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新本格のベテラン倉知淳さんの著書です。まあ、これでもかと思うほど、本格ミステリでありがちな密室、予告状、見立て殺人等、変な殺人現場に新入社員の木島と自称名探偵の民間人が警察庁直轄という立場で現場入りし、謎を解いていくというお話です。それにしても、使い古された古典的な密室で針と糸を使ったり、宝石を盗むという予告状が届いたりとこんなこと実際にはまずないということが起こってきます。以下少々ネタバレとなりますので、行をあけます。
先日ブックオフに持っていく古本を整理していた時、また読むかもしれないと思って抜き出した本の一冊です。臨床犯罪学者・火村英生シリーズの短編集です。作者は有栖川有栖、この人も新本格推理小説作家の一人ですね。当時はわりと熱心に読み、特に火村英生シリーズは好きだったのですが、今回読み直してみると、全然面白くない。まぁ、推理小説なので、トリックを知っていれば面白くないのが当たり前かもしれませんが。当時、新本格は「人間が書けていない」ということでかなり非難されていました。トリックを重視する余り、人間そのも
兄が持ってきて、読み終わって、置いて行った本です。私が日本に帰った時は「クスノキの番人」という兄が読み終わった本を貰ったし、東野圭吾、好きなのかな?回廊亭殺人事件はいわゆる本格推理小説だと思います。1980年代後半から1990年代にかけて、新本格推理小説というのが出回りました。エラリー・クイーンとかディクスン・カー、本格推理小説を読んで育った人達(私もその一人)、が大人になって書き始めた推理小説じゃなかったかな。ガリレオ・シリーズやクスノキの番人シリーズはちょっと違うけど、東野圭吾さんも新本格
講談社文庫新装改定版■十角館の殺人■綾辻行人(1960-)■1987年作品■館シリーズ第1作■本格/新本格概要半年前、陰惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。(旧版裏表紙紹介文)十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築
講談社文庫■放課後■東野圭吾■1985年作品■本格/新本格・青春ミステリー■江戸川乱歩賞受賞概要校内の更衣室で生徒指導の教師が青酸中毒で死んでいた。先生を2人だけの旅行に誘う問題児、頭脳明晰の美少女・剣道部の主将、先生をナンパするアーチェリー部の主将――犯人候補は続々登場する。そして、運動会の仮装行列で第2の殺人が……。乱歩賞受賞の青春推理。(裏表紙紹介文)感想東野圭吾氏のデビュー作です。第31回江戸川乱歩賞受賞。東野氏は私の一番好きなミステリー作家です。女子高
創元推理文庫■月光ゲーム■有栖川有栖■学生アリスシリーズ第1作■1989年作品■本格/新本格・青春ミステリー■読者への挑戦概要『夏合宿のための矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会の面々---江神部長や有栖川有栖らの一行を、予想だにしない事態が待ち構えていた。矢吹山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、一瞬にして陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。その極限状態の中、まるで月の魔力に誘われでもしたように出没する殺人鬼。その魔の手にか
昨年、インターネット情報で綾辻行人さんのデビュー作である「十角館の殺人」がドラマ化されたことを知った。十角館の殺人|日本テレビ定額制動画配信サービスhuluで公開されているのだが登録していないのでまだ観れてはいない。ご存じであろうが、「十角館の殺人」は1987年に世に出た日本のミステリ史に残るといわれている名作である。私はほぼリアルタイムでこの本を読み、物語の衝撃的な結末に「頭をぶっ叩かれた」ようなショックを受けたのを鮮明に覚えている。あの話がどう映像化されたのかとても興味があるので今
