子や家来は親や主人に仕えているのであれば油断してはならない。ただ一代仕えることは長いことだとからと油断していると、父母や主人は空しく世を過ごすことになる。後になって嘆いたところで、何ともならない。父母主人が亡くなる間際になって、これまでの不忠不孝を悔いたところで何の良いことがあろうか。朝に道を聞いてその道に誠心誠意進んでいれば、喩え夕方に死んだとしてもよかろう。益はあることだ。人の身の喜びなり果報について、ただただ油断なく今日を大切に使いなさい。夫婦兄弟友人関係の付き合いも、みなこのようなもので