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Eテレは、特にレギュラー番組が始まったのに途中で過去に放送された回を再放送するのがよくあるのだ。「ふるカフェ系ハルさんの休日」しかりこの「理想的本箱」しかり。毎回、1つのテーマに沿った本を紹介してくれている番組。本の内容を”映像の帯”として紹介する映像には、センスが見える。アメトーークでの読書芸人でもテレビで本を紹介するのは、めったいにないのでそこで紹介された本をキッカケに本屋へ足を運んでもらいたい。代官山を訪れた時にギャラリーの近くに蔦屋書店があったので覗いてみたらアートコーナーが
NHKのEテレで本選びに役立ちそうな番組『理想的本箱君だけのブックガイド-NHK』がこの4月から定時放送されました。テーマに対するおススメの3冊本を映像の帯とともに紹介してくれる本選びに役立ちそうな番組今回は、「勇気が欲しい時」(NHKの『理想的本箱君だけのブックガイド-NHK』タイトル画面(C)NHK)「勇気が欲しい時に読む本」見落としていましたが、定時放送になるそうなので楽しみです。定時放送はうれしいんですが、どのテーマを選ぶのか、さらにはそこからそのテーマに会
こんな本を読みました。「怠惰の美徳」梅崎春生著。梅崎は、昭和戦後まもなく台頭した作家。昭和40年(1965)に50歳の若さで他界してしまいます。この人の「夜は10時間寝て、昼も2時間昼寝する」という思想がいい。(笑)つまり、やる気が出ない、働きたくないという自分の中の惰性を否定しなくてもいいってこと。いわゆる「なまけ欲求」に素直でいいじゃんって。梅崎は12時間寝て、起きてる間も本を読んだり散歩したりして、余暇でわずかな時間に仕事をするんだとか。でも、仕事なんてそのくらいでいい
今は昔。「天声人語」で目にした文章で、忘れられない行(くだり)があります。「世の中に人の来るこそうれしけれとはいふもののお前ではなし」内田百閒の短歌です。「世の中には何がうれしいかというと、人が訪れてくることほど嬉しいことはない。しかしながら、あなたのことではありませんよ。」ということになるらしいです。太田蜀山人の狂歌「世の中に人の来るこそうるさけれとはいふもののお前ではなし」「世の中には何がうるさいかというと、人が訪れてくることほどうるさいことはない
自分の過去ブログを随分と久しぶりに見ていて、三年前のブログ↓けっこう真面目に書いていたんだなぁ笑ちょっと編集しましたが、なるべくそのままとしました。-------ある時から文章を書くようになった。誰に見せる訳でもないその言葉たちは、今振り返ると青春そのものだったのかもしれない。誰かの発する言葉や文字の連なりが、時に感動的に美しく、心が揺れ動いたのを今でも思い出すことができる。常にアンテナを張り、図書館のカード欄はすぐにいっぱいとなった。毎日「あ」から「ん」の組み合わせに苦悩しなが
そういえば私はどちらかというと、仕事がさし迫ってくると怠け出す傾向がある。仕事の暇な時には割によく動いて、寝床にもぐり込んでばかりいず(中略)街に出かけたりする。これは当然の話で、仕事があればこそ怠けるということが成立する、すなわち仕事が私を怠けさせるのだ。(梅崎春生「怠情の美徳」中公文庫)
怠惰の美徳梅崎春生社会学者のマックス・ウェーバーは、合理化が隅々まで進展した社会において、(人間がつくったはずの)社会システムに、(逆に)人間が取り込まれ、がんじがらめになっている様を「鉄の檻」という表現で予言しました。その「鉄の檻」に閉じ込められてしまうと、人は「檻の中のルール」を至上とし、檻内での順位争いに明け暮れるため、まるで機械であるかのように人間性を劣化させていくと言われます。(勘の良い方はすでに、思い浮かべているかもしれません。あの人の顔、この人の顔
au通信障害の件、お手紙とか物流にも影響が出ている。携帯電話がなかった時代の自分にとっての「最後の固定電話請求書」を残しているのだけど、ほとんど電話しなかったから2,000円弱だった。今は、丸一日携帯が不通になるだけで不安になるなあ。ってまだ不通なんだけどさて、岡本太郎も戦後作家の「夜の会」だったか「あさっての会」だったかと交流があり、作家達にいろいろあだ名を付けていた。花田清輝「ハナハダキオッテル」梅崎春生「ウメエサケシンジョ」野間宏「ノロマヒドシ」埴谷雄高「ナニヲユウタカ」
やる気が底をつき、身動きもできず、一歩も前へ出発できない時均衡が破れるような、何か気分の変化があると、あっさり転がる。手っ取り早いのは人と会話して気持ちを揺さぶることかなあ。でも今日はこれだ(7月2日12時00分現在)au携帯電話サービスがご利用しづらい状況について(kddi.com)仕方ないから対談集で疑似対話です。ところどころ内容がわからなくても、大丈夫1948年の対談がわらった、酔っ払ってぐちゃぐちゃ。ところどころ(騒音)とあるのは、文芸評論家の33才寺田透が荒れてるの
