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三次創作小話「忘羨その後」(24-3)(寒室にて)「では、座学の取りやめをやめませんか」暁シンが言う。「そうですね。なんとかなる、、、でしょう」スージュイは答え、「いかがですか?」とランジャンたちを窺う。「できるのなら、それに越したことはない」ウェイインの言葉に、「『美しく善なる競技**』は?」ランジャンは微かに首をかしげる。「そんな競技があるんですか?」暁チェンが首をひねる。「それは、ただの謳い文句*だ。大地震に始まり、ここ二ヶ月ほど、大変な時期が続いた。皆も心身共に
三次創作小話「忘羨その後」(24-2)(寒室にて)ウェイインは怪訝な顔でランジャンを見た。ランジャンは無表情で、「実に喜ばしい」ウェイインは顔をほころばせて、「メイメイたちが帰って来たのか?」ランジャンは口角を上げて、うなずいた。同じ頃、(松風水月にて)スージュイから、チョンリンとメイメイの無事な帰還を聞いたレイユー。起き上がろうと頭をあげ、肘を立てる。傍らにいた暁チェンが、傷口をかばうように、肩を抱いてゆっくりと起こす。レイユーは、静かに話し出した。「あの時は、唯一の
三次創作小話「忘羨その後」(24-1)(23-12)の続編です。西の空に白く輝く月が浮かぶ。色どり始めた紅葉をざわつかせた風が吹き下りると、山裾のすすき群が仲良くお辞儀を繰り返す。風が通り過ぎ、一瞬止まった虫の音がまた一斉に鳴き出した。乾いた音が、うら淋しく響く。さて、メイメイが天に昇ってから、一月が経ちました。(寒室にて)秋季の座学は中止になり、ウェイインとランジャンには、持て余すほどの時間がある。彼の人*を憂い*、此の人*を愁う*毎日。縁側で月を眺めながら、天子笑を呑んで
三次創作小話「忘羨その後」(23-12)(松風水月にて)「ウェイ師叔、無駄です。もうやめて下さい」ジンイーがしゃくりあげながら言う。ウェイインは、涙を流しながら、「まだだ。諦めるな、レイユー!」上半身の力を込め、胸を押し続けていると、懐から水晶玉がこぼれ、レイユーの肩先に転がり落ちた。その水晶玉にウェイインの涙がぽつりぽつりと降りかかる。“龍の涙”は一瞬だけ、淡く光った。直後、レイユーの横顔が水晶玉に映った。「映っている」ランジャンが目を見開いて、ウェイインを見る。「何かが
三次創作小話「忘羨その後」(23-11)(静室前〜松風水月にて)見返ると、ジンイーと暁シン、チェンの姿も。シンとチェンが戸板の持ち手と入れ替わる。「ジンイー、あの男と代わってやってくれ」ジンイーは、レイユーの傷口を必死で押さえていた男と交代した。その男は膝から崩れ落ち、真っ赤に染まった右手の震えが止められない。ウェイインは霊力を注ぎながら、ジンイーに訊いた。「メイリン殿に来てもらえるか?」「はい」ウェイインは金リンに伝文を飛ばした。手を離しただけで、血が吹き出す。ジンイー
三次創作小話「忘羨その後」(23-10)(寒室にて)「そうでした、大変です!」「レイユー殿が血を流して、倒れています」「ランジャン、行くぞ」言う間もなく、ランジャンは風のように通り過ぎる。「お前たち、ジンイーを探して現場まで連れて来い。大至急だ。全速力で走れ」水晶玉を懐深く押し込んで、ウェイインも飛ぶように走る。(静室前にて)人だかりの中に倒れている男と、顔をのぞきこんでいる男が見えた。近づくと、屈んだ男は首の左側を掌で押さえている。その手の指の間には血が滲んでいるのが見える
三次創作小話「忘羨その後」(24-9)(寒室にて)「今日の所は、議論はこれまでだな」ウェイインが散会を告げる。スージュイは、暁シンとチェンに、今日の日程と優先事項について話ながら出て行く。🌟ウェイインはジンイーを呼び止めて、「こっちの水晶は、いつ持って行くつもりだ?」「その事なんですが、お断りしてもよろしいですか?藍家から頂いてしまうと、金家からの祝い金も受け取らないといけなくなります。メイリンから、くれぐれもと念押しされているのです」「ほとんど藍家以外の世家からもらったもの
