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今日は平日にも関わらず仕事が休みで、ゆっくり出来ると思った。でも、俺の隣で寝ていた由依は既に起きていて、家事に追われていた。まだ眠たい身体を起こしてリビングへと向かえば、既に朝食が用意されていた。ご飯に目玉焼きにサラダ。それに味噌汁と緑茶。目玉焼きの隣にはソーセージも並んでいて、朝からこんなにもバランスの良い食事を用意してくれる由依には、本当に感謝をしている。「あ、理佐、起きたんだ。今ご飯粧うね」俺の存在に気が付くのも早い。そんな由依に甘えてしまう俺。でも、由依だからこそ、甘えて
「あ……理佐…」「わ、渡邉君……」渡邉の登場に驚いた女子達は、一斉に動きを止める。変に気を遣われたくなかったので、私はその間にすぐに立ち上がり、制服に着いた汚れを叩き落とす。「お前ら、恥ずかしくねぇの?」「え……」「お前らが志田に対して、こんな事する理由は何だよ?」詰め寄る渡邉に対して、口を閉ざす女子達。まぁ、当たり前だけど、言えるはずがない事くらい、渡邉だって分かっているはず。女子達も、当たり前だけど、好きな男の前で自らの愚行を白状出来るはずもなく、互いに目を見合わせている。
何だか、最近クラスの女子から呼び出される事が多くなった。理由は分かっている。クラスでも人気の高い渡邉と話しているから。渡邉が私に好意を抱いている事は知っている。別に、私も渡邉の事が嫌いな訳ではない。でも、好きかと聞かれたら、答えに困ってしまうのが正直な所。渡邉が私に発してくれている言葉に嘘はないとは思っている。それはすごく有難いもの。でも、それだけでは渡邉の人間性は分かったものではない。だから、幾ら渡邉が寄って来たとしても、私は渡邉の気持ちには応えられない。ただ、応え様にも、
志田に一目惚れをして、何度も何度もお昼に誘って、先日、ようやく一緒にお昼を食べる事が出来た。その日以来、志田は少しずつ話をしてくれる様になった。でも、その日以来、志田はクラスの女子と行動をする事が多くなった。休み時間なんて、すぐにクラスの女子と何処かへ行ってしまう。それに、その後の授業をサボる事もしばしばあった。女子には女子の事情があると思うから、あまり首を突っ込まない様にはしているんだけど、一つだけ気になる事がある。それは、志田の表情が浮かないという事。「なぁ、志田?」たまたま
「おはよー」「あ、おはよう」教室へと踏み入れれば、当たり前の挨拶の交換。そう、人として当たり前の事。社交辞令とかそんなのは関係のない事。そんな当たり前の事も出来ない人って、一体何なんだろうって、いつも感じてしまう。かく言う私も、人とのコミュニケーションが得意という訳ではない。でも、挨拶も出来ない様では、これから先の事を考えて苦労するからと、親に言われて、それだけは守っている。「よ!朝から考え事?」挨拶をし合う人を見ていると、馴れ馴れしく話し掛けて来たのは、学校内でも1、2を争う
「あかねん、また来てるよ?」朝の練習が終わって、オダナナの視線を追ってコートの入り口の方を見れば、愛輝が立っていた。そちらへと近づいて行けば、愛輝は私に気付いてニッコリと微笑んでくれた。「茜、練習お疲れ」「ありがと、愛輝」いつも自分で用意をしてはいるんだけど、愛輝はわざわざタオルや飲み物を持って待ってくれている。それに、オダナナに言われる前から私は愛輝が来てくれている事は知っていた。「じゃあ、着替えてくるね」「おう」愛輝に軽く手を振って、部室へと戻れば、何とも表現のし難い顔をし
「はよーっす」今日も元気に教室の扉を開けて入って来るのは、学校一のモテ男でチャラ男の志田愛輝。急に勢い良く扉が開くものだから、皆んなの視線が、一斉に彼へと集まる。でも、彼は全く気にしていない様で、爽やかな笑顔を浮かべるだけ。そんな彼に、真っ先に口を開くのは決まって担任である土田だ。「よぉ、志田。今、何時だ?」「え?今?えーと……」土田の声色からして、どう考えても温厚でないのは確かなのに、彼にはそれも通じないのか、普通に教室の片隅に掛けられた時計を見る。「今ね、8時15分!」「
「美波、朝だよ」隣でまだ寝息をたてている美波の肩を、出来るだけ優しく揺する。美波は、まだ眠たいのだろう。モゾモゾと動いて、中々起きようとしない。「美波、約束だろ?」少し呆れた様に声を掛ければ、眉間に皺を寄せつつも、美波は身体を起こしてくれた。「おはよ〜」どこか抜けた声で、俺に朝の挨拶をする美波。寝惚け眼で俺を見てくるものだから、怒る気にもなれない。「朝飯作ってくれよ」「うん、ちょっと待ってて?」ゆっくりとベッドから起きると、美波は着替えずにそのまま一階へと降りていく。そん