ちと長文です。あしからず。エッセイ+短編集です。(比率はエッセイ8割短編2割)初の作者でした。総じて面白かったです。もう作者は既に他界されていて、年代的には1915年生まれの著者なので…安部公房先生より一回り近く年上になりますかね(安部公房先生の話出ないかなー?とか思ってたけど…出なかった)自分は…ずばり…タイトルに惹かれて買っちゃいました(笑)😅でも…自分は、この本から怠情に関することよりも…戦時中や、戦前、戦後のリアルなエッセイの方が読んでて印象的でした。なんか配給制の時の
『百年文庫(16)(17)』[本](016)妖(百年文庫)Amazon(アマゾン)1,294〜7,548円「百年文庫(16):妖」(2010年ポプラ社177p)坂口安吾「夜長姫と…ameblo.jp[本](014)本(百年文庫)Amazon(アマゾン)438〜2,727円「百年文庫(14):本」(2010年ポプラ社146p)島木健作「煙」(1941)ユザンヌ/生田耕作訳「シジスモンの遺産」(L'HèritageSigismondbyOctaveUzan
<小峰元、梅崎春生、城山三郎>982.「アルキメデスは手を汚さない」乱歩賞受賞作小峰元長編大内茂男:解説講談社文庫少女が死んだ。アルキメデスという不可解なことばを残して……。妊娠していたともいう。さて、父親は?少年が教室で倒れた。毒殺未遂だという。ミステリアスな事件に巻き込まれた学園を舞台に反体制的で向こうみず、それでいて結構友誼に厚い高校生群像を小気味よくコミカルに描く爽快な乱歩賞青春推理。
第一次戦後派の中心人物として昭和期に活躍した作家・梅崎春生。📗桜島・日の果て(新潮文庫)米軍上陸に備える桜島への転勤が決った暗号員・村上兵曹は、転勤前夜、妓楼で片耳のない妓を抱く。どうやって死ぬの。おしえてよ――。目前に迫った死の運命、青春のさなかにあって、断ち切られようとしている自らの生に対する諦念と絶望感の相剋を、みずみずしい青春の情感を根底として、記録風に描いた出世作「桜島」。ほかに「日の果て」「崖」「蜆」「黄色い日日」の4編を収める。item.mercari.com/jp/m635
🌃訪問ありがとうございます作中の主人公・久住五郎は45歳。戦後に失った何かを取り戻そうと焦る五郎はその後阿蘇山を訪ねた。梅崎春生「幻化」という記事です。第2次世界大戦後、神経を病んで入った精神科の病院を逃れて、思い立って鹿児島の坊津に向かった。戦時中、この土地に兵士として赴任していた。当時とは異なる土地の風景を目にしながら記憶をたどり鹿児島への旅の中で、「死」が身近だった日々を振り返った。昔の松林の面影はほどんどなく、十本ばかりの木がばらばらに生えているだけだった。その木
🌃訪問ありがとうございます梅崎春生は戦後文学の代表的な作家の一人です。梅崎春生「幻化」という記事です。作中の主人公・久住五郎は45歳。当時、基地で航空用アルコールのドラム缶の一つに小さな穴が空いてるのを見つけ、福という部下を含む何人かでこっそりと飲んでいたのは、飲料用アルコールではないので、発覚したら懲罰を受ける。ある夜、したたか酔った福が泳ぎたいと言いだしたので五郎は付き合って海に入ることにした。暗い海で星を仰ぎゆらゆらと海月のように漂っていると、五郎は「何ならここで
🌃訪問ありがとうございます戦後文学の一つの、完結点を示す重要な作品と高い評価を与えている梅崎春生「幻化」という記事です。梅崎春生は、戦後文学の代表的な作家の一人で、批評家の川村湊は『幻化』は晩年の傑作であると同時に高い評価を与えている。作中の主人公・久住五郎は45歳。第2次大戦後、神経を病んで入った精神科の病院を逃れて思い立って飛行機に乗った。行く先は鹿児島県の坊津です。彼は戦時中、この土地に兵士として赴任していました。五郎は鹿児島への旅の中で、「死」が身近だ
7月9日、読了。<ブックレビュー>怠惰の美徳(中公文庫)Amazon(アマゾン)941円
裕福な暮らしがしたいとか、もてたいとか、うまいものを食べたいとか、そういうことに全く興味がないわけではないが、基本、面倒くさい。(中略)「寒くなると、蒲団が恋しくなる。一旦蒲団に入れば、そこから出るのがいやになる」梅崎春生のこの小説を読み終えた途端、全集を衝動買いした。(荻原魚雷「解説」中公文庫)
・・・しました。アンソロジー「猫は神さまの贈り物小説編」古今の猫が登場する小説・童話・詩が収められています。昭和の作品ですねぇ。
