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(S/N20250920-2/Studio31,TOKYO)巷の多くの書評家について書こうと数日前から考えていた。しかし、もはや長文は書きたくない体質になっているので、自ら着想したくせに難儀していた——短いものを書くのも時間と苦労が伴うところは同じなのだが...。ということで、つまり書評家とは岡崎武志さんのような文筆家を指し、書評というのは岡崎武志さんの書くような文章を指す。
空前の俳句ブームだという。一説には句作する人口は(中略)六百万~一千万人。ほんとかなあ。「俳句ブーム」で検索すると必ず登場する名前が夏井いつき。テレビ番組で芸能人に俳句を指南しブレイク。短詩形でこれほどスターになるのは短歌の俵万智以来のことか。(岡崎武志「愛書狂」「白水社の本棚2025夏」白水社)
野呂邦暢『愛についてのデッサン野呂邦暢作品集』(岡崎武志編、ちくま文庫)を読みました。「燃える薔薇」「愛についてのデッサン」「若い沙漠」「ある風土記」「本盗人」「鶴」と言う6篇の短篇小説の連作の形を取っている「愛についてのデッサン」と「世界の終り」「ロバート」「恋人」「隣人」「鳩の首」の5篇の短編小説が収められているこの本は、発売されてすぐの頃に書店で見かけ購入していたものの、積ん読状態のままつい放置してしまっていたのを3週間前ぐらいから意を決して読み始めたのですが、どの小説も野呂邦暢が
福ぶっく堂9月の開店カレンダー広島県は全国で一番若者の転出が多いと報じられています。いかにも不名誉な統計結果のように言われていますが、大志を抱いてふるさとを出るのは悪いことではないと思います。文学界でも、明治の時代から進学、仕事、憧れ、家出、はたまた漂流者としてふるさとを振り捨て、東京で踏ん張った作家たちが大勢います。村上春樹、五木寛之、寺山修司、松本清張、江戸川乱歩・・・などなど、18人の上京作家の背景と作品を読み解いた本が、岡崎武志『上京する文學ー春樹から漱石までー
浅田彰『構造と力記号論を超えて』が中公文庫入りした。朝日新聞に大きな広告が打たれ「大反響発売即重版」の文字が躍る。(中略)なぜか文庫化されない出版界の大物はほかにもある。これは無理と思われた埴谷雄高『死霊』が講談社文芸文庫になった時も驚いた。(岡崎武志「愛書狂」「白水社の本棚2024春」白水社)
取るものもとりあえず神保町、というところが私にはある。都心に出かけて少し時間が空いたらここへ向かう。古書店が約一三〇軒プラス大中小の書店が集中するこの街ならいくらでも時間がつぶせるからだ。(岡崎武志「愛書狂」「白水社の本棚」白水社)
昔の古本屋は横に積んだ本の山が通路を塞いでいた。(中略)近年、そんな光景を見なくなったと思ったら、先日、東京・港区三田の小川書店で見た。腰の高さぐらいまで整然と見事に本の山脈がどこまでも続き壮観であった。(岡崎武志「愛書狂」「白水社の本棚2023冬」白水社)
芥川賞に五回候補になっ(中略)た佐藤泰志。その評伝『狂伝佐藤泰志無垢と修羅』を読むと、佐藤が候補になった一九八一年下半期から八五年上半期までの八回中四回が受賞作なし。恐るべき冬の時代だった。太宰治も村上春樹ももらえなかったのだと諦めるしかないのか。(岡崎武志「愛書狂」「白水社の本棚2022夏」白水社)
あなたは本をどこで買う?これ、本当に人によりけりだと思うんですが、どうでしょうか。というわけでごきげんよう。令和の時代、本当に本の入手経路って多種多様になりましたよね。古き良き文化である古書店や図書館、フレッシュな新刊書店、ダークホースの新古書店、ビッグウェーブのオンライン書店、書籍界隈のコペルニクスこと電子書籍、エトセトラ。人から譲ってもらう、なんてものもありますよね。ちなみに私は断然新古書店と新刊書店、快適な季節だったらちょっと遠出して即売会なんかにも行きます。ほかには図書館のリサ
