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○2025年7月11日、「旅游巴蜀」旅で、漢中を訪問し、最初に訪れたのが石門桟道だった。もっとも、前日、勉県を訪れ、武侯墓や勉县武侯祠へ参詣を済ませている。大きくは勉県は漢中市になる。○その後、漢中市街へ帰って、漢中市街の観光地を目指した。当古代文化研究所が漢中市で選んだ観光地は、古汉台であり、拜将坛遗址、饮马池だった。さいわい、この三か所は漢中でのホテルである桔子汉中国贸酒店(国际贸易中心店)から歩いて行けるところに存在した。○最初に訪れたのが古汉台で、前回、ブログ『古漢台』に書いている。
小野龍海’s歴史塾このホームページでは歴史研究の成果を資料化して公表しています。ono-no-tatsumi.amebaownd.com↑龍帥の翼人気のある漫画家、川原正敏の描く「龍帥の翼」とは『項羽と劉邦』を読んだ作者が「張良」を主人公にして描こうとしたマンガがこの本だそうです。この張良は始皇帝を殺そうと決め「滄海君を尋ね、大力の士を得る」と『史記』に書いている事を踏まえて描いているようです。↑左が大力の士、窮奇滄海という名は時々出てくる
●11月に読んだ本3冊お疲れ様です。前川です。11月に読んだ本です。まずは、この2冊。張良:宮城谷昌光闇に香る嘘:下村敦史宮城谷さんは、僕が小説を読む、きっかけになった作家さん、でもあります。前は、漫画一辺倒でした。もう80歳に、なられるのですね。主に、中国の名将、名臣を書いています。すらすら読めて、面白かったですよ。下村さんは、定期的に読みたくなる作家さんで、今回久しぶりにデビュー作を読んでみました。あるところで反転する気持ち良さ。ミステリー作家って凄いなぁー。そし
※軍師と言えば諸葛亮孔明、以外にも^^;風は止まったと思えば、次の瞬間には背中を押してきます。雲はさっきまで龍だったのに、いつの間にか綿菓子のように形を変えています。水にいたっては、器次第でいくらでも姿を変えます。古い兵法家たちは、変わり続ける大自然を手本にし、それこそが兵法の核心だと語りました。この姿勢を、彼らは「詭(き)」と呼びます(「兵は詭道なり」(孫武)の”詭”です)。固めず、こだわらず、状況に
内容紹介(「BOOK」データベースより)中国の歴史が動くとき、皇帝や英雄といったトップの陰には、きまって優れた名宰相・名軍師があった。本書では、春秋時代の管仲から、三国時代・蜀の諸葛孔明、唐代の房玄齢、清末の李鴻章までの18人を厳選。「臥薪嘗胆」「三顧の礼」「創業は易く守成は難し」など、故事成語にもなったエピソードを交えながら、その生涯と功績を時代状況との関わりの中でわかりやすく解説する。目次(「BOOK」データベースより)管仲(?~紀元前六四五)-桓公の中原制覇を助けた伝説の名宰相/
名参謀の張良が話の途中でしばしば姿を消します。項羽と劉邦の戦いは横山光輝の漫画で読んだのが初めてだったと思います。そのときから不思議だったことです。横山光輝生誕90周年記念電子出版「SelectedWorks」項羽と劉邦ー若き獅子たちー(1)始皇帝暗殺Amazon(アマゾン)項羽と劉邦全12巻セット箱入(潮漫画文庫)Amazon(アマゾン)[新品]項羽と劉邦[文庫版](1-12巻全巻)全巻セット楽天市場特に横山光輝版の場合、項羽の陣営も
8月に読んだ本です。軽い感想。★19号室マルク・ラーベ『17の鍵』に続く2冊目。(全4巻のシリーズもの)真実が明るみになったこともあるが、新たな謎も。3冊目が早く読みたいが、まだ翻訳出版されていない。★あの夏が教えてくれたアレン・エスケンス『たとえ天が堕ちようとも』の主人公の一人、ボーディが15歳で経験した事件をきっかけに成長していく物語。元弁護士で大学教授のボーディと15歳のボーディが始めは全く結びつかないが、読み進めるにしたがってある人物との関わりが彼を徐々に変えて
