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あいにくの雨模様だったが今日は、山仲間と米沢の斜平山へ米沢市街の西に位置する低山である。斜平山という名前の山はなく、愛宕山と笹野山を繋ぐ一連の山並みの総称らしい。市街地から見える斜平山一台を下山口にデポして、入山口に向かい歩き始めるとまもなく、もう愛宕山山頂に神社⛩もはやここから稜線歩き米沢の街が見える天気が良ければ、展望は良かっただろうにTV塔がある所が笹野山ここから下り始め、車をデポした所まで戻るガスが出て来て、幻想的下った所が「こぶしの里」桜がまだきれいこの
花の主役は木本類に移っています。木々の枝さきから花が見えなくなれば、道端の「雑草」と呼ばれる背の高い草本が育ち長く花をつけます。これで新規の花さがしはひと段落となります。キリなどの高い木、タニウツギ、ミズキなどの中くらいの高さに花が見られるもの、そして低木のヤマツツジ。ニセアカシアやイタチハギなどの外来のものも多くなりました。トンボがたくさん撮れました。先日「なでら山の自然」の編集作業で、たがでらの池で見られるトンボの同定を昆虫館にお願いしたら、頭に浮かんでいた名前とことごとくズレ
昨年「芦沢小舎(あしざわごや)」を開設し、最初の自然観察会を5月にひらきました。テーマは「花にあつまる虫たち」。2年間の予備観察から設定したテーマでした。今年も春本番をすぎますます花盛りです。代表はハナバチの仲間でしょう。ミツバチやクマバチが飛び交います。一見するとハチのようですが、よく見るとちょっと違ったつくりの虫もいます。アブの仲間は種類も多く、じっくり取り組めば面白い対象だなあと毎年思います。ポイントは黄色と黒、ストライプ模様といった「危険色」をもつことで、これはハチの威をかっているわ
一気にあたたかくなり半袖で出歩く人が多くなりました。5月5日は「立夏」です。毎度書いていますが「暦の上ではもう夏ですが〜」という言い回しは本来的ではありません。言うなればこれまでは全く夏の気配がなかったのに、この日から夏がのそっと”立ち”上がり、その気配を時々匂わせるようになる時期、という感じです。裏返せばこの時期が最も「春らしい」時期ということでもあります。ショウジョウバカマの群落が小川のへりを彩っています。この景色は本当にまもなく一気になくなります。ニリンソウが咲きました
小野川近くの民家でサルの子どもたちが集まって遊んでいました。6頭までは数えました。空き家ではありません。夏に別荘としてお使いなのか、それでも薪があったりするのでたまたま最近お留守なのかですが、よく近くにサルが集まっている民家です。撮影順は上段左から右に。続きは下段の左はじから右へ。下段3コマ目で上に登るのを引き揚げて助けてやり、最終コマで自慢げに胸を張っているのが、まるでトムジェリを見ているようでした。ついつい自分の立場や背景を忘れ、擬人化して「かわいい」などと感じてしまう。修行が足りませ
芦沢小舎が左奥に写っています。市内では散ってきたソメイヨシノが今満開です。何頭くらいいたでしょうか。桜の木に纏わりつくようにヒヨドリが集まっていました。クチバシの先が花粉でまっ黄色です。ヒヨドリは蜜が大好きだということになっています。花粉は食べないんでしょうかね。そんなことを考えていたら、中にいた虫を捕まえている個体もいました。満開の大木はけっこう餌が豊富な魅力ある環境になるのかもしれません。緑色や白に見えるのでなかなか見つけにくいですが、キバナイカリソウです。山脈より日本海側にだ
ニホンカモシカが林縁で草を食べていました。東北の多雪地帯を代表するケモノであるニホンカモシカですが、かれこれ40年観察しているのに、この風貌を見飽きることはありません。ちょうど昨年のこの時期にも近くから撮影できました。3頭とも別個体です。今年の個体を含めて4頭はどれも顔つきや毛色が個性的です。大学生の時に外国で書かれた「ライチョウを個体識別するための首輪自動装着装置」という論文をもとに、それをデッカクしてニホンジカ用に改良する試みを進めていました。ある県で同様の試みをニホンカモシカでやって
