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勝手に論愚選【朝日俳壇2026.08.09】[長谷川櫂選]亡き妻とまた逢ふための昼寝かな(春日部市池田桐人)八月や地球人みな杖を突き(福岡市釋蜩硯)存(ながら)へて今日も明るし屑金魚(西宮市古山丈司)太陽の子分麦藁(むぎわら)帽子かな(稲城市日原正彦)端居したこの世のことを斜め読み(越谷市安居院半樹)一年をかけたうな重一瞬に(福島県伊達市佐藤茂)[大串章選]円周率めきし妄想熱帯夜(大阪市平谷茹美)剥製(はくせい)の獣の咆(ほ
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴季節の俳句をご一緒に挨拶の傾き合へる日傘かな篠原温亭この頃の暑さには、閉口します。日傘をさした人が、多くいます。日傘は、暑さの元の日光を遮断します。体との間の空間もあり、暑さをしのげます。日傘をさした人が、すれ違います。知っている人なのでしょう。勿論、頭も下げているのでしょうが、傘も傾けて挨拶をして行き過ぎます。篠原温亭熊本県宇土市に生まれる。現龍谷大学に学んだのち上京し、徳富蘇峰が主宰する「國民新聞」に勤め活躍した。その
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴。季節の俳句を楽しみます。暑い日々ですが、暑さをすこし忘れるような句はないものでしょうか。をさなごのひとさしゆびにかかる虹日野草城幼子が、そらを指しているその指に、虹がかかっている。嗚呼(ああ)それだけだ。ひらがなを多用して、幼さをだしているのか。書くことに窮し、ネットに頼ると、大きな自然現象である「虹」と、生まれたばかりの「赤ちゃんの指」という、スケールの大きさと小ささの対比が鮮やかで、命の輝きや美しさを感じさせる名句として知ら
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.07.12】[長谷川櫂選]分け入れば地球の匂ひ夏の草(東村山市内海亨)帰省して家中手摺ばかりなり(横浜市我妻幸男)空気にも黴(かび)生えるらし五月闇(大津市星野暁)茄子漬一本のみの昼の飯(日進市松山眞)[大串章選]雷鳴に生まれたての子反応す(前橋市荻原葉月)此の世への点滴のごと滴れり(相模原市渡辺一充)逆縁の百九歳や梅雨寒し(東京都杉並区伊東澄子)[高山れおな選]風死してトリリオネアは火
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴短夜や乳ぜり泣く児を須可捨焉乎(すてつちまおか)竹下しづの女大正デモクラシーの頃。人々は物価高騰にあえいでいた。そのころ、しづの女は子供4人の育児真っ最中。経済的に苦しく、親の栄養さえ満足にとれない生活。当然、乳も十分に出ない。児は欲しがって泣くばかり。そんな中、ヒステリックな叫び声をあげた。勿論本心ではない。むしろ、愛情の発露だ。因みに、結局もう一人増えて二男三女を立派に育て上げた。しづの女は福岡県生まれ。夫が亡くなっ
(1)きょうは、かかりつけの医院へ、「検診1ヶ月後の評価」を伺いに行きました。結果は「問題なし」でした。待ち時間が予定される所へ行くときは、たいがい写真の多い本を持っていってパラパラとめくっていることが多いですが、きょうは「朝日歌壇」(『朝日新聞』21日付8面)を読んだところで出かける時間になりましたから、これを切り取って持って行きました。1.その理由は、次の朴の歌を見たからです。店先に十枚一束朴の葉が中山道は五月の光(名古屋市磯前睦子)これは、五月に中山道(木
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴また汝(なれ)の離(か)れゆく闇の梅雨滂沱(ぼうだ)角川源義(げんよし)俳句にあまり感情は入らないと思っている。わび・さびが中心で、短歌と違い、感情は封印されると自分で勝手に思い込んでいる。その中で、感情の込められた俳句だと感じた。愛する娘が逝ったのだった。眠られない夜が続く。浅く眠れても、夢では、若き娘が離れてゆく夢ばかりなのだ。離れてゆく娘を追って目を覚ますと、外は梅雨の雨が強く降っている。涙も
