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昨日の投稿を読み返したら、急いでいたからか、オペラの内容に関するコメントを殆ど記していませんでした。チャイコフスキーの歌劇《スペードの女王》は、ロシア語のキリル文字の題名をアルファベットに転写すると、《PikovayaDama》になるようです。一般的には、フランス語の訳題《PiqueDame》で呼ばれることが多いです。「ピク・ダム」で言いやすいのでしょう。この作品は、オペラとしては非常に珍しいことに、原作を膨らませた一作です。プーシキンの小説が非常に短いので、オペラ化するに際して、エピソ
ムソルグスキーの歌劇《ボリス・ゴドゥノフ》の名盤が復活し、『レコード芸術』の海外盤レビューに載せるため、原稿を朝から書いていました。このオペラの主人公ボリス・ゴドゥノフは、1551年頃に生まれ、1605年に亡くなったロシアの僭主です。つまり、まだ、帝都サンクトペテルブルクが建造されていない時代の人なので、オペラの舞台もモスクワが中心になります。史実とオペラでは異なる点が勿論多いようですが、どちらのボリスも非常に興味深い人物です。ところで、このオペラの演奏を批評する際、避けては通れぬ一つの楽
一般社団法人国際総合芸術研究会WCARSの会合を拙宅で開いたのですが、ご来場いただいた会員さんから、小さなお土産を一つ頂きました。「ブルーインパルスばんそうこう」というもの。航空自衛隊関連の商品だそうです。会話の中で、航空自衛隊で働く人々の話題が少し出て、そこで私の心に大きく響いたトピックスがありました(私の理解が足りないかもしれないので、割り引いてお読み下さい」「緊急出動する航空機の操縦士は、普段、細かい仕事をしているようには見えないのですが、いざ出動の命令が下ると、そのままびしっとな
2月24日(日)成田発、3月3日(日)成田着の6泊8日の海外鑑賞ツアーのお知らせです。http://www.nippo-tourist.co.jp/kaigai-tour/helsinki_190224.html締め切りが、今月25日までになっています。まず最初に訪れるのはヘルシンキ。美食とデザインの国、ムーミンの故郷であるフィンランドは首都ヘルシンキのオペラ上演の質が高いことでも知られています。日本でもヘルシンキ発のプロダクションが紹介されました。今回は、マスネの歌劇《タイス》をオプシ
届いたばかりのDCCARD広報誌『Partner』を広げてみたら、冒頭の特集記事が『素敵、フィンランド』でした(取材・文:歌野嘉子)。国土の8割が森、「バルト海の乙女」と呼ばれる首都フィンランドには緑色の路面電車が走り、街路の看板等は極力小さく控えめなものに。有名なヘルシンキ大聖堂も屋根は緑色。カルダモンの利いたシナモンロールはフィンランドの名物なのだとか。確かに、こういう画像を提供されると、フィンランドが珈琲消費高ヨーロッパ1といわれる理由が分かるような。ブログを書いているのは真夜中な
ヘルシンキとサンクトペテルブルクへの海外鑑賞ツアーの締め切りが迫ってきました(12月25日)。www.nippo-tourist.co.jp/kaigai-tour/helsinki_190224.htmlあと2名様ほど、お申込みいただければ万全の態勢で行けるのだけれど・・・と思っていたら、いきなり頭に浮かんだ名前がありました。怪僧ラスプーチンです。正式な名前はグリゴリー・ラスプーチン(1869-1916)。シベリアに生まれ、帝都サンクトペテルブルクにやってきて、皇太子の血友病治療で祈祷が
こんなに簡単な料理がほかにあろうか?と思う。根菜類を切って鍋に入れ、肉(私は常に豚肉です)も入れて煮るだけ。買ってきた豚肉の塊に塩とコショーを摺りこんでラップで包んで一晩おき、翌日の朝、ル・クルーゼの鍋に、潰したニンニク一片と数センチ大に切ったショウガを5欠片ぐらい入れて、玉ねぎ、にんじん、レンコンと、大ぶりに切った豚肉を入れて水を注ぎ、アクを取りながら煮るという、子供でもできる料理です。煮込む途中でロリエパウダーも入れて。深皿に盛り、粒入りマスタードを添えて食べます。塩加減は本当に適当で
