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経営課題に対する調査や分析を行った上で得られた原因が、その課題を掘り下げる過程において、あくまで結果に過ぎなかったと気付かされる事は、日々の業務の中でしばしば起こる現象です。例えば、・社員のモチベーションが低い。・業務の評価基準明文化されておらず、納得性が低い。・評価者が被評価者の業務との関わりが少なく、評価できない。・組織の拡大に伴い、組織マネジメントが機能しなくなった。等の課題に対して組織や人事に原因であるとして、明文化した評価制度や人事システムを構築
今回は「戦略的優先事項を明確にする」場合の下の階層に切っていくときの思想を考えます。「戦略的優先事項を明確にする」というのは広い概念であり、何か新しいことを行うときにどこから着手したら効果的かというものや、ある問題に対処するためにどこから手を付けたらより効率的かというような視点のものもあるでしょう。このようなやや広い概念を目的として下の階層に切っていくときは、いろいろな切り口が混在しがちです。上位項目を構成する要素による単なる分解、上位項目の原因分析による分解などが混在しが
前回記したように、ある事象をぼんやりとみるのではなく、MECEの考え方にのっとって分けて考える手法を述べました。「分ける」という事は、その事象の下の階層に降りるという作業をしています。つまり、日本国民を「男性」と「女性」に分けたという事は、日本国民を下の階層で「男性」と「女性」に分けたという事になります。さらに、その下の階層にて「年代で分ける」等分解していくわけですが、分ける目的によって切り方が変わります。よく見られる分ける目的の代表的なものは、1.原因を分析
ある事象を見るとき、あるがままに全体を見てしまうとその事象のぼんやりした現象しか見えず「どうしたらよいかわからない」という事になります。ここで、「面倒くさいからなるようになるさ」と考えるか、さらに一歩進めて考えるかが論理的に物事を考える力が付くか否かの分かれ目です。「分かる」と「分ける」は同義語といわれます。起こった事象に対して真理を見つけるような考え方をしている人の共通点の第一は、全体をぼやっと見るのではなく分解して考えているという事です。大きく見てしまうと手に負えないも
職業柄、企業に働く多くの方にお会いします。立場的には経営者であったり、経営陣に属する方であったり管理職であったりまた現場で働く人であったりいろいろです。性格や価値観はそれぞれなのですが、優れている人に共通するのは「事象に対して真理を見つけるような考え方をしている」という事です。そうできる人とできない人の差は、勉強したかというよりもいつもある事象に遭遇したとき正対して考えてきたか、考える事を放棄してきたかの積み重ねに起因する部分が多い気がします。我々は経営上様々な事
「敢えて話を難しくしない!」中小企業では方向性をまとめ、行動に移し結果を出すまでのサイクルが確立されていないか、回すのに時間が掛かってしまう傾向があります。あれこれ時間を費やすより、まずやってみて結果を精査し次の行動に移した方が結果を得るには効果的です。そのためには、永遠のテーマに安易に入り込み過ぎないことが重要です。永遠のテーマとは簡単には解決できないテーマです。言い換えれば経営をしていく上においては永遠に考え続け、高度にし続けなくてはならないテーマです。具
「メーターがないだけ!」中小企業では方向性をまとめ、行動に移し結果を出すまでのサイクルが確立されていないか、回すのに時間が掛かってしまう傾向があります。中堅企業体質を獲得するためには、業績アップと体質強化を同時に進める必要があります。それは体質強化にはある程度投資が必要になりますし、社員への還元も増やして社員に安心して、前向きな新たな取り組みを進めてもらう必要があるからです。まず業績を向上させるための、効果的な対策を練るうえにおいて、業績の現状を様々な角度から数値的に把握
