女(左幸子)の部屋で層雲丸の遭難と岩内の大火を報じる新聞を見た犬飼(三国連太郎)は後悔するように泣く。女は杉戸八重で千鶴という名で働く芸者。犬飼は彼女に本名を伝える。背後で光る雷で恐山が不気味に見えるのだった。からかうつもりで「戻る道ないぞ。帰る道ないぞ」と言ってイタコの真似をする八重を見て、恐れる犬飼。しかし、二人はそのまま関係してしまう。八重は貧しい身の上話をしながら犬飼の爪を切ってやる。そして子どもの頃にトロッコにひかれたという彼の親指が変形しているのに気づく。犬飼は八重に親切な人だと言う