新国立劇場バレエ団の《くるみ割り人形》を見に行きました。このプロダクション(ウェイン・イーグリング振り付け)を拝見するのは、これで確か2度目です。色遣いが鮮やかで、雰囲気が落ち着いていて、私のような門外漢もたっぷりと楽しませてくれるステージです。ところで、チャイコフスキーのこのバレエ曲(1892年、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場にて世界初演)には、非常に珍しいことに、人声が効果音的に使われています。第1幕の終盤で少年少女合唱団が登場し、ヴォカリーズで歌声を合わせるのです。「このプ
オペラでも演奏会でも、隣席に座った方が前からのお知り合いだと、会釈や挨拶の言葉を交わすことになりますが、その際、よく尋ねられるのが次の一言です。「書くんですか?」このオペラについて、この演奏会について、批評を書くのか?というお尋ねです。私が書くと何か問題があるのか?それとも、自分が書くのにこいつも来ているのか?と思われるのか?・・・よく分かりませんが、とても返事しにくい質問です。「書きます」といえば「どこに?」と次の質問が。でもそれは守秘義務の範疇である。「書きません」といえば、なんの
インタヴューさせてもらった大歌手たちの中で、最も自然体であろうとしていた女性が、フランスのナタリー・ドゥセでした。1時間弱のインタヴューを終えて、お礼を言ってその場を去ったあと、通訳の方があとから私に追いついて、こんな風に伝言してくれました。「今日のインタヴューは、本当に楽しかった。フランスでもあんな風であればいいなと思いました」遠来の客である芸術家たちに話を伺うのなら、「もてなしの心」を忘れずにいたい。それは、何かしらの誉め言葉を口にするといったものではありません。ご当人が、おそらく
朝3時半に目が覚めてしまい、いよいよ老化が進んでいるのか・・・と思って、枕元にあったスマートフォンを手に取りました。すると、勝手に画面が動いてしまい、「今日の星占い」というページが出てきました。「仕事運:ちょっとしたミスをしますが、すぐ修正して明るく乗り切ってください・・・」といった内容でした。そこで急に思い浮かんだのが、昨日のブログの内容です。ジャン=フランソワ・ラポワントという名バリトンがいて、私はさらっと「彼はフランス人です」と書いてしまったのですが(きれいなフランス語で歌うので)
講演会で出た質問にお答えします。2017年にモンテカルロで上演された、《タンホイザー》仏語訳詞版ですが、主演のホセ・クーラはもちろんアルゼンチンの人。相手役のエリザベトはAnnemarieKremer。この人はオランダ人だそうです。ただ、名前のアンヌマリーが、いかにもフランス系の名前でありますね。ヴォルフラムはジャン=フランソワ=ラポワント。彼はフランス人です。<=今気づきましたが、この人はカナダ生まれでした。失礼しました!ヴェーヌスはAudeExtrémo。彼女はフランス人との
「フィンランドの国民一人あたりの珈琲消費量は世界で一番」そんな話を聞きました。まだ確かめていませんが、フィンランドには有名なコーヒーショップのチェーンがあったような。この前、埼玉県飯能市にオープンした「北欧のテーマパーク」にも、このコーヒーショップが出店しているそうです。https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181212-00010002-withonline-lifeロシアといえば紅茶。上流階級の飲み物と認識されているそうです。ニンジンケー
2018年後半の仕事のトピックスといえば、プッチーニの《ラ・ボエーム》に関する仕事が連発していることです。曲目解説、講演会、テレビ出演などなど・・・ここまで続いてくると、さすがに、「ひょっとして、《ラ・ボエーム》をもっと勉強しないといけないのか?」という気にさせられるのでした。プッチーニの《ラ・ボエーム》の原作は、小説家ミュルジェルと戯作者バリエールが共同で作った芝居『LaviedeBohème』全5幕です。この芝居の原作が、ミュルジェル筆の新聞連載小説。その小説を読んで、「これを芝居
まだ会社員をしていて、1991年にロサンゼルスにいたときのこと。プッチーニの《西部の娘》を見に行きました。ギネス・ジョーンズ、プラシド・ドミンゴ、そしてフスティーノ・ディアスというとても豪華な顔ぶれ。ジョーンズが若々しく、3幕でドミンゴを救いに駆けつけるシーンでは、手で押す滑車に載ってさっそうと現れて、客席が微笑みました。ロサンゼルスのオペラは、かつて、アカデミー賞授賞式にも使われていたドロシー・チャンドラー・パヴィリオンで上演されます。3000席以上ある大歌劇場です。「駐車場でどこに停めた
