだと判明するが捜査は難航し、三人目の犠牲者が県警のベテラン刑事は被害者の右手にある特徴を発見するが…道端の花きょうも、皆さまとともに”いい日”でありますようにcorinpapa
2018年11月のブログです*またまた有介ワールドにひたってしまいました。樋口有介さんの『魔女』(2004・文春文庫)。久しぶりの再読です。女性はみんな魔なの女だ!という小説です(?)。まあ、半分は冗談ですが、半分は真実かもしれません(?)。女性は本当に怖いですよ。さて、本書、就職浪人中の青年と青年の元彼女の妹とのお話。元彼女の死因をめぐって、二人が活躍をします。彼女の妹というのが、不登校児なのですが、ある理由があってのことで、それがラ
2018年秋のブログです*なにか面白そうな小説はないかな?と本棚を眺めていたら、隅っこのほうに樋口有介さんの『雨の匂い』(2007・中公文庫)があったので、再読しました。2007年の本で、読むのはかなりしばらくぶりなので、たぶん2回目です。当然(?)なかみもほとんど忘れていたのですが、読んでみるととてもおもしろく、2日で読んでしまいました。少し暗い小説なので、60歳を過ぎた今のじーじにはちょうどいい小説なのですが、11年前のじには少し暗すぎて、本箱の隅に置いた
2021年夏のブログです*またまた樋口有介さんを読んでしまいました。本棚の横に積んであった『風少女』(1993・文春文庫)。だいぶ前の本です。年寄りのじーじがご紹介するのは少し恥ずかしかったのですが、とても面白かったので、ついパソコンに向かってしまいました。このところ有介ワールドにはまってしまっていて、ずっと読んでいるのですが、さすがに感想文を書けるのは、限られます。おそらくは、単に面白いだけでなく、生きることの切なさや哀しみが感じられるからではないかと思う
2021年8月のブログです*樋口有介さんの『八月の舟』(1999・ハルキ文庫)を久しぶりに読みました。何度か読んでいるのですが、感想文は初めて。高校生のやるせなさや切なさ、不安などが淡い恋と一緒にうまく描かれています。主人公は母子家庭で育つ男子高校生。高校生にしてはニヒルな人生観を持っていますが、好きな女の子にラブレターをうまく書けないでいて悩むという、高校生らしさ(?)もあります。例によってあらあすじはあえて書きませんが、不良の親友やその女友達、その
『プラスチック・ラブ』(樋口有介/創元推理文庫2009年6月26日初版)。5月20日に読了。2度目の函館時代、2016年12月に購入本の本書(2016年3月「くまざわ書店函館ポールスター店」での購入)を読了し、さらに2017年3月には函館市中央図書館から借りての読了で、今回が3度目。<青春私立探偵シリーズ番外編>とのことで表題作を含む8編を収録。著者いわく「短編は苦手」らしいが、なかなどうして、悪くない。高校2年生の素人探偵・木村時郎の5月から12月までを描いた8
樋口有介/捨て猫という名前の猫/東京創元社/1800円、2009年再録。昨年亡くなった作家の思い出が蘇り、パラパラと読みつつ次第に中に入り込む。時を忘れてしまう。やはり好きな作家、それも同じ時代の空気を吸ってきた感のある方が亡くなるのは辛いものだ。私の言うことなのでまったくあてには、出来ませんが、これは傑作、かも知れない。この作品は、最後の最後に「おお!」となるので、とっても怖い作品だ。詳しいことはまったく書けないので、まどろっこしいが、伏線が計算通りに読んでいる者に作用する
『プラスマイナスゼロ』(若竹七海/ポプラ文庫2019年7月5日第1刷発行)。4月23日に読了。2009年1月に「読書メーター」に登録してから、19冊目となる若竹七海。これは、樋口有介(28冊)、松岡圭祐(23冊)、村上春樹(21冊)に続き太田忠司とともに第5位の冊数である。むしろ、読書メーターに登録する以前の方が沢山読んでいた印象もあるので、(あくまでも私の極個人的な)生涯冊数としては樋口有介の首位を脅かす存在なのかもしれない。さて、本書。「2010年11月
