ブログ記事86件
昨年12月に刊行された『オタク用語辞典大限界』(三省堂)が話題である。名古屋短期大学の学生らが自ら熱情を注ぐ「オタ活」界隈用語を採集した。語義解説もさることながら、用例がどれもまことに最適で、オタク達の心の働きが目に見えるようである。読むうちに、別々の界隈でも「推し方」は同じだと感じた。オタクの習性は文化的様式なのだ。様式に身を委ねるもよし、そこからはみ出る感情や自分の「推し方」があるなら、それも大事にしたい。(H)日本語学2024年3月号-明治書院日本語学2024年3
何かとお騒がせなマイナンバー制度であるが、その略称が気になる。政府の広告ではマイナポータルやマイナポイントなどと言っていて、「マイナ」が公式の略称のようである。だが、「マイナンバー」が自然に略された時、あまりそうはならない気がする。せめて「マイナン」や個人番号から「個番」といった略し方のほうがありえそうだ。ただし、そもそも略すほどこの番号が人口に膾炙していないのであった。(H)日本語学2023年12月号-明治書院日本語学2023年12月号詳細をご覧いただけます。www.mei
日本語に不足している人称詞があると思う。それは、甘やかしのための呼びかけ語である。海外ドラマを観ているとハニーやらベイビーやら語彙が豊富だが、日本語で考えてみると、なにか独創的な綽名を作るか、~ちゃん等で間に合わせるしかない。即ち文脈頼りであって、言語上に愛着を表しにくいのではないか。かつては吾妹子、あが仏など使えるものがあった。最近の言葉に「すきぴ」があるが、呼びかけに使うのをみたことがない。用法を拡大しないものかと、横目で窺っている。(H)日本語学2023年9月号-明治書院
「だいじょぶそ?」という表現をここ何年かよく耳にする。「大丈夫?」よりも気軽だが、かえって相手の実状を慮る気配が感じられるようである。気遣いや皮肉はもとより、程度の甚だしさも表せるらしい。「花粉、飛びすぎなんだが大丈夫そ?」などと言ってみたいこの頃である。さて、連載「言葉学」に安井先生・山田君のコンビが登場している。2019年1月号ぶりのカムバック。二人の軽妙なかけあいを楽しんでほしい。(H)日本語学2023年3月号-明治書院日本語学2023年3月号詳細をご覧いただけます。w
漱石、鷗外から村上春樹、小川洋子まで、文学への扉を開く23作品を収録!【新刊】A5・240ページ990円(税込)2022年10月刊行●漱石、鷗外から村上春樹、小川洋子まで、文学への扉を開く23作品を収録!明治・大正・昭和・平成、各時代の名作23作品を年代順に並べました。「こころ」以外は、全作品全文を掲載。中高生が質の高い文学作品に親しみ、広く読書の世界へ足を踏み入れる契機となることを目標に編集しました。●定番作品も収録!「山月記」「こころ」「檸檬」「舞姫」など定番教
コロナ禍の水際対策が見直され、10月には海外からの個人旅行が解禁となり、街中でも多くの言語を耳にするようになった。言葉を理解することはできなくても、日本を満喫している様子がうかがえ、うれしくなる。特集「海外における日本語教育」では、「遠い国」での日本語教育に焦点を当てた。地理的・経済的・文化的に縁遠いこれらの国へ気軽に旅行することは難しいかもしれないが、日本に興味を持つ日本語学習者の方々ともお互いの言語で交流する機会ができたらうれしく思う。(S)日本語学2022年12月号-明治
講義動画を見る機会があった。自動生成の字幕をONにすると音声が全て文字化される。それを見ながら、自分も含め人が口に出す言葉のうち、実質的な意味を担う語の割合は思ったよりずっと少ないと気づいた。それでも、文脈をつかまえていれば、または(集中がとぎれがちでも)周りの情報に気を配れば、自然と話についていくことができる。相手の話を理解することは、私たちが知らずにこなしている離れ業なのかもしれない。(H)日本語学2022年9月号-明治書院日本語学2022年9月号詳細をご覧いただけます
