ブログ記事24件
疫病蔓延新型コロナウイルスの感染症が世界中を恐怖に陥れています。我が国もその防疫に懸命です。疫病蔓延数口寄生災厲疑姦雄悪疫怕風嗤忽翔千里今如此妙薬祈求無尽期(読み)えきびょうまんえんすうこうのきせいさいれいのうたがひかんゆうのあくえきかぜのわらうをおそるたちまちせんりをかけて
春を告げる東大寺二月堂のお水取りは、世界の平和と人々の安穏を祈念して行われます。漆黒の闇に舞い散る炎は幻想的な初旬の風物詩でもあります。今年の修二会は例年と異なる祈願となり、世界に蔓延を続ける新型コロナウィルスの撲滅にあったと思われます。(白文)修二会漆黒寒更夜未央魁春万籟礼空王煌煌火焔無人介宛似天花二月堂(読み)しゅにえしっこくかんこうよるいまだなかばなりはるにさきがけるばんらいくうわうにれいすこうこうたるかえんひとのか
晴空彩色数樹紅梅清浅水一双白鷺薄寒天悠然韻事閑拈句塵外蒼穹気似仙(読み)せいくうさいしきすうじゅのこうばいせいせんのみずいっそうのはくろはくかんのてんゆうぜんたるいんじしずかにくをひねりじんがいのそうきゅうきせんににたり(押韻と平仄)仄起七言絶句韻=先(天、仙)(起句は踏み落とし)……第一句の押韻を省く(前対格)……起句と承句の詩語が対応している●●○○○●●●○●●●○◎
久しぶりの投稿です。月日の流れは早くいつもながらの春が目前です。本来なら厳しい冬を抜けた喜びが重なるのですが、今年だけは異常です。新型コロナウイルスの蔓延で、様相は一変しました。早く収束に向かってほしいと願っています。でも春は確実にやってきます。先般、梅の木に花がいっぱい咲いていたので、それを漢詩に表してみました。五言絶句です。訪梅花(起句)寒梅殊有趣(承句)老木静如禅(転句)馥郁共相和(結句)題詩幾変遷(読み)ば
NHKの大河ドラマが「麒麟が来る」が始まりました。明智光秀公が主人公ですが、この人は謎が多い武家とされています。主人を殺した極悪人とか、いやいやそうではなく頭脳明晰で善政を施した名君であったとか、さまざまな推理がなされているのです。このドラマがどういう切り口で展開するのか楽しみですが、昨秋、琵琶湖西部の西教寺を参詣したときに光秀公の辞世を見つけました。その時にブログで紹介示したが、ここに再掲したいと思います。この漢詩は仄起こり五言絶句であり、韻目「元」の中の「門、源、元
滋賀県湖北地方の盆梅の展示が始まりました。特に長浜市の慶雲館での催しは有名で、樹齢数百年という梅の花が鉢に収まっています。盆梅展が始まると当地では春の兆しが感じられるのです。数年前に訪れた時に作った五言絶句の漢詩を示します。五言絶句の押韻は偶数句、すなわち承句と結句の2か所に施すのです。七言絶句のように起句には韻を踏まないのです。したがって、ここでは「垣」と「盆」が同じ韻目「元」のグループから選んでいます。(読み)ぼんばいをみるしゅんかんかぜしゅんそうたい
玄冬逍遥芳信雖非不敢言報春兆候個中存蒼天疎影生光彩如此郷村尽日温(読み)げんとうしょうようほうしんあらずといへどもあえていはずはるをほうずちょうこうこのなかにそんすそうてんのそえいこうさいをしょうずかくのごとききょうそんじんじつあたたかなり(平仄と押韻)仄起七言絶句韻=元(言、存、温)○●○○●●◎●○●●●○◎○○○●○○●●●○○
「玄冬逍遥」芳信雖非不敢言報春兆候個中存蒼天疎影生光彩如此郷村尽日温(読み)げんとうしょうようほうしんあらずといへどもあえていはずはるをほうずちょうこうこのなかにそんすそうてんのそえいこうさいをしょうずかくのごとききょうそんじんじつあたたかなり(平仄と押韻)仄起七言絶句韻=元(言、存、温)○●○○●●◎●○●●●○◎○○○●○○●●●○○●●◎(意味)「冬のそぞろ歩き」花の便りが無いと言ってあえて文句は言いますまい。春がま