和光市で行われた《トスカ》の公演を拝見しながら(トスカ役の人の歌声が素晴らしかった!)、その前の日に玉川高島屋のカルチャーセンターで行った《トスカ》鑑賞講座のことを思い出していました。私が紹介した映像ではゲオルギューが熱演していました。彼女のレパートリーで大成功した役柄の一つです。受講された方からも感想が次々と出ましたが、おひとり、こんな風に質問された方がおられました。「この時のゲオルギュー以外に、同じぐらいトスカで成功できたソプラノって誰でしょう?」私がオウム返しに答えたのが「この当時
音楽雑誌さんから批評の依頼が来ていて、川崎まで出かけてきました。評価すべきことは、その批評原稿に全部投入しなければならないのですが、編集部の方でまだ字数が決まっていないというのです。レイアウトの関係らしい。私は、批評原稿は、よほどのことがない限り、観た&聴いたその日に書いてしまうので、いま非常にじれったいのですが(!)、レイアウト絡みとなると、そう急かすこともできません。批評するからには楽譜を読み直し、音符を頭に入れて出かけるわけなので、その音符が漏れ出さないうちに、観た感想と照らし合わせ
友達がURLを知らせてくれました。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181206-00000006-msportcom-motoミカ・ハッキネン。20世紀末のF-1のチャンピオンだそうです。私はいろんなことに非常に疎く、F-1の意味もしっかりとは把握していません。ただ、男性でミカという名前がさすがフィンランドと思います。本当に面白い国なのです。「一生懸命努力しなきゃいけないし、メンタルも強くなければならない。自制心も必要だ。そして良いチームプレイヤ
プロフィールには、肩書と職責、活動範囲を載せねばなりません。「オペラ研究家でなんとかかんとか委員、どこそこ大学の非常勤講師など勤め、音楽雑誌に執筆しテレビ・ラジオのこれこれこういう番組に出演等々・・・」長すぎてはいけないし、短すぎたら関係各方面に漏れが出てきてしまう。160字ぐらいが一番すっきりとまとまって見えるのですが。ところが、先ほど、非常に斬新なご依頼を受けました。「差し支えなければ好きな音楽やアーティスト、音楽以外の趣味なども入れていただくこともあります。もしよろしければ、ぜひお
一泊二日で関西圏に出張し、仕事の合間に、独りになった母親の病院通い等にも付き添って・・・2時間ほど暇ができたので、前々から訪ねてみたかった場所に行きました。それが「あべのハルカス」です。地上300メートルから眺める景色。母も行ったことがないというので、連れてゆき、地上59階のテラスで昼食も摂りました。それで、ガラス窓越しに、地上をこわごわながら見ていて、私の先祖と直結する場所がしっかり見えたので、写真に撮りました。大阪府大阪市天王寺区にある、日本初の官寺、四天王寺です。私の直系の祖先が
京都と大阪に1泊2日で出張せねばならず、それまでに出来る仕事を全部やっておこうと必死になっていたら、日曜日の夕方にぽっかり時間が空いたので、スーパー銭湯に行ってゆっくりつかり、休憩室でテレビを眺めていました。すると、「M-1」という漫才コンテストの生放送をやっていた。審査員の中に、上沼恵美子女史が居た。1963年生まれの私は、上沼恵美子さんが海原千里として活躍していた姿をよく覚えている世代です。『ヤングタウン』というラジオ番組の海原千里万里の最終回がどんな風であったか、逐一覚えているほど。フ
この前、小松菜のスープのことを書いてから、宮本美智子さんの著書『世にも美しいダイエット』のことを何度か思い出していました。宮本さんが脳出血で急死されたとき、元の職場の先輩から電話がかかってきて「宮本さん亡くなったね・・・」としばらく話していた時のことをありありと思い浮かべます。自然塩と水と◎◎◎◎油を大量に摂取し、小松菜を主食とするような食事療法・・・いろいろ細かいことを覚えていますが、書くのはここまで。興味おありの方はご自身で調べてみてください。なお、私は◎◎◎◎油はどうも受け付けず、どの
