ブログ記事10件
「臣っ…ヤバい❗もう11時だよ!」隆二の声で目が覚めた。えっ⁉おれ…いつの間に眠って…「やべっ…!」飛び起きてジーンズを履き、スマホと財布、パスポートをポケットに押し込む。「持ってくものそれだけ?」「ん、後は全部送った」「お前ってほんと…」「ん?」「いや…」寂しそうに隆二が笑う。タクシーを飛ばして、空港へ向かう。臣は黒のニット帽に黒のサングラス。隆二は、ベージュのキャップを目深に被り、大きめのマスクで顔のほとんどをカバーしている。見た目は男か女かもわからない。大勢
「一ヶ月ですか?」ソロ第二段のレコーディングで、またオランダへ行くことが決まった。「ソロデビュー曲も絶好調だし、アフロジャックもまた登坂君と会えるのを楽しみにしているって」LDH先輩との会食で、同席していたプロデューサーから、スケジュール追加の話があった。「期待してるよ」握手を交わす。その後、例のゴシップ記事で隆二と一悶着あり、まだオランダ行きを言い出せないでいる。渡欧前に、どうケジメをつけるか?答えを出せない自分がいた。「隆二…あのさ」「ごめん、臣!戻ってからでいい?呼
(隆二サイド)「俺は…お前だけなのに」あれから、臣の言葉がずっと、頭の中でリピートしている。俺、あいつに酷いことばっか言って…サイテーだよな…なのに…何だろ?顔がニヤける…「なにニヤニヤしてんの?」うつ伏せでソファーに寝そべって、臣が聞く。リリックスピーカーを弄っている。隆二「気のせいでしょ?元からこんな顔だよ」臣「知ってるけど」隆二「は!?」臣「着替え取りに行くんだろ?早く行ってこいよ」ーーーーーーーーーーーーーーーー(隆二サイド)隆二は、定期的に自分のマンシ
しばらくは、平穏な日々が続いた。ある日のこと、LDHの専用ジムでトレーニング後、休憩をしている臣に健二郎が声を掛けてきた。健二郎「臣ちゃん、またでかでかと書かれとるで!」健二郎が差し出した大手出版社の週刊誌を見ると、《芸能界No.1のモテ男熱愛発覚!?》《大阪の熱い夜!》と大きな見出しで記事が載っている。臣「は!?…何だこれ?」健二郎「また根も葉もないゴシップかいな?」健二郎「まぁ、時間差でホテル出るとこ隠し撮りされてるみたいやから、どないでも後付け出来るわな」臣「…
その日の夜は、LDHの飲み会があった。スタジオを出る時、いつものように「隆二!行こか」と健二郎が声を掛け、先に二人が出ていく。少し遅れて臣が会場に到着すると、健二郎とNAOTOが隆二の両隣に座り、近くに臣の座るスペースはなかった。今までも、こんな感じだったけど…「今市くん、ホント健ちゃんと仲いいよね❗」そう呟きながら、臣の左側にELLYが腰掛ける。「息ぴったりだしな!」と、右隣に座っていた剛典がトドメを差す。向かいの席を見ると、健二郎「隆二~‼お前ふざけんなよー!もう早よ
その日の夜遅く、行きつけの店で飲んでいる臣と剛典。剛典「4DXって俺初めてだったけど、面白いよね」臣「えっ?…ああ…そうだな」そう答えてはみたが、映画の内容は全く覚えていない。剛典「なんか今日はずーっと、心ここに在らずって感じだよね」臣「ん?そうかな?…気のせいでしょ」あいつ、今頃健ちゃんと仲良くやってんだろな…あの二人、もともと仲いいし…あいつのラジオに健ちゃんがゲストで出た時だっけ?健ちゃんと一緒だと、安心感半端ないって言ってたよな。まぁ、確かに健ちゃんはいい奴だし。グ
ソロデビューに向け、異国の地で撮影やレコーディングに明け暮れていた日々。毎日が充実していた。ただ、仕事を終え一人になると、言い様のない孤独感に襲われた。一人って、こんなに孤独なのか?ソロデビューも軌道に乗り、またメンバーが集まり、ツアーに向け賑やかな日々が始まった。あいつとも…満たされる毎日がしばらく続くと思っていた。健二郎「隆二!最近付き合い悪いで!お前…今日はメシ付き合えよ‼」チラッと、臣の方を見る隆二。隆二「え?…ああ、ごめん…待ってて!トイレ行ってくる」健二
臣「堂々とならいいんだろ?」LDH事務所の帰り道、中目黒の川沿いを並んで歩きながら、臣が呟いた。隆二「…そんなこと言ったっけ?」臣「音声聞く?」隆二「え?…録音してんの?」一気に汗が出る。臣「嘘に決まってるやん」時々使う関西弁で、悪びれなく臣が言う。臣「手、貸して」隆二「何すんの?」右手を差し出すと、スッと恋人つなぎをする臣。隆二「ちょっと…外だよ!臣…誰かに見られたらどうすんの?」夜の10時を過ぎた街は人通りもまばらで、川沿いの木々が風に