スプリングエフェメラルを代表する種であるカタクリとショウジョウバカマ。なでら山でも開花しました。これらは多年草で毎年少しずつ成長して、何年もかけて開花にいたります。一面に咲いていると、集めて片栗粉をとってやろうとか山菜として食べようとか思いがちですが、それなりに年月を経た存在です。学校でカリキュラムの関係でアサガオとかヒマワリとか、扱いやすい一年草をとりあげるので、植物の生活史が片寄って印象づくようです。芦沢小舎の周りでは何種類か鳥が見られました。コゲラエナガマヒ
夕方のニュースを見たら、米沢の昼の気温は17度まで上がったそうです。ゆきざるのいるサルの群ものんびり日向ぼっこです。白サルのリュウとガイも近くにいるはずですが、違うことに時間を使いすぎてタイムアップ。探せませんでした。まずサシバを見つけました。日本で繁殖しますが秋には南に渡り、東南アジアで越冬します。春になって戻ってきたのでしょう。鳥海さんのお話では、この辺では「ぴっぴ鷹」と呼んで「ぴっぴ鷹が来たから田んぼに水入れっか」という農事暦の判断にもなっていたそうです。前回アズマイチゲと
木々の芽吹きに注目して斜平を周りました。ヤナギの仲間はイヌコリヤナギでしょうか。「イヌ」というのは役にたたないとか、つまらないという意味のことが多く、逆に言えば残りの「コリヤナギ」は生活に有用な資源であることが多いです。「コリヤナギ」は「行李柳(こうりやなぎ)」で、柳行李の材料です。皮をむいて水につけ、編んでつくる葛籠のこと。さて、これは何でしょうか?私は今まで見たことがなくて分かりませんでした(今も確信はありませんが)。図鑑にあたってもネットで探しても、画像で種名を検索す
めぐる季節の起点は「春分」です。何日か暖かい日が続きましたが、20日は低気圧の影響で寒の戻りとなりました。なでら山では断続的に吹雪となる天気でしたが、春の兆候は例年よりずっと早いようです。アズマイチゲの群落です。芦沢小舎の近くです。暖かな今日(21日)には開いた花も見つかりました。こちらはキクザキイチリンソウ。舘山寺にて。ヒメオドリコソウ。そして、フクジュソウはついに満開状態でした。芦沢小舎のそばの林に小鳥の群。スズメよりは少し大きいし群れ飛ぶ雰囲気が違います。望遠レン
まもなく春分です。私のWebサイト「アニマルトラッカー鹿俣浩事務所」から「斜平山一日ひとまわり」に入ると暦が出てきます。この暦は一年の始まりが春分になっていて、2020年版に更新しました。米沢市内から次々に春らしい話題が聞こえてきますが、じゃっかんながら標高の高い斜平山は少しゆっくりしています。舘山寺のフクジュソウが開いてきました。週末には満開でしょうか。さまざまな木々の芽が膨らみ、あるものは赤くあるものはやわらかな白に。日本海要素のヒメアオキにも新しい芽がつきました。ヒ
啓蟄を過ぎ、暖冬少雪の米沢の春はもうすぐのようです。サルが樹皮をはがしたあとはますます増えています。そんな中、発信器をつけた個体を含む船坂群のサルが「茅場」で忙しなく手を使って採食中でした。田んぼじゃないので落穂ではないし、ススキの根元が食べられると聞いたことはありません。手元をようく見てみると、黒い紡錘形の粒を一つずつ摘んで口に入れています。蔓を引っ張ってマメをちぎり、それを食べているようでした。そう分かって改めて周りをみると・・・カヤにグルグル巻きついた蔓にマメの鞘がたくさんついてい
雪がなく、今年は春が早くやってくるのだろうとは思っていましたが、オオイヌノフグリが咲きました。昨年だとようやくコナラ林の林床が見え始めた頃です。カラ類の鳴き声も聞こえています。サルたちは例年になく落穂が拾えているわけですが、道端の樹皮食い痕もだいぶ増えてきました。小野川スキー場脇では一心に幹をかじる様子がみられました。落穂を拾う船坂群ゆきざるは探せなかった。中山峠を通って田沢に抜けていくと、途中小さな集団に出会いました。電波は出していません。田沢群の端っこなの
雪国米沢の「雨水」にちゃんと雨が降るという経験は、なかなか貴重です。この分だと「啓蟄」にはほんとうに虫やら何やらが土から這い出てくるかもしれません。前回話題にした船坂群のサルの状況がさらに興味深いことに。2つついている電波発信器の一つが、古志田から電波を出していました。旧愛宕小跡地の上あたりでしょうか。もう一つの発信器は小野川スキー場周辺にあります。大きく山を東西に越える途中という可能性は捨てられませんので、まだ結論は出ません。2つの集団に分かれて生活しているのは間違いないと思うのですが、
