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せん妄はまだまだ理解されていません。実は亡くなる人の9割がなっているという研究もあります。いわば「誰もが最後になる」ことなのにもかかわらず、知られず、話し合われず、なってから大ごとになります。せん妄の方を、家族はどう見守るのが良いのか?それを解説しました。↓↓↓↓↓↓↓末期癌でせん妄の家族に何がしてあげられるか前もっての準備が特に大切な事柄です。「もう元に戻らないんですか!」「元に戻してください」となって、鎮静薬を使わないにもかかわらず意思疎通は不十分で苦
ちょっと大風呂敷になってしまってすみません。おかげさまで最新の緩和ケア情報を皆さんにお伝えする早期緩和ケア相談所ホームページおよび早期緩和ケアを実践する早期緩和ケア大津秀一クリニックホームページも記事がだいぶ充実しました。数百記事はあります。増えると探しづらくなるのは世の常……「もっと望む情報にアクセスしやすくしてほしい」そのご要望にお応えし、一覧記事を設けることにしました。下記リンクからダイレクトに記事一覧に入れます。早期
橋の途中で立ち止まると、驚くくらい揺れを感じることがあります。しかし揺れる橋は、揺れない橋よりも強く、けして折れないことをご存知の方もいると思います。緩和ケアとレジリエンス「揺れる橋は折れない」病気になると、人はしばしば自分を責め、自己効力感は下がり、自尊感情も傷つきます。鬱屈した気持ちに、身体的なつらさまで加わると、良い人間関係のときとは打って変わって、近しい人の言葉に過剰に反応したりするなどして、人間関係もゆらぎがちです。つまり重い病気は、レジリエンスを構成する要
「緩和ケアにかかりたいけれどもかかれない」今日から、そのような悩みを日本から一掃したいと思います。いや、実は調べると、海外からも早期緩和ケア相談所のホームページをご覧になってくださっている方もいます。海外居住の邦人で、がん等を患われていて困っている方にもお伝えできることです。緩和ケアを広く届けたいと思った時に、私は遠隔診療システムと出会いました。そう、今はスマートフォン等でビデオ通話を用いて診療ができる時代になっているのです。相談所のホームページを立ち上げた時
不安を契機として緩和ケア外来に通われる方も多くいます。実際、不安を感じることは多々あると思います。患者さんが少しでも楽になれば良いと思いながら、これまでも関わって参りました。がんと不安の緩和ケア緩和ケアの担当者としては、本当に、「少しでも早くたどり着いてほしい」と真剣に思っています。終末期になる前に、できることは大変多くあります。長く関わり、不安を解消し、できることを尽くしたい、それが一緩和医療専門医としての偽らざる気持ちです。★早期緩和ケア相談所のF
早期緩和ケア相談所の大津です。本日付で、東邦大学医療センター大森病院を退職しました。見慣れた緩和ケア診察室と、窓からの景色ともお別れです。診察室でも病室でも、たくさんの出会いがありました。多くの素晴らしい医師、スタッフに恵まれ、困難なケースにもともに協働し、乗り越えてくることができました。慌ただしく、お礼を伝えられなかった方もたくさんいます。この場で改めて、感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。そして多くの患者さんやご家族の皆さん、
今ではそんな話はさっぱり聞かなくなったので、それでも少しずつ変わっていっているのだと思いますが、私がホスピスで働いていた頃、複数の患者さんから、友人・知人や同病の患者さんにホスピスに行くのを反対された、というエピソードを聞くことがありました。「何も治療しないってことだろ?早死にするぞ」「命をみすみす捨てに行くようなものだ」等々……。10年以上前はそんな状況もあったわけです。けれどもホスピスでは、来られた時のお姿とは打って変わって、元気に、予測よりも長く生活され
