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ジム・トンプスン『反撥』が、またまた文遊社から本邦初翻訳で刊行されたので読みました。このところ文遊社から出るトンプスン作品は、所謂、普通小説というかプロレタリア文学みたいな作品が多かったですが、今回の作品は、1952年の作ですが、かって扶桑社から出ていたノワール作品に近いテイストのものですね。それもどこか『アフター・ダーク』に似てるなと思いました。主人公のパット・エアプレーン・"レッド"・コスグローブは、サンドストーン刑務所を出た後、精神分析医・ドク・ルーサーという謎の身元引受人に引き取ら
ジム・トンプスン『テキサスのふたり』、賭博師(ギャンブラー)ミッチ・コーリーは、赤毛の娘のレッドを愛しながら、イカサマ賭博をしていたが、実は彼には妻がいて、その妻は密かに娼婦をしていた。その後ミッチはテキサス一の大都市ヒューストンへ行き、様々な修羅場に直面することになるが。文遊社のトンプスンのシリーズの本邦初訳作品がまたまた刊行されました。これで10作目です。この文遊社のトンプスンのシリーズはノワールと言うよりはプロレタリア小説的な要素の強い作品が多いのですが、これもまぁそういう類
図書館に行ったら「阿部薫2020」なる書籍を発見しました。そんな本が出ていたとは、全然知らなかった。即行で借りて、じっくりと読ませていただきました。阿部薫関連書籍で私が持っているのは2冊。「阿部薫覚書」「阿部薫1949-1978」。阿部薫に縁のあった人が(なかった人もいる)思い出を語りつつ、各々の視点で阿部薫の音楽/人物を考察する。そんな2冊。語り部は坂本龍一や浅川マキのような著名人から安倍が演奏したジャズバーの店主とかまで、振り幅が広い。こういうの何というので
ジム・トンプスン『漂泊者』(1954年)、毎年コンスタントにトンプスンの作品を出してくれる文遊社から、またトンプスンの本邦初翻訳作品が出ました。1920〜30年代の恐慌後のアメリカで、作者ジム・トンプスンが22歳の頃から職を転々としながら出会った不思議な人々、過酷な現実、巻き起こる騒動などなどや、流浪する生活の中で小説や記事などを書き続けた日々を描いた自伝的小説です。前にレビューを書いた『バッドボーイ』の続編です。https://ameblo.jp/erroy3911/entry-1
またまた文遊社から発刊の、ジム・トンプスン『雷鳴に気をつけろ』、1946年刊、トンプスンの長編第二作目で、本邦初翻訳(20冊目)の、所謂ジャンル的には"普通小説"です。1910年前後のネブラスカ州の小さな村の日常における、波乱に満ちた一族の物語が描かれており、謂わばトンプスン・ノワールの原点とも言える作品です。ジャンル的には普通小説とは言え、やはり随所にノワール的なところが出てきまして、全体的には凄くトンプスンらしい、普通じゃない世界が描かれております。多くの後々のトンプスン・ノワー
鈴木いづみが生きていたらSNSなんてしていなかっただろうな。けれど知る人ぞ知るその圧倒的な存在は瞬く間に希少価値の高い人間として世に衝撃を刻むのだろうな。誰も真似できないほど狂って憧れではなく別の生き物としてそこにいて。カッコいいなぁ。鈴木いづみが娘の前で首吊り自殺をする前にお世話になった人へのお礼参りに行くお話があるんだけど(実話ね)私はそれがとても好き。すごく感覚的に生きて衝動的に死にそうなのに私は死ぬのでお礼を言いにきました。と律儀にまわる感じ。人間離れした人間味あふれる
4/21はイースター(復活祭)。十字架にかけられて処刑されたイエス・キリストが、3日後に復活したことを祝うお祭りで、キリスト教における最も重要な行事なのだとか。イースターには復活の象徴、生命の始まりを意味する卵料理を食べ、卵をカラフルにペイントした「イースターエッグ」を飾ったりします。また、卵とともにイースターのシンボルとされているのが、多産で繁栄の象徴とされるうさぎです。イースターの今日、「たまご」「うさぎ」を描く絵本から、よりぬきの美しい絵本をご紹介します。****
荒木一郎先生の文遊社「まわり舞台の上で」キネマ旬報映画本大賞2016第2位に輝いたそうです凄いですおめでとうございます
荒木一郎さんの歌手デビュー50周年を記念して文遊社から、10月22日に発売される『まわり舞台の上で/荒木一郎』(単行本)を読まれる方は必見(必聴)です!!(文中登場)※荒木一郎CM作品の数々&未レコード化曲↓「年下のひと」主題歌/「午後の陽射し」歌;和田弘とマヒナスターズ※詳細は→こちら「荒木一郎☆最新情報」
ジュリアン・クラック『陰鬱な美青年』(小佐井伸二:訳)を読了しました図書館でたまたま、綺麗な装丁と気になるタイトルに惹かれ、作者や作品の予備知識もないままに読み始めましたが、独特の表現文体になかなか慣れず、読み終わるまでに思いのほか時間がかかりました耽美と退廃な雰囲気。過剰ではないかと思うほどの比喩的表現それらすべてが、描かれている内容を美しく彩り、幻想的なロマン派の長編の詩のようでした以下、内容に触れていますのでご留意ください夏の海辺のヴァカンスを過ごす男女グループのもとに突然あらわ