ブログ記事18件
入院とかしていたので、久々の投稿です。麻耶雄嵩『さよなら神様』『神様ゲーム』の続編。久遠小学校に転校してきた鈴木太郎は実は神様らしい。なので近所で殺人事件が起こったとき、「俺」は鈴木太郎に犯人は誰かを尋ねると彼は即座に犯人の名前を教えてくれる。「俺」は久遠小学校探偵団に属しているので、鈴木太郎に教えられた犯人が本当に犯人かどうかを突きとめるため、団の友人たちと調査を開始する。小学校を舞台にしているため、なんだかコミカルな推理モノかと思いきや、そこは歪な麻耶雄嵩!話はとんでもなく残酷
歌野晶午さんの『葉桜の季節に君を想うということ』を読みました。葉桜の季節に君を想うということ(文春文庫)Amazon(アマゾン)784円〈何でも屋〉ならぬ〈何でもやってやろう屋〉を自称する成瀬将虎は、地下鉄の駅で飛び込み自殺を図った女性・麻宮さくらを救う。また、同じフィットネスクラブに通う久高愛子から、おじいさん・隆一郎の事故について相談を受ける。隆一郎は健康食品や羽布団などを売りつける悪徳会社・蓬莱倶楽部に散々金を巻き上げられた上、保険金をかけられて、轢き殺されたと言うの
2年前に読んだ「サーチライトと誘蛾灯」のシリーズ続編です。前作も面白かったですが、本作はさらに目覚ましくレベルアップしていました。全国各地を旅する昆虫好きの心優しい青年・魞沢泉(えりさわせん)。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていた──。16年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか?魞沢が意外な真相を語る表題作など5編を収録。注目の若手実力派が贈る、第74回日本推理作家協会賞と第21回本格ミステリ大賞を受賞した、連
【人は、死んだらどうなるの?―いなくなって、それだけなの―。その会話から三年後、凰介の母は病死した。父と二人だけの生活が始まって数日後、幼馴染みの母親が自殺したのを皮切りに、次々と不幸が…。父とのささやかな幸せを願う小学五年生の少年が、苦悩の果てに辿り着いた驚愕の真実とは?いま最も注目される俊英が放つ、巧緻に描かれた傑作。第7回本格ミステリ大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)】2006年に刊行された作品です。序盤は主人公の小学校5年の凰介の母親が癌での闘病生活の末亡くなり、数日
【山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。(「BOOK」データベースより)】2010年の作品です。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞し、各ミステリーランキングにもベスト10内(本格ミステリ・ベスト10では1位)に入った作品です。た
屍人荘の殺人:今井昌弘★★★★★★★★8:傑作、もう一度読み返したくなる1冊テンポ;8、プロット;8、ストーリー性;8、人物/背景描写;9、発想:8、空気感;8、ミステリー/サスペンス性;8、ホラー:8、ドンデン返し:8、読後感;8ジャンル:ミステリー、ホラー感想:読み始めてスグに、その驚くほどの筆致とテンポに惹きつけられる。これがデビュー作かと思えど、なるほどミステリーの多くの大賞を取っている作品かと思いながら読み進める。が、前半から中盤に指し
今年一本目はミステリー小説が大好きな大学生・葉村譲(神木隆之介)は、ミステリー愛好会の会長を務める明智恭介(中村倫也)に強制的に入会させられ、学内で起きる事件に首を突っ込む毎日を過ごしていた。ある日、同じ大学に通いながら私立探偵としても活躍している剣崎比留子(浜辺美波)が、犯行予告が届いた音楽フェス研究会の夏合宿に行こうと彼らを誘う。三人は山奥の合宿地・紫湛荘を訪れる。個人的に浜辺美波が好きなもんですからつい・・・・推理物なのでネ
【奈良の山奥、波美地方の“水魑様”を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。ホラーとミステリの見事な融合。シリーズ集大成と言える第10回本格ミステリ大賞に輝く第五長編。(「BOOK」データベースより)】刀城言耶シリーズの第5作目です。この間読んだ第1作目の『厭魅の如き憑くもの』の記事で「ようやく最初の事件が起こるのが260ページ目ということで読んでてエンジンがかかるま
