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瑞浪市陶磁資料館にあった直径60㎝の大皿です。以前ブログにも書いた曽根磁叟園製。右にある型を下に、左の型を上にして圧力鋳込でつくるのですが、歪みがないようにするのは至難の技です。常設展には様々な窯道具とともに、美濃焼の歴史が解りやすく展示。飛鳥~平安時代には穴窯で、須恵器や灰釉陶器が作られていました。土器よりもずいぶん硬い陶器です。鎌倉から室町時代には庶民の器である山茶碗、後期には大窯で鉄釉陶器なども焼かれ、引出し黒(天正黒、瀬戸黒)などの桃山陶につながっていったようです。そして桃山時
激しかった暑さも一段落、秋の気配を感じるようになったこの頃ですが、台風が心配ですね。取り急ぎ、週末までの陶器展をお知らせします。まず、多治見市文化財保護センターの「陶器将軍加藤助三郎」。8日24日(金)まで。入場無料です。「陶器将軍」と呼ばれた加藤助三郎さん(1856-1908)。多治見市市之倉町の製陶業兼陶器商の家に生まれ、14才で上京し、16才の時に東京深川に陶器店を開きます。美濃産地からの出張店の先駆だそうです。明治20年代から海外輸出も始め、万国博覧会などでの受賞も数々。ま
10日ほど前に訪れた荒川豊蔵邸は、眩しいくらいの新緑の中でした。豊蔵邸裏口。もみじの種がほんのり色づいています。表玄関も緑の中。豊蔵さんも、窓から溢れんばかりの緑を眺めたんでしょうね。日本家屋ではこうした明と暗、陰翳がとても美しい。こちらは陶房です。陶房の窓からも緑がこぼれます。以前はお風呂場として使われていた東屋。今年はなぜかミヤマヨメナがたくさん咲いて、目を楽しませてくれました。今まで特別公開しかなかった荒川豊蔵邸、陶房ですが、4月28日からは一般公開となったようです。休館
川喜多半泥子の呼びかけで、豊蔵が金重陶陽や中里無庵、三輪休和とともに結成した「からひね会」の理念のひとつに「単に桃山陶を再現するのではなく、その時代の作陶する想念と心通わせること、そして焼成の方法を根本から検討し直す」とある。この言葉は、「桃山陶の再現」が、古陶に似た体裁を整えるだけでなく、「その時代の作陶する想念」を抱いてはじめて可能であることを主張している。この理念に沿って、陶陽は備前で、無庵は唐津で、休和は萩で、桃山陶の復興に努めた。だから、それぞれの作品には、それぞれの産地が残した桃山