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月桑庵には現在、卓下建水を用いる棚物が四種ありますが、卓下建水は一種しかきちんとしたものがありません。棚物は・桑小卓桑木地臘月庵好千家流・雪輪棚柿合朱塗爪黒一元斎好江戸千家・米棚真塗不白好江戸千家・笈棚真塗珠光好石州流になります。卓下建水は・唐銅鉄盥九代中川浄益作があるだけです。種類としては・毛織鉄盥・青楽水盤惺斎好がありますが、ネットを探していると水盤形には織
真塗の小卓では?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらの棚は卓ではなく、笈棚【おいだな】といいます。笈棚は村田珠光が好んだ小棚で、寸法からすると風炉でも使えなくはないですが、炉の小棚として用いられたと考えられます。この棚を使ってみて、当流に桑小卓の炉の点前がある理由がよく分かりました。桑小卓は床に飾った香炉卓とのことですが、その原形は笈棚であったということになるかと思われます。笈棚の「笈」とは、修験者や行脚僧などが仏具・衣類・食器などを入れて
Twi友のWAさんと話していてよく出るのが「唐物点前ってなんで唐物を畳に直置きするんだろう」という話です。ウチの流派だと、小帛紗を敷いて盆の代わりにするのですが、茶杓は茶入に置くため、盆点にはなりませんが、畳に置かないため、濃茶の点前とは扱いが異なります(右手でのみ扱う・唐物帛紗を使う・仕覆の開け方が違う、など)。ところが、話を聞いているとそうではない上に、棚物との組み合わせを稽古しない。おそらく、あくまで台子の割稽古として扱っているのではないか?という話になりました。
購入したときからグラグラだった小四方棚の鰭板がポロポロ取れるようになってきましたので、新調することに。前のものに比べて溜塗の部分が濃いので爪紅がはっきりと見えます。小四方棚は表千家即中斎好の小棚で、炉でも風炉でも用いますが、私はもっぱら風炉にのみ用いています。理由は・炉と風炉で飾り方に変化がない・炉には四方棚があるからです。小四方棚には末広の浅葱交趾水指が定番なのか、組み合わせとしてはよく見かけますが、これは定石なんでしょうね。私は旧暦五月
宗心宗匠の前文のみ
三連休に引拙棚野点前の検証をしたところで、宗靜先生と話して「建水飾りができないものか?」ということが出ました。これは、いわゆる老人点の一環で、立ち坐りの回数を減らす工夫で、点前の時間を短縮することにも繋がります。また、帰りに天板勝手付きに茶盌を仮置してから立ち上がることで、手ぶらになれば、膝に手を当てて一人で立てるように出来る上に、器物を落とす心配もなく、本人が安心して立ち上がれるのと、立った状態から茶盌を持っても畳に置いてある時のような見苦しさがありません。これを引拙
雪輪棚と並んで不白系の流派の棚物として名の知られる「米棚」。川上不白米寿の祝に好んだ棚と伝わります。ただ、このお棚、杉木地・桐木地・桑木地・真塗・梨地とあり、初代が好まれたのは桐木地だと思われるのですが、他のものがいつ頃の何代の好みなのか不明だそうで、どれも「不白好」とされています。とりあえず、こちらのお棚は、川上不白の誕生日が旧暦三月三日でしたので、その日に使わせていただこうと思っています!