創刊より編集委員をお願いしました宮地裕先生が逝去されて一年になります。当時まだ新しい語「日本語学」を冠した小誌は、宮地先生のお考えの下に生まれました。先生との思い出や小論をお寄せいただいて追悼特集とし、宮地先生のご冥福をお祈りいたします。追悼特集にあたり、早稲田大学の森山卓郎先生にもご相談申し上げ、ご尽力を仰ぎ種々のご配慮を賜りました。また、宮地先生とご縁のあった皆様にも、快くご執筆をお引き受けいただきました。ここに深甚の感謝を申し上げます。(S)日本語学2022年6月号-明治
今年は学校に大きな春がやってくる。新年度に授業が変わるのは生徒たちにはある意味平常運転だ。けれど今度の改訂は先生方にとって新たな挑戦となる。ところで今号は特集テーマと重なるため掲載がないのだが、小誌に「国語の授業づくり」という連載がある。論理国語などの選択科目についても、現役高校教諭の先生方に実践案をご寄稿いただいている。そちらもぜひご覧いただきたい。(H)日本語学2022年3月号-明治書院(meijishoin.co.jp)
月刊誌『選択』を読みながら、ふと「選択」についてブログに書いてみようと思い立ちました。「語用論」の授業(科目名は「日本語コミュニケーション論」)では、発話行為(speechact)を人間の行為の一種として捉える考え方について、オースティンやサールの理論を紹介します。「走る」ことも「手をたたく」ことも人間の行為です。それと同じように「約束する」ことも「依頼する」ことも人間の行為です。ただし、行為の質の違いによって行為を分類することができます。「走る」こと、「手をたたく」こと
数年前久しぶりに出身高校を訪れた際、校内にはWi-Fiが飛び各教室にはプロジェクターが設置され、とても驚いたのを覚えている。PC教室の古い端末でフリーズと闘いながら作業していた在学時代からは、到底考えられない。日々進歩を続ける情報通信技術。うまく活用して、いろいろなことがより便利になるのはもちろん、今までは考えられなかった研究や指導が可能になるのも楽しみである。(S)雑誌『日本語学』2021年冬号-明治書院雑誌『日本語学』2021年冬号詳細をご覧いただけます。www.meijis
学習指導要領が変わり、国語教育も新しい時代を迎えようとしている。連載「国語の授業づくり」では、生徒一人一人の国語の資質・能力の育成が求められる、これからの新しい国語の授業の在り方について考える。・第七回論理国語「書くこと」2030――ウェルビーイングを実現するために――(豊田佐和子)(「日本語学2021年秋号」より)目次1「論理国語」の設定背景2二〇三〇年の社会を踏まえた教育3論理国語「書くこと」のポイント4実践案5「論理国語」のこれから(とよだ・さ
平成時代に進んだ国際化や情報化をはじめとした社会の変容は、そこに生きる人々の考え方や価値観も変えてきた。令和時代はまた、新たな変動が加わることで、社会状況や人々の心のありようが、さらに変わっていくことが予想される。言葉の学問には、社会やそこに生きる人々の心に生じる変化や問題を、言葉を通して的確にとらえ、望まれる言葉像を示していくことが、これまで以上に求められていくだろう。言語から社会や人間を考える研究をしている研究者たちによる、言葉の学問の現場の思いを語るリレー形式のエッセイを連載する
「日本語がなくなって世界の言語が英語だけになったらどうなるのだろうか。」自著『日本語の歴史』(岩波書店、2006)の中でそう問いかけ、また日本語の歴史を知り日本語によってつむぎ出された文化を大切にすることが、日本語を後世に伝えていく心を培うことになるとも指摘した。世界各地で民族固有の言語が消滅しているなか、日本語もまた衰退の道へと足を踏み入れている。「日本語が消滅する時」について、古典の文体やオノマトペなど日本語の諸相について研究を重ねてきた山口仲美氏が、この問題意識に発してあ
この「貞観政要下」では、後半部分と再清本で違うから附篇が一篇収録されています。貞観政要下新釈漢文大系(96)Amazon(アマゾン)7,735〜22,844円新釈漢文大系96貞観政要下:しんしゃくかんぶんたいけいじょうがんせいようAmazon(アマゾン)10,120〜21,087円