バス停の標識にトラックが接触する。標識は凧のように舞い上がり、トラックとも標識とも何の関係もない通りかかった女性を直撃して怪我を負わせる。小説冒頭のこのエピソードは小説全体を貫くひとつのテーマを象徴する。「偶然」である。そして文芸文庫版の解説にあるようにもう一つのテーマは「運命」と言えるだろう。だが、偶然と運命を関連させるにはあるシステムが必要なように思われる。それは「家族」である。生まれてくることそのものが偶然であるとすれば、どのような家族に生まれてくるもまた偶然で、どのような家族に生まれて
久しぶりに純文学を読んだ、と思った情景描写が延々と続く書き出しに懐かしいものに出会ったようでドキドキした読み進めると「はて、鈍った頭で内容が理解できるだろうか」と違った意味でまたドキドキ読了して「ああ良かった、まだ日本にはこんな小説を書ける人がいた」と何故かホッとした映画は観ていないが今の若者には映画の方がとっつき易いのではないだろうか解説文で、芥川賞を取った著者沼田真佑が影響を受けた作家として梅崎春生があげられていた戦争体験や心理的葛藤を描いたその作品とはあまり馴染みがないが、な
梅崎春生さんの「怠惰の美徳」が、のっけから襟首掴まれるほど凄く面白くて前のめりな勢いでページを捲っている自分がいる。そもそも怠惰の本質を知れるのは、経済的な自立が必要になってからでは無いだろうか?などと思う。そう言った意味で今読んで面白がれるのは、ある意味で自分にとって旬の本だったかも知れない。旬と言えば、トキ夫が大好きな牡蠣の季節だ。親父殿も牡蠣が大好物で「そんなに食べたら幾らなんでもアタル!!」とお母に煩く言われながらもまったくどこ吹く風で、牡蠣に恨まれるような量を鍋に入
2020年8月31日月曜日短編小説午砲(どん)、岬の一軒家で、独り暮らしの叔父さんと、叔父さんを慕う、少年のお話、叔父さんの仕事正午の合図、「午砲(どん)」を打つだけ、あとは、のんびり、本を読んだり、釣りをしたり、鳥のこと虫のこと、いろんなことに詳しい、叔父さん、少年は日曜ごと、叔父さんちへ、
嫁:「最近あれ、何て言うの、人気アニメの柄のマスクしてる人見るよね」私:「鬼滅の刃」ね。主人公が着ている羽織の模様だよ。人気あるみたい。「ふーん」でね、主人公の男の子は竈門炭治郎っていう名前でね...「ふーん」家族を鬼に殺されたんだ...「へー」妹は鬼にされてしまったけど、人を襲わないんだ。「ほー」炭治郎は妹を人間に戻す為に...「もういいわ!あんたね、そんなんだったらこっちも語るよ!」「@&#%?*‘**」はね...」ご
読んでてついつい引き込まれました。#梅崎春生#荻原魚雷#怠惰の美徳
梅崎春生によって戦後まもなく書かれた短篇小説。語り手の「僕」はあるとき電車で震えていると、見知らぬ男から外套の施しを受ける。男は「人から貰う側よりやる側になりたい」と常々自ら言い聞かしているそうである。二人は酔っぱらっているのだが、男は会社が倒産して職を失ったばかり、「僕」はお金に困って安酒を飲んでいた。「僕」は「偽物だかりが世の中」を席捲していてつまらないというが、この心地よい酔いだけは本物なのだ。しかし、一週間ほどたつと、男は「僕」から外套を奪い返す。まるで追剥かのような自らの所業
ある時から文章を書くようになった。誰に見せる訳でもないその言葉たちは、今振り返ると青春そのものだったのかもしれない。誰かの発する言葉や文字の連なりが、時に感動的に美しく、心が揺れ動いたのを今でも思い出すことができる。常にアンテナを張り、図書館のカード欄はすぐにいっぱいとなった。毎日、「あ」から「ん」の組み合わせを楽しみ、十年が経った頃、ふとそれらを全て辞めてしまった。毎日書き溜めた言葉たちの一部はいくつかの方面から評価を頂いたが、ふと全てを辞めてしまいたくなった。そして、いつしか書け
昨日に続き、歌稿プリントより、5首をアップします。モンブランケーキ食べつつ思うかな甘くてときに厳しい妻を大会で俊明氏より約された「梅崎春生論」大冊届く米櫃に袋より足すシャンプーの詰め替えをする暇のありて遠足にバナナ、茹で卵、ザックに入れられるか貧富の分かれ目だったただ一つ熟れた花梨を寝室に置けば好い香に慣れてしまった写真ACより、「アニマル・ブリーダー」のイラスト1枚。
いつも新年は暮れからまとまった休日となるので、時代を読み解くための読書に耽(ふけ)っています。けっこう気合の入った読書となります。今年は趣向を変えて、「この本をいつ読もうか」と一昨年から読むタイミングをはかっていたこの一冊を、新年最初の一冊として手にとることにしました。怠(なま)けることが美徳だというタイトルの小説と随筆を集めた文庫本です。美徳とまで言わないにしても、怠けることは「悪」なのだろうか、と考えてみようという気になりました。考えるためには、まず「怠ける」ってどういう