私は、棚物年間スケジュールというものをつけていて、5月(真台子)唐銅鬼面風炉・唐銅塁座皆具眉風炉✕筒釜・雲龍釜半巾箪笥江岑棚三角棚6月(真台子)唐銅鬼面風炉・青磁皆具雲華面取風炉✕富士鏊釜・車軸釜小四方棚竹柱爪紅三重棚瓢棚7月(及台子)唐銅朝鮮風炉・白磁手桶唐銅朝鮮風炉霙点前運び平/置き手桶雪輪棚桑小卓8月(及台子)唐銅琉球風炉(浅葱交趾紅鉢風炉✕筒釜)短冊箪笥糸巻棚
またまた棚物を買っちゃいました(笑)今回は塗物の三重棚で、柱が竹。そして上の中板が紹鷗水指棚や即中斎好の水指棚のように水?の透かしが付いています。こちらが正面。こちらが側面。覚々斎好の桐三重棚を持っているのですが、ちょっと華やかさに欠けるので、塗の棚が欲しかったんです。こうやって無駄に増えていくんだろうなぁ(笑)でも、流石に台子七種(真台子大小・及台子大・爪紅台子・竹台子大小・高麗台子)が揃って、棚物が48種になったら、買うの止めようと思ってます
昨晩、スペースで「ブログのネタがない!」などと話しつつ、休台子の話になりました。休台子というと、「及台子と間違えたな!」と思われるんですけれど、違います!(笑)利休が好んだ休台子は四方棚の前身とも言われ、及台子を半分にした形をしています。四方棚は天板と地板の大きさに大きな違いはありますが、休台子にはほとんど違いがありません(多少違います)。利休好は真塗ですが、私がヤフオクで見たのは桐木地で、どなたかの再好みなのかも知れません。この休台子は千家に伝わらなかった道具のようで、現
私は、人から茶道具を譲っていただいた場合以下の条件で無償でお譲りしております。・送料を負担すること・転売しないこと・廃棄しないこと・使うこと・使わなくなったら誰かに譲ることこれだけです。というのは、「茶道具というのは使ってこそ茶道具である。ガラスの向こうにあるのは美術品」と思っているからと、「茶道具は一時的に預かっているだけであって、自分で買ったものでも自分だけのものではない」と思っているからです。血縁者に譲るものではないと考えていますし、継承者
今までなかなか入手できなかった高麗卓。七種小棚では最後の入手になってしまいました(笑)超メジャーな基本の小棚がこれだけ棚物が揃ってる月桑庵にない……というのが恥ずかしいくらいでした(涙)理由は単に私が高い買い物をしたがらないからでして、ヤフオクで値頃な物が出物になかったからなんです。今回は思い切って金額を出すことにしました。というのは高麗台子が出たからです。予算を遥かに超える金額になってしまい、口惜しかったのですがよく考えると「どうしても今必要な棚か?」というとそうでは
ヤフオクを見ていて、不思議な棚がありました。こちら(ヤフオクですので【閲覧注意】)になります。竹台子の天板が半分になり、竹が三本柱になっている大棚です。このような棚は絵で見たことはありましたけど、実物は見たことがありませんでした。家にある愛読書の『茶之湯道具寸法図会』に載っているのでは?とめくってみるとありました。・風炉置棚別名重ね棚遠州好で、桐木地、白竹三柱、角柱には七宝透の入った袖板がつき、地板は長板、天板は左前隅を落とした小板ほどのもの。
表千家のお茶は色々な側面で決まっているところ、決まっていないところがあり人様に教えようと思った時の仮想質問への対応がとても奥深く難しいです。我が師は弟子たちの基礎知識が適切についているのかをチェック&勉強するきっかけを作るためにしばしば、ペーパーテストを自作して抜き打ちの如く稽古の合間に試験となります。年末の稽古の時に次回の試験範囲を言われていたのですが、年末年始の休暇ですっかり忘れておりまして、出来が悪かったのでこの三連休に復習を致しました。以下、復習内容を記載します。竹台子:兼用、