ふっと青空にもどる瞬間はあるものの、吹雪の中なでら山を一周しました。ヒヨドリが1羽横切っただけで、あとはいつものニホンザルの群しか見つけられませんでした。船坂の群には2つの発信器がついていて、一つが大森山森林公園の奥あたりから電波を出しています。粘りましたが姿は見られませんでした。もう一つは笹野の道沿いにいました。ベンケイツリフネの群落がある杉林のそばで、枝を手繰り寄せては樹皮を食べていました。ここはノウサギの足跡がたくさんあって、リスの足跡もあり、よくキジなども見る場所です。杉林を避難場所に
左手に旧南原中学校のあるあたり、広々とした田にサルの群がひろがって採食中です。写真の左奥に「芦沢小舎」が見えます。少し近づいて望遠レンズでのぞいてみると、雪を掘ってその下から何かを集めているようです。この辺りは大豆畑などもあってサルが利用しやすく、最近は柿をよく食べていました。ようやく手にもち、口に運んでいるものが見えました。稲穂です。稲穂をわらの中から探して摘み取り、手でしごいて食べているようでした。山の近くに大豆があってその勢いで田まで出てきたのかとも思い、サル達を一度追
雪が残っていればケモノの足跡の話題などで繋ぐところですが、ついに斜平山を一周してもネタが拾えませんでした。私の自然を観る目の、感度の問題でしょう。そこで・・・年末に机まわりを整理していて出てきた「賞状」の話題です。永年勤続賞の類いはいろいろ頂きましたが、唯一琴線に触れたのがこの一枚です。自然観察指導員の制度40年を記念して、30年以上の登録者に送られてきました。制度ができてまだ数年のころ、「自然観察」という概念そのものの黎明期でした。似た物はありました。昆虫採集会、探鳥会、山菜講習会、植物の名
先週スズメの大群がいた田んぼに行ってみました。目当てはもちろん撮り逃した「クロサギ」だったのですが、今日はいませんでした。そのかわり、相変わらず大群でいついているスズメの中に、真っ白な小鳥を1羽見つけました。車の中にある図鑑類を全てひっくり返してみましたが、よくわかりません。コガラなんかが一緒にいることはよくあって、私も見たことがあります。また何かの幼鳥なのかもしれないと思いながら、実は最初から「白化したスズメ」ではないかと疑っていて、その思いが徐々に強まってきました。もしそうなら
令和2年明けましておめでとうございます。何があったのか、落穂ではなくて稲が倒れたままの田んぼがあって、そこに見たことがないほどの数のスズメと、それにちょっかいを出すカラス、アオサギまで集まっていました。もともと野鳥は冬季に群サイズが大きくなる傾向はありますが、通常のサイズ変化というよりは思わぬ餌を見つけてカーニバルといった状態でした。カラス(や人間に)おどかされると、一旦周りのヤブに逃げるものの、やがて田んぼに執着して戻って行きました。一緒にいたアオザギが撮影できませんでした
(FBを先に書いてこちらに引用という珍しい回です。書いているうちに野生動物の食性に関わってきたので)三が日も過ぎた今、いまさらという感じもしますが、例年変わらぬ我が家の年越し料理です。今日あたりは主だった料理がなくなって、それでおわりのものと、次々に補充されるものを見ていました。補充されるのは黒豆、浸し豆、栗きんとん、紅白なます、煮物などなど。「豆」「実」「芋」「根菜」など秋の「結実季・実食期」から「積雪季・根食期」のメイン食材でした。郷土食の伝統は当然ながら野生動物のそれと変わりま
いつもならすっかり雪に覆われ、真冬の様相を呈しているはずの芦沢小舎周辺ですが、イブに降った雪もとけ晩秋の風景が広がっています。カンボクの赤い実が残っています。幹の地衣類が鮮やかな緑で美しいコントラストを演出していました。ヤマハンノキの花は秋のうちに枝について、このまま越冬します。形も色も違う雄花と雌花が可愛らしい。この時期も緑の植物を探して、シダ類に注目してみました。自分なりにこれまでの経験から、「○○○○○だな。」「△△△△△△△だな。」と心で唱えながらシャッターを押していった