「放っておけば必ず悪くなる!」中小企業では方向性をまとめ、行動に移し結果を出すまでのサイクルが確立されていないか、回すのに時間が掛かってしまう傾向があります。よくある実態として、日常で問題ばかりが発生して心休まる時がなく、問題の解決に手間取り結果を出すための重要かつ前向きな活動ができないというネガティブな状況があります。そうなると原因分析もしている時間が無いため再発防止策も講じられません。中小企業体質において問題が起きる原因というのは、以下の通りでほぼ共通しています。
「理屈の理解は後回しにする」中小企業では方向性をまとめ、行動に移し結果を出すまでのサイクルが確立されていないか、回すのに時間が掛かってしまう傾向があります。あれこれと実行までの時間をかけてみるよりまずやってみて結果を精査して次の行動に移した方が、結果を得るためには効果的です。中小企業では「あるべき論」の扱い方が上手ではありません。どうしても「あるべき論」の理解と共有ができないとならないという強迫観念みたいなものがあり、次の具体的なステップになかなか移ろうとしません。
営利企業の目標は、利益の確保であることは間違いありませんが、実態としてのその目標には向かえていないということを説明させて頂いております。その理由の一つは、部門の掲げる目標と利益の相関関係やメカニズムが解明されていないためです。売上を生み出す直接的な部門である、営業部門でさえ明確化するのは難しいことです。もう一つの理由は、組織の構成員は組織の利益のためではなく、自らの評価向上が目標であるためです。それは評価の圧力が、組織の下層であればあるほど強まってしまうのです。
「組織の構成員の本当の目標は?」前回は、利益を生み出すために最も近いであろう営業部門でさえ、利益と売上の相関関係を解明しなければ、仕組みとして、本当の目標を目指す事できないと説明させて頂きました。今回はもう一つの理由です。繰り返しになりますが、営利企業の目標は、活動を継続するための利益確保であることは間違いありません。ですので、営業や製造、購買、総務、経理等あらゆる部門の最終的な目標は利益の確保であり、各部署に所属する従業員の最終的な目標も利益の確保です。組織の構成
「営業の目標は売上か?」営利企業においての目標が利益の確保という共通認識があっても、必ずしも各々の活動が目標に結びついていないということについてお話させて頂いております。今回が二回目です。副題にあるとおり、営利企業の総体として、利益の確保を目標とした時、営業部門としての目標は果たして「売上」なのでしょうか。確かに、一般的に営業部門の目標としては、自社商品・サービスを販売するための活動量や活動効率を増やし、売上を向上させることにあると思います。なので、活動の結果が直
第三者として様々な企業のお手伝いをさせて頂いている中で、表題にある「目標あれども目標目指さず」の状態が組織の実態として見受けられます。というのも、営利企業の目標は利益の確保にほかなりませんが、その目標を目指すための一段低い活動目標は明確に定義されているでしょうか?営業職であれば、自ら売上を作り出している上に、売上という目標が明確に与えられている場合が多いため、営利企業の組織としての目標に合致しているように思えます。しかし、営業職でさえ、その売上が本当に利益と結びついてい
「Aさんは今度部長になった」ということばを聞いた時、我々はAさんも出世したんだな、偉くなったんだなと本能的に感じます。しかし、職位というものが役割を表すもので、偉さを表すものとは異なる(部長がやれるくらいの人は人間的にも能力的にも偉いはずという議論はおいておきます)のであれば、この感覚自体が何か誤っていることになります。しかし、我々日本人としては無条件に職位(役職)に価値を見つけます。これは企業人でなくても日本という国に流れている共通の価値観です。取締役、部長、課長な
組織内における職位(役職)とは何を表すべきものであるか、この視点で職位(役職)を考えるとき日本的組織と欧米的組織という視点から見ると、その認識の異なりは文化に根差したものであることに気づきます。日本的組織の考え方のベースになっているのは、鎌倉時代の「御家人」の「御恩と奉公」のような関係だと考えています。つまり、企業に所属するという事は、「生涯の安定をいただく代わりに、多少の無理であっても耐え抜くのが当たり前」という価値観です。つまり、企業というのは「一家」であり「家長(社