新本格時代の作家倉知淳さんの作品です。倒徐ものの短編集なので、最初に犯人が明かされ、その犯人が次第に追い詰められていくという内容です。倒徐ものは、驚きやどんでん返しがないので、一つ間違えると、面白みに欠けてしまうような気もするでしょうが、本作は、ある意味ホラーを読んでいるような、怖さを感じました。犯人の立場から、次第次第に逃げ場がなくなっていく描写は、読んでいるこっちも息苦しくなり、早く自首してしまえば、楽になれるのにと思ってしまいます。追い詰める側の刑事がまた面白く、死神のよう
東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』(1996講談社文庫)。なんというベタな題名だろうと思うが、「新本格」と呼ばれる謎解きメインのミステリー小説がブームになった頃の作品である。それが、最近になって実写化された。映画『ある閉ざされた雪の山荘で』(2024)監督:飯塚健脚本:加藤良太飯塚健出演:重岡大毅中条あやみ岡山天音西野七瀬堀田真由戸塚純貴森川葵間宮祥太朗今活躍する若手俳優たちが、顔をそろえている。劇団“水滸”の次回
「マリア&漣シリーズ」市川憂人現在、市川憂人さんの『グラスバードは還らない』を読んでいる。「マリア&漣シリーズ」と呼ばれるこのシリーズの現在までの展開は次のとおり。第1作『ジェリーフィッシュは凍らない』第2作『ブルーローズは眠らない』(↑ここまで、このブログで紹介済み)第3作『グラスバードは還らない』(↓以外、未読)第4作『ボーンヤードは語らない』(短編集)第5作『ヴァンプドッグは叫ばない』(単行本)『グラスバード』を読む前に、これまでのシリーズ2作をおらさいがてら一気読
有栖川有栖「虹果て村の秘密」。ジュブナイルミステリー小説です。エラリー・クィーンの「国名シリーズ」をモチーフに独自の「国名シリーズ」(火村シリーズ)で人気の作家ですね。作品内に小説家の自分が登場しワトソン役を務めるのも定番の作家さんです。今作も、バディ物ですが、ジュブナイルとあって主人公は小学生の2人組です。親が警察官で、夢が推理作家の男の子と、親が推理作家で、夢が警察官の女の子という異色の組み合わせになっています。夏休みに、女の子の田舎「虹果て村」に遊びに来た2人は台風の影響で村
綾辻行人「びっくり館の殺人」。ジュブナイルミステリー小説です。子供向けの形をとっていますが、しっかりと「新本格」「館シリーズ」です。10年前の「びっくり館」で起きた密室殺人事件を回想するシーンから始まります。10年前、小学生だった主人公の少年は迷い込んだ「びっくり館」で奇妙な少年と運命の出会いをします。お互い、兄や姉を亡くし、母親と離れ離れという共通点から直ぐに友達となります。そして、「びっくり館」の秘密を共有し友情を深めていきました。そんな中、「びっくり館」での少年の祖父殺人事件
十角館の殺人〈新装改訂版〉「館」シリーズ(講談社文庫)Amazon(アマゾン)まさかの実写ドラマ化(未見ですが)を受け、店頭でも新しい帯をかけた文庫をよく見掛けるようになったせいか、妻もついに手に取って読んだので、折角なので自分も再読です。初めて読んだのは〈館〉シリーズも2作目までしか出ていなかった頃でしょうか。夢中になった記憶はあるものの、例によって例の如く覚えている事より覚えていない事の方が多いので、今回も新鮮な気持ちで読めました(笑)。クローズドサークル、死人
昨日からHuluさんのオリジナル作品として、綾辻行人さん原作のミステリー『十角館の殺人』の実写ドラマの配信開始。一挙に5話完結を配信です。この作品は映像化はなかなか難しいと思うのですが、解決しているそうです。(僕は昨夜1話だけ拝見)新本格ミステリーという言葉はこの作品から始まったのです。原作の綾辻さんとは仲良くさせていただいていて、少し前に別件でお電話した時に、このドラマの事も聞きました。詳しいことは書きませ
『十角館の殺人』は1987年に綾辻行人のデビュー作として、新本格(推理)ブームを巻き起こした。推理小説という分野が、少し時代遅れだと思われた1980年代後半に、孤島の館からの謎解きの招待⇒そこで起きる連続殺人事件⇒名探偵登場⇒合理的に事件を解決というスタイルを改めて御馳走として皿の上に乗っけて来たのが本作だった。アガサ・クリスティやモーリス・ルブラン、コナン・ドイルの世界が好きだったので館シリーズを夢中になって読んだ。※読書も割とミーハーですw館シリーズは2012年の『奇面館の殺人』で9巻