ゆきざるがいる船坂群が、今日(22日冬至)も芦沢小舎のすぐ近くの森にいました。大きな木に鈴生りになって採食中です。双眼鏡で観察するしか手立てがないのでもどかしいのですが、実の独特な形が「ケンポナシ」のようです。この森がなのか、この時期が、なのか分かりませんが、先日アオゲラを見て、翌日友人がコゲラを見たという場所で、今日はアカゲラを見ました。これはキリで、落葉が進み今年の実と来年の蕾が一緒に見られます。食べられたのか蕾がスカスカなのが気になります。おまけですが、すぐ近く
小野川に遊動域を持つ群が道端の木に群がっていました。確かに何かを口に入れているので、採食のためにこの樹に狙いを定めているのは確かです。ところが観察からは何を食べているのか確かめられませんでした。写真を見ながら、候補をいくつかあげてみました。サルの向かって左がわに鞘に入った豆のようなものが写っています。これでしょうか。丸い実のようなものがあります。ケンポナシのような形のものもあります。これでしょうか。一緒にあった常緑の植物でしょうか。ふくらんだ芽もあります。どれも確信のな
落葉が進みうっすらと雪が残る、色彩のない季節がやってきました。これまで「声はすれども・・・」もしくは電波は入るけれども姿は見えずにいた動物たちが、その姿を現します。白い個体が比較的若いうちに消えて(死んで?)しまうのは、やはり他の個体より目立つからです。こんな感じに見えます。遠目にも白い個体は目につきやすく、右上や左下手前の個体にはなかなか気づきません。自分がワシやタカなら、ゆきざるを真っ先に狙いにいくでしょう。他のサルたちの体色が樹の枝に似ているのは、そういう色の個体の子孫ばかりが生き延
11月15日朝吾妻山が灰をかぶったように色を替えました。記録上どうなのかわかりませんが、市内から見える吾妻山に雪を見たのは今季初めてです。昨年は72候で作っている枠の22日のところに「吾妻山冠雪」とありました。一週間くらい今年の方が早いようです。さらに昨年は同じ枠に「斜平山に雪」ともあるので、一気に麓まで雪がやってきたということでしょう。今年はまだ紅葉が見られます。「赤芝の露頭が見やすくなる」という記述もあったので見にゆくと、こちらも紅葉が残りまだ落葉が進んでいるわけではありま
11月9日(土)芦沢小舎の「座学の会」がありました。今年度計画された4回8講座の最終回でした。講師は白猿会の縮会長さんと元動物文学会会員の鳥海さんでした。元というのは動物文学会が解散になったからです。左が縮文夫さん、右が鳥海隼夫さんです。ともに昭和13年のお生まれだそうです。お二人から「吾妻の白猿」が直木賞作家の戸川幸夫氏によって見出され、遠藤享氏が写真にとって世に広め、縮さんが会を作って守ってきた歴史や、鳥海さんらが発案して文化財・記念物として保護の枠組みが作られてきた経緯をお聞きしま
なでら山に紅葉が降りてきました。麓近くはまだまだですが断層崖より上はそれなりの美しさです。里には秋らしく柿の実がたわわに実りました。写真は南原坂下地区の様子。管理がむずかしい木は伐り、実を使う分だけ高かった木を低くして管理しています。サルたちにとってこれから柿の実は重要な食べ物になります。霊長類はもともと果実食の動物で、例えばヤクシマザルではアコウという野生のイチジクの仲間が重要な食べ物になっています。東北のニホンザルではサイズの大きな液果が少ないので柿は貴重です。柿を残さず収穫し
花や虫の話題が多く、私の専門分野のケモノもできるだけ生き生きとした姿を伝えようと思っているのですが、今日はロードキルのショッキングな写真からです。目にしたくない方もおられるかと思いますが、動物を観ていくことを続ければどうしても避けて通れない話題です。また、日頃はじっくり観察できない種をじっくり確かめられる機会(チャンス)でもあります。まずこれは何でしょう。色を見て、だいたいの大きさのイメージから「タヌキ」と判断して通り過ぎるというのが一般的。しかしじっくり観ると頭が小さく尾にボリュームがあり
なでら山を廻るたびにチュウサギを見かけるようになりました。去年もちょうどこの時期にチュウサギの写真と共にブログに書いています。チュウサギは夏鳥で寒くなると南に渡っていきます。春からずっと近くにいるはずですが、圧倒的にアオサギを見ることが多くて、ダイサギ、コサギを含めて白いサギはまれです。稲刈りが進むと途端に田んぼで採食するチュウサギが増えます。田んぼが餌の獲り安い環境で、渡りに向けての準備なのかも知れません。最近は芦沢周辺や南西斜面の栗に居ついていたように見えた船坂の群が、今日は大森山に