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月刊誌「文学界」は文芸春秋社の出版物で、同社の看板雑誌の「文芸春秋」とは毛色が少し違った編集の雑誌です。この雑誌の5月号には毎年、「文学界新人賞」の発表と掲載があるので、今回図書館から借りてきた次第です。新人賞のうち、旗原理沙子さんの「私は無人島」は既に感想をアップしてありますので、今回は雑誌全体を眺望してみます。「文学界」は毎月ほぼ400ページで、その内容は大きく、①長い一回完結の単発物(新人賞作品を含む)、②やはりその号単発のイベントもの(この号では有名作家連による「実録・こっくり
24年度の文学界新人賞受賞作品である、旗原理沙子による「私は無人島」を読みました。これはミステリータッチの純文学です(以下ネタバレあり)。主人公の月子はご主人と2人暮らしで、よくある幸せな家庭です。子供は居ませんが旦那は優しいです。彼女自身は「本業は主婦で副業にタロット占い師」といったところです。もっとも彼女は人づきあいが億劫なので、占いもネットを通してのやり取りのみです。そんな彼女にも多少の悩みはあって、ネットのやりすぎかも知れませんが、「黒い躯体のパソコンを愛する夢」を見るの
しまった!よく考えたら、今日は1時間遅くても、よかったんだ。つい、昨日と同じ朝一番からだと身体が反応して、電車に乗ってから気づいた。勤め先が火・木曜日と、月・水・金曜日と違うし、始業時間も違うからね。まして、今、調整期間で、さらに日によって、それぞれ違うからね。頭で理解してても、身体は別反応だったんだ。笑まあ、遅刻して、仕事に穴を開けるんじやないので、いつもの必殺、やり甲斐搾取・サービス残業になっただけですがね。さて、この間からチラチラと、ここでも書いていますが、
うーん、文学会新人賞向けの原稿は、朝6時の段階で、第12章の120枚目に入っていて、今8時で、123枚の第13章です。。。昨日の朝よりもプラス7枚。40字×30行のフォーマットで書いていて、実は散文詩効果を与えるために、ほぼ全編すごく詰め詰めにしています。ですから、通常の改行する書き方の2倍以上の情報量なので、120枚ということは実質240枚以上の分量になっていると思います。でも、ふと立ち止まりました。このままここで終わったら、意図せずして恋愛譚になってしまう。別にそれでも
一昨日の金曜日、わずかアクセス数212で、28位でした。いつもなら、350ぐらいは越えないと、20番台にならないのですが、GWで、全体のアクセスが少なかったのでしょうね。さて、昨日は、ずっと書いていた、今年度の国民文化祭の募集する「清流の国ぎふショートショート文芸賞」向け原稿を、2篇書き上げ、推敲もして完成させました。今日、郵便局へ直接、持っていって、投函します。マーサさん教室へ出す課題詩は、7割程度の出来ですが、草稿を書いてはおります。もう3・4日、寝かせて完成予定です。
こんにちは、文筆家、ヨガインストラクターの木谷美咲です。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。くわしい活動は→プロフィールをご覧ください。根本昌夫先生の小説教室に行ってきました。今回で第3期の4回目です。いつものように受講生の方の作品を合評。児童文学作品や常連の方の作品などがありました。活発に作品が提出されて、読み応えがありました。その後、芥川賞受賞作品、九段理江さんの『東京都同情塔』の合評。文學界新人賞受賞作品の『悪い音楽』は読んでいました。その時にシニ
こんにちは。文筆家、エッセイスト、絵本原作者の木谷美咲です。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。くわしい活動は→プロフィールをご覧ください。引き続き、根本昌夫先生の小説教室入門を受講してきました。今回は受講者の提出作品が多く、次回の提出作品もまた多いです。合評の前に、今回の芥川賞、直木賞作品についてのお話。今回の第170回芥川賞候補作は、安堂ホセ「迷彩色の男」(文藝秋季号)川野芽生「Blue」(すばる8月号)九段理江「東京都同情塔」(新潮12月号)小砂川チ
