ブログ記事14,030件
おくみは錫杖を手にした坊様と共に小屋を出た。先程まで陽があったのに、今は曇り空になっている。それに加えて少し肌寒い。「イヤな雲行きになっちまいましたねぇ……」おくみは忌々しそうに空を見上げる。「さて……」坊様は左の袂から大きな数珠を取り出すと首に掛け、錫杖を地に突き立てた。それが済むと、地で座禅を組み、目を閉じて呼吸を整え、念仏を唱え始めた。決して大きな声ではないが、森中に流れて沁み渡って行くようだった。おくみも思わず聞き入ってしまう。念仏がしてしばらくし、小屋の中から人の
森を抜けて駅まで行ける幸せ哉。森チャージ完了。
「……お坊様、困っちまったねぇ……」おくみが弱々しい声で言う。お千加に憑いた森の主が去った後、お千加は急に高熱を発してしまったのだ。全身に汗が吹き出し、息も荒い。時々目を開けるが焦点が合っていない。おくみはお千加の額を滴る汗を持っていた手拭いで拭いている。藤島は自ら手を出さないが、傍らの壁に凭れて、お千加の様子を見ている。「これは森の主の力が強過ぎたため、その力で体力も気力も持って行かれたのじゃ」向こう側の囲炉裏端に座る坊様は言う。「このままでは命が危ういかもしれん……」「そんな事って…
ある森に秘密の泉があったそこは簡単には見つからない場所つらい思いの人だけがしぜんと辿り着くという泉は美しく澄んでいた見ていると瞳も綺麗になりそうなほどある日の午後一人の女の人が泉を見つけたひとくち泉の水を口にした時なんだか胸があたたかく泉の水は心へ届き寂しい気持ちもすっと消えてそして泉はほんのりエメラルド色に女の人はほほえみをうかべ幸せな気持ちで帰っていった森の心の泉はそのように来る人の心を癒したのでした(旧:
春のタペストリーやっとやっと完成しました作り始めたのは年末じゃなかったかなぁボタン、レースなどたくさんある在庫品を使っていろいろ足してみました♡ランキングに参加しています。ポチッと応援よろしくお願いします!!簡単に熱接着バイアステープが作れますクロバーテープメーカーW(ダブル)6mm幅/9mm幅/12mm幅/18mm幅/25mm幅楽天市場
☘️緑の館☘️緑の館[VHS]6,994円Amazon森の中に妖精のようなオードリー・ヘプバーンが現れます。とてもファンタジックな作品。ぜひご覧ください。20.5.15©︎lumiere-yuka記事、写真、内容の無断使用無断転載禁止
昼を過ぎている。一時ほど掛けて小屋の裏で仕込んだ串に刺した肉を両手に持って小屋に戻って来た坊様は、囲炉裏の灰に串を突き立てて焼き始めてた。脂が焼ける音と香ばしい香りが立つ。坊様は黙々と焼いている。「お坊様、相変わらず、呑気な事で……」おくみは呆れたように頭を振る。「こんな状況じゃ、いくら焼いて下さっても食べる気にはなりませんよ……」「ふむ……」坊様は肉を刺した串をくるりと裏返しながら鼻を鳴らす。「でもな、食っておかねばならんよ。腹が減っては戦さが出来んからのう……」「戦さって……」おくみ
2019年に描いたペンタブレットによるデジタルアート。”469”デジタルアート”36”は横長の絵でしたが縦長の構図にしました。
「それで、お坊様」おくみが言う。「森の主ってのは何なんですか?」「森の主か……」坊様は考え込む。「いつもだと相手の姿が見えるんじゃがのう……此度は全く見当がつかんのじゃよ」「おっしゃる意味が分かりませんねぇ……」「いつもの様な、恨み辛みを抱えた者とは違っておってのう……」「じゃあ、何ですか?良く分からない、得体のしれない輩を何とかしようって、お考えなんですか?」「……まあ、な」そう言うと、坊様は申し訳なさそうに頭をぽりぽりと掻いた。「まさか、わたしたちはそのついでで巻き込まれ
ご訪問下さりありがとうございます🌼実はこちらのブログはタイトルを変えながら長い間続けさせていただいています😊ブログを始めた時のタイトルは『癒しの森』でありました🌳木が好きというのもあるのですが😊これはお世話になっていた娘の病院のお隣には小さな森の遊歩道があったからです。病院のお隣なので娘が声を上げたとしても温かい目で見ていただけることが多く🙏そこは私にとって安心をして歩ける『癒しの森』であったのです。そんな娘との日常