昭和60年くらいから漢詩創作を始めましたが、その間、正月に作詞したものも多くあります。この「新年」という仄起こり七言絶句の漢詩は、ごく初期の作品で今から思うとまだまだの感じです。でも学びだした頃の意気込みのような新鮮な思いは感じられます。昭和62年の元旦に作った詩です。新年旭日欣欣放瑞光寒梅興趣亦尋常此迎淑気吉祥夢元旦傾杯無恙望(読み)しんねんきょくじつきんきんとしてずいこうをはなつかんばいきょうしゅまたじんじょうここにむかふしゅくききち
九月十三夜上杉謙信作この漢詩は越後の武将上杉謙信が甲斐の武田信玄と川中島で対峙し、前後五回も戦いを繰り返したことは有名ですね。謙信は越後の七尾城を攻略したのが陰暦九月十三日で、たまたま明月にあたり、煌々と照る月を眺めてこの漢詩を作ったとされています。謙信は戦国時代に文武両道を全うした稀有な武将で、人格高潔な人柄もよく知られているところです。この中で、結句の冒頭に助字が使われているのです。「遮莫」(さもあらばあれ」という詩語です。ええい、ままよ仕方ないではない
「歳朝」元旦に作った仄起こり七言絶句の漢詩です。古往今来情義真欣欣和気在風塵人心自改清閑日也好乾坤歳此新(書き下し文)さいちょうこおうこんらいじょうぎしんなりきんきんたるわきふうじんにありじんしんおのずからあらたまるせいかんのひまたよしけんこんとしここにあらたなり(平仄と押韻)仄起七言絶句韻=真(真、塵、新)●●○○○●◎○○●●
歳晩詩興今年も大晦日を迎えました。確か昨年末は雪に見舞われ白銀の歳末だったと記憶しています。今年も日本列島は東北以北や北陸日本海側ではすでに大雪となっているようですね。例年ながら思うことは多いけれど満足したことはほとんどないといった状況です。皆さんはいかがでしょうか。平成25年、今から4年前の大晦日に作詞した七言絶句を掲載します。(書き下し文)歳晩詩興さいばんしきょう光陰如矢句成遅こういんやのごときなるもくなることおそし
寒宵霏霏寒雨夜方深感遇浮生不可尋物我相忘塵外境歳云暮矣坐澄心(読み下し文)かんしょうひひたるかんうよるまさにふかしかんぐうのふせいたずぬべからずぶつがあいわするじんがいのきょうとしここにくれたりそぞろにこころをすます(平仄式と押韻)平起七言絶句韻=侵(深、尋、心)○○○●●○◎●●○○●●◎●●○○○●●○○●●●○◎(意味)「冬の寒い夜
平起こり七言絶句の平仄式○○●●●○◎●●○○●●◎●●○○○●●○○●●●○◎仄起こり七言絶句の平仄式●●○○●●◎○○●●●○◎○○●●○○●●●○○●●◎漢詩の構成は文字の種類、すなわちその文字が平字なのか、仄字なのかによって、組み立て方が異なるのです。もともと平仄というものは文字の発音により分けられているもので、変化のない平らかな発音文字を平字とし、アクセントに変化のある発音文字を仄字といいます。漢詩は平字と仄字をうまく配列することで、
終弘法(起句)師走学僧東寺門(承句)真言密教養心魂(転句)暮寒雑踏終弘法(結句)野店喚呼笑語温毎月21日は京都の東寺では弘法市の縁日で大勢の人々が集います。12月は特に一年の締めくくりとしての意味もあって、大変な人出となるのです。今年の終い弘法は好天に恵まれ思い出多き縁日となったと思います。先ず京都駅から徒歩で十数分、門をくぐると修行僧が托鉢の読経で迎えてくれます。雑踏の中で修行するお坊さんに会釈しながら中の方に進みます。そこは既に訪れている大勢の
例年、晩秋から初冬にかけて花開く皇帝ダリアです。高さが4~5mくらいに伸びた上部に花をつけます。秋の澄み切った青空にピンクの色は鮮やかです。
