寺院の堂の背面にある戸を「後戸」と呼び、仏事・法会の時、位の低い僧などが出入りをします。また、この戸のある仏壇の後方の空間、つまり「後堂」のことも「後戸」と呼ばれました。仏の後ろ姿を見ることがタブー視されたので、この空間もタブーの空間でした。この空間は神聖視され、母性的で暗黒の空間というイメージもありました。この仏壇の後方には、「後戸の神」として、本尊に対する「守護神(護法神)」が祀られました。主な守護神には、「摩多羅伸」(天台宗の常行堂)、「執金剛神」(東大寺法華堂)、「不動明王」(東寺西院御