「緩和ケアを受けるとお金がかかるので受けたくない」そう仰る患者さんもいます。しかし、出費を上回る効果が得られる可能性は高いです。もちろん苦痛が緩和される、不安が解消する、話を聴いてもらえて元気になる、これらはわかりやすい効果です。けれども実はトータルで払うお金が減る可能性があることはご存知でしょうか?海外では、すでに、緩和ケアによる「出費の低減」まで研究されています。緩和ケアを受けると、結果的には支出が減る可能性があるのですね。タイトルでの「緩和ケア
緩和ケアについて一般の方にわかりやすく基本的な情報をお伝えする早期緩和ケア相談所のページ今回は、進行した膵臓がんで◯患者さんの希望時に緩和ケアを受診(★現在の日本での一般的なやり方に近いですね)◯希望するしないにかかわらず定期的に受診で比較した研究を紹介しました。膵臓癌早期からの緩和ケア外来介入・定期受診で余命の延長もある?緩和ケア外来をしていて思ったこととして、問題が大きくなってから、まず緩和ケア受診を「考える」(が、まだ早いなどと考
今は最初から緩和ケア医を目指す医師も少なくない時代です。しかし、私は緩和ケア医になるつもりは当初なく、内科医をする中でその必要性に気がつき、緩和ケアがまだ今ほどメジャーではなかった頃に緩和ケア医になりました。どんな病気でも診療できる内科医になるべく、研修医時代に勤務した病院は、指導医の方針もあり、徹底的に経験を積ませて頂きました。3年目以降に緩和ケアを独習して開始し、その後キャリアのほとんどで緩和ケアを行って来ました。おかげさまで、症例数や診療したがんの種類、がん以外の病
押川先生により「アクティブ緩和ケア」という新しい緩和ケアの概念が提唱されました。主体が患者さんになるという考え方が発想の転換で、また現状の解決策になっています。当所も「がん治療の虚実ブログ、メルマガとしては、現在唯一、公式推奨早期緩和ケア施設です」とご紹介くださっています。皆さんのご期待に応えるべく頑張って参ります。
「早期からの緩和ケアは受けられない」ある医師がそう書いておられました。確かに、その傾向があるのも現実です。しかし早期から緩和ケア外来を利用している方も確実におられます。また病院で早期から緩和ケア外来を行っている医師もいます。私もそうでした。早期から緩和ケア外来を利用するための5つの方法についてまとめました。早期から緩和ケア外来を受けることができる5つの方法何もしないことは運任せであるということになり、そこからより良い結果を得る可能性を増やすためには、
窓が開いているところが相談所です。先日、早期緩和ケア相談所に電話を引きました。実は少しだけ覚えやすく東京03無(6)駄な苦(9)痛はいつ(12)もゼロに(02)なるのがいーな(17)で、03-6912-0217です。・・・ちょっと無理やりかもしれませんね。でもなんとか覚えられます(電話番号を忘れやすい自分はそれで覚えました)。すると……早速着信が!それも次から次へと!電話が鳴り止まないとまではいきま
認知症に緩和ケア。皆さんは必要だと思いますか?苦痛をうまく表現できないだけで、実際には相当数の方が痛みや息苦しさを終末期に感じているという報告もあります。下記にて説明しました。【緩和ケア医解説】認知症の緩和ケア文中に記した通り、ご家族への支援もとても重要です。実際にこれもまた相当数のご家族が心身の苦痛を感じているというデータもあります。ただご本人の症状緩和がご家族の負担軽減につながりますので、2方向からのアプローチが重要です。見逃され、すくい上げられ
一般の皆さんは、原発不明がんをご存知ですか?全体の1~5%を占めるとも言われています。原発不明がんの緩和ケアについてまとめました。原発不明がんの緩和ケア原発不明癌の早期からの緩和ケア一般に診断時から進行していることも多く、原発不明がんに「早期からの緩和ケア」となることはあまりありません。ゆえに、依頼が来て早すぎるということはありません。速やかに緩和ケアが併診されるべきがん種の1つだと考えます。