【道歌】棚物は枠のみとても風炉先の高さを越へぬものと知るべし道舜道具組みで、意外と忘れられがちなのが、「風炉先の高さ」。流儀にもよるのかもしれませんが、基本的に棚物よりも背の高い物を使うことになっています。枠が利休好の高さでも、張られていない透かしのものがありますが、それもあるものとして考えるのだそうで、枠の高さが問題になるとのこと。購入する際は気をつけましょう。ちなみに利休好は台子に茶入を載せた高さ、石州好みさは台子に天目台天目飾りの高さとされています。
風炉先は棚より高くありてよし棚より低きものは用ひず道舜風炉先屏風の高さとは「真台子に茶入を載せた高さ(利休好)=高さ二尺四寸」が基準となり、「真台子の上の天目台に載った天目茶碗までの高さ(石州好)=高さ二尺七寸」があります。このことからわかるように「棚物よりの背の高い物を使う」のが保護や風除け・防災のためのものであることが解ります。上まで枠のない腰張などの風炉先屏風は長板や平点前のものであるということになります。
本日、鎮信流を学ばれているFBFさんが、猿曳棚の写真を投稿されていらっしゃいました。これは石州流さんでお使いになられる猿曳棚という袋棚で、紹鴎袋棚よりも一回り小さく、天板を支えるのが二柱で、鰭板のある袋棚です。この猿曳棚の飾りに「戸袋上に水指」というものがありました。先日、菊池商店の宗春先生からご紹介いただいた、「酒井宗雅が松平不昧に『紹鷗袋棚の戸袋の上に水指がありとするなら』という質問をした」というは、この猿曳棚の飾りを念頭に質問されたものではないか?という推論が頭を
酒井宗雅は画家酒井抱一の兄で、播磨藩酒井家十代当主。石州流を修め、松平不昧の一番弟子とも言われた人物。この方が、師の松平不昧に紹鴎袋棚の中板(戸袋の上)に捻梅水指を置いて「これがありならば、蓋はどうしたらいいか」という質問をし、不昧公は「これもあり」「蓋は水指の横に添えよ」と答えたという話をご紹介いただきました(紹介者:菊池商店/菊池宗春先生)。これは、飾り方の少ない紹鴎袋棚において、画期的な考察です。しかも、不昧公は「有り」と答えていることに注目です。水指は基
【道歌】竹台子客前五分に向こう四寸勝手前七寸向こうは二寸に竹台子の竹柱の配置、意外と覚えにくいので、語呂合わせに詠んでみました。・客付手前が五分三節・客付向こうが四寸二節・勝手付手前が七寸二節・勝手付向こうが二寸三節これでバッチリかな?皆さんはどうやって覚えてます?
既にご存知の方も多いですが、私は「棚物数寄」を目指しています。流派に関係なく面白いと思ったらその棚がほしい訳です♪江戸千家では一元斎好の雪輪棚不白流では当代宗順宗匠好の白和棚武者小路千家では直斎好の矢筈棚藪内流では山里棚小遠州流では品川棚御家流では弓箭台子表千家では宗旦好の高麗台子と高麗卓石州流では檜扇棚古流では今井宗久好の洞棚ほんと、他流の棚というのはその流儀の「秘事」が隠されている事が多く、学んでいて愉しいのです。持ってるのは
師匠のお宅に置かれている桐木地の木屋町棚。ずーっと気になっていて、誰の好みものだかわかりませんでした。調べてもでてこない。困った。困ったときは菊池商店の宗春先生にお尋ねするのがいい!ということで、質問いたしましたら、即答(笑)「惺斎ですよ」さっさと聞いておけばいいじゃないか?と思う方もいらっしゃるでしょう。違うんですよ。自分で調べることが大事なんです。調べてもわからなかったときに聞くのが最終手段なんです。それはさておき。