運慶の流れを汲む、松本明慶工房展に行って来た。精巧で細緻な彫りであった。ただ、魂が入る前の仏という感じがした。しかるべきお堂に供えて、僧が魂入れの儀式をする、そうすれば仏らしくなるに違いない。どうしても仏像とは古いもの、そんな先入観はぬぐえない。今日の一句。あと少し人間でゐる更衣年をとると更衣の間だけでも生きているのかな、そんな気持ちである。朝日俳壇に先月に続いて入選した。でき過ぎだ。このあと、また1年間に1回の入選を目指してーいや、俳句を作
せっかく朝日歌壇にお目当ての歌人の方々の投稿が載っていたのに、ご紹介できませんでした。”お前はそんなことを言っているけど、誰も頼んでねーし!”なんて思わずに、どうぞゆっくりご鑑賞ください。ー5月24日掲載ー※ホタルイカうなずいて食べる父と母私もこの春うなずいてみる(富山市)松田わこ※里帰りして目が合ったぬいぐるみ私を判別した後笑う(富山市)松田梨子つくづくと、美味しさ
5月31日は1930年生まれのクリント・イーストウッドの96回目の誕生日でした。SNS上には“実質引退”みたいな記事もあり、本棚に飾っておく状態だった、この本を取り出して見た。2010年刊行の「クリント・イーストウッド:レトロスペクティヴ」。2010年の刊行の時点で、映画俳優として監督として、40年以上のキャリアを誇るイーストウッド。その多彩な作品群を200点以上に及ぶ貴重なスチル写真やオフショット、ポスター画像などのグラビアで紹介する大判サイズの豪華本です。各作品
薔薇の家。右手、黒っぽい緑の部分に白薔薇が咲いていたが、すべて切り取られていた。薔薇は終りで、次の準備が始まったよう。1週間ほど前には、こんなに咲き誇っていたのに。花の命は短くて、か。でも次にこの壁面がどうなるのか、期待!ちなみに薔薇は年に何回か咲くか。ChatGPTに聞いた。一般的なバラ(四季咲き性の園芸品種)は年に複数回咲き、春(5〜6月)と秋(10〜11月)を中心に2回が基本ですが、条件が良いと初夏〜晩秋にかけて3〜5回ほど繰り返し開花します。一季咲きの野生種
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴郭公や何処までゆかば人に逢はむ臼田亜浪日本に夏やってくる鳥・ツツドリほほほと鳴く・カッコウ鳴き声が名前の由来・ホトトギスキョキョキョトウキョウトキョカキョク?の順であるらしい。東北の方では、ツツドリが鳴くから粟(あわ)を蒔けカッコウが鳴くから豆を蒔けホトトギスが鳴くから田植えせよという言い伝えがあるらしい。だから、この句にでてくる郭公は「豆蒔鳥」とも言われているそうな。はやしの中を歩い
今日も天気がいい日だった。薔薇の庭もひときわ華やいでいた。イギリスの田舎の庭みたい。たとえばストラットフォード・アポン・・エイボンのように。いい日だったというのは、午後読書をしていると、妻がいいニュースがあったと知らせてくれたこと。妻がラインで受け取ったのだが、朝日新聞を購読している人から、お宅の主人の俳句が朝日俳壇に入選していた、というもの。朝日新聞は取っていないので知らなかったが、大ニュースだったまだ俳句をやっているのは、年に1回は朝日俳壇で入選したい
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴おそるべき君等(きみら)の乳房(ちぶさ)夏来たる西東三鬼豪放磊落!(ごうほうらいらく;心が広く大らかで、細かいことは気にせず、快活でさっぱりとした性格や様子)町を闊歩する若い女性たちの胸元に注目した。夏になると、薄着になり、それだけ体の線もあらわになる。その最たるものが、乳房だろう。西東三鬼に「おそるべき」とまで言わしめた。若い女性の胸のあたりを目で追いながら、夏の到来を感じている。西東三鬼は岡山県生まれ歯医者をシンガポールでし