表紙怖い。本格ミステリ大賞の候補作でした。受賞には至りませんでしたが、これはコアファンが絶対いる!シリーズです。刀城言耶シリーズはアンソロジーに短編が入っていて1作読んだだけ。そんな私でもこの500pにもわたる本はスルスル読めて、何より民俗学的な楽しみを味わえました^_^もともと民俗学×ミステリで1番好きだったのはこのシリーズ凶笑面蓮丈那智フィールドファイルⅠ(新潮文庫)Amazonあわせて古美術×旗師の不幸型ハードボイルド女性のこのシリーズ。←葉村晶系と勝手にネーミングし
今年度の本格ミステリ大賞作。時代は大政奉還により江戸時代から明治に移る混乱の京。江藤新平と尾張藩の鹿野師光のふたりが出会うところから始まる。短編集の形をとり、それぞれで殺人事件が起きる。そこに居合わせたり、司法卿として事件に関わるのだが、密室をはじめ不可解な状況を推理する。どちらも名推理を行える賢い人。だが、時代背景や思惑があり、2人の間にも別れのときが。出会いから、共に働く時期を経て別れまでを5つの物語で構成する。そんなお話。推理に骨太感がありながら、読みやすいためスイスイ読
葉桜の季節に君を想うということ(文春文庫)724円Amazon最近よく読んでいる葉室麟作品の影響で、ミステリー小説が読みたくなり、この「葉桜の季節に君を想うということ」を選びました。なんといっても第57回日本推理作家協会賞受賞・第4回本格ミステリ大賞受賞・このミステリーがすごい!2004年版第1位・本格ミステリベスト102004年版第1位と、ミステリー賞を総なめにした最高峰ともいえるような作品なので。ものすごく期待して読み始めたのですが・・・正直、あまり面白いストーリ
麻耶雄嵩さんのミステリなら、一筋縄ではいかないんだろうな…と思いつつ、『隻眼の少女』(文春文庫)を読みましたメルカトル鮎のシリーズも、貴族探偵も、なかなかに癖が強い探偵が登場しますが、こちらの探偵役は隻眼で水干姿の17歳美少女・御陵みかげそれも先代である母から隻眼と探偵の能力と、コードネームを引き継いだ…という、それだけを取り出してみれば、ゲームやアニメのキャラクターのよう。ところが、内容はかなりダークで、面白かったけれど読んでいて結構疲れました自殺する場所を求め寒村の温泉宿を訪
壺中の天国著者:倉知淳★★★★★★6:標準的佳作、とりあえす合格レベルの作品ジャンル:、ミステリー、本格、本格ミステリ大賞感想:はじめて読んだ作品は、「星降り山荘の殺人事件」というありふれた題名に反した傑作だった。それがかれこれ1年前。この作家の作品を読みたいと思いながらも、あいだに次々と読みたい本が溢れてきて、なかなか到達できなかった。特に、第一回本格ミステリ大賞ということでも期待値高い作品で、満を持してと気負っての1年越しの思いが入った作品だっ
2017年『このミステリーがすごい!』第1位、第17回『本格ミステリ大賞小説部門受賞』の『涙香迷宮』(講談社文庫)を読みました読みやすい文体にも関わらず、意外と読了まで時間がかかってしまいました自己分析するに、竹本健治さんの作風に慣れていなくて、どこが流して良くて、どこが重要ポイントなのか勘どころがわからず、一字一句見落とさないように…と無意識に慎重に読み過ぎたのかも読む前に覗き見たネット評では、評価が分かれているようだったのですが、わたしは面白く読むことができました囲碁
ミステリ読書は続く。一昨日までは三津田信三「作者不詳」を読んでいた。ホラーと本格ミステリを連作短編という手法でまとめたのがこの作家さんらしく好印象ではあるものの、なにぶん、本格/変格ミステリを読み慣れている身としては、7つある短編のうちの全部とは言わないが、いくつかが読んでる最中にトリックやら犯人やらが分かってしまい、、、短編ミステリ読むからには驚かされたいからちょっと消化不良。やはり、とうじょうげんやシリーズがいいな。。。今読んでるのは、牧薩次「完全恋愛」。2009年の本格ミステリ
GOTH夜の章著者:乙一★★★★★★★7:秀作、十分に楽しめる作品ジャンル:ミステリー、ホラー、短篇、連作、本格ミステリー大賞感想:乙一、相当以前に話題になった作家ではあるが、初読みとなる。まず、GOTHという作品は、もともとハードでは1冊の作品であった。それを文庫化する際に、「夜の章」と「僕の章」に分けられた短編集であるが、1品1品がそれぞれに完結しているが全編がつながっている連作形式をとっているため、前半だけで評価するのは好ましくないが、後半に期待が繋がる作品で