下記のご質問を頂きました。「80歳以上の高齢者の緩和ケア、せん妄、鎮痛、鎮静について知りたいです。せん妄が現れたら鎮痛剤は止め、鎮静剤にした方のがいいのか。せん妄が現れて、鎮痛剤から鎮静剤に変えたらどのようになるのか知りたいです」Kさんご質問ありがとうございました。確かになかなか容易ではない問題です。下のリンクで回答しました。80歳以上の高齢者の緩和ケア、せん妄、鎮痛、鎮静について皆様からの緩和ケアに関するご質問を随時受け付けております。ぜひお寄せください
東京の緩和ケア病棟・ホスピスの特徴について簡単にまとめました。東京の緩和ケア病棟・ホスピス(終末期において)東京においては選択肢はふんだんにありますが、それでも間に合いづらいのが緩和ケア病棟やホスピス。また、中心部の差額ベッドの値段も首都級です。大切なのは人、相性、そして施設。これはおそらく全国共通でしょう。
新たに緩和ケアチームの診療報酬対象に認められた慢性心不全。これからは慢性心不全の緩和ケアが推し進められていくでしょう。診療報酬が発生しない時期から、要請に応じて緩和ケアを行って来ました。慢性心不全の緩和ケアについてご説明します。【緩和ケア医解説】慢性心不全の緩和ケア
赤塚不二夫さん、岡田真澄さん、藤田まことさん、桑田佳祐さん、やしきたかじんさん、中村勘三郎さん共通するものは何でしょうか?これだけのビッグネームがずらりと並ぶのも興味深いです。そう、食道がんです。熟年以上の男性に多い病気です。今日は食道がんの緩和ケアについてまとめました。食道がんと緩和ケア食道癌と早期緩和ケア食道がんは手強いと聞いたことがある方もおられるでしょう。太くない管ですが、一体何が手強さの原因なのでしょうか?がんとしても症
皆さんは多発性骨髄腫はご存知でしょうか?一般の皆さんにはなかなかイメージしづらい病気かもしれません。多発性骨髄腫は血液のがんです。ただこれまでも血液のがんは緩和ケアに依頼が来にくいとお伝えしている中で、多発性骨髄腫は例外的に依頼が比較的多いがんです。それにはある理由があります。それらについて下記で説明しました。多発性骨髄腫の緩和ケア多発性骨髄腫の早期緩和ケアがんはどれでも容易ではない病気ですが、多発性骨髄腫は完治しにくいことがあり手強い病気です
今日は皮膚癌の緩和ケアについてご説明します。そういえば、なのですが、経験症例があるがん及びその他の疾患で記事を書いています(診たことがない病気を調べただけで書くことはしていません)。皆さんとのご約束ですが、緩和ケア医として診療経験がない病気は書かないか、それを明記いたします。これまでの病気に関しての緩和ケアはすべて経験があるケースです。がんに関しては、希少がんと言われる稀ながんでも緩和ケア医として診療したことがあります。特にホスピス及び大学病院では、他では経験しないよ
おそらく、末期癌について記した次の2記事が再びご好評を頂いているようで、末期癌最後の数日は?末期癌最後の数日家族にできる1つのこととは?最近何回かアメブロドクター部門1位になっていましたね。今日もそうです。皆様、ありがとうございました。他にブログを書かれておられるテレビでご活躍もされている有名ドクターと比較して、私はちっとも有名ではありませんが、特徴としてはリアルな臨床医、つまり患者さんを診療することをメインの仕事としている医師である、ということです。
昨日は腎がん、特に腎細胞がんの緩和ケアについてご説明いたしました。同じ腎・尿路系の腫瘍として、今日は膀胱がんの緩和ケアを皆さんにお伝えしたいと存じます。下記のリンクをご覧ください。膀胱がんの緩和ケア膀胱癌の早期からの緩和ケア膀胱がんは高齢の方に多いのですが、特定の化学物質を扱う職業者に発症するリスクがあり、そのようなケースでは比較的若年で発症することもあります。膀胱がんで対処すべき症状となるのは痛みであることが多いです。それらについて解説しました。