圧迫感すごいんですよ、本って。というわけでごきげんよう。突然ですがみなさんどのくらいの蔵書をお持ちでしょうか。「結構な読書家」と言われる人たちなら大体300〜500冊くらい?かとも思いますが、お恥ずかしながら他人の本棚を見たことがないのでなんとも言えないです。漫画やラノベをそのくらい持っている人たちなら読書家じゃなくてもいそうですが、どうなんでしょう。今だったらラノベだと「転スラ」と「リゼロ」と「ダンまち」、漫画なら「鬼滅」と「呪術」と「東リベ」と「チェンソーマン」、このあたりを押さえてい
若い人に函入りの本を見せたら、見たのは初めてと驚いていた。(中略)専門の製本業者も減ったと聞く。しかし、函入りの本は本体保護という実用面以外にも、手に持った重量感や本を抜き出す時にかかる手間が、読書という時間を豊かにしている。(岡崎武志「愛書狂」「白水社の本棚2022春」白水社)
カイロ「本好きや、古書店、書店関係の本を意識して集めていると、大御所と思われる作家先生に行き着くんだ、」カイロ「今の作家さんでも、三上庭先生や、小路幸也先生みたいに古書店や書店を舞台に書く作家は多いけど、古くから古書店や古書だけを専門に書いていると思われる先生がいるんだ、」カイロ「少し古めの古書店でよく見かけるのは、山下武先生なんだけど、現在も生きて活躍している大御所の先生と言えば、「古書道場」の岡崎武志先生、「佃島ふたり書房」で直木賞を受賞した出久根達郎先生、「古本屋探偵」
古書購入がネット全盛になった現在も、顧客の心をつかむ紙の目録は健在である。ネットでは目掛けた一冊しか購入しないが(中略)種々雑多な未知の書目を眺めているだけで楽しい。まだまだ、そういう「愛書狂」が存在するのだ。(岡崎武志「愛書狂」「白水社の本棚2021夏」白水社)
「神戸ニニンガ日誌」(第2,561号)○角田光代『さがしもの』(新潮文庫)では、本や古書にまつわる短編が9編。著者は札付きの読書家だ。○なんせ「字だってろくに書けなかった」保育園時代から「本ばかり読んでいた」という。そんな保育園児は見たことがない。○あまつさえ、絵本に色を付け、分身や動物を描きこんだりした。そして本が「私のためだけに存在する世界」になる。○この本の単行本時の書名は『この本が、世界に存在することに』だ。短編「初バレンタイン」で大学生の千絵子は、中3の時読んだ
こんにちは。暖淡堂です。桜の木の主役が花びらから青葉にかわりつつありますね。間もなく初夏の風が吹くのでしょう。*先日お気に入りの図書館で岡崎武志さんの「ご家庭に有った本」をふと手にして、そのまま借りました。昭和に出版された本をその時代背景とともに紹介している本でした。岡崎さんの古書についての知識も溢れていてとても楽しく読めました。このところ、よく昔のことを思いだします。自分が老いつつあるのだな、と実感します。
はじめに本『これからはソファーに寝ころんで』を読んだ感想です。岡崎武志著,春陽堂書店刊,定価¥1,800(税別),200頁ポイント・著者の処世術、嗜好・趣味を綴った32節から構成されたエッセイ集・岡崎さんファンは勿論、エッセイ好きにも超オススメ内容岡崎武志さんの本は、この10年くら
小説、随筆、評論、詩集、漫画から映画やドラマのセリフまで。幅広いジャンルからセレクトした、100の言葉をテーマに書かれた100編のエッセイ。≪我が生はかくのごとけむおのがため納豆買ひて歸るゆふぐれ≫(斎藤茂吉)。著者はこんな歌が身に沁みる63歳。≪今日は今日の悔いをを残して眠るべし眠れば明日があり闘いがある≫。山崎方代の1首を手帖の扉に書き付け、物事に立ち往生した時などよく読むそうだ。金のみで生きる拝金主義からは名言が生まれ
コアなオールドファンならご存じだと思う。吉田拓郎に『知識』という歌があることを。1974年のLP『今はまだ人生を語らず』収録の、佳品ともいうべき、とてもいい歌です。同アルバムは『ペニーレーンでバーボン』で始まります。世の中への鬱憤をはき出すかのような詞で、『知識』も静かな調べながら、同系の趣きがあります。自由奔放な拓郎サンは各方面で軋轢を生んでいました。いわゆる「知識人」も怒りの対象であり、この歌でも「看板だけの知識人よ」と批判しています。当時拓郎サンには、井上陽水というライバルがいま
読書の腕前本を読むことの面白さを確認出来ました!岡崎武志さんに感謝!
