根小屋城の築城については、上野誌・関東古戦録等に、永禄十一年(一五六八)或いは十三年に武田信玄が、山名、鷹の巣の間に新城を築き、信州佐久郡望月の城主望月勘八郎、同じく伴野庄の住人伴野助十郎を入れて守らせたと明らかに記されている。鷹の巣とは、現在の寺尾公民館上の御嶽山から登りつめた所の、城峯神社のある茶臼山城址のことである。永禄五年箕輪城を落とした信玄は、西上州を手中におさめて、北条氏康、上杉謙信と対じしていた。この城は狼煙台として、新附の倉賀野、木部、和田の諸将を監視するため、守兵は信州の信頼出