荒木あかねさんの長編小説江戸川乱歩賞受賞第一作第一部九州・熊本県の孤島(従島:あだしま)、海上コテージで起こる連続殺人冒頭島の地図、コテージの見取り図、そして登場人物一覧これだけでわくわくしますね。荒木あかねさんの新本格への愛を感じます。同じく九州・大分の孤島を舞台にした綾辻行人さんの「十角館の殺人」読んだ時の感覚を思い出しました。そして第2部埋もれていた真実があきらかになっていく後編新たな連続殺人事件の被害者の遺体を発見する大阪市環境局東部クリーンセンター職員の主
綾辻行人が、それぞれのデビュー時からかかわりを持ってきた後輩作家たちと夜な夜な語る、ミステリの魅力と創作の秘密。それは、かけがえのない愉楽。噂の「京都対談」が、この一冊に!推理小説が好きだけど、自分の趣味だと同じような作家さんの作品ばかりつい読んでしまうので、こういう本を読んであまり知らなかった人の作品も開拓しています。綾辻行人先生の作品は読んだ事はあります。新本格というジャンルで高名な方ですが、私は実は本格物はあまり得意じゃありません~。難しいトリックや論理的
本格推理に目覚めたのは、おなじみ綾辻行人『十角館の殺人』だった。社会人になってから面白さに気づいたジャンルに本格推理がある。本格ものは中学から高校にかけて名作と言われているような作品、エラリー・クイーン、ヴァン・ダイン、アガサ・クリスティ、その他を読んではみたが、はまれなかった。横溝正史がブームになったのはいつ頃だったろう。代表作と呼ばれるものは何冊も読んでみたが、満点をつけられるほどの作品はなかった。江戸川乱歩もムードは好きだったが、小学時代の少年探偵団は超えられなかった。ホームズ
宇山日出臣さん、ありがとう上野公園の桜(撮影:2022.3.15)2022年1~3月に読んだミステリです。01萩原麻里「巫女島の殺人呪殺島秘録」新潮文庫2022.1.1発行02有栖川有栖「捜査線上の夕映え」文藝春秋2022.1.10発行03鴨崎暖炉「密室黄金時代の殺人」宝島文庫2022.2.18発行04高田崇史「QED神鹿の棺」講談社ノベルズ2022.3.17発行05三上延「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ~扉と子虚ろな夢~」角川メディ
江戸川乱歩と言う巨人がいる。日本の推理小説の実質的な祖。自身は、自分のアイデンティティ、日本推理小説のアイデンティティを、怪談、黒岩涙香の翻訳、谷崎潤一郎佐藤春夫の探偵小説的な物としている。そして、江戸川乱歩。2銭銅貨、でデビュー。人間椅子、パノラマ島奇譚、陰獣、盲獣、孤島の鬼、芋虫、虫、柘榴etc.更に、盟友横溝正史、真珠郎、本陣殺人事件、獄門島、犬神家の一族、八つ墓村、悪魔が来りて笛を吹く、悪魔の手毬唄etc.松本清張が、乱歩正史路線、とは違う動機や、身近なありそうな犯罪を、リアリ
満を持してやってきたやってきました!この本のご紹介!というわけでこんばんは。ええ、とうとうこの回です。前々からちょっとずつ紹介してきていたあのシリーズの原点にして頂点、満悦を超越し、盤石を介錯した、あの作品にして代表作!(韻を踏んでいるだけです意味はないです)だれかが言っていました。その作家のことを知りたければデビュー作を読め、と。デビュー作にはその人のすべてが詰め込まれていて、「そのあとの作品は出涸らしにすぎない」みたいなことを言う評論家もいたとかいないとか。とにかく、小説の
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A4%A8%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA館シリーズ-Wikipediaja.wikipedia.org綾辻行人「十角館の殺人」を読んだWESTの中間さん・・・「十角~」が綾辻先生初体験かしら?羨ましい!これから館シリーズを読めるのよね~🎵何回読んでも面白いけど、一回目は格別だもの🎵叙述が好きなのね~って、翡翠ちゃんシリーズのファンなら、当然か。なら、折原一とかも好きかし