弊社教科書「現代の国語」の冒頭教材のテーマはことば・思考です。そのテーマで取り上げた教材は一つ目は「自分の時間で読み継ぐ」と二つ目「『ふと』と『思わず』」です。二つ目の教材の随想「ふと」と「思わず」は言語論でありますが、「ことば」を文化としてとらえるならば日本語とドイツ語を比べているあたりは東洋西洋の文化論ともいえるのではないでしょうか。作者が日本人でドイツで生活しているということで二国間の比較にはなっていますが、この文章を起点として、日本語のある言葉が各国の言葉でどのように表現されてい
明治書院の新しい高等学校用国語教科書、『精選現代の国語』と『精選言語文化』。この2冊の教科書のポイントを分かりやすく紹介した動画をYouTubeにアップしました15分程度の動画になります。休み時間や移動時間にご覧いただければ幸いです
いちいち、報告することでもありませんが、漢文の勉強を再開しました!とはいえ、単に少しずつ買い集めた漢文に関する本を読み始めたくらいですが(笑)本当に、高校か、大学の読書力が高まっていた時期に読みたかった!今は、読んだ瞬間、知識が流れていっています・・・。あと、寝たはずなのに、眠くて、しょうがないです。本を買って、少し本を読む時間ができたかな?と思ったのですが、今度は、眠くて、本を読むエネルギーが足らないという、よく分からない状況になっています。本当に思い通りにならないですね。まぁ、
緊急事態宣言が8日に発令し、9日以降はまだ一歩も外に出ていません。年末年始の総外出時間は近所のイオンへの買い出し1時間。23歳なんて一番遊びたい盛りだよなあとは思いつつ、平時の休日にも基本的に外出が億劫なため公式に外出するなと言われると、休日ずっと家にいることに罪悪感を覚えずに済む!これは政府からインドアに与えられた免罪符だ!と、ポジティブに考えております。(販売部土田)
Netflixで配信が始まった『呪怨:呪いの家』を観ました。1話ずつ観ようとしていましたが、思わず全6話一気に観てしまいました。それにしても凄まじい3時間で、第一話からアクセル全開で見る人をゲンナリさせてくる、良質なホラーでした。1988年、物語は二つのエピソードから始まります。ひとつは、心霊特番のバラエティーショーで、不思議な物音を家で聞くようになったアイドルと心霊研究家の話です。彼女がどうして不思議な物音を聞くようになったのか辿っていくと、その女性の彼氏が物件探しで見つけた、とある一軒
最近、天気が悪い日が続き頭痛に襲われました。その日は市販薬で凌ぎましたが、あまり薬に頼るのもどうかと思い調べましたらあるはあるは。気のせいではないようです。自律神経の乱れが原因のようです。気圧の変化に耳なりになることが多く、基本夜型と運動不足、この季節暑がりな私はエアコンに頼りきりで汗をかかないでいます。全部当てはまってました(汗)耳を温めると痛みが和らぐことができますし、予防にもつながるそう。明日7月17日は天気痛予報で関東は「やや注意」。早速試してみます。(販売部柳澤)
週末に、『隣る人』というドキュメンタリー映画を観に行きました。この映画は2012年に劇場でかかったのですが、DVD化が意図的にされていないので、各自治体の上映会や、映画館での再上映がないとお目にかかれない作品なのです。で、足立区の「あだち子ども支援ネット」が主催の上映会に行きました。自治体の上映会に行ったのは初めてでした。上映会は映画館の上演と大きく異なることがいくつかあります。まず、場内の明るさや静寂度合いが違います。映画館なら、照明設備が整っていますから、映画が始まると、すとん
『鬼滅の刃』(集英社,吾峠呼世晴)、最新21巻まで読みました!映画化もあるし単行本もまだ完結していないので内容には触れませんが、鬼退治の話です。新しく漫画を買うときは最終巻が出てからまとめて買うようにしているのですが、先日電車で前に座っている女性がめちゃめちゃ楽しそうに鬼滅の刃を読んでいたので我慢できず買ってしまいました。バトルものの漫画は戦闘シーンが多くて巻数が多いので普段は買わないようにしています。唯一所持しているのは『鋼の錬金術師』(ガンガンコミックス,荒川弘)のみ。単行本で全27巻
