ブログ記事86件
「静かに」バリバリと活動的に行動するのが良いと思っていた時期もある。でも、今思えば間違いだった。昔、農業だけで暮らしていた頃のこと。地域の仲間農家が、広い畑で多品種栽培をし、どの畑を見ても美しく、気になるマルシェには必ず出店していた。加工品の製造許可も取り、Webサイトでの発信もスマートで反応も良く、イベントも企画してて、輝いているなぁと。僕はと言えば、畑で試行錯誤の毎日。採れたり採れなかったりで、その理由を知りたくて、ただ畑で観察。収益もなく、マルシェに持っていく野菜もなく、手付
「元の暮らしへ」少し前のこと。「マスク、ずれてるよ」小さな男の子の手を引いた母親が声をかけた。子どもはすかさず手を離してマスクを直す。そして褒めてもらおうと思ったのか、母親の顔を見上げた。母親はマスクを確認すると、褒めるわけでもなく、また手を引いて歩き出す。よく見ると、その子の顔は真っ赤だった。見た感じ、アトピーじゃないかと思われる。母親も随分としっかりとしたマスクをしているから、ウイルスを過剰に恐れていることが分かる。人目を気にしてということではなさそうだった。声をかけること
「小さな革命家」佐々木瞬さんに出会ったのは、そんなに古くはない。多分、今から2年近く前。第一印象は、ガタイの大きなスポーツ選手という感じだった。僕の岩手県でのセミナーの参加者であり、畑ではもっぱら力仕事を任されていた。しかし、ただ体力があると言うだけの男ではなく、ゆっくりとしたテンポで話す言葉には、常に他人と違う視点が滲み出ていた。トマトの支柱を立てていた時、彼はボソッとこう言った。「支柱ってやっぱ必要ですか…?。トマトは倒して置いた方が自然じゃないですか…。」まぁ、その通りであ
「安全な食料を生み出せる場所」2011年3月11日、僕は恵比寿の雑居ビルの中で、異常な揺れに怯えていた。その揺れは、東日本大震災と名付けられた。あの日、東京の交通手段は、動脈硬化のように正常な機能を失った。宿のある場所までの10km。駐車場化している道路は、夢遊病者かゾンビのようにどこかに向かう人たちで埋め尽くされている。コンビニやスーパーから食料や水は消え失せた。人々は冷静さを装いながらも、生活必需品を買い漁る。食料を奪われたのは車も同様である。僕は光の消えた死の街に閉じ込められ、
「生きていく力」150Lの海水から4.7kgの塩。今回、不純物の除去には気を使ったが、ある程度ちゃんと精製できた塩もあるのだけど、硫酸カルシウムを十分に抜けなかった塩もあった。10回以上の塩焚きを連続で行い、むしろ色んなパターンの塩が出来たので、参加者にとってもかなりの経験になったことと思う。真っ白な荒塩、スッキリとした粉状の塩、エグミのある塩(摂りすぎないように)など。焚き方でこんなに変わるもの。ところで、塩焚きの投稿をしたら、海の汚染について指南する内容や塩製造登録申請のこととか、
「ピエロがメイクを落とす時」いつも陽気でいたいと思う。周りが沈んでいるときには、少し馬鹿げた話でもして、皆んなを和ませてあげたいと思う。講演で参加者が緊張していれば、ジョークの一つでもかまして和らいだ雰囲気にしたい。誰でもそう思うだろう。峯山耕平さんに会ったのは、多分、三田市でのプランター栽培セミナーの頃だったように思う。もう6年前。彼は関西人ということもあるのかもしれないけど、僕らの仲間内でのムードメーカーになっている。セミナー会場や講演会場でも、いつも声を張り上げ、場を作り始
「人生いろいろあったけど」あの頃は、毎日会っていて・・・やがて、時々会うようになって・・・そのうち、たまにしか会えなくなって・・・今は、もう一度会いたいなと思う・・・そんなような歌の歌詞がどこかにあった。生きていれば人生色々ある。大切な人の苦しみ、大切な人の病、大切な人の死。心が通じ合わず、いがみ合うこともあるかもしれない。いつも同じ仲間と同じことをしているとは限らない。でも、一人では生きていけないのは間違いない。今生なんて一度きり。嫌なことを我慢しているよりも、好きなこと
