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空のパピコについていた水滴が乾いてきた。これ以上は怪しまれると家に戻ることになった私たちは、家ではどうなっているかを予想しながら行きとは違う道をゆっくり進んだ。あなたの悪巧みが功を奏したのか家に帰るとふたりは意気投合している様子。明らかに九州男児を置き去りにして好きなアーティストの話で盛り上がっていた。「遅かったねーー」と待機組から圧をかけられた私は、「彼氏いるやつと何も起こるわけないじゃん」と笑ってみせた。わかっていたこと。でも、口に出すと自分の心臓を握りしめて
「ピンポーン」おー待たせーと何故かニヤつく友達後ろにはその友人と3人がいる。「散らかってるけどごめん」と社交辞令だけ伝えて中に入ってもらう。(もちろん必死に見える部分は掃除した)球場前でみんなの家を教え合っていたらそこの中心が私の家だったらしい。みんな一人暮らしをしているので、親の縛りがないことがいいことに男女での親睦会という理由をつけて、無理やり私の家での二次会が決まった。特に何もない部屋で強いて言えば単身赴任で父が買ったという、大きなテレビを譲ってもらったのがこの
長い列を抜け唐揚げを買い席に向かうと始球式が始まろうとしていた。最近話題のドラマで主演をしていた人だそのドラマは私もよく観ていたもので、誰なのかはすぐに分かった。思春期の男子を演じていて、ヒロインとは年齢という大きな壁で結ばれない葛藤をとても上手く演じていてその純粋で無垢な目や仕草が物語をより一層深いものにさせている。綺麗に並ぶ色鮮やかな迷路の中から席を見つけると、もう隣にあなたは座っていた。その目は流行りの俳優の元へキラキラ輝かせて乙女の様にのハードディスクに焼き付けるかのよ
何気ない毎日の中に差す希望たわいもないLINEももはや日課となった夏休みのある日にプロ野球を中のいいメンバーで観に行くことが決まった。過去に野球を経験していたメンバーだが私は観戦することは特に興味が無い類の人だった。でも、あの子も来ると聞いて「行く!!」と楽しみを装って友人にLINEを返したのだ。当日は現地集合、近くも遠くもない距離を友人と自転車で向かった。少し汗で肌に付きまとうTシャツをパタパタと仰ぎながら待ち合わせのゲート前へ向かう球場の広さに呆気を取られながら
友達私は彼氏がいると知ってしまっても何処かであなたを諦めきれずにいました。これまでと変わらず笑顔の毒を私に振りまいてきては、「ここ教えて」と、私が意図して動け頭が当たってしまう位置にまで近づいてきては、私を悪戯に弄ぶ。これが計画的なものだとしたらきっと悪魔だ。長い髪から運ばれて来るキツくなく甘いシャンプーの香り私の知らない”彼氏”の元に会いに行かないで、出来ることならばずっとこうしていたい、永遠にこの時間が続けばいいと思った。あなたが急に「週末キャッチボールをしよう
私はごく平凡な専門学生で顔も平均、成績も平均、身長も平均。誰とでも仲良くなれるので、コミュニケーションに難は無いと思うご飯を作るのは好きだけど片付けるのが苦手。元野球部で高1の時に、周りとの温度差に冷めて辞めた。趣味といえば、音楽を聴くことでジャンルは特に決まってなく、JーPOPからロック、ラップも聴くし、たまにアイドルの曲も聴く(沼ったことはない)でも一番はブルーハーツや銀杏BOYZで青春時代の思い出が全部あの人たちに染められた。深く考えずに思ったことは口から零れ落ち
あなたの整った顔立ちや振る舞いですぐにクラスの中でも一目置かれる存在になっていた。前後の席、その子の初めてできた友達が出身地が同じということもあり、私はその中でも話をする機会がかなりあった一度は飲み込んだ想いも喉から手が出て掴めそうな距離になってしまった。偶然に授業のわからない所の話、地元の話、前にしていた部活の話、家族の話。側からすると特別な会話ではないかも知れないが、僕にとっては全てが特別だった。なぜなら、あなたが私を知る前からあなたに好意を持っていたから。
大切に閉まったはずの気持ちは唐突に予想もしなかったところから引きずり出されることになりました。登校初日、オリエンテーションがありました。席は名前順でクラスの真ん中の席地方から来ている私は、イントネーションのギャップに戸惑いあちこちで飛び交う笑い声に、周りはもう仲良くなっているのにその輪の中に飛び込めずにいました。プリントを先生が配り、前の明るい雰囲気の子が「はい」と私に「ありがとう、んんっ」声の調子が合わず少し裏返る。早々にやらかした。と少しヘコむ。急いで次に回そう
私には2年前から心に思っている人がいます。その人に初めて会ったのは私が専門学校へ入学するにあたって、学校の近くに引っ越す準備の為にニトリへ立ち寄った日でした。ただ偶然、偶然隣を通りがかっただけの人に深く心が引かれたのを覚えています。その人の放つ光はとても輝いている訳ではなかったのですが、なぜかとても懐かしく暖かくてその人を包み込んでいました。話したわけでもなく、目があった訳でもありませんが一目惚れに一番近くて一番遠い感情がはじめて心に刻まれました。こんな小説でも映