視往昔碑碣岳峰作(書き下し文)おうせきのひけつをみるしんしゅのたいどうまたなにをかなさんじゅんぎゃくこしんききょうのはたおくせきのたいひさいきょうじしゃようせきばくとしてあきをおくるとき(平仄と押韻)平起七言絶句韻=上平声四支(為、旗、時)(起句)○○●●●○◎(承句)●●○○●●◎(転句)●●○○○●●(結句)○○●●●○◎(意味)「昔の苔むした墓所を視る」珠玉
山行驟雨(参詣体験を詩にしました)(書き下し文)山行驟雨さんこうしゅうう古刹僧坊事久伝こさつそうぼうことひさしくつたふ(つたう)熙熙揺漾野花妍ききたるやうやう(ようよう)やかけんなり須臾風起逢秋雨しゅゆにしてかぜおこりしゅううにあふ(あう)防遏帰山思慨然ぼうあつのきざんおもひ(おもい)がいぜんたり
偏惜別岳峰作新元号「令和」が万葉集の梅花の歌を元に決まりました。そのことに関連して梅をテーマにした漢詩を紹介しています。先人が残した作品や拙作の漢詩をご覧いただいていますが、確かに梅は作詩の題材としては恰好のものと思われます。年度変わりは出会いと別れの季節でもあります。今回ご紹介する詩は、過去に先輩が職場を去る時に作り、記念にお贈りしたものです。特にここでは直接梅という語は出てきませんが、春寒馥郁という言葉に梅の香りというものが
読み方しゅんかいせいこうびだんそうばいあらたなりいっぺんのじょうかいじざいのひとさんけいやふうかんしょくさりほうしんうごかんとほっしてすでにはるをしょうず平起こり七言絶句の平仄と押韻この詩の韻目は上平声十一真です。韻目というのは一句、二句および四句の末尾に押韻知る際の韻のグループのことをいいます。ここでは上平声十五に分けられた韻目のうち、十一番目の「真」という韻目に属する文字を使わなくてはならないのです。韻目
李白の詩の検証送り仮名や返り点を付けて日本の言葉として漢詩を味わう手法を考えた先人の頭の働きに感心するばかりです。もう少し、説明を加えましょう。起句は上から順に読んでいって、「声を飛ばす」というところが読みと漢字の配置が逆になっていますね。返り点(レ点)を付いた個所は読みの順番をひっくり返して下の文字を先に読むのです。前回にも示した「ヲニに会ったら返れ」という例ですね。承句の場合は、「散じて」の次は「入りて」といきたいところですが、「入」の左下の数字が二と
押韻を含む三文字の言葉はじめの富士の二文字は仄字でした。続いての峻険(●●)も仄字となりますから、この組み合わせは使えません。二文字目が平字の熟語を探すと、険しいという意味では、懸崖(けんがい・〇〇)や嶙峋(りんじゅん・〇〇)という熟語が考えられます。また、靄(もや)がかかっているという「雲烟」(うんえん・〇〇)もいいかなと思います。富士山の裾野一杯に靄がかかり深遠な情景を表したものです。さて、起句の最後の三文字ですが、「眠樹陰」としてはどうかなと思います。平仄と読みは次
転句以外の各句の末尾には押韻する昔の中国語の発音で漢詩を詠む時、きれいに聞こえるように工夫がしているのが平仄と押韻ということです。したがって、漢詩を唐時代の発音で詠んだときに感動するのでしょうね。今の時代で、しかも発音の異なる日本でこのルールは通用しませんが、法則のみが今日まで守られているわけです。逆に言うとこの法則を守ってこそ漢詩といえるわけです。七言絶句の場合、一・二・四句の末尾には押韻しなければなりません。押韻のことを韻を踏むともいいます。韻を踏むことによって同じ種類のき
何度でも推敲:七言絶句の漢詩ができました一度できあがった作品でも自分が納得できるまで吟味して、作詩する気持ちは大事なことと思っているのです。今回はやや強引な変更ですが、どうしても将来に向かっての希望を示したかったのです。ということで、最終的な漢詩は次のようになりました。最後に標題を考えましょう。これだけ甚大な災害を被った地域ですので、その地方を代表する熊本城というの固有名詞をそのまま冠することにしました。この漢詩の標題は「熊本城惨害」(くまもとじょうさんがい)