「死生観」家族の病や死というのは死生観を一転させることがある。僕の両親は二人とも病院で亡くなった。母は末期癌だった。5年前の年末、母は新しい年を迎える事なく、この世を去ったのだが、僕は母への執着を捨てられず、母を火葬することに少し抵抗があった。なんとなく落ち着かない僕は、火葬場のロビーでウロウロしていたのだけど、その時、父が小さくつぶやいた。「もうすぐやなぁ」すぐに意味は分からなかった。もうすぐ火葬という意味なのか、もうすぐ母が天国に行ってしまうという意味なのか。しかし、次の父の行
「安定を捨てる時」安定した収入が邪魔になることがある。僕はIT時代は実に裕福だったし、安定もしていた。高級外車に乗り、分譲マンションに住み、優雅な外食を楽しむ。自分はなんて幸せなんだろうと毎日の暮らしを噛み締める。そんな時代もあった。だが、ある時、ふと一つの疑問が湧く。顔も見たくない大きな取引先から無理難題を押しつけられる。とても理不尽であり、生産的でもない。自分のポリシーにも合わない。これを続けても、世の中は悪くなる一方だろうと思うような仕事。辞めてしまいたいとも思う。しかし、安
「どん底から見た光」僕の10人弟子でもある"耕師〜たがやしし〜"の一人、石田雄輔くんを知ったのは、北広島での連続セミナーの時。随分前の話だ。二県隣の福岡からパートナーの二人で、黒塗りの車で毎月やってくる、ちょっと変わり者のイメージの男だった。何故かいつも体調が悪く見えた。車で寝込んでいた時もある。畑でも少し遠巻きに僕の話を聞いている。体型も大きくガッチリタイプなのに、随分と控えめな男だった。ある時、畑からの帰りに声をかけられた。「今度、畑を新しく借りることになったんですが、土づくり
「耕師〜たがやしし〜」(真面目なお願い)新しい活動を始めました。この10年近く、僕は全国を周り、無肥料無農薬栽培の普及に取り組んできました。僕が農業を始めたのは40歳ぐらいから。都会の仕事に嫌気がさして農業の道に進み、そこにたくさんの救いを見つけました。僕自身は、残念ながら農家として一人前にはなれなかったと思います。しかし、農に携わることで多くの生き方の指針を得ることはできました。"食える農家"になることは無理でも、自分のために勤しむ農、つまり自給農から得られる心の安定は生き方さえも
「スナックうつみん慰安旅行in郡上八幡」僕も内海聡さんも、こんなにリラックスして動画に収まってるのは珍しい(笑)。うつみんのツッコミで余計なことまで話してしまってるけど、普段は話していないような話。内海さんって、案外聞き上手、引き出し上手だね。5回まで公開中。第一話は無料視聴だったけど、二話からは有料チャンネルに登録する必要あり。初月無料の月額550円って書いてある。僕は登録してないから知らんけど(笑)。ニコ動はリンクするとシャドーバンされるので、写真で投稿。詳細はコメント欄のURLか
「暮らしを整える」なんだか、いつも愚痴っぽい話をする人いるよね。先日もそんな人の話をしばらく聞いていたんだけど。社会へなのか、家庭へなのか、会社へなのか、とにかく不満がたくさんあるみたい。大変なんだなぁと思って、親身に話を聞いているんだけど、愚痴っぽい人ほど、暮らしが整ってないことが多いと思う。で、"暮らしは整ってる?"と訊くと、家も買ったし、車もあるし、子どもも良い学校に通わせてるって答える。それは暮らしが整ってるとは言わない。それは、"暮らしの体裁が整ってる"って言うだけのこと。
岡本よりたかさんのブログ、大変興味深いです✨〜以下、FBより転載〜「土を作るのは自然である」ふと思い出したのだけど、昔こんなことがあった。とある友人農家の野菜は形があまりにも悪くて不評だった。特に根菜は酷かった。大根もカブも人参も、二股は良い方で、三股四股になっている。そんなものしか売りに出していない。彼は僕に訊ねた。「どうして僕の野菜は評判が悪いんでしょうか。」僕は言葉を発せなかった。なぜなら、僕は彼の畑の状況を知っていたからである。彼の畑は元々祖父が耕作していた畑で、祖父の
自然農で有名な方と思いますが、岡本よりたかさんの言葉は実体験に基づいたもので真実であることが実感できると思います。Facebookからごく一部を転載しただけですが、もし心に響くようならぜひ友達申請して、いろいろ読んでみてしてみてくださいね😊岡本よりたか岡本よりたかさんはFacebookを利用しています。Facebookに登録して、岡本よりたかさんや他の知り合いと交流しましょう。Facebookは、人々が簡単に情報をシェアできる、オープンでつながりのある世界の構築をお手伝いします。ww
