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昨日、復活宣言しましたが、蘇りが全くのウソでした。笑結局、38°まで発熱。終日、グロッキーで溜め込んだオンデマンド動画を見るので手一杯でした。で、早稲田大学EXTの鈴木輝一郎さんの動画は、僕には全然,向いてませんでした。480分近く聞いて、なるほどと思ったことは、10分ぐらいかな。しかも、常識的な見方を少し違う言い方をしただけ。「作品は最後まで書き上げよう」「書き続けて、受賞するまで書くこと」おいおい、○返せ。まあ、鈴木輝一郎さんの思う小説観と、僕のとが違うと
久栖博季「貝殻航路」(『文學界』2025年12月号所収)を読みました。この小説には、かつて漁師でロシアの沿岸警備船に拿捕された後、ロシアへの憎しみからなのか身体の調子を崩し亡くなった父親との(主に貝殻島の灯台についての)思い出や、夫・あめみやの妹の夕希音(ユキネ)が死んだ動物に献花したいと言うので一緒に動物園で過ごす様子、夫との思い出や貝殻島の灯台を見ようと納沙布岬に向かった後、凪のナギの実家の跡地を見に行った時の様子が描かれているのですが、全体的に詩的表現が多くて読み出した当初はかなり、
毎年、元旦の計を1月に立て、4月の年度初めに微修正を加え、そのまま年末まで、頑張るのが、毎年のパターンだったんですが、今年は例年になく、計画や方針がコロコロと変わる。『方針転換す。文學界新人賞のこと』表題のように、ここ3週間ほど、ずっと取り組んでいた文學界新人賞の件なんですが、一昨日から、少し方針転換しています。応募すること自体は、全く変わっていないんで…ameblo.jp上の4日前のブログでも触れた、今、書いている文學界新人賞向けの原稿の扱いもそうだし、続く、群像文学新人賞向け
さて、昨日もお伝えした、文學界新人賞向けの落選作の改稿作業、今、昨日よりプラス6枚で、98枚に達しています。一番、描きたかったクライマックスシーンは流用しつつ新規に描き直しました。あとはまとめに入るだけで第1次稿は完成すると思いますが、まだ15-20枚は要るかな、と。でも、ほぼ描きたい内容は具体化できているので、ある意味、楽です。積み重ねたものがあるので、もう「見えて」います。この文學界が今の書いている感じだと、きっと1次稿頃は9/21頃には、一応まとまりそうな気がします。(一日
表題のように、ここ3週間ほど、ずっと取り組んでいた文學界新人賞の件なんですが、一昨日から、少し方針転換しています。応募すること自体は、全く変わっていないんですが、今までの執筆方針は、去年、落選した応募原稿を「できる限り尊重」して、有効活用しつつ、完成させること、でした。それは、大江健三郎的な感覚で書く、純文学系原稿の予行練習にもなるから、という趣旨で書いてきました。また、それは後ろに、10/15〆切の群像文学新人賞も書く予定があるから、という理由もあったから決めた方針でもありま
滝口悠生の作品。2023年に文藝春秋から刊行。10の中編が入っている。いずれも、「文學界」に掲載されていた。滝口の作品は前に1つ読んだことがあって、その時の印象は、「改行がない」。読むのに覚悟がいるが、本作のタイトルが印象的なのと、「また何か読んでみたい」と思っていたので読んだ。本作は、読んだ限りだが、外国の人との交流が1つテーマになっている。場所はイタリア、ロンドンなど。言葉が通じ合わない人同士のやり取りを、特に描きたかったのだろうか。「窓
小野正嗣「空き家の妊婦」(『文學界』2025年8月号所収)を読みました。個人的には、題名と冒頭の文章の衝撃的なイメージがしをほぼ忘れかけていた頃、題名通りの場面に出食わしたので、正直なところ、その箇所を読んだ時はかなりの衝撃を受けました。そして、小川陸と母の真奈、祖母の美恵子の(ある意味)微妙な関係、近藤祐介や妻の絵里達の小川家に対する態度や眼差しに関してあれこれ考えながら読み進め、結末はやや甘くなるのかなと思いきや、あまり人と話さない中野譲が起こした行動が予期せぬ結末を招くと言うのは