隣席に知り合いの方が来られても、あまり口を開かなかったりします。ただ、お世話になったことがある相手だと、ご質問には普通にお答えします。でも、実のところ、あまり声が出ないのでした。いったん、客席に座ってしまうと、そこから先は「ひたすら観る、ただ聴く」のみという感覚になり、身体も心も変質してしまいます。どうも、そういう気質なのです。なかなか理解して貰えず、時には申し訳なく思ったりもします。面識ある方がこちらが気付くまでずっと待っていてくださったりするときなど。ただ、講演会でお馴染みの皆さんは
毎年、音楽雑誌さんから「コンサートベスト10」の依頼があり、昨晩もその仕事をやっていたのですが・・・「演奏回数をお書きください。非公開でも構いません」とのことなので、このところ毎年、非公開にしています。単に手帳に書いてある回数を足し算すればよいだけなのですが、それでも止めておこうと感じています。というのも、オペラについて評するとなると、楽譜を読む時間が相当に要るからです。オペラは2時間以上かかるものが一般的であり、日本の劇場やホールで読譜のための席が用意されているわけでもなく、また、公演
友達から「あんまり仕事ばかりしていると、新しい発想を捉まえる頭の余裕も無くなるよ」「散歩が好きなら散歩でもよいから・・・」とのアドヴァイスを受けました。それで、昨日の夕方、国際総合芸術研究会https://wcars.or.jp/の理事さんとの打ち合わせをやる際に、待ち合わせ場所まで6kmほど歩いてゆくことにしました。普段通らない道をずっと歩き続けて1時間半。3kmぐらいなら歩くのは日常茶飯事ですが、6kmぶっ通しで歩くのはさすがに疲れてしまい、待ち合わせ場所近くの図書館に入って15分ほ
イラクサのスープのことがどうしても頭から離れず、小松菜で作ってみました。(これはイラクサのスープ。私の作った小松菜スープは、ゆで卵の代わりにサバ缶を入れてあり、レンズマメもしっかり入っています)。ニンニクを潰して赤唐辛子とオリーブオイルで炒め、そこに小松菜を刻んで放り込み、しなっとしたらしばらく冷ましてミキサーにかける。その一方で、この前、土産にもらったオレンジ色のレンズマメ(ランティーユ)を水につけておいて、それを土鍋で煮る(前の日が水炊きであったので、その残りのスープで煮ようということ
今月末に放送の収録が2回あり、どちらも大掛かりなものなので、そこに他の仕事が被らぬよう、必死にいろいろとやっていました。26日締め切りの原稿を16日に書くとか・・・そのおかげで、収録には余裕をもって参加できそうで、ほっとひと息。フリーランスで働くということは、「休みなし」と同義です。私の場合。ですので、去年も一日フルに休んだことは一度もなく、今年もそうです。12月31日までびっしり予定がつまりそう。せいぜい、どこかで4時間ほど纏めて休んでマッサージを受けたり、スーパー銭湯に着かるぐらい。あ
独りで仕事をしていると、自分のせいで往々にして失敗します。今日も、公演に出かけようとしたらチケットがない・・・確かに受け取ったはずなのに・・・慌てて探すが見つからず、主催者さんに電話をかけて、平謝りに謝ってから、席番を再確認してもらって場内へ。しかし、そんなアクシデントであたふたしてたどり着いたものの、公演自体は素晴らしく、音楽雑誌さんからご依頼の年間ベストテンに入れることを決定。何位になるか、いま、粛々と考え中です。さてこの日、公演終了後に帰宅しながら、「今後、チケットを失くさないように
友達からメールが来て「ある航空会社の機内誌の記事に、岸さんが普段言っておられるのとは違う読み方(フランス語の固有名詞)が出ていた・・・」という意味の連絡がありました。本当は、そういうのは知らされたくはない。なぜなら、「専門家なので、間違いを見つけたら訂正しないといけない」から。執筆者の機嫌も損ねるだろうし、ディレッタントの書いたものにそもそも関わりたくはない。だから、「日本語は読みません。オペラの研究に必要なものはアルファベットと音符なのです」と毎回どこでも必ずお話しするのでした。それで、
かのベルリオーズがロシアに招かれて赴いた時、サンクトペテルブルクでこの老巨匠を出迎えた音楽家たちの中に、若き日のチャイコフスキーがいました。チャイコフスキーは語学に長けていたことから、彼が代表して仏語でスピーチし、ベルリオーズに敬意を表したといいます。大作曲家同士は、出会うべくして出会う。イタリア人のレスピーギも、10か国語ぐらい解したという語学の達人。若き日のレスピーギも、はるばるサンクトペテルブルクまで赴き、当時の管弦楽法の大家と尊敬されたリムスキー=コルサコフと面会。リムスキー=コル