向日葵さん、つらいご記憶の中、お母様のエピソードのご紹介ありがとうございました。まずは皆さん、リプログ記事に目を通して頂きたいと思います。向日葵さんのお母様は、自己免疫性肝炎を患われ、胸水や息苦しさ、痛みに悩まれたそうです。”母も総合診療医にかかっていれば、痛みに苦しむことは減っていたのかもしれません。”と書いてくださっています。総合診療医と書いてくださっています。手前味噌で申し訳ありません、こここそまさしく「緩和ケア医」です。症状のプロフェッショナ
このブログをご覧の皆さんには、すでにご存知のことだとは思いますが、「◯◯さんが、緩和ケアを受けていると聞きました。余命が短いのでしょうか?」というような質問はしばしば散見しますし、実際されます。ただこの質問、どうでしょうか?(批判しているわけではありません)この質問の根底にあるのは、緩和ケアを受けている=末期、という前提です。緩和ケアを受けているので、余命は短いと思われる、ではその余命はどれくらいでしょうか?という質問なのですね。早期からの緩和ケアに
がん治療と、病気との向き合い方を知る上で必見のブログ”がん治療の虚実”のsho先生こと押川先生が、早期緩和ケア相談所をご紹介くださいました。私自身の拙い解説よりも、相談所の本質を的確にご表現くださっています。ありがとうございます。コメント欄にもご指摘がありましたが、がん治療医と緩和ケアの専門家が協働して、手を携え、補完して治療に当たるのが最適解の現代です。医師それぞれの専門性を尊重し、また各々の専門的な力を発揮し、患者さんの幸福というゴールに向けて有機的に協力す
緩和ケアチームが関わっているのに苦痛が取れないよく聞いてみると以前相談があったケースなのですが患者さんは50代女性。乳がんの骨転移で痛みがあります。某所の病院にかかっていらっしゃいます。担当医にももっと痛みを取ってくれることをお願いしたようなのですが、なかなかうまくいかず。緩和ケアの大切さをご存じの方だったので、「緩和ケアチームにかかりたい!」と患者さんは希望され、担当医から緩和ケアチームにも紹介してもらいました。しかし……。患者さんの
重い病気の患者さんはしばしば孤独だと仰られます。なぜでしょうか?もちろんそれにも明確な理由があります。ただ一方で、「孤独のままにしていることが、あまり良くない」という理由もまたあります。今日はそのことについて考えてみたいと思います。リンク先をご覧ください。孤独と緩和ケア緩和ケアを利用することも、孤独になりにくくする一つの手段です。その点で早期から利用する意義があります。実際に、症状緩和以上に、遠慮なく話せ、聞いてもらえる機会が緩和ケアにて
がんは痛いか?痛かったらどうするか?がんは痛いか?皆さんはどう思われますか?痛いというイメージはあるでしょう。しかし実際にはそれは様々です。痛みがある場合もあれば、非常に強い場合もあり、一方で痛みが全然ないケースもありますただ全体的に見ると、がんがある程度進行すると痛みが出るケースのほうが多いとは言えましょう。痛みに苦しんだ小林麻央さんの言葉一部には、がんは痛みに苦しむというイメージもあるようです。けれども、症状緩和の中では、がんの痛
★骨転移の痛みは手強いがんが骨に転移すると痛い、とお聞きになったことがあるかもしれません。昨日、のたうち回るほどの痛みについて述べた記事でもそれを書きましたが、確かに中にはそれほど強い痛みを自覚される患者さんもいらっしゃいます。では全例痛いか?というとそうではありません。骨転移があっても、たいして痛くない患者さんもおられます。脊髄の神経の種類が変化するところに痛み出現・悪化の原因があるのでは等と示唆されています(下記の専門書にも記しました)。がん全体でいえ