第169回芥川賞受賞作ハンチバック[市川沙央]楽天市場第128回文学界新人賞受賞作文学界2023年5月号[雑誌]楽天市場わたしは、単行本ではなく、文学界の雑誌で読了。90枚の短編。主人公の病気の状態は、著者と同じ。短いが、力強い。但し、もうこの設定で書くのは。。。次回作で新たな一面を見せることができるのか。
こんにちは、文筆家、エッセイスト、絵本原作者の木谷美咲です。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。くわしい活動は→プロフィールをご覧ください。根本昌夫先生の『小説教室入門』第4回目に行って参りました。前回までのように生徒の提出した作品を合評する授業内容です。今回は原稿用紙300枚もの大作が2本提出されていて、1本は元恋人であり、ビジネスパートナーの男の訃報で物語が始まる自叙伝的小説、もう1本は幕末を舞台にした冒険ファンタジーでした。さらに今年の芥川賞受賞作の『ハンチ
こんにちは、文筆家、エッセイスト、絵本原作者の木谷美咲です。当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。くわしい活動は→プロフィールをご覧ください。第169回芥川賞受賞作『ハンチバック』著者の市川沙央さんは1979年生まれ。筋疾患先天性ミオパチーを患っています。そのため症候性側彎症を発症。人工呼吸器、電動車椅子を使って生活をされています。受賞の記者会見の様子が印象深く、あの時の市川さんの睥睨するような決意に満ちた表情が、今も心に残っています。『ハンチバック』を読んで
8月19日(土)A賞ハンチバック文学界新人賞から直行で受賞市川沙央外形は、エログロナンセンス読者の興味本位を惹きつけて最後まで一気に読了させる怪作ググっても即答のでない、引っかかる単語がいくつかでてきますが基本素直な文体で作家自身の私生活(亡くなった親は、子の生存のため、グループホームを作った、、、とかいろいろ設定はフィクション)と推察できる叙事心象をベースに独白し、難病による重度の障害を自身の武器として健常者読者を挑発的に攻撃する物語としては、男性ヘルパーくんとの「
市川沙央さんのデビュー作&文学界新人賞受賞作&第169回芥川賞受賞作。選考前からチョー話題になってて、絶対読むぞ!と思ってた。いや~とんでもねー小説でした。主人公・釈華は筋疾患先天性ミオパチーという難病の女性で、背骨が肺を押しつぶす形に湾曲しており、人工呼吸器を常に装着している(ここまでは作者と同じ)。重度障害なので一人で移動もままならない。呼吸の苦しさ、紙の本を読むことのしんどさ、健常者の何気ない一言のなかに見え隠れする無意識の優位性などなどに対する怒りがこれでもかこれでもかと迫ってくる。
ハンチバック(文春e-book)Amazon(アマゾン)Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で詳細を見る↑上記URから購入出来ます読んだ!薄いから読みやすかった。そして自分の障害についても考えた。色々参考になる点はあったもののちょっと文学というか官能小説…障害者のポルノ的だった。生々しい描写は個人的に嶽本野ばら作品を連想させた。近い気がした。嶽本野ばら好きな人は好きだと思う。密林や楽天で酷評されているがそこまで酷いかは分からない。ただ
善光寺の草取りで白詰め草と同居して咲いていた姫ダイワレソウ。ものすごい繁殖力で、増えて増えて刈るのも大変な草だということですが、花自体は、とても可愛い小さな花です。グランドカバーにと、根を持ち帰る人もいたので刈り取ったビニール袋の中から私も数本いただいて帰りました。どこへ植えるかは後ほど考えるとして取りあえず小さな鉢に植えました。善光寺さんからやってきた草です。※文学界で新人賞の「ハンチバック」を読みました。芥川賞受賞作品でもあります