2018年のブログです*樋口有介さんの『遠い国からきた少年』(2018・中公文庫)を読みました。またまた樋口有介さんの小説、このところ小説ばかり読んでいて、専門書はほとんどほったらかしで、反省の日々です。今回の小説は、弁護士事務所の美人シングルマザー調査員(本の帯には、美脚調査員とあります)が活躍をする推理小説。この美人シングルマザー調査員は、少女時代にある事件から女子少年院に入り、そこで産んだ息子を女手一つで育てているという設定。息子を食べさせるためなら汚
2019年夏のブログです*樋口有介さんの『少女の時間』(2019・創元推理文庫)を読みました。この本も旅先の旭川の本屋さんで買いました。久しぶりの有介ワールドです。そして、柚木草平シリーズの11冊目。あいかわらず、とても面白く、そして、少しもの哀しいです。樋口さんがめずらしく書いているあとがきに、重い内容だから、ユーもアを大切にしたい、とあるとおりですが、これは樋口さんのデビュー作から一貫している特徴だと思います。これこそが有介ワールドの真骨頂なのでしょ
1週間ちょっと前かな?無料のBS放送チャンネル“BS松竹東急”で「真夏の女子高生連続殺人」をやってたのでエアチェック…元々は1990年に土曜ワイド劇場で放送された2時間ドラマであり、BS松竹東急でも一度放送済みのリピート放送だったらしく“再放送”扱いになっていた…初回放送、完全に見落としてた。2021年に他界された樋口有介先生のデビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」の映像化作品。原作は読んでるけど、このドラマ版は見たことがなかった。ちなみに、同時期に原作タイトルと同じ、和久井映見主演の劇場映画版も
船宿たき川捕り物暦」を読む。初めての梅船宿たき川捕り物暦(祥伝社文庫)Amazon(アマゾン)46〜4,400円元白河藩士の真木倩一郎が、侍を捨て、目明し総元締め米造の二代目を継いだところで、前作は終了した。「船宿たき川」シリーズの二作目。米造が、八尾善の娘、お美代の不審死を調べるが、その裏に、田沼の関わりが見え隠れし始める。そんな時、手下の青次が何者かに斬られてしまう。怒りの炎を燃やす米造だが…。田沼との闘いが再び…、と思いきや、す
今日は一日とっても天気が良かったです(^_^)そんな穏やかに晴れていた標茶の町からお送りしています(^_^)毎度様です。ひらた家具店、三代目社長の平田修(おさむ)です(^_^)え~。数日前以前読んだ小説で、読み返したくなった作品があるってゆーお話をしました(^_^)その小説が樋口有介著「ピース」とゆー作品で、その時のお話が『社長、今ちょこちょこ読み返している小説について紹介しつつ思っていることをお話する、の巻(笑)』今
今日は一日悪い天気ではありませんでした(^_^)そんな雪かきからスタートしていた標茶の町からお送りしています(^_^)毎度様です。ひらた家具店、三代目社長の平田修(おさむ)です(^_^)え~。人によって以前にも読んでいるがもう一度読み返したくなる本ってゆーのが一冊や二冊あるものだと思うのです。…これは社長の勝手な妄想ですけどね(笑)んで。最近になって社長結末はなんとなく覚えてるけど、その過程がすっぽりと抜けているなって
先日もチラッと書いた樋口有介さんの、多分、一番新しい文庫本。柚木草平シリーズ18作目これで最後とは…切ない。
何日か前に、しばらく晴れ予報だったので久々に放置気味の自転車の掃除をして気休めの錆止めスプレーをしてヨシヨシと思ってたら台風接近と🌀しかも、元々台風接近の日は休みだったんで、ラッキーと思ってたら前日に急遽出る事にま、そんなもんよね。台風と言っても人は出歩いてて街は混んでる。人混みもうんざりなんで寄り道もせず、酷くなる前に帰って来たんで防水スプレーしたスニーカー(謎に片足だけ)とパンツの裾がグッショリになっただけで済んだけど。風がそうでもなかったからマシだったね。で、本題。