1789年7月14日、パリ市民によるバスティーユ牢獄への襲撃があり、この日はフランス革命勃発の日となりました。その後、フランスでは7月14日は革命記念日として祝日になり、日本でもパリ祭として各地でイベントが行われています。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響もあり、各地でイベントが中止になったり縮小されたりしているようです。そう考えると、2020年という年はフランス革命と同等に、世界を一変させた年として後世に記憶されるかもしれません。コロナ後の世界がこれまで以上に希望の持てる世界になることを、
塔和子さんをご存じですか。愛媛県の英雄としては正岡子規が有名ですが塔和子さんも愛媛県生まれです。全集も全三巻で出ています。彼女のことは全く存じ上げない頃、立ち寄った古本屋さんで偶然この全集を手に取り、2、3ページめくっただけで思わずレジに持っていきました。塔和子さんは詩人です。よかったら触れてみてください。
九州各地をはじめ全国で豪雨災害に被災した方々に心からお見舞い申し上げます。先日ラジオ番組に高橋源一郎氏が出演し、読むことのほうが書くことより大事という旨のお話を拝聴しました。SNS全盛のさなか誰もが気軽に書き手になれる世の中、言葉の暴力への警鐘と共に、書き手が想像していなかった様々な解釈が読み手にあることを知るべきと主張されてたかと思います。その中で高橋氏が創造的な読みというキーワードを述べられてて、とある学校の先生が創造的な読みを体験させることを目標にした授業をされていると伺ったことをふ
劇場の扉が徐々に開き始めまして。演劇公演が中止になり始めたのが3月近辺でしたから、約4ヶ月ぶりに劇場での公演が再開し始めたということになります。で、せっかくならと思って、燐光群の「天神さまのほそみち」(作・別役実/演出・坂手洋二)を観に下北沢のザ・スズナリに行って来ました。久々の劇場だったことも相まって、とても素敵な演劇体験でした。「天神さまのほそみち」は今年の3月にお亡くなりになった別役実さんが1979年の書いた作品で、ということは、40年近く前の作品です。舞台は電信柱が一本
先日友人と散歩をしていたら、トンビに襲われました。襲われたと言っても友人が歩きながら食べていた棒アイスが奪われただけなのですが、友人はその場で棒立ち。私は飛び去ったトンビの足に引っかかっているアイスを見ながら、トンビが巣に帰ってアイスを食べる頃にはもう溶けて棒だけが残っているんじゃないかなーと、ぼけっと考えていました。海が近いので外で何かを食べていると結構な頻度でトンビに奪われるのですが、今まで奪われた中で最も残念なトンビは、そぼろご飯を狙ったヤツでした。そのときも私の隣でお弁当を食べてい
先月6月でいわゆる「キャッシュレス・消費者還元事業」が終了しました。さほど還元の恩恵を受けているわけではありませんが、それでもこの期間を経て、私自身もかなり電子マネーやクレジットカード決済の依存度が高まりました。とはいえ、やはりいざという時は現金……と考えてしまうのは昭和生まれ故でしょうか。紙の本と紙のお金はまだ今のところ手放すことはできなさそうです。(販売部槌谷)おすすめの本
コロナの影響で文化活動、芸術、スポーツなどが延期や中止に追い込まれました。私は新型コロナという言葉がではじめたときにゴッホ展に行きました。開催して間もないころに行ったので、来場者にマスク姿は見られたものの堪能することができました。それから1週間ぐらいして開催している美術館が休館してしまったので今にして思うとよく見られたなと思います。今でも野球は無観客、大好きなオペラは入場制限が厳しくなかなか見られません。感染の可能性が高いので仕方ありません。Jリーグフットボールも明日7月4日再開されます