第128回文學界新人賞受賞作にして、本日第169回芥川賞に決定した市川沙央さんのハンチバック7月に入って図書館に予約してたのが順番が回ってきて、少し前に読み終えていた。作者の市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという重度障碍による症候性側弯症及び人工呼吸器・電動車椅子使用の当事者であり、そんなご自身の経験を投影した作品となっている。ハンチバックとはせむしのこと。私はこちらで読みました文學界(2023年5月号)(第128回文學界新人賞決定発表)Amazon(アマゾン)8,
年森瑛さんのデビュー作&文學界新人賞受賞作&芥川賞候補作。めっちゃおもしろかった!主人公の松井まどかは、高校2年生。同性のうみちゃんとつきあって3ヶ月。そして13歳の頃から、体重は40キロしかない。なぜかといえば、13歳のときに、学校の保健だよりで「低体重は月経が止まる危険性があります」と書いてあるのを読み、「生理は来ないほうがラク」くらいの軽い気持ちで炭水化物を摂取するのをやめたからです。痩せるのが目的ではないので、40キロをキープ。すると家族は、「まどか」ではなく「拒食症の子」への言葉を
今年の文學界新人賞受賞作、年森瑛『N/A』が、なかなか面白かった。(文學界2022年5月号に全文掲載)どんな枠組みや属性にもとらわれたくない女子高生が主人公。彼女にとっては、この「女子高生」という属性を付加されることも不愉快。わたしはわたしであって、他の何かに縛られたくない、帰属させられたくない、と感じている。何かにつけ、特定の集団なり、個人なりに名前を付けて分類したがる現代では、理解されにくい考え方なのかも(男、女、男子高生、女子高生、会社員、フリーター、引きこもり、ニー
◆棲みか重なりし_____________________。有難いことです。身を置く処が重なった御仁の読む傾向というものには説明不要ということなのでしょう。入り口から飛ばれる原稿への紐づけを眺めているだけで有難い気持ちに包まれるのでございます。さて、ここから今年の文学賞、新人賞は佳境を迎えることとなるわけではございますが、HolicPeople諸氏諸兄におかれましても、さぞや良いものを描いておられることと______________________また、脳味噌から汗を絞り出す日々が
三木三奈さんのデビュー作で、第125回文學界新人賞受賞作。文學界2020年5月号掲載。今回の第163回芥川賞候補作で、受賞作『破局』『首里の馬』以外で気になったのがこれ。超〜おもしろかった。主人公のミッカーは、小学校のクラスメイト・アキちゃんのことが大嫌いだった。いかに嫌いで憎んで呪っていたか、ということを延々と語ってゆく。嫌いすぎて、ものすごいアキちゃんに詳しくなっててウケる(笑)。こなれた文体に膝を打つような表現をするすると織り交ぜて、ネタバレになるから書けないけど、後半でアキちゃんの
【ブックカバー📚チャレンジ】vol.5これは「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ」で、自分の好きな本を1日1冊、連続投稿するというもの創立21年になるNPO法人神田雑学大学の理事長を永らく拝命して、「悦びの種まき、微笑みの花束」をモットーに活動を続ける、吉田悦花の5日目!「銀行男たちの決断」(山田智彦文藝春秋)作家の山田智彦先生と出会ったのは、私が月刊誌の編集記者時代その後、出版社を独立した私の背中を押して、文筆家の世界へ大きく誘ってくださいました私の初めて著作「日本犬