兵の機略──迅速と欺瞞の要諦古来、戦いにおける**機略(権謀)と偽り(計略)**の重要性は以下のように説かれています。「兵の情勢は、**急(迅速)**なれば有利であり、緩慢なれば有害である。」「兵を用いる法は、**偽り(欺瞞、計略)**を用いることに努めよ。」「偽りは兵の権謀(臨機応変の計略)であり、権謀は兵の用いる手段である。」「権謀ある者は、いたずらに戦わず;偽りある者は、むやみに思い悩まぬ。」「思慮は権謀の働きであり、偽りは権謀の発露である。」「権謀は将軍の拠り
士に求められる賞罰と清廉な政治古来から、士(たる者)には厳格な賞罰と徹底した調査が求められてきました。「士は賞罰を明らかにせねばならない。行われた事の理由を詳細に調べ、清廉な政治を実現する。」この教えが示すのは、正義(義)を究め、道を修めるだけでなく、政策や裁定の根拠を明らかにすることこそ士の本分だということです。必要な知識や技能を備え、常に自己の徳を磨く――それが真の指導者の姿と言えるでしょう。財用の枯渇が招く国家の危機国家の命脈は、民衆の財用(資源・財産)にかかっています
賢人と奸臣──政治の善悪が生む影響古来、政治の善し悪しが臣下や社会に与える影響について、次のように説かれています。「政治がよければ忠臣が多く、悪い政治には奸臣(よこしまな臣下)が多くなる。怒りや讒言(ざんげん)、悪事がはびこり、賢者は退き、不肖(愚かな者)が目立つようになる。」ただし、原文には論理の逆転(賢者が隠れることで奸邪が勢力を増す部分)や重複・脱落の可能性が指摘されています。賢人の無私無作──統治の要諦続いて、賢人(聖人)の統治の根本は「私心なき無作」にあると説かれて
七つの「楽しみ」と理想の統治古来、政治がもたらす「楽しみ」は、都や町の鐘や楽器などの物質的な豊かさを超え、人々の心に永続する幸福を生み出すと説かれてきました。以下に示す七つの楽しみは、指導者の徳がいかに民衆の暮らし全体に浸透するかを示すものです。「人々がその生業(なりわい)を楽しみ、人々がその政治(為政者のやり方)を楽しみ、人々がその家を楽しみ、人々がその家族を楽しみ、人々がその郷里(こきょう)を楽しみ、人々がその国を楽しみ、人々がその天下(世の中全体)を楽しむ。」この
礼による降伏と統一古来、「礼(礼儀・秩序)」は単なる形式を超え、人々の心をまとめ、社会を統一する根幹とされてきました。以下の言葉が示すとおり、あらゆる場面で「礼」をもって対処することが重視されています。礼をもって人々を集め、政治によって服従せしめる。軍隊を服従させ、国を服従させ、ひいては天下の人々を礼をもって服従させる。この一節が示すのは、「礼」によって始まりにおいて人々の心をひとつにまとめ、終わりにおいて秩序を保ち続けるという二重の役割を果たすという点です。礼の四大機能
天下に及ぶ恩沢古来より、為政者の恩沢は万物に及ぶと説かれます。次の連環は、その深遠な徳の広がりを示しています。「天下の危難を救う者は、天下の権力を掌握できる。天下の乱れを安定させる者は、天下の禍(わざわい)を取り除ける。天下の患(うれい)を除去する者は、天下の安楽を享受できる。天下で溺れる者(苦しむ者)を救う者は、天下の幸福を得られる。」この一節は、為政者の思いやりが禽獣(鳥や獣)にまで及び、さらに草木にまで広がることで、万物が安らぎと恵みを享受する理を示しています。賢人の在り
師から将軍へ──徳の連鎖古来、軍勢の秘伝書には次のような教えがあります。「よく師(指導者)となる者は、よく士(優れた部下)となる。よく士となる者は、よく兵を用いる。よく兵を用いる者は、よく民を用いる。よく民を用いる者は、よく財を用いる。」指導者としての資質は、部下や兵士の運用、民衆との関係、さらには国家の財政運営へと連なる──まさに「徳」の波及効果を説いた一節です。軍事の徳──威厳と功績の好循環続いて、軍事における「徳」の意義についてもこう示されます。「徳がなければ
将たる者に必要な八つの徳士(たる者)は、以下の八つの徳を備えることで初めて「将」となることができると説かれます。勇:勇気を根本とする忠:忠誠をもって臨む義:正義を理(ことわり)とする信:信頼を以て守る仁:思いやりを徳とする礼:礼儀を以て教える智:知恵を以て思慮する武:武勇を以て備える軍勢秘伝――教えてはならない六つの禁則軍勢の秘伝書には、兵を用いる際に士卒へ以下の行為を教えてはならないと記されています。敵地で略奪を行うこと不当な財産分与土地の分与人民を分け与える