r三次創作小話「忘羨その後」(23-8)(寒室にて)ウェイインとランジャンの後をついて、スージュイ、ジンイーも寒室へ。⭐️「どれだけ待てというんだ!」「おそらく、一年。白龍の話では、一年経てば、自身で霊気を作り出せるそうです」「本当に一年なのか?何年かかるか、分かったもんじゃない」「不夜天で、数十冊もの伝記を調べましたが『天界での一年は、人界では百年』という説が最多でした」「という事は、人界の一年は、天界ではおよそ三日か」「メイメイ殿がさらわれてから、天上では、一刻半*ほど
舞台魔道祖師、行ってきましたグッズを買う早めに行ってグッズ列に並びました。待機列ができており、この日は陽射しが強くて日傘持っていかなかったことを後悔マチネの始めの方だったからか、10分ぐらい並びました。でもその後は開演まで殆ど列は出来てませんでした。ソワレはどうだったかわかりません。開演前にはこんな状態。キャストバージョンのアクスタが人気な様子。兄上狙いで私も購入したのですが、中身は金凌でした。一緒に行った澄さんの中身が兄上で、江好きな澄さんは私の金凌と交換してく
三次創作小話「忘羨その後」(23-7)(寒潭洞にて)『お前たち、息をせずに耐えられるのか?半日もの間を!』そう言って、水中へ潜って行った。『はっはっはっは…』笑い声が遠ざかって行く。『待って下さい。せめて、メイメイたちが無事か、聞いて頂けないでしょうか』スージュイの想いは、まるで悲鳴のように心を締め付ける。水面がまた鏡面のように静まりかえると、穏やかな声が心に響いた。『お前たちには、救ってもらった恩義がある、、、これだけは言える。いくら天帝といえど、いや、天帝だからこそ、無垢の
舞台魔道祖師東京公演なんとついに今日幕を開けます!私は来週末観劇予定なので今日からXその他の情報を封印します!(キッパリ)舞台の情報は稽古の様子がいくつかアップされたくらいでしたのでそんなもん?と物足りなくもあったのですがいまとなってはそれで良かったと思っていますやっぱり新鮮な驚きを持って見たいじゃないですか舞台ならではの工夫演出殺陣のカッコよさ日本の若き俳優さんたちの演技全てが楽しみです✨舞台化の話をはじめて聞いたとき「納得いくカタチでできるんだろうか
三次創作小話「忘羨その後」(23-6)(寒潭洞にて)何の進展もなく、さらに七日後、ウェイインとランジャンは、寒潭洞の入り口に立っている。背後に、スージュイの気配を感じた。「遅くなりました。申し訳ありません」「私のせいです。スージュイは悪くない」予想外の声に二人は振り返った。「ジンイー、どうしてここに?」「それは、お力になれればと、」「分かったぞ、青龍を見に来たんだろ」「それは、、、まあ、一生に一度の機会かもしれないので。シンとチェンの話を聞いて、そりゃ会ってみたいと思うでし
🪷なぜか、かわいそうな兄上もとい!劉海寬(リウ・ハイクアン)は、よかれと思ってしたことが、、、弟たちを困らせた※「」はシャオジャンくん、『』はイーボーくん、「お前は調べるって言ってたよね」😱15分前に戻ります「やっぱり、かなり生臭かった(ソーセージについて議論している)」日焼け止めスプレー『そう思わない』🤣「僕は、ハイクアン(兄上)に、お前が『彼のVフェイススプレーに不満がある』って言っていたのを見たよ」「僕に聞いてきて、かなり気まずかった」「効果がないと思うか
三次創作小話「忘羨その後」(23-5)(蔵書閣にて)ランジャンは筆を止めて、顔を上げた。「禁室の古書を調べてみたが、天界に関する記述は見つからなかった」スージュイは、「私も早朝、禁書の一覧を再度、見直してみました」と言って、古色蒼然とした“竹巻*”を慎重に広げた。「一冊か、二冊か、欠番がありそうです。しかし、傷みがひどく、判読できません」「残念ながら、もう存在しないだろう。古書については、兄上の方が詳しい。訊いてみるといい」「沢蕪君は、当分戻らないのか?」ウェイインの言葉に
舞台魔道祖師初日を控えてプロモーションが活発です😁再び主演二人のインタビュー「numan」より金子隼也&廣瀬智紀「『僕って隼也の恋人かな?』という気持ちになっています」舞台『魔道祖師』邂逅編インタビュー|numan公式note「稽古の帰り道、隼也が必ず改札まで送ってくれるんです。振り向くとずっと笑顔で両手を振ってくれていて、『僕って隼也の恋人かな?』という気持ちになっています」こんなキュンなエピソードが飛び出したのは、舞台『魔道祖師』邂逅編で魏無羨(ウェイ・ウーシエン)役を演じる