「コロナ対策禍」先日の投稿で、"コロナは終わった"という発言に、何故かコメント欄ではなくDMで意見が来る(笑)。書き辛いのだろう、公開反論に見えてしまうから。だけど僕はそれに返信せずに公開してみる。反論ではなく個人的意見なのは理解しているし、DMくれた数人の方の意見も十分に同意もしている。僕の言う"コロナは終わった"は、"コロナ対策禍も終わった"と同一ではない。ここは重要。つまり、今続いているのは、コロナではなくコロナ対策による弊害である。コロナは消えることはないだろう。しかし、他の
「コロナは終わった」"自然に還ろう"という名の講演会。本間真二郎先生とご一緒できると言うことで、喜んで登壇したというのが本音。※小児科医「新型コロナワクチンよりも大切なこと」著者本間さんの本は読んでいたので、直接話を聞けるチャンスは滅多にない。僕自身の休日のスケジュールがほぼ埋まっており、講演の視聴に出かけられる可能性は残念ながら無いに等しいから。会場は400人近い参加者。立ち見が出るほどの熱気。テーマは"自然に還ろう"。だから僕は暮らし方、生き方についての資料を揃えて臨んだ。
「数珠」「オヤジが返せって言ってくれたんだね。」2017年の冬、母の葬式の日に母の魂と共に亡くした妻の数珠。2022年の冬、三回忌の日に父の魂と共に戻ってきた。時の移ろいは、僕から色んなものを奪って行くけど、返してくれるものもある。それは思い出として戻ってくる。母が亡くなった時、そして父が亡くなった時、僕は泣けなかった。気丈に振る舞わなければならないという想いが僕を支配していた。悲しむチャンスを奪われた僕は、その後も、何年も悲しむチャンスを奪われたままだった。数日前、父の三回忌
「化学信者」お恥ずかしい話なのだけど、外食がメインとなって、ずいぶんと長く、時々しか自炊をしなくなっていた。今年、月の半分は他県に出向き、家に帰らずにホテルを渡り歩く暮らしになっていたからである。郡上八幡に戻っても、多忙を極め、自炊どころの話ではなく(笑)。自給農を勧めながら、自らが実践できない歯痒さを、ずっと感じていたわけで。2年がかりの自宅改修で、やっと希望通りのキッチンに仕上がり、どうにか自炊の生活を取り戻した。その間、体調が著しく悪くなっていたのだけど、まぁ外食のせいなのか、
「耕師」一昔前、"農Future"というイベントを自然栽培仲間と幾度か仕込んでいた時期がある。自然栽培の野菜は通常の流通に乗せにくいため、自力での流通開拓が必要になる。もしくは個人販売か。それを成功させるためには、自らをブランディングする必要があるのだが、農家はスポットを浴びるチャンスが少ない。そこで、多くの人の前でプレゼンテーションをしてみたらどうだろうか、という発想で始めた。解散後も、それぞれがスポットを浴び続けながら活躍しているので、それはそれで良かったのだが、やはりもっと続けた
醤油を仕込んだけど、手搾りは大変という方が多く、どうしたものかと考えていた時、本物の醤油搾り機をモデルに、家庭用の小型の醤油搾り機を開発した方がいました。久本秀蔵さんという方で、こうした工作を教える仕事をされていて、僕の醤油麹仕込みワークショップにも参加しています。その久本さんが、この小さな二升用の醤油搾り機作りワークショップを全国で開催されるということで、郡上八幡にもお越しいただきワークショップを開催する予定です。今回は、郡上八幡の参加者は既に決まっていますので、新規募集はありませんが
「生きた野菜」郡上八幡。僕の本拠地での自給農連続セミナーは8回目を終えた。終わってみれば、何を伝えられたのか、僕自身はよく分からない。だけど、最後のシェア会での各々の感想を聞いて、生き方の変革に少しは結びつけられたかなぁと感じる。20年以上前、僕はパニック障害に見舞われていた。過呼吸で道端に倒れることもしばしば。道ゆく人に救急車を呼んでもらうほど重症だった。視力が衰え歪み、絶え間なく続く高周波数の耳鳴りにノイローゼになり、顎が開かなくなると同時に、食事が喉を通らず、そして鬱。見るな