わたしは、結婚、出産を経験し、そこからはただ子供を大きく育てることだけをしながらもどこかで自分の情熱を傾けられることをずっと探しながら過ごしてきたように思います✨周りには、少数でしたが、学んだことを生かして独立して仕事を始めたりする人もいたりして子どもたちが成人してからは、より自分にもそれくらいしたいと思えるものと出会いたいと思うようになっていました✨あれこれ氣になるものは、お試し体験をしたりしていたのですが、なかなかこれといったものを見つけられずにいましたそんな時に一冊の
おくみは掘っ立て小屋に戻った。戸を開けて、不安そうにこちらを見ているお千加と、無表情ながら殺気立っている藤島の姿を見て、行商の新吉に起きたことが、やはり只ならぬものであったことを痛感した。……あのお坊様と居ると、妙にゆったりとしてしまう。おくみは思った。そこへ坊様が戻って来た。「お坊様、これからどうしますんで?」おくみが聞いた。「お坊様のおかげで、ちっとも怖かぁ無いんですが、よくよく考えたら、何とも恐ろしい話じゃありませんか」「そうだのう……」坊様は腕組みをする。「新吉さんが心配じゃの
2018年に描いたペンタブレットによるデジタルアート。”464”
「坊様、憑かれたって……」おくみは震えながら言う。「うむ……」坊様はぽりぽりと、うっすらと髪の伸びた頭を掻いた。「実はな、この森は、妖しの森でな。何とかしようと思うておったのじゃがのう……」「じゃあ、昨夜に言ってたのは冗談じゃなかったわけですか?」「うむ……」坊様は面目無さそうな顔をして、ぽりぽりと頭を掻く。「でも、その妖しの森って、どう言う事なんです……」「実はな……」坊様は真顔になる。「拙僧は、怪異な物が分かる性質でな。この森には何かが潜んでおるのが知れた。それを見極めよう
おくみは目を覚ました。清々しい目覚めだった。小屋の壁板の隙間から陽が差し込んでいる。……こんな気分良く朝を迎えるのは幾年振りだろう。おくみは上半身を起こし、大きく伸びをした。隣ではお千加が、穏やかな寝息を立てている。目を転ずると、藤島は相変わらず壁に寄りかかったままだった。刀を鞘ごと杖のようにしてしっかりと握って、微動もしない。坊様は囲炉裏の前で胡坐姿のまま、たまにこくこくと頭を前後に揺らしながら小さく鼾をかいている。囲炉裏は静かに燃えていた。新吉の姿はなかった。……おや、もう出立したんだ
「……ところで、お坊様はどうしてここに?」おくみが聞いた。「こんな掘立小屋にお住まいってわけじゃないんでしょ?」「まあ、そうだなぁ」坊様は笑いながら答える。「十日ほど前だったか、この道を通っていたらたまたま見かけてな。まあ、ちょうど日暮れでもあったので寄せてもらったが、空き家でな、それで好き勝手に使わしてもらっているのさ。ところが、存外、居心地が良いのでな、ここを終生の住まいにしても良いかもしれんなどとおもっているのさ」「ずいぶんと呑気な事で……」「そうしたら藤島さんがやって来て、次は新吉
ヴィレッジ声帯切村(コエキリムラ)2024年アメリカ/エストニア英題:AZRAEL監督:E・L・カッツ脚本:サイモン・バレット製作:ダン・ケイガン、サイモン・バレット、デイヴ・キャプラン出演:サマラ・ウィーヴィング、ヴィク・カルメン・ソンネ、ネイサン・スチュワート=ジャレット、カタリナ・ウント、エーロ・ミロノフほかキャスティング:マーク・ベネット美術:カルロス・ラズロ編集:ベン・ボーデュアン音楽:トティ・グドナソン撮影:マート・タニエル製作総指揮:ジェイソン・クロース、
土曜日NHKラジオ第1"マイあさ"夫が出掛ける日には時計代わり7日にはコーナー終了のお知らせ週末文化の歩き方美術ライター橋本麻里「美術館で会いましょう」夫は茶会で見かけたことがあるそうで毎日新聞主催の講演会を見つけて二人で出掛け私にも近い存在になっていました橋本さんのXこの番組を見た時はただただビックリしました*写真は、NHKHPより。「森の図書館」の詳しい記事発見*写真は、2021,1,3BRUTUSより。しかし橋本麻里さんの父親があの高橋源一郎
「……あたしゃ、呑んだくれの荒くれ亭主から逃げてきたんですよ……」おくみは囲炉裏の火を見ながら、誰に言うともなく話し出した。「へえ、左様で……」新吉が合いの手を入れる。「そりゃ、姐さん、大変でしたねぇ……」「あたしゃ、生まれ育った土地から出た事がなかったから、今、ここにこうしているだけでも、自分じゃ信じられない事なんですよねぇ……」「よっぽど、ご亭主がおイヤだったようで……」「まあね。……あんな腐れ野郎とこれからも一緒だと思うと、野っ原で死んだ方がましだって思って出てきたんだけど、い