高瀬隼子「鉛筆の瞑想」(『文學界』2025年8月号所収)を読みました。私立大学の入学試験の会場で試験監督をする主人公工藤の働く女性としての思いについてあれこれ考えながら読んでいたら、いつのまにか小説自体が終盤に差し掛かっていて我ながら驚きました。そして、鉛筆を忘れてしまった女子高生と、彼女の置かれた状況を知り行動を起こした男子高生の描写、彼ら二人に対する工藤の思いと言った描写に気持ちが少し熱くなりました。あと、個人的には「この時期は、高校生が三万円に見える」(154頁)と言う冒頭の
「文學界」7月号に、🔨連載「痛いところから見えるもの」の第11回が掲載されています!「痛みの文学的分類」の提案をしています。痛い人、痛い人のそばにいる人に、お読みいただきたいです。「文學界」は電子書籍もあります。文學界2025年7月号[雑誌]Amazon(アマゾン)———————————————————————ジブリ『熱風』6月号が刊行されました!「山田太一といっしょに山田太一ドラマをすべて見る」(山田太一全作品インタビュー)」の連載14回目が掲載されてい
浅田優真「親切な殺人」(『文學界』2025年5月号所収)を読みました。第130回文學界新人賞受賞作。この小説の主人公はプロの総合格闘家であり、障害者介護施設の生活指導員のアルバイトもしている水島龍介。彼のジムでの練習や試合、介護施設での仕事等と言った彼の日常がこの小説には書かれているのですが、社会における判断基準がテーマだと思われる内容だ(と思われる)からでしょうか、読み進めるにつれて暗い気持ちの比重が増していき、最後の最後で置き去りにされたように感じました。個人的には、力が強
大濱普美子「軒下の祈り」(『文學界』2025年4月号所収)を読みました。“チェーン展開のリラクゼーション・サロンで整体師として働いている主人公の千春は、ある日勤務先で呼び込みをしていた際に真向かいのドラッグストアの店員の千夏と知り合う。女子会やカラオケ等を通じて二人の距離が近くなりだした頃、とある飲み会の終了後に千春の住んでいるアパートの部屋に千夏が泊まる事に。それがきっかけで同居を始めた二人の行き着く先は果たして…。”この小説は上記のような展開を見せるのですが、読んでいる途中
文學界2024年8月号村上春樹/奥泉光/角田光代/戸川純/アマンダ・ゴーマンAmazon(アマゾン)『文學界』八月号、戸川純の初小説「狂女、純情す」を読む。「私がこういうの書けば満足なんでしょ?」と戸川純が持ち込んだデビュー作らしい。前半は自伝のようでもあり、後半は私小説のように嘘が入ってきている感じ。昔よく読んだ昭和の私小説を再読しているような空気でもあるが、いまの先細りして尖峰化する矛盾した時代感覚と地続きでもある。小説のあとにインタビューも載っているが、これは読まな
古川真人「どうせ焼肉――九州男尊女卑考」(『文學界』2025年3月号所収)を読みました。この小説には、古川作品ではお馴染み(だと思いますが…。)の(大村)浩と稔の兄弟の母、美穂の誕生日を焼肉屋で親戚を含めて総勢十一人でお祝いしている様子の描写と、作者による男尊女卑に関する考察が書かれているのですが、作者がインターネットの記事等も踏まえて男尊女卑について考察し、結論が出るかと思われたところで焼肉屋での(大村)美穂の誕生日のお祝いの様子の描写に戻ったり、またその逆の場合もあったりと、読んでいて
本日発売「文學界」のリレーエッセイ「身体を記す」に寄稿しております。「ロマンティック恐怖症」と題し、自身の身体のコンプレックスについて、赤裸々に記しました。よろしくお願いいたします。