ようやく手に入れた紹鴎水指棚。正式には「水指棚即中斎好」。水指棚というのは遠州好や石州好が後に出たために「紹鴎水指棚」と呼ばれますが、本来はこの棚のことを指します。紹鴎好は溜塗で横の竪板に大小の香狭間透があり、中板の正面が水を模した曲線になっており、炉・風炉ともに用います。この棚は「水指だけを飾る棚」という意味で「水指棚」と呼ばれました。紹鴎好はほかに袋棚(紹鴎袋棚)があり、炉の時期に用いるものですので、水指棚は風炉に似つかわしいと思うのですが如何でし
1月江岑棚・宗旦丸卓2月竹台子小・扇棚3月糸巻棚・山里棚4月筧棚・旅箪笥5月半巾箪笥・三角棚6月小四方棚・瓢棚7月運び点前・運び点前8月短冊箪笥・桑小卓9月吉野棚・利休丸卓10月長板大・大板11月短冊箪笥+大板・四方棚12月葭棚・都棚・長板小・献茶台子・三木町棚・紹鴎袋棚・茶籠(御所籠)・旅短冊箪笥現状はこんなところですかね。・紹鴎水指棚・高麗卓・志野棚・雪輪棚・誰袖棚(師匠所持)・木屋町棚(師匠所持)・竹台子大
一番、間違いが多いのが棚物と水指の組み合わせですね。棚物も、真塗・朱塗を真として、行が柿合塗、溜塗、春慶塗、一閑張、草が木地、運びとなります。※そもそも棚物自体が行の点前であることも忘れてはなりません。昨日の一覧表を見直しながら考えていただければ、大まかにはわかるのですが、規矩として大事なことがあります。焼締は棚に上らずというものです。焼締といってますが、これには焼貫や自然釉も含まれまして、つまり釉薬を掛けて焼いた「施釉陶器」ではないもののことです。
水指は焼締なれば木地とても砂摺り非ずば棚に上らず道舜焼締や焼抜の水指は、原則として運び点前または据え置くことが望ましいとされます。そして、棚に置くことは決してありません。但し、例外があり、地板に砂摺りが施されている場合、載せることができます。これは砂摺りをすることで柔らかい木地の部分が削れ、木目が浮き立つことで、ゴツゴツとした陶肌によって棚が傷つくのを防いでいるからです。山里棚はこの砂摺りのある棚で、焼締を載せていることがあるためか、他の木地の棚にも載せてしまう人が居ますが、砂摺
瓢棚は、裏千家十四世碩叟宗室(無限斎)の好んだ杉木地の棚で、勝手付の竪板に瓢透があり、その刳り貫き板を天板に用いて客付に竹柱を配し、地板を添えた小棚です。竪板には木釘を挿しこめるようになっていて、仕覆や羽箒、柄杓を掛けることができます。その形状から瓢棚と呼ばれますが、別名に文化棚という異称があるそうです。瓢透と瓢の天板はまるで兼六園の瓢池と夕顔亭のような雰囲気がありますね。瓢(ひさご)はもともと「ひさこ」。「ひさこ」というのは「柄杓(ひしゃく)」のことで、「ひさこ」が「ひさく
Facebookの茶道交流会のグループで流行っている「はじめての茶道具」。私が買ったはじめての茶道具は旅箪笥。奥伝も終わり、教授の稽古をしているときに、私より一年先に教授となられた方のお披露に稽古を始めたものです。当流で旅箪笥を持っている人は(先代の頃は)あまりおられなかったようです。金具の扱い、蓋の扱い、中板の扱い、芝点ての点前、濃茶で水指を引き出す所作など、新鮮でした!師匠曰く「箪笥物は他にはない所作が多いから難しいのよ」とのこと。必死に練習しました。
今年に入ってややペースを落としていた棚物の蒐集ですが、四つ目を手に入れることになりました。最初は四方棚。次いで三重棚。そして三木町棚。今度は紹鴎袋棚。四方棚と紹鴎袋棚はともに炉用の棚物。三重棚と三木町棚は炉・風炉共用。棚物も、27種29棚集まりました。こういう道具は使ってやらねばつまらないので、お茶会へ行こうでどんどん使ってやります♪最初は24種もっていればいいや~って思ってたんですけどね。教えるとなると、やはり、持っていないでは済まされ