三次創作小話「忘羨その後」(23-4)(寒潭洞にて)直後、静まり返る。四人が顔を見合わせていると、やにわに寒潭洞の水が渦を巻く。渦の中心から、青龍が姿を現した。前腕を岩の上に乗せて、窮屈そうに首を下げている。暁シン、チェンは息を呑んだ。(生まれたばかりではないのか?なんて大きいんだ)『白龍からの返答だ。天帝に別れを告げたら戻ると言っていた』青龍は背を向けて、水中へ消えた。「ありがとうございました」シンとチェンの声が洞内に響いた。『それにしても、あいつと私は犬猿の仲、なぜ
三次創作小話「忘羨その後」(23-3)(寒潭洞にて)四人が一斉に薛ユンを見る。「青龍を水面まで呼び寄せてはいかがですか?皆さんで、一気に霊気を発すれば、地を揺るがすほどの強い力を生むでしょう」「なるほど、新鮮で強力な霊気に惹かれて姿を現すかもな」「何事か起こる可能性もある。薛ユン殿、外で待機していてほしい。四半刻*経ち、出てこなければ、救援を呼んで下さい」「では、外から、この洞内を観察すればいいですね。お任せを」「外から観察?できるんですか?」「はい、そういう法術もあります
舞台魔道祖師初日まで1週間を切りましたあっというまですね!主演のお二人このスタイリストさんセンスがありますね!魏嬰の赤✕黒藍湛の白✕青すごく自然に取り入れてる現代風でさりげなくスタイリッシュでお洒落!https://natalie.mu/stage/pp/mdzs_stageお二人の対談は「ナタリー」でも読めますよ↗原作を読んで好きだったシーンはと問われ「藍湛が酔っ払ったところ」「酔った藍湛はほんとに可愛い」と答えた金子君「邂逅編」ではまだ無理かもしれませ
三次創作小話「忘羨その後」(23-2)(寒潭洞にて)「もう終わったのか?」という声に振り向くと、ウェイインとランジャンが並んで立っていた。「どうだ、青龍は生きていたか?」「分かりません。大きな横穴があって、その奥は水中洞窟になっているようです。そこに巣食っていると思われます」「ランジャン、潜ってみるしかないか」「青龍に何か?」「宋チョンリン殿の書状だ。読んだ方が話が早い」暁シンは受け取ると、朗々と読み上げる。・・・・・・・・……以前、メイメイが言っていたことを思い出しま
三次創作小話「忘羨その後」(23-1)(22-14)の続編です。あれから七日後。「先生、よろしくお願いします」ウェイインと暁シンと暁チェンが頭を下げた。薛ユンは一歩後退りし、両手を前に出して「やめて下さい。畏れ多い」「君に救われた。俺たちの恩人だ」ウェイインが薛ユンの背中をばんばんと叩く。「そうです。我々藍氏、いや、仙師界の巨頭を救って頂いたのです」「まさに救世主です」暁シンとチェンは高揚すると、金色に輝く霊気を纏(まと)った。寒潭洞の入口でウェイインが立ち止まる。抹額
三次創作小話「忘羨その後」(22-14)(蔵書閣にて)「すぐチョンリンに確かめます」スージュイが言うやいなや、沢蕪君からランジャンに伝文が届いた。〜メイメイ殿が、見つかりません。…昨夜遅く、白い大鷲を見た者がいます。…何か分かり次第…〜「誰かと話しながら、伝文しているようだった。混乱している様子が伝わってきた」とランジャンが言う。「俺たちが寒潭洞にいた時分、メイメイは大鷲にさらわれて**しまっていたのか」「まさか、こんな事態になるとは、、、大玉が完成した時に知らせておけば
三次創作小話「忘羨その後」(22-13)(蔵書閣にて)直ちにスージュイが現れた。スージュイはランジャンから手渡された書簡を開いた。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……あの後、メイメイは毎日のように天帝に祈願していました。すでにお気付きかと思いますが、メイメイは天帝の娘です。以前、好老師**から聞いた話です。・・・・・・・・メイメイの母親は、噂が天界に届くほど、見目麗しい女人だった。一目見て、心を奪われてしまった、天界人がいた。人間のふりをして近づき、数年、共に暮らし