昨年10月、71歳で亡くなられてしまった小説家・推理作家の樋口有介さん。中年が主役のハードボイルド小説、40代半ばの頃よく読んでいたなぁ・・・◼️柚木草平シリーズ彼女はたぶん魔法を使う初恋よ、さよならのキスをしよう探偵は今夜も憂鬱プラスチック・ラブ刺青(タトゥー)白書夢の終わりとそのつづき不良少女(2007年11月創元推理文庫)捨て猫という名前の猫◼️木野塚佐平シリーズ木野塚探偵事務所だ木野塚佐平の挑戦3年前の断捨離時、これら文庫本すべてを処分してしまった😞
軽いタッチで重たい感情の起伏を流れるように語る。高校生木村くんの彼女と非日常的な出来事の物語90年代後半、社会人になって結婚もしていた自分には、まったく接触のない女子高生って、こんなだったかな?と戸惑う。プラスチック・ラブ(創元推理文庫)Amazon(アマゾン)47〜4,200円まったく誰にでも人生の波がやってくる。「その波には乗らなくていい」と見送るものもあるが、「これは乗っておかないといけない」という波がある。※個人的なメモ
『金魚鉢の夏』(樋口有介/新潮社2014年6月20日発行)。12月11日に読了。市立富良野図書館から借りた一冊。大好きな作家。単行本を買うことのほとんどない私だが、少なくとも文庫化された彼の本に関しては、ほぼ既読。樋口有介氏が10月23日に逝去されたことを知り、できれば未読本が読みたいと、図書館で見つけた数少ない未読本。「社会福祉の大胆な切り捨てで経済大国に返り咲いた近未来の日本」が舞台。樋口有介のお馴染みの文章を味わうことができた。“永遠の38
このミステリーがすごい!2022年版Amazon(アマゾン)675円今年も買うよねー。てな訳で、昨日購入してきた「このミステリーがすごい!2022年版」【国内編】はいつものように全滅。そして【海外編】ですが、今年はランキングに入っているのはあまり読めていなかったですね。しかしアンソニー・ホロヴィッツ、強し。まさかの4連覇。面白かったですが、さすがに1位では無いと思っていました。さて、とりあえず現時点で読了済みのものでランキングに入っていたのは以
気づけばもう12月…暑くてオイラが読書をする気にもなれなかった夏場は、なんかものすごく時間が長く感じた気もするんだけど、それこそ緊急事態宣言が解除され、ちょっとだけ“ゆとり”が出てからの数ヶ月は、なんかあっという間だった気がしないでもない。再び“オミクロン株”などという変異ウィルスの脅威が近づいているので、もう一度、初心に戻って、基本的な感染対策を忘れないようにしなきゃなと、気を引き締める。まぁ、オイラはクリスマスや正月に浮かれるような人間でもなく、一番気をつけなきゃいけないのは“映画館へ行
海泡(創元推理文庫)[樋口有介]価格:968円(税込、送料無料)(2021/11/30時点)ブックオフの古本110円で入手した、2018年6月発行の「海泡」を読了…残念ながら今年の10月に他界されてしまった、自分も大好きな樋口有介の青春ミステリー。もともとは2001年に中央公論新社の単行本として発刊され、その後に同社で文庫化もされているんだけど…著者の希望もあって、大幅に改稿を行ったのが本書だそうだ。巻末のあとがきによると、生前の著者も…マイベスト上位と語っていた。オリジナルの方は
別の方のブログを見ていたら、この本が取り上げられていた。もう随分前だが、この本が文庫版で出た時に即購入して即読み上げたことははっきり覚えている。あの頃はまだ読書力があった頃だからな‥‥。ただ、どんなストーリーでどんなオチであったかが、今となっては全く思い出せない。文庫版の帯に「ラストで明かされる真相を読めば、この表紙絵に隠されている驚くべき意味がわかるであろう」的なことが書かれており、実際最後まで読み上げた時には「なるほど、あれはそういう意味だったのか!そうきましたか!」