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.04.26】[高山れおな選]戦争を始めた男囀(さえず)れる(京都市加藤しげお)存在やエイプリルフールの闇に湧く(さぬき市鈴木幸江)賢者めざめよ虫だしの雪ひとつ(松山市杉山望)桜みる母ががいちばん好きな母(上尾市宮本幸子)野火走る棚田の形そのままに(大和郡山市宮本正勝)平台の新入生の読むべき本(川崎市多田敬)[小林貴子選]さくらさくらひらがなでかくひらひらと(札幌市三船悦子)耐へらるるほどの孤独
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.04.12】[長谷川櫂選]バロックの音楽高し春の雲(稲城市日原正彦)太陽と一対一や野に遊ぶ(伊万里市萩原豊彦)恋猫の幽体となって戻りけり(一関市砂金眠人)遅き日や吾(あ)も汝(な)も古りし竹箒(たけぼうき)(東京都江戸川区高木靖之)梅散つて桜待つ間の花杏子(東京都世田谷区松木長勝)鐘の音に桜一片大空へ(東京都中野区日向友紀子)足腰を鍛へて桜待つてをり(福岡市釋蜩硯)[大串章選]人生の終着駅のう
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.04.05】[小林貴子選]そよぐ草食べ放題の牧開き(千葉市長谷川ぺぐ)冷やかして買わされ帰る苗木市(市川市西山智朗)越中の夜行便なりほたるいか(横浜市田中靖三)出世など眼中になし新社員(姶良市井之川健児)初蝶や光の襞(ひだ)に見え隠れ(生駒市髙橋裕樹)のどかさやカント散歩の午後の四時(川崎市槿山由紀子)これ程の数の幸あれ雛あられ(横浜市生田康夫)雁風呂(がんぶろ)や渚の砂をさらふ潮(倉吉市尾崎
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.03.29】[高山れおな選]ロケットに春愁のありまだ翔(と)べず(和歌山県上富田町森京子)くつひもをゆるめるやうに水温む(藤井寺市横内正人)シクラメン全部ぬらして春の雨(松山市小谷正和)ぴったりのジーンズ買って春を待つ(丸亀市布戸道江)季語といふ光に焼かむ青写真(市川市をがはまなぶ)東京に背中を向けて麦を踏む(香川県琴平町三宅久美子)[小林貴子選]下校児のでたらめの歌春の土手(袋井市本多りつ)啓
ことばの泉を訪れてくださり、ありがとうございます。近所の公園に桜が咲き始めました。まだ、三部咲き位ですが、お花見に訪れる人たちでにわかににぎやかになりました。今週の朝日歌壇、俳壇を読みました。<小林貴子選>下校児のでたらめの歌春の土手(袋井市)本多りつ啓蟄や蟻(あり)語のわかる山田君(船橋市)武藤みちる春休み中洲(なかす)は俺たちの島だ(日光市)土屋恵子【評】一句目、既成のメロディーではない歌が、子どもの口をついて出る。春を迎えて心が弾
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴季節の俳句を楽しみます。父と子と母と子とをりふらここに星野立子ふらここはブランコのこと。ブランコが何故春の季語なのか。なんでも「春夜」という中国の詩の中に、鞦韆(しゅうせん;ぶらんこ)があるからだそうだ。この句、ふら「ここ」に「をる」という言葉遊びのけらいがあると思った。幸せな家族の一場面。星野立子ある会合で、見知らぬ婦人が自己紹介でつぎのようなことを述べられた。「私は、立子という名前です
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.03.15】[長谷川櫂選]百姓の顔して村の寝釈迦(ねしゃか)かな(霧島市秋野三歩)雪国に疎開したまま八十年(仙北市安部哲男)悲しみの宿る枕の余寒かな(長崎市下道信雄)(評)「妻が病で施設に」とある。こんなとき、俳句の力が試される。空港に落葉のごとく眠る人(市川市山本明)百年の計なき国に梅ひらく(入間市木嶋勉)白鳥が引けば浚渫(しゅんせつ)重機来る(栃木県壬生町あらゐひとし)[大串章選]忘れ物取りに来し
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ加藤楸邨分かりにくいものを持ってきた。ぼんやりと月もかすんで見える。春の夜のこと。うちふさいだ、ぼんやりした気分でもある。「夜のかたまり」は、漠然とした抽象的なもので、なんとなくこころが塞いでいる。春愁を、「夜のかたまり」として表そうとしたのだろう。ところで、この句は句集「吹越」に載っている。この句集名が読めない。ふっこし・ふきこし?調べると「ふきごし」とあった。後述。加藤楸邨は東京生まれ