【サンデー毎日】に書評が掲載されました『腸内細菌の逆襲』◆『腸内細菌の逆襲』江田証・著(幻冬舎新書/税別880円)子どもの頃は、腸なんてただのウンコの通り道と思っていた。江田証『腸内細菌の逆襲』を読めば、いかにその働きによって健康が左右されるか分かる。腸内細菌は健康の味方と考えがちで、やれ食物繊維を多く摂(と)れ、ビフィズス菌がいいと考えがち。しかし、これも増えすぎると下痢や便秘を招く「小腸内細菌増殖症」が発症するという。原因不明のお腹(なか)の不調も、多くは腸内細菌の働きに関係している
岡崎武志。最近、大阪出身のこの作家がお気に入りです。『上京する文學』地方から東京に出て行った作家のことを書いている。みんな、何かしらの思いを抱いて上京したのだと。村上春樹が神戸から東京に出て行き最初に住んだ、息子の下宿を探して私は知った和敬塾という寮のことがノルウェイの森に出てきていることを知りました。村上も元は上京組にあたるのかな。近代へ発展していくあの時代において、東京に乗りこみ文學という世界から日本の発展に尽くした彼らの役割はとても大きく素晴らしい。その思いは、今の私たちにも感動や
1本の木に会いに行く(15)小石川植物園の染井吉野<東京>オーヴォさあ、まもなく桜の季節。今回は都内でゆったりと花見ができる小石川植物園を訪ねました。樹齢100年を優に超える日本最古級の染井吉野...墨の資料館(奈良市)年月を経て増す深み毎日新聞日本最古の墨作りの記録は610年。朝鮮半島から来た僧・曇徴(どんちょう)が作ったと日本書紀は記す。奈良は社寺が多く写経などで需要が大きいため産業...京都・嵯峨野のおすすめ観光スポット11選!歴史と風情ある名所特集mapion
お風呂にも入って、コンビニ弁当も食べて珈琲飲みながらホテルでまったりしています。余力があったら、夜の神保町散歩して来ようかな。2日間の第3回JPIC読書アドバイザー講習会が終了しました。少しずつお話しする方が増えて、本当に日本全国から色んな職種の方が参加されているのだと分かり驚かされます。今日の午前中は、楽しい講義、元文藝春秋出版社の常務木俣正剛氏とフリーライターの岡崎武志氏、お二人の講義は楽しい。岡崎さんの紹介された著者…サインをしてくださるので一冊買っちゃいました。ドラマの中の
こんばんは読書記録です古本道場を読みました古本道場角田光代・岡崎武志道場主の岡崎武志さんに角田光代さんが弟子入り岡崎さんからお題が出されてその古本屋さんを巡り角田さんが古本道を極めていきます古本屋といえば神保町でしたが色々な場所に魅力的な古本屋さんがあって面白かったです私もお題通りに古本屋巡りをしたい!と思ってしまう本でした第一のお題神保町で子ども時代に愛読した本を探せ!はぜひやってみたいです♪
渋沢栄一のナンバープレート埼玉県深谷市が交付開始日本経済新聞埼玉県深谷市は17日、同市出身の実業家、渋沢栄一のロゴマークを使ったナンバープレートの交付を始めた。新1万円札の肖像画や2021年の大河ドラマの...NHK大河「いだてん」35話6・9%、2・1P減日刊スポーツNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(日曜午後8時)の第35回が15日に放送され、関東地区の平均視聴率が6・9%(関西地区5・3%)だったことが17...岡崎武志・評『今和次郎思い出の品の
古本で見る昭和の生活ご家庭にあった本(ちくま文庫)[岡崎武志]907円楽天古本収集家の著者が昭和初期の古本を通して当時の生活スタイルや著名人のルーツなどを読み取ります。全く知らない文化人も紹介されていますが、著者の古本から得る知識は、まさに一を知って十を知る力と言っていいと思います。そんな新たな知識を得るにはうってつけの一冊です。
【中古】蔵書の苦しみ光文社新書/岡崎武志【著】【中古】afb198円楽天読書を趣味にすれば当然蔵書が増えてきます。たとえ古本の収集が趣味でなくても読みたい本を買っていけば本の置き場や処理方法、整理に悩まされることになります。世に読書人と言われる知識人たちは、そんな悩みにどう向き合っているのか。役立つかは分からないが、何かヒントが掴める本です。
読書の腕前(光文社知恵の森文庫)[岡崎武志]799円楽天いい本です。読書という行為について素晴らしい視点で書かれています。風邪薬はすぐに効く。しかし読書は「非常に効き目が遅い」知性への特効薬です。静かにじわじわと体内に吸収されます。その時、読書の何たるかを身につけていることになります。釣り、スキー、テニス、将棋などなど、人がすることには全てに「上達」というものがあります。読書も同じです。読めば読むほど色々なことが分かってくるし、前に分からなかったこ
蔵書の苦しみ[岡崎武志]799円楽天古書ライターとして知られる著者が、自身の蔵書によって住む場所を奪われつつある状況を何とかしようとして悪戦苦闘する話。と言ってしまえば身もふたもないのですが、本好きにとっての夢のような状況が、いざ現実のものとなってくると、決してうれしい状況とは限らず悪夢にすらなってしまうかもしれないということを実体験に即して書き綴っている本です。趣味や仕事の関係によって増えた二万冊以上の本の存在がいかに脅威となったかは、本書の第一話「蔵書が家を破壊する」