北杜夫の年譜を見る。双極性障がいを最初に発症したのは1966年。以来、30年以上病気に悩まされて、「楡家の人びと」を超える作品を書くことはなかった。60年代の高度成長期はよいことばかりではなかった。まず負の副作用として公害がある。これが外部の現実である。内部の現実としてはある日突然失踪する蒸発が社会問題化していた。朝ドラ「ひよっこ」ではヒロインの父親が、出稼ぎにきていた東京から蒸発してしまう。貴重な設定だとおもった。父が双極性障がいを発症するのは67年。最初は鬱の症状から始まった。ある日の夜、夕