人心地の着いたおくみは囲炉裏の前に座った。何の肉かは聞かぬことと言われたが、食べた後、なんだか力が湧いてくるようだった。歩き回った疲れも、迷ってしまっていた時の不安も、すべて流れ出して無くなってしまったような気がする。最後に坊様から渡された竹筒の水筒の水を飲むと、正に生き返った感じだった。「……何ともさ、霊験あらたかなお肉とお水でござんした」おくみが言うと、坊様は笑った。「お前さん、なかなか愉快なお人だな」坊様は言う。「ま、どんな事情を抱えていたかは聞かないが、これからは上手く行くだろ
この日は西東京市方面を散歩しました。「碧山の森緑地」に寄った後、「文理台公園」の中を一周してから家路につきました。碧山の森緑地です・・・.文理台公園の入り口広場で・・・公園内を歩き・・・公園を出た帰り道で・・・以上、3月9日の散歩道で。
おくみが小屋へ入ってみると、土間に続いて狭い小上りがあって、その真ん中に粗末な囲炉裏があった。ぱちぱちと火の粉を爆ぜながら燃えていた。火の周りの灰には、不恰好に小さく切られた肉を数切れずつ枝に串刺しにしたものが数本立ててあり、じうじうと脂を浮かべながら香っている。おくみの喉が鳴り、腹が鳴った。物欲しそうな眼を新吉に向ける。「……こちらがお千加さんだ」新吉はおくみの視線の意味を察してはいたが、敢えてお千加を紹介した。それが礼儀だとおくみも思った。「おくみさん同様、旅の途中だよ」おくみは
こんばんはー先日、こちら↓↓でお届けできなかった梅林夫と笑ったさすがの母のひと言と、森から教わること『夫と笑ったさすがの母のひと言と、森から教わること』おはようございます・・・と、朝ふたたび更新してみる晴れて、強い風も気持ちいいあっという間に3月!樹液湧き、虫躍る春というつぶやきに爆笑したのも、すで…ameblo.jp見ごろの季節は過ぎましたけれど、ここに残しておきますむむむ!『ウエスト・サイド・ストーリー』が
友達のおすすめで読みました。ノルウェイの森(講談社文庫)Amazon(アマゾン)【あらすじ:Amazonより】暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。なんとも言えない不思議な空間に連れて行かれた感覚です。なんでこんなにも現実離れ
「何者だ?」浪人は冷たい声で言った。無意識にその右手が左腰の刀の柄にかかっている。おくみは生きた心地がしなかった。「ちょっとお待ちを、藤島様……」小屋の奥からもう一つの男の声がした。やや高めで多少媚びた声だった。藤島と呼ばれた浪人の背後から、ひょいと顔を出したのは、中年の男だった。小ざっぱりした身なり、人当たりのよさそうな雰囲気、行商人のようだった。男は藤島の脇をすり抜けておくみの前に出た。それから腰を屈め、腰を抜かして座り込んでいるおくみに顔を寄せた。「はじめまして、御新造さん」男
『わたし迷子さん』解放サロン☆〜不要な思い込みや制限を脱いで「本当のわたし」を軽やかにいきる〜魂開花セラピスト🌼みっつ〜です初めましての方へのご挨拶&自己紹介はこちらをどうぞ☆本日1週間ぶりの投稿なんだか新鮮な心地みなさんお元気でしたか実はお休みしている間に大冒険の旅に出ていましたひょんなムスメちゃんの一言からムスコ君もジョインして母子3人で沖縄旅に行ってきたの。今まで、極タマに飛行機に乗る機会があっても人任せで何となく乗れちゃったり普段街中を車で走る事なく
前世体験シリーズ・・・前世体験は、波動占いセラピーの課題解決の一手法です。自身で未来を切り開く大切な要素が詰まっているので、体験者の声をお伝えしています。波動占いセラピーは、下記をご覧ください。波動占いセラピー・レイコの部屋笑顔で生きられない真の課題を見つけて、軽やかに生きられるサポートをいたします。音叉を使った浄化が波動を上げます。reikonoheya.hp.peraichi.comご訪問ありがとうございます倒産
黒き森がモンスター化した黒い月が不気味に輝き闇が深まる
闇がひたひたと迫ってくる。おくみの足が速くなる。鬱蒼とした樹々の間から月が時折照らしては隠れる。人家らしきものが全く見えない。「あ~あ、こんな事なら、右へ行くんだったよ!」おくみはぼやいた。このままお天道さんが顔を見せるまで歩いてやろうか、おくみは自棄になりながらそう考えていた。速まっていた足がゆっくりになった。しばらくすると、脇道が繋がっていた。細い道だったが、荒れた感じはしない。ひょっとして誰かの家に通じている道かもしれない、おくみはそう思い、その道を進んだ。「ダメだ、こりゃあ