永方佑樹「字滑り」(『文學界』2024年10月号所収)を漸く読み終えました。この小説の中の(タイトルにもなっている、日本では物の表記の揺れが起きる)“字滑り”と言う現象は面白いと思いましたが、ブロガーの骨火と会社員のモネちゃん、無職のアザミが字滑り体験を売りにしたい宿泊施設のモニターとして趣いた安達ヶ原で“本当に”字滑りを体験してしまう小説の終盤に突入するまで視覚的な理解が進まず、個人的には読み進めるのが苦しくてなりませんでした。ただ、あれだけ苦しかった読書の時間にも関わらず、最後のや
誰だろー、皆目見当がつかないなー11月25日(月曜日)17時15分に公開国防部会に全く来ない人が「元防衛大臣の方が『ケシカラン!』と。『訓練を続けるべきだ』と」大和太郎(防衛政策局長)大和太郎-Wikipediaja.m.wikipedia.org私と“タメ”だへスース軍曹壊れた地球儀の直し方(扶桑社BOOKS)Amazon(アマゾン)399円${EVENT_LABEL_01_TEXT}日刊工業新聞防衛省、ロボ技術で自衛力向上自律走行型やパワードス
王谷晶「かう人」(『文學界』2024年12月号所収)を読みました。“主人公はペットを飼っていないのに、ペットを飼うのがOKなアパートに住み、アパレル会社のブランドの商品発送の仕事をしている女性、堺。彼女の住んでいる部屋の隣の部屋に越してきた男性(いぬかい)が連れてきた“ペット”のフク”(と呼ばれている男性)の存在が彼女の日常が変化させていく。そんな中、彼女の中にある感情が芽生えて…。”…この小説は上記の様な内容で、途中まで「少女漫画にありそうな感じだな」と途中まで読んでガッカリしました
沼田真佑「白き天使」(『文學界』2024年12月号所収)を読みました。この小説は、東京が嫌いな主人公が東京のある街で猫とともに暮らす姉の住まいを訪ね、思い出を振り返りつつ一晩経ってガラリと様子が変わった彼女の姿に戸惑う様子が主に書かれているのですが、読んでいて人に対して優しかったのがつっけんどんになると言う姉の態度の変貌ぶりに驚き、思わず叫びたくなってしまいました。もっとも、主人公が考えるように東京の街気まぐれな猫に感化されたのかなのか、本当の原因は本人にしか分からないのでしょうが…。
津村記久子「ログアウトボーナス」(『文學界』2024年11月号所収)を読みました。この小説には、スマートフォンでプレイ可能なあるソーシャルゲームにログインする誘惑から脱却しようとする主人公の姿が書かれているのですが、途中で「スリップ(再利用)」してしまう主人公の姿が登場する度に「気持ち、良く分かるなあ」と何度となく頷いてしまいました。そして、ログアウト3日でアイスクリームを1回食べられる、50日経過で任意の一輪挿しを買うという目標設定がいかにも女性的で可愛いなと思いました。しかし、
上田敏(うえだびん、1874年10月30日-1916年7月9日)評論家・詩人・翻訳家・英文学者。文学博士。「山のあなたの空遠く」で有名。津田梅子と共に米国留学した上田悌子は母方の叔母。略歴東京・築地に生まれる。子どものことから聖書を良く読んていたとされている。東京英語学校、一高を経て東京帝国大学英文科卒。講師の小泉八雲から「英語を以て自己を表現する事のできる一万人中唯一人の日本人学生である」とその才質を絶賛された.一高在学中に北村透谷、島崎藤村らの『文學
10月10日までのお知らせ|頭木弘樹10月10日までのお知らせ|頭木弘樹●参加した本と、監修した本が出ました参加した本ですみんなどうやって書いてるの?10代からの文章レッスン(14歳の世渡り術)amzn.to1,562円(2024年09月29日22:05時点詳しくはこちら)Amazon.co.jpで購入する監修した本です3…note.comぜひお読みください。『絶望名言』の4夜連続アンコール放送もあります!