「不自然な闘い」蓼藍の花が咲いた。最近は蓼藍の花が、秋の始まりと冬の到来の合図になっている。巷はまだ素顔(ノーマスク)の人を見かけない。素顔の僕を見て離れる、道を譲る。変だね。中華料理店に入ったら、アルコールの前で手を突っ込めと指示される。まるでバイ菌扱いだね(笑)。でも、そうじゃないのかもね。お店で店員にクラスターが出たら、長く店を閉めなきゃいけないから、怖がってるだけ。まだ、催眠が解けてない人たち。コロナ禍で利益を増大させた人たちの悪魔の囁きから逃れられない人たち。もうそ
「火入れ」今日、キッチンに大西琢也さんの指導の元に仲間と設置した愛農かまどと、薪ストーブの火入れを行った。最初の火入れは、大西さんが神に祈り、火起こしをして薪に着火してくれた。神は万物に宿るという考えの僕は、意識的に儀式はしないことが多いのだけど、彼の儀式はとても新鮮であり、しばし見入った。家に火が入ると、その家はいきなり生き返る。家族の火、暮らしの火、幸福の火。火は命を生み出し、命をつなぐ。暖かさでホッと一息つけるし、身体の中に溜まった悪しき思いが抜けていくような感覚を楽しめる。
キッチンの改造がようやく終わりが見えた。昭和って、いや戦後ってどうしてこうも荒っぽい改築をしたのだろうか。使い道のない薄い木材を接着剤でくっつけ、床も天井も壁も、全部それで覆う。キッチン台もダイニングテーブルもみんな同じく、すぐに腐りそうな材と接着剤。案の定、30年もするとどうにも使い物にならない。貧しい時代だからとか言われるけど、僕が20代前半の40年前は、そんなに貧しい時代では無かったと思う。多分、お金の使い方が変わってきたのと、より多くの利益を得ようとしたのかもしれない。だか
「環境破壊へのアンチテーゼ」今日は、自然栽培の金胡麻を栽培する鈴木香純さんの農園にお邪魔した。作れば作る分だけ即完売となる、自然栽培金胡麻。若干二十八歳の小さな女性のパワーに、圧倒された一日。「こんな私でも自然栽培が出来るんだというのを見てもらいたい。」そう言ったあと、続けて彼女はこう言った。「そしたら、自然栽培やる人が増えるし、オーガニックも増えて行くと思う。」なるほどね。僕みたいにストレートに無肥料無農薬栽培に勤しむ人を増やそうというのではなく、自分をモデルケースにするという
「野口のタネ」「心臓が悪くなって免許証を返納したから、出歩かなくなっちゃってねぇ、足が弱くなって…」とか言いながらも、とても元気そうだった。野口のタネ(野口種苗研究所)の野口勲さん。自然農法や自然栽培に勤しむ者にとって、彼の存在なしには成り立たないと思えるほど、恩を受けている。僕らは今時当たり前になった交配種ではなく、固定種という古くからの品種を栽培する。こうした種子は、彼らが全国から探し出して集めてくれない限りは手に入らない。コロナ禍以降、野口勲さんが販売する固定種の人気が高まっ
「ルール」少し前の話。セミナー中、手袋がないのに気づき、マスクをせずにとあるホームセンターに入ったら、入り口の店員に声をかけられた。「マスクはお持ちですか?店内のルールではマスクの着用をお願いしています。」「それはどのような理由ですか?」と返したら、「厚労省の指示の元、感染拡大防止のために店内ではマスク着用をお願いしています。」そこで、スマホで以下の画面を提示した。「できれば僕はノーマスクなので声かけは遠慮していただけますか。厚労省では屋外や屋内でも会話がない場合や距離が離れる
「終わらない夏」凄い世の中になったものだと思う。日本は、疑うことを忘れたかのような人たちで溢れている。何事にも従順な日本人は、優しさや思いやりまでもどこかに置き忘れているのかもしれないね。「あの人マスクしてない。」そう言ったあの子どもにとっての正しい大人は、マスク姿なのだろうか。もしかすると「あの人はしてないのになんでママはしてるの?」なのかもしれないから、絶望はしていないけどね…。秋風が吹いてきた。来週辺りから気温が下がり始めるみたい。もう夏野菜も元気が無くなってきたし、蓼
「狐がカバを作る」大きな口でなんでも食べてしまうカバ。そんなコンポストがあればいいのにと考えて考案されたのがHIPPO。HippopotamusのHIPPO。考案者はウエノチシンさん。通称fox。狐がカバを作る(笑)。その制作ワークショップを土砂降りの山の中で開催した。山奥の我が家から5分の場所。コンポストって案外難しくて、虫問題、カビ問題、悪臭問題がある。で、世の中には色んなコンポストがあって、それらの問題を解決した優れものはあるし、なんなら電気屋で売ってるものすらある。いくつ