三次創作小話「忘羨その後」(22-12)(蔵書閣にて)「君にも礼を言わなくては、」「お前が頑張ってくれたおかげで、俺たちはすっかり元通りだ」その言葉を噛みしめ、じ〜んと感極まっている様子のジンイー。「ところで、水晶だが、君と」ランジャンが言い終わらないうちに、「お二人の幸せな様子を確かめられましたので、蘇家でお手伝いをして、金家に戻らないと!失礼します」あたふたと出て行った。ウェイインはランジャンに向き直り、「水晶をどうするつもりなんだ?まさか、元の持ち主に返すとか言い出
三次創作小話「忘羨その後」(22-11)(静室前にて)その日の午後。レイユーが、職人仲間を引き連れてやって来た。🌟『静室を基礎から造り直し、元の姿に戻しましょう』さらに、『宋チョンリン殿から、預かってきました』と書簡を差し出した。『源泉の方は?』『はい、修復工事は終わりました』『噴火は?』『落ち着いています。仲間たちの避難も終えています。私がいなくても、沢蕪君でしたら安心してお任せできます』土台石だけを残して、すっかり更地になった静室跡を見て、『崩壊する前になんとかした
三次創作小話「忘羨その後」(22-10)(静室前にて)ウェイインはランジャンを支えて、木立の中の木陰に腰を下ろした。その様子を見たスージュイは、「大分、お疲れのようですね。寒室でお休み下さい」「沢蕪君は、宋チョンリン殿に呼ばれて、不夜天に飛んで行きました」「昨夜、火口から火花が上がっているのが見えたそうです」と暁シンとチェンが言った。⭐️「ご苦労なことだ。才知と人徳を兼ね備え、武勇*の誉れ高い、稀世の雄*だ。好老師の代役というのはもったいないと思わないか?」「いえ、まさに面目
こんにちは。最近、みなさんの二次創作を読むことが多くて、素敵な物語がたくさんあるなと思うんです。好きな物語をさらに広げてくれるというか。そんなよかったなと思うお話をご紹介できたらなと思って時々、ご紹介できたらなと思いました今回は宴側さんのいう方の「君と歩む季路」です。こちらから#忘羨#MDZS君と歩む季路-宴側の小説-pixiv俺は覚えているよ小さな森の奥の、小さな家を薄薔薇色の夕暮の家路木洩れ日の中繋いだ手添い寝の牀榻に散らばる色とりどりの御伽草子朝餉の粥の
三次創作小話「忘羨その後」(22-8)(静室にて)すると、そこに、異変を聞きつけて、暁シン、暁チェンが駆けつけた。「結界が張られているようだ」「では、お二人は無事ですね」すぐ後から、スージュイも現れ、「やはり崩れましたか…大丈夫ですか?返事がなければ、中を窺いますよ」「これしき、どうと言うことはない」とウェイインの声がした。「では、明朝、片付けに伺います。あまり無理なさらないで下さい」三人は去って行った。「ランジャン、すまん。夢中になって、つい我を忘れてしまった。お
三次創作小話「忘羨その後」(22-7)(静室にて)ランジャンはウェイインの右手を握り、ウェイインの瞳を見つめている。手元が狂って、ランジャンの唇に汁がつたった。それをランジャンは舌で拭い、ウェイインの手をぎゅっと強く握る。ウェイインはランジャンの濡れた唇に目が釘付けだ。思わず、口づけしたウェイイン。唇を離すと、ランジャンに箸と椀を取り上げられて、抱きしめられた。心臓の音は高鳴り、胸を押さえても胸の上下が激しくなるばかりだ。ウェイインは腹の底からうずく感覚に、衝動が抑えられない。
三次創作小話「忘羨その後」(22-6)(金麟台にて)☀️「それで実験は思い通りに行ったのか?」「ああ、含光君に体力が戻り次第、大玉を寒潭洞に沈める予定だ。これでうまくいけば、水晶は使いどころがなくなる。そうなったら、含光君は、きっと言うだろうなあ」ジンイーは精一杯きりっとした表情をして、「『きちんと元の持ち主に戻しなさい』」「分かる。でも誰一人受け取らないだろう。間に挟まれるのは辛いな」ジンイーは大きく頷いて、ため息を一つ。「それにしても、薛ユンがいてよかった。いなかったら
先日アップされた舞台魔道祖師のティーザービジュアル「夷陵老祖」の色っぽすぎる佇まいは私のハートをぶち抜きました😍😍😍今回の舞台では夷陵老祖のビジュアルをかなーりアニそしに寄せてきているそれは大歓迎です!主演金子隼也君がこの衣装に袖を通してくれる日が待ち遠しくてたまりません太陽のような少年「魏嬰」が天下無双の「夷陵老祖」になり闇と宿命を背負っていくさまは「魔道祖師」の最大の魅力であり心抉られるところでもありますいままでも壮大なメディアミックスの中で