新本格ミステリの分野で活躍する歌野晶午氏の長編作品。代表作『葉桜の季節に君を想うということ』で2004年に本格ミステリ大賞を受賞。また2010年にも『密室殺人ゲーム2.0』でも本格ミステリ大賞を受賞している。2012年には『春から夏、やがて冬』が直木賞候補になった。ーーーーー便利屋の「俺」のもとに小宮山佐緒理という美しい女が客としてやってきた。佐緒理は「誘拐して主人に脅迫電話をかけて」と依頼して来た。誘拐は成功した。偽装誘拐の間、佐緒理は旅行に行っていて留守を
ミステリー作家、歌野晶午氏による長編小説。読点部分が赤いらしいが表紙を見た感じでは英語のタイトルの「or」のみ赤く見える。ーーーーー埼玉県入間市、小学2年生の少年が誘拐される。母親は誘拐された時刻は買い物をしていて、父親の会社のパソコンに脅迫状が送られていた。脅迫状を見た父親は息子の所在を確かめるため、息子のPHSに電話をかけたが、出ず、母親が言うには学校から帰った後お昼を食べ友達と遊ぶと言って近所の公園に出かけたらしい。身代金は200万。細君が持ってくるようにと入
麻耶雄嵩氏による『神様ゲーム』に続く神様シリーズの2作目。1冊目は長編で神降市という町で、色々な事件が起きる。10歳になる少年が中心で、自称「神様」の少年が犯人の名前をあげ、それを主人公の少年と同じ町内の子供達とで作った探偵団が犯人の行動を推理していく話。2冊目にも同じ自称神様の少年が出てくるが、1冊目で神降市から転校した後の話になっていて、主人公が変わり、形式も章によって違う事件が起きていく形になっている。麻耶雄嵩氏は『隻眼の少女』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を同時に受賞
元々は2003〜2016年まで全て書き下ろしで発行されていた講談社の書籍レーベル「ミステリーランド」の第7回目の配本の1冊。↓こちらが子供と大人両方に向けて刊行されたミステリーランドの本第1回目に島田荘司氏の『透明人間の納屋』があり、今年読んでブログに書いている。コンセプトは「かつて子どもだったあなたと少年少女のための――」というもので、文字が大きく、殆どの漢字にルビが振られているので、子供でも読める作品になっている。麻耶雄嵩氏は『9つの扉リレー短編集』('17/3
どーも。先日部活の試合で好成績を残した部員に部長先生が食事をご馳走してくださり僕も一応準優勝なので同行したのですが、大トロやウニなど高級料理も出てきて一人暮らしには豪華過ぎる食事会でした。とても美味しかったです笑さて、今日も一冊紹介します!葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午です!『「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろう
皆さん、お正月休みはどうでしたか?私は、地元に帰って久しぶりに仲間たちと夜更けまで飲み明かしたり、読みたいと思っていたたくさんの本を一気に読んだり、2017年に向けて事業計画を作成したりと、とても有意義な時間を過ごしました(^O^)さて、そんなお正月休みの間に読んだ本を今日は紹介したいと思います。東野圭吾氏の著書『容疑者Xの献身』です。こちらの作品、第6回本格ミステリ大賞!第134回直木三十五賞受賞!をされたとても有名な作品なので、知っ
開かせていただき光栄です―DILATEDTOMEETYOU―(ハヤカワ文庫JAミ.../皆川博子¥972Amazon.co.jp作者の皆川博子さんは1930年生まれで、1970年に児童文学作家としてデビューした後、ミステリ、幻想小説、時代小説など幅広いジャンルで作品を発表。80歳を越えた現在も精力的に執筆を続けています。18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男。戸惑うダ
隻眼の少女(文春文庫)/文藝春秋¥740Amazon.co.jp麻耶雄嵩さんは、1969年生まれのミステリー作家。綾辻行人さんや法月綸太郎さんと同じく、京都大学の推理小説研究会に所属、在学中の1991年にデビューしました。いわゆる「新本格」の作家なのですが、綾辻・法月よりもさらに先端的な作風で、「夏と冬の奏鳴曲」などは本格ミステリーの構造自体を自ら破壊するような強烈な作品でした。この「隻眼の少女」は、2010年に刊行された作品。これまでミステリーマ