軍勢の秘伝書には、次のように記されています。士卒に「目先の利益」を語らせるな。士卒に「損害」を口にさせるな。士卒に「得失」を口にさせるな。士卒に「兵力の多寡」を論じさせるな。つまり、兵士には余計な情報を与えず、一つの目標に集中させよ、という教えです。ゆえに、「兵は専一を貴ぶ(ただひたすら一点に心を尽くすことを尊ぶ)」と説かれるのです。詳細軍勢の秘伝書にはこうあります。「士卒に(目先の)利益について語らせてはならない。士卒に損害について語らせてはならない。士卒に
将軍が信義を重んじれば、国は自然と安定します。主君が安らかで、民が健やかであれば、主君にどれほどの欲がなくとも国家は繁栄を続けるのです。古来、軍を動かす本質としてこう説かれてきました。「将は安楽を求めるが、兵は労苦をいとわない。将は安全を求めるが、兵は危険を恐れない。将は得ることを喜ぶが、兵は与えることを惜しまない。将は利益を追い求めるが、兵は損失を嫌わない。」このように、軍を統率するためには「緻密なバランス感覚」が不可欠です。さらに、兵法の秘伝にはこうもあります。「
兵法の秘伝にはこう記されています。賢者を見れば自らを慎み、不肖の者を見ればこれを育てる。功績ある者にはその報いを与え、功績なき者をそのことで責めない。さらにこうも教えています。文(徳治・教化)と武(武力・統制)を合わせ、知(知恵)と勇(勇気)を兼備し、礼(礼儀・秩序)と義(正義・道理)を同時に施し、忠(忠誠)と信(信頼)を互いに貫くべし。つまり、将帥(リーダー)とは仁(思いやり)を礎とし、義(正義)をもって統制し、礼(礼儀)をもって導き、智(知恵)をも
将軍が平静でいられるのは、部下と苦楽を分かち合っているからです。困難を深く考えすぎないのも、部下とともに挑むから。心配事におののかないのも、部下と支え合うから。利益を独り占めしようとしないのも、成果をみんなで分配するからです。古くから、こう言われてきました。「苦悩を語り合えど、最終決定は将軍の専権。利益を分かち合えど、独占は許されず。作戦を共に進められても、その細かいニュアンスを完璧に共有できるのは将軍だけ。議論はみんなでできても、最後のバランス調整は将軍が担う。」要するに、
古典兵法に学ぶ──決断力と人材重視の要諦1.決断のタイミング「士は去るべき時には去り、留まるべき時には留まる」迷わず決断することで、戦況の優位を保つ。逃げる勇気と、踏みとどまる胆力──いずれも将軍に求められる資質です。2.熟慮と審察の威力「謀において審らかであれば百戦百勝し、慮において善ければ百事が解決する」審察(つまびらかに見る):情報を徹底的に収集・分析し、最適な作戦を立案する。深慮(おもんぱかる):あらゆるリスクと恩恵を天秤にかけ、的確な判断を下す。これがあれば、いか
1.情勢を読む四つの視点「兵情勢を読む四つの視点を用いる道は、情勢の虚実をよく観察し、敵の動向を推し量ることにある」物事の情勢(真偽・強弱)を見極める地の利(地形や補給線)を把握する時の利(天候・タイミング)を活用する人心(士卒の士気や互いの結束)を掌握するこれら四つは、戦略立案や作戦遂行の際に欠かせない基本要素です。2.「柔が剛を制し、弱が強を制す」兵法書にはこうあります。「強弱は形となって現れ、盛衰は時に応じて変化する。故に、兵の勢いとしては『柔が剛を制し、弱が強を制
古典兵法に学ぶ──見えざる戦術と将軍の資質1.戦上手は姿を見せず「戦上手な者は姿を見せない」意図や陣形を相手に悟られず、常に油断させない。内部には厳格な規律を敷きつつ、対外的には節度ある礼節を保つことで、その「徳」が自然と示される。2.将軍の七つの徳と兵の八つの勢い兵法書は、優れた将軍に備わる「七つの徳」と、活用すべき「八つの勢い」を説きます。七つの徳(例)仁愛2.義3.礼4.智5.信6.勇7.忍八つの勢い(例)風のごとき迅速さ火のごとき激しさ
古典兵法に学ぶ「兵の用い方」とは──人・地・時を制するリーダーシップ1.兵を用いる三つの要諦「兵を用いる上での要点は、人を知り、地の利を得、時の利を得ることにある」人を知る(人心・人材の把握)優れた指導者は、兵卒一人ひとりの適性や士気を見極め、最適な任務を与える。地の利を得る(地形・補給線の確保)補給路を確立し、食糧や武器を滞りなく前線へ届ける。時の利を得る(天候・機会の活用)季節や天候、敵の隙を見極め、最良のタイミングで軍を動かす。2.三つの失敗要因「地の利を得なけ
