大巨獣ガッパを観た。日活唯一の怪獣映画は、東宝や大映を見慣れてる特撮ファンには、なんとも情けない出来だ。ノーマルスピードで撮影される、焚き火のような火災と花火のような砲弾。翼を広げてまるでメリーポピンズのように固定ポーズのまま浮いていく飛行スタイル。そしていちばんの違和感は、特撮場面が無音で進む事だ。また撮影規模が東宝と決定的に違うのは人間のライブ撮影。極少自衛隊員と自衛隊車両。本多猪四郎がいかにリアリティを追求した監督かと思い知る。日活が得意とする船上での妖艶カットぐらいしか見るべき場面はない