発売中の「文學界」10月号に、🔨連載「痛いところから見えるもの」の2回目が掲載されています!よろしかったら、お読みください。文學界2024年10月号[雑誌]Amazon(アマゾン)痛い人と、痛くない人が、この連載をあいだに置くことで、少しでもわかりあえたらと、そういうことを願っています。【本日発売☀️文學界2024年9月号】9月号から頭木弘樹さんの新連載がスタート!新連載頭木弘樹「痛いところから見えるもの」#頭木弘樹#痛いところから見えるもの#
仙田学「また次の夜に」(『文學界』2024年10月号所収)を読みました。主人公の藤田成美(ナル)は生きがいだった娘の知美が自殺し、その悲しみと喪失感から酒浸りの生活になっていたのですが、偶然知ったアルコール依存症の自助グループのミーティングの参加者の一人であるニックネームがルナ(と言う女性)の(自宅に何ヶ月も泊めてご飯を食べさせたりする)献身的なサポートやミーティングへ参加する事で快方に向かうこの小説は、読んでいて何度か声を上げてしまいました。ああ、近くに誰もいなくて良かった…。そ
『文學界』2024年9月号所収の小説を2篇読みました。以下に感想(めいたもの)を書いておきます。・川上弘美「くぐる」:主人公が他人との距離が近づくたびに(うなだれて)時間を「くぐり」、見知らぬ場所で一定期間過ごすという設定が読んでいて面白かったですし、時間を「くぐる」たびに見知らぬ場所で過ごす時間が長くなっていうのも何だか面白かったです。まあ、最後はああなるとは思いませんでしたが…。・村田沙耶香「残雪」:この小説には、自殺幇助を仕事とする主人公が、チューリッヒで死にたい依頼主である五十
『文學界(2024年8月号)』を読む。戸川純さんの初小説「狂女、純情す」が掲載されると知って購入。急ぎの仕事があるにもかかわらず、時間を忘れて読んだ。**********ネタバレしているかも。要注意**********一部はノンフィクション、それ以外の大半はフィクションではあると思うが、全てをひっくるめて本音なんだろうと感じた。シュンちゃんも、ケンくんも、たぶんどちらも戸川純。どちらの存在も危うい。そし
青野暦「草雲雀日記抄」(『文學界』2024年5月号所収)を読みました。この小説は美大卒の主人公の初之輔と(知り合った当時は同じ大学の大学院生だった)棗との関係、初之輔が読む亡き父の菜緒太が遺した日記、あるいは彼の家族やその周辺について等が断章の形式で重層的に書かれているのですが、想像力に乏しい僕でも幾度となく内容が映像として眼に浮かび、散文詩を読んでいるように感じる瞬間が何度もありました。まあ、もしかすると、棗のものとはやや違う、初之輔の語り口が思い出を噛みしめるようなものだったからこ
市川沙央「オフィーリア23号」(『文學界』2024年5月号所収)を読みました。芥川龍之介賞受賞第一作。この小説は『性と性格』を著し、「女は存在しない」と言い、23歳で自殺したオットー・ヴァイニンガーの生まれ変わりであると信じ、彼の主張を広めたい主人公が、三島由紀夫の『憂国』をリアルに映像化して完成後は素人のアダルト動画サイトPornhubにあげて収益化を目指す友人達の行動に(ある意味積極的に)巻き込まれていく日々を中心に描いているのですが、事あるごとに女性性が強調されているように僕には
旗原理沙子「私は無人島」(『文學界』2024年5月号所収)を読みました。第129回文學界新人賞受賞作のうちの一作。この小説の中で、主人公の占い師である月子は友人未希の堕胎のため、「伝説の墮胎師のえじう」(16頁)を探す旅に出る小説なのですが、不気味な雰囲気を持つ“蛇人”(後に判明する彼の正体が怖かったです…)、旅の途中で立ち寄った島に住むそん婆やみん婆等の登場人物達、あるいは彼女達との会話から墮胎のために必要だと分かった植物”ミレイジャク“、主人公月子がしばしば見る夢の描写等の設定や内
『紙の山羊』山家望文學界2023年1月号Amazon(アマゾン)山家さんにはまっている。『紙の山羊』は『文學界2023年1月号』に掲載されている。『紙の山羊』の主人公は行政書士の相川。相川はある日、奇妙な仕事の依頼を受ける。それは謎の人物に教育を施すこと。謎の人物とは実は人物ではなかった。。。簡単な手続きに必要な申請書類等を誰でも簡単にできるようにするシステム作りだった。相手は人ではなくAIだったわけだ。相川は、悩んだ挙句、そのAIを育てる仕事を引き受ける。山家さん