古典兵法に学ぶ、将軍が心得るべき四要諦と兵の扱い方1.四つの要諦兵法の秘伝書はこう説きます。「深く考えれば勝つ。行動すれば勝つ」将軍が備えるべき資質は、以下の四つです。遠慮(謹慎)…自らを抑え、無用な慢心を戒める。行動…機を逃さず、迅速に動く。勇敢さ…恐れを乗り越え、先頭に立つ。廉潔さ…私欲を断ち、清廉を保つ。これらが明らかであれば、不祥事は決して起こりません。2.資源と恩賞の重要性「軍に財がなければ士はやってこず、恩賞がなければ士は行かない」食糧は兵を養い、恩賞は兵
1.兵士の安危を知る将軍は、飢えや渇き、寒暖を兵よりも先に慮ります。渇いても兵より先に飲まず、飢えても先に食べず寒くても先に衣を厚くせず、暑くても先に日除けを求めず──これを「兵士の安危を知る」というのです。共に苦楽を分かち合うことで、兵士との一体感が生まれ、互いに離れがたい絆が築かれます。2.敗北を招く三つの要因兵法の秘伝書には、「陣形や規範が定まらなければ、敗北を招く三つの要因がある」とあります。権限の独占:将軍が決定を抱え込むと、士卒は恐れて動かなくなる。職務への
多くの古典兵法書が説くように、軍を統率するには「褒賞」を最も重んじ、明確な報奨と懲罰によって兵卒の忠誠を得ることが不可欠です。以下では、その要諦を解説します。1.褒賞と刑罰の明確化「軍は褒賞を最も重要なものとする(表とする)。褒賞と刑罰が明確であれば、士卒は従う」報奨基準をはっきり示し、功績を認めることで士卒のやる気を喚起する。違反や怠慢には一貫した罰則を適用し、規律を維持する。2.賢者への権限委譲「賢者に任務を任せれば、敵国も服従する」有能な者に適材適所で任務を与えることで、
多くの捕虜を得たとき、将軍は謙虚にこう言うべきです。「私が為すべきは、威厳と武力をもって、軽々しく戦おうとする者に規律を適用し、戦場へ送り出すことだ」と。ゆえに、将軍は一度出した命令を決して撤回してはならず、褒賞も刑罰も必ず信頼に足るものでなければなりません。天が地に従うように(=自然の摂理が確実であるように)、はじめて人を統御できるのです。士卒が命令に従ってはじめて、国境を越えての進軍が可能になります。軍を統率する要諦準備の重要性軍の備えが万全でなければ、長期戦は望めません。城
1.敵国を弱体化する戦略と人材の尊重敵国を徹底的に弱体化させることに全力を尽くします。人を用いる上で最も重んじるべきは、「勇士が命を惜しまない志」を尊重することです。この志を大切にすれば、士(戦士)は自ら進んで仕え、主君との礼節を忘れません。士卒は苦楽を分かち合い、安危を共にすることで、強固な結束を築きます。敵に対しては、まず規律の厳正な適用で畏怖を与え、完全な勝利を目指します。単に打ち破るだけでなく、「国全体を得る」という大局的な目標を見据えましょう。2.古の名将が示した
民心と国家の安定およそ自国の領土だけで戦い、周辺から集まる租税や人心を独力で守りきれる者はほとんどいません。もし臣下が君主に対して以下のように振る舞うならば、国は富み、家は安らかになるでしょう。君主の徳を敬い、軽率な態度を正しく諫める財産を不当に争わず、労役を無理に強いない労苦を厭わず、その権威を支えるこれらは単なる忠義を超え、王朝の基盤を強固にします。后稷(こうしょく)の教え伝説上の農神・后稷が王となったのは、まさに「人々を導き、よく世話をした」からこそです。彼は特に、いわゆ
優れた指導者の条件優れた指導者とは、ただ権威を振りかざすだけではありません。以下に挙げるさまざまな場面で、人々を的確に導き、支え、統率できる者こそが真のリーダーと言えるでしょう。1.弱き者を救い、恐怖を和らげる危機に直面している者には安心を与え、恐れを抱く者には勇気をもたらします。冤罪で苦しむ人には手を差し伸べ、孤児や困窮した者を救済するのが指導者の役割です。2.忠義と孝行を尊び、欺瞞を淘汰する忠実な者は褒め称え、孝行を尽くす者には報恩をします。一方で、欺く者、淫らな者