https://ameblo.jp/cosmopolitanism/entry-12486558548.html独り言三部作ファイナル◆「たった一人の読者がくれたもの」と、文学界4月号と5月号ブログの原稿というのものは、まるで日記のような性質も兼ね備えていることもあり。書いた内容の凡てを覚えているかと云えば、日々に疎しという処になる。その辺りのことも手伝ってか、書きものとして、発信ツールとしての扱いは、低い処で留まっているのが一般的な扱われ方だ。が、お蔭さんで、発信のタイ
∂もう、きみには頼まない石坂泰三の世界城山三郎もう、きみには頼まない石坂泰三の世界/城山三郎【1000円以上送料無料】693円楽天∂この時代の人は規格外の器の人がたくさんいた、という事例の代表格。土光氏の兄貴分?でも、清濁あわせ飲み、俗っぽい部分もたくさん見える石坂氏に魅力を感じる人はたくさんいる。人間ぽいと言えば人間ぽいが、どちらかと言えば土光氏の自分に対する忠誠心により惹かれる。このような正反対の人間がタッグを組むというのは、稀有な結果を生むのか
長嶋有さんのデビュー作&文學界新人賞受賞作。『猛スピードで母は』に収録。昔いちど読んで、いつまでも鮮烈に覚えている作品というのが誰にもありますよね。私の場合、・吉田修一さんの『最後の息子』・山田詠美さんの『ベッドタイムアイズ』・岩井志麻子さんの『ぼっけぇ、きょうてぇ』・青山七恵さんの『窓の灯』・森瑤子さんの『情事』・川上未映子さんの『わたくし率イン歯ー、または世界』など、どれも忘れられない。そして鮮烈に覚えている作品群に共通しているのが、これ、いずれもデビュー作なんですよ
雨森芳洲。滋賀県の高月町出身で、江戸時代の中期、日本と朝鮮との橋渡し役として活躍した儒学者。中学校の社会の教科書にも載っている人である。その雨森芳洲が先日の朝日新聞の天声人語に取り上げられていた。日本と韓国との仲がモーレツにギクシャクしている今日、雨森芳洲が取り上げられるのは頷けるというもの。わが滋賀県には朝鮮人街道と呼ばれている道が国道8号線と平行して南北に走っている。(「朝鮮人街道」と題する小説がその昔、文学界新人賞を受賞している)朝鮮人街道は、江
鷺沢萠(さぎさわめぐむ)という作家がいた。「川べりの道」で文学界新人賞を受賞してデビューしたが、漫画家の吉田秋生の「河よりも長くゆるやかに」(小学館漫画賞受賞)の盗作だと物議を醸した。それを知った31歳年長の吉田は「新人の作家に影響を与えるなんて嬉しいわね」と言ったそうだ。吉田は後に「ラヴァーズキス」という作品の登場人物の少年に鷺沢という名をつけた。鷺沢萠は35歳で自宅のトイレで首をつって自殺した。美人作家として誉れが高く、常にペットボトルを持ち歩く水への依存症でもあった。
「帰れぬ人びと」。昨年、生誕50年を迎えた鷺沢萠さんのデビュー作、文学界新人賞を受賞した「川べりの道」を含む4作品が収められた本だ。買おう、買おうと思いながら年をまたいでしまった。私が最初に買った単行本のカバー。まだ大学に在学中と記述があるわりと珍しい帯つき。18歳で文学界新人賞を受賞し(当時の最年少記録)、作家としてデビュー。ルックスもよく、通っているのは上智大学でいわゆる才色兼備という印象が強かった。この「帰れぬ人びと」は、東京でも下町の、華やかさとはあまり縁のない場所や人物が描
いつもお世話になっている三好和気さんのブログで、なかいみさの本をご紹介いただきましたので、リブログさせて頂きました!三好さん、いつも本当にありがとうございます!!ネット書店を含む各書店で絶賛予約受付中ですので、皆様どうぞ宜しくお願い致します!!宜しくお願い致しますー!!!!!!!
紹介する動機は、私が楽しみで待っているから。ブロガーのマハールさんを知ったら、なかいみささんという作家の存在を知ることになり、マハールさんのブログを通してなかいみささんの活躍を知るようになりました。今年12月中旬に、文芸社から初版本が出ることも知りました。本のタイトルは「おはなし」。文学界新人賞の選考で残っていた作品「消灯」が入っていてもいなくても、それは構わないと思っている。この中間発表から8か月。ようやく世間に発表できるんだね