「社長は会社の中で最も偉い」、この言葉を聞いてどのように思われるでしょう。この言葉は半分正しく、半分は誤りと思います。半分の正しさとは、その会社の全責任を負うのが社長ですから、従業員の誰よりも大きな権限を持っているはずです(ここでは株式公開を行っていない一般的会社を想定していますので、株主のほうが上だという議論は置いておきます)。権限の大きさイコール偉さとするなら、「社長は会社の中で最も偉い」といえるでしょう。また、半分の誤りとは「責任と権限は社内で一番だが、一番偉い
多くの企業には部長、課長といった職位(役職)が存在すると思います。私事ですが、前職の時課長を命じられた時はうれしかったものでした。それはつまり、「偉くなった」という感覚からきていたんだと思います。もちろん「認められた」という承認欲求が満たされたことや、いくばくかの手当てが増えたという事もあったでしょうが、それ以上に「偉くなった」という感覚がありました。また、近親者をはじめ周りも「おめでとう」と言ってくれたことを覚えています。しかし、考えてみれば課長というのは、課
「中期計画よりまず一枚岩になろうとすること」中堅企業体質を創る上で、決して間違ってはいないけれども、実際の現場ではどうもフィット感が無く、別の事の方がもっと大事だと思えることがあります。それは中期計画です。経営において中期計画を立案して実行に移していくことは、絶対に必要です。しかし、実際に中期計画を遂行してみてもうまくいかないことが多々あります。これには様々な原因がありますが、多くは年度目標を達成しようとする年度計画遂行においても、うまく進めることが出来ない内部体制
「朝令暮改より一貫性が重要」中堅企業体質を創る上で、決して間違ってはいないけれども、実際の現場ではどうもフィット感が無く、別の事の方がもっと大事だと思えることがあります。それは朝礼暮改です。経営には朝令暮改も必要だという経営的な迷言?があります。確かに変化が激しい時代ですから、その重要性はわかりますしそうせざるを得ない部分が当然あります。しかし、朝令暮改と一貫性が無いのとでは全く違います。中小企業体質ではどちらかといえば、一貫性に欠けるケースが多いのですが、そ
「計画より実行が重要」中堅企業体質を創る上で、決して間違ってはいないけれども、実際の現場ではどうもフィット感が無く、別の事の方がもっと大事だと思えることがあります。それは計画です。中堅企業体質で当たり前にしなければならない習慣はPDCAです。経営陣、マネジャー、一般社員のどの階層においても成果を出していくためには目標達成のための計画が重要です。しかし計画と同様に重要なことは「実行」です。毎月の進捗管理において、必ず起こる現象は「やろうとしていたことのすべては出
「教育より成果が重要」中堅企業体質を創る上で、決して間違ってはいないけれども、実際の現場ではどうもフィット感が無く、別の事の方がもっと大事だと思えることがあります。それは社員教育です。考え方、勤務態度、社会人として正しい姿勢など、教育熱心な会社はとても熱心です。当然それは間違っているはずもなく必要な事なのですが、しかしあまりにも人間教育的な視点に偏重し過ぎると「会社は学校ではありません」と言わざるを得なくなります。もちろん社会人として、大人として余程基礎的な事が出来
サイエスでは経験的に、組織の成長モデルとして、創業者が権限委譲を行って機能別組織を形成する共同体段階から、ルールを定めて行く公式化段階に至る間に売上30億前後の大きな壁が存在していると考えています。これは創業者の能力的な問題ではなく、人間としての限界を指しています。組織が公式化段階に至るには、組織を動かすため、今まで運用してきた暗黙知を形式知(ルール)化しなければならず、そこに大きな壁があるからと見ているわけですが、これを超えなければ創業者の片腕と言える人物像を形成出来ず、30億
