費長房は、汝南の人で、その地の町役人を勤めていた。ある薬売りの老人が、市場の店先に一個の壺をぶら下げて商売をしていた。一日の商売を終えると、老人はその壺の中に跳び込むようにして姿を消すのだった。市に集うの人びとは誰もこの出来事に気づくことなく、ただ長房だけが監視台の楼上から見ていて奇妙な老人だと思っていた。そこである日老人のもとを訪ねて挨拶をし、酒と肉をたてまつると、その老人は「おまえさん、明日もう一度更(あらた)めてやって来なさい。」と言うのだった。長房が言われた通り、翌日訪ねてみると、老人は