勝手に論愚選【朝日俳壇2026,02.22】[大串章選]蠟梅を老梅と書き狼狽す(川越市吉川清子)寒釣の浮子の微動を見逃さず(大阪市今井文雄)束の間の木偶(でく)となりたる日向ぼこ(鎌ケ谷市都丸浩美)風邪ひいて余命を思ふ耳順(じじゅん)かな(入間市橋爪あゆみ)梅一輪生まれて生きて死ぬ定め(福島市安斎真喜子)雲間より佐保姫覗く日和かな(青梅市小城敏子)[高山れおな選]ぶらぶらと春を喜び我楽多市(本巣市清水宏晏)ひれ伏して祈る人をり
勝手に論愚選【毎日俳壇2026.03.02】[西村和子選]どんど爆(は)ぜ人の輪一歩二歩下がる(奈良市上田秋霜)春ショールふわりと羽織り助手席へ(葛城市山中由子)飼い主に似て哀れやな猫の恋(彦根市馬場雄山)母郷(ぼきょう)とは母の眠る地冬北斗(沼津市川井大次郎)集まれば皆八十路なり女正月(めしょうがつ)(大阪井口千賀子)春寒や水にまぎれぬ墨の帯(川越市益子さとし)[井上康明選]火の色のまぶたに在りて野焼き果つ(直方市岩野伸子)
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴季節の俳句を楽しみます。仕(つかまつ)る手に笛もなし古雛(ふるびひな)松本たかし古い雛を大切にしている。箱から出しているのかもしれない。飾ってあるのかもしれない。ふとみると、笛を吹く雛のはずが、その笛がなくなっている。手だけは、笛を吹く格好をしているのである。そこに、哀歓を感じる作者であった。松本たかしは、能役者になるつもりだった。ところが、病を得て、あきらめざるを得なかった。その雛に、自分を重ねているのかもしれない。とは、読み過
ごきげんいかがですか月曜日は俳句週歴花あれば西行の日とおもふべし角川源義(げんよし)西行が亡くなった日。ただし旧暦である。ところが、どこでどう定められたのかは知らないが、西行忌は一日早い旧暦2月15日とされている。(私の歳時記にもそうなってる)なぜかは想像に易しい。「願はくば花の下にて春死なむそのきさらぎの望月のころ」の歌にあるように、望月。つまり15日(満月)に死にたいという希望を後の人がかなえたのだ。実際は一日ずれて、16日だった。一日のずれを、修正したのだろう。そ
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.02.08】[小林貴子選]米三合受けてたたずむ寒念仏(三重県明和町西出泥舟)スキーするかと思ふ杖使ふ方(東京都新宿区針谷順子)西半球東半球鬼打豆(うちまめ)(塩尻市田原章弘)丸餅が海老芋とゐる味噌雑煮(京都市山河重弥)[長谷川櫂選]戦争をひとつふたつと手毬唄(てまりうた)(久留米市塚本恭子)雪国の天の華なれ大日輪(長野市縣展子)天に放屁(ほうひ)地に放尿の老の春(大野城市野分のわ)みちのくに立つ
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.02.01】[高山れおな選]あがるだけ揚がりしづかな凧(たこ)となる(東大阪市根来穣二)裸木の尖(とが)った先に何か咲く(神戸市豊原清明)晩年や友待つごとく春を待つ(境港市大谷和三)湯の華を掌(て)に躍らせて初湯かな(垂水市瀬角龍平)雪隠り俳句ごもりとなりしかな(長野市縣展子)[小林貴子選]畢生(ひっせい)は旅か芝居か冬の月(新潟市山羊昂人)(評)「畢生」は一生の意味だが、「畢」=「終わり」の意味の一
勝手に論愚選【朝日俳壇2026.01.25】[大串章選]母哭(な)くか父の嗚咽(おえつ)か虎落笛(もがりぶえ)(日立市加藤宙)(評)妣(はは)が泣き叫んでいるのか。考(ちち)がすすり泣いているのか。虎落笛の音が胸に響く。よく喋る森の言葉よ木の実落つ(川崎市神村謙二)山眠る卑弥呼はどこに眠るやら(守谷市久保田洋二)雪達磨涙流して消えにけり(前橋市萩原葉月)夕凪や砂丘に小さき人歩く(栃木県高根沢町大塚好雄)水平線灯台守の日向ぼこ(東京都江東区近