なぜ売上100億を目指さなければならないのかという事についてお話しさせて頂いております。今回が3回目。前回は組織が均衡する条件から『誘因≧貢献』が成立していなければ、組織は当たり前に維持、成長、存続する事が出来ないとお伝えさせて頂きました。つまり、組織は従業員の貢献を原資として、それ以上の誘因を作り出さなければ、貢献を得る事が出来ないという事を示しています。組織が作り出す役職やポストも誘因の一つです。サラリーマンとして勤める以上、多くの人は出世したい、稼ぎたい
改めて、なぜ売上100億を目指さなければいけない事についてお伝えさせて頂いております。今回が2回目となります。私が警察を退職した後入社した会社は年商約60億から80億へ向かっている途上で、結果的に10年で年商約40億まで落ち込んでしまった企業でした。入社した当初は、登り調子で旺盛な投資で積極的な出店政策や新業態開発も活況な状態でした。しかしながら、私が退職する頃はお察しのとおりです。なぜそうなってしまったのか。外的要因によってそうなってしまった面もあり
サイエスは売上100億に拘ったコンサル活動を展開しているのですが、今回は改めて「なぜ100億を目指すのか?」という事を改めて考えてみたいと思います。私たちの業務の中では、マネジメント層の方と面談し、会社をもっと拡大させたいという熱い想いを伺う事が多いのですが、(そもそも、そう思わない方からの引合いが当社にあるわけ無いのですが)実際の業務活動を行うプレイヤー層の方からはしばしば、・今のままで十分だ。・ただでさえ忙しいのに、もっと頑張らなければいけないのか。・これ以上の業
個々人の持つ暗黙知を組織知に転換する最後のステップ4は「内面化」とされています。ステップ3で得られた新たな形式知を組織の暗黙知に昇華するというステップです。利用可能となった形式知を基にして、個人(社員一人ひとり)が実践を行い、その知識を体得するプロセスで経験や学習内容を暗黙知として自分のものにしていくプロセスです。前回のしゃぶしゃぶというメニューはすでに組織知になっていますから、それを個々人として誰でも展開できるわけです。さらに、「より新しいしゃぶしゃぶとは」という
個々人の持つ暗黙知を組織知に転換する方法を野中博士のSECI(せき)モデルのステップ2は「表出化」とされています。「暗黙知を明確な概念(形式知)に表す」という事ですね。つまり、「暗黙知」を「形式知」に変えるという事です。これが難しい。そもそも、言葉にできないものを伝えるわけですから、手法としてはメタファー(例え)、コンセプト(概念)、仮説、図式などの形をとりながら次第に形式知として明示的にしていくわけです。「例えれば~」とか「~のような意味を持ったもの」とか、「図式
個々人の持つ暗黙知を組織知に転換する方法を野中博士のCECI(せき)モデルから考えるというのが今回のシリーズの目的でした。CECIモデルでは、4つのステップを通じて個々人の持つ暗黙知を組織知に転換するとしています。まずステップ1は「共同化」とネーミングされています。「個人Aと個人Bが共通体験を通じて、個人Aの持つ暗黙知を個人Bが暗黙知として感じて体得する」というステップです。野中博士によれば、暗黙知は個人が仕事を通じて、体験しながら肌から学ぶしか方法はないとされていま
今回はちょっと難しいタイトルを選んでみました(笑)。でも、内容は難しいわけではなくできるだけ実際の仕事における例えも入れながら記していきます。まず、暗黙知、組織知に関して改めて確認しておきます。ナレッジマネジメントの第一人者として有名な野中博士によれば、暗黙知とは経験や勘に基づく知識のことで、言葉などで表現が難しいものと定義しています。これの対になる知識として、文章・図表・数式などによって説明・表現できる形式知を上げています。また、組織知とは個人の中に属人的に
「中小企業体質脱皮のためにも挑戦する」今が中小企業体質であってもビジョンや目標が明確で、そこに向かってあらゆる手段を駆使してビジョンと目標を達成しようとするのであれば、そのためのなんらかの投資が必要です。投資をするためには利益とキャッシュに余裕が必要です。利益やキャッシュを得ようとするのであれば、既存事業において数値管理に基づく正しい組織運営が必要になります。組織運営に必要なことは目標管理やPDCAを駆使するマネジメントで更にそれらを機能させるための組織的なインフラが必要