びっくりするタイトルですみません💦綾辻行人さんの本のタイトルでございまして、、、「人間じゃない完全版」短篇集となりますが、ファンとしては一編も逃したくありません!見事に足元を掬われるどんでん返しも良いですが、「深泥丘奇談」シリーズのような情緒あふれる怪談も大好き💕実は完全版という事で数年前にも「人間じゃない」出されていますが、改訂版になります。二ヶ月前に紹介した商品を「初めてみた!」とガチで言えるぐらい高機能シニアブレインを持つ私なら、まっさらな気持ちで
■『人間の顔は食べづらい』白井智之角川ホラー文庫人間の顔は食べづらい(角川文庫)Amazon(アマゾン)832円「「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。クローン施設で働く和志は、育てた人間の首を切り落として発送する業務に就いていた。ある日、首なしで出荷したはずのクローン人間の商品ケースから、生首が発見される事件が起きて―。異形の世界で展開される、ロジカルな推理劇の行方は!?横溝賞
新本格30周年記念アンソロジーと副題のついた1冊。2017年に発行されたもので、<白>と<黒>があり、<黒>を先に読みました。ちょうど新本格30周年の記念ということで講談社ノベルスから「7人の名探偵」が発行されたのが同年で、イベントなどにも参加させてもらったのが懐かしい思い出です。当時から気になっていた本ですが、ようやく読むことができました。謎の館へようこそ黒新本格30周年記念アンソロジー(講談社タイガ)Amazon(アマゾン)891円Amazon(アマゾン)で詳細を
先日『硝子の塔の殺人』(知念実希人)を読んだ。面白かったー。えっ、これ知念実希人さんが書いたんだ?と作者名を二度見したくなるほどの、本格ミステリだった。舞台となるのは硝子館。館の主人、神津島太郎によって集められたのは、刑事や小説家、霊能力者、名探偵、医師などの個性的な人々。重大な発表があるということだったが、直前に神津島は毒殺されてしまう。名探偵の碧月夜と医師の一条遊馬が謎を解いていくというお話だ。犯人は誰なのか、ミステリの歴史が根底から覆されるような重大な発表とは
びっくりしました。今、とりあえず読書でもしようと思い、ベッドの上半身部を30度ぐらい上げ、快適な角度にして推理小説を読んでいました。するとまさかの寝落ち!時間にすると30分ぐらいだったと思いますが、こんな朝から寝落ちするとは、やっぱり睡眠が十分じゃないということでしょうか。でも、足りない分を、こうやって自然に眠れたということは、それはそれでよかったのかも。この斜めの角度での読書。けっこう眠れるのかもしれません。ちなみに読んでいた本はこれ。今村昌弘の「屍人荘の殺人」。
知念実希人『硝子の塔の殺人』読了。本屋の新刊コーナーで見かけて夫と割勘で買った本。帯にメチャクチャ惹かれた。タイトルにも。コテコテやんかあ。中身もちゃんとコテコテだった。山奥の奇怪な建物、雪崩によるクローズドサークル、連続密室殺人、ダイイングメッセージ、血文字、暗号、個性的な招待客たち、秘密の構造、図解、読者への挑戦、メタミステリ、どんでん返しもちゃんとある。「新本格ミステリ」への敬愛、全ミステリ(世界中の)への深い造詣を凝縮させた一冊。帯と巻末にある島田荘司の言葉の通り、「新本
知念実希人さんのTwitterをシェアさせて頂きますhttps://twitter.com/mikito_777/status/1447917005936357376?s=21新・新本格ムーブメントとか起こらないかなぁ……https://t.co/mogDM9pyxC—知念実希人小説家・医師(@MIKITO_777)2021年10月12日なんて素敵な動機私もがんばらねば長らく中断してしまっている御手洗さんシリーズの制覇を館シリーズは、現時点では制覇していますが新作
知念実希人著「硝子の塔の殺人」読了!遅読な私もラスト100ページは一気読みでした。帯がすごいですねw島田荘司氏、綾辻行人氏、絶賛!裏も名だたる新本格の名手の名前がずらり!以前にも書かせていただきましたが私は物心ついた時からSF小説ばかり読んでいて、勝手に推理小説をライバル視しておりほとんど読まなかったのが、綾辻行人氏の「十角館の殺人」で開眼w綾辻作品はゲームまで全てやり込むほどの大ファンに。そして憧れは御手洗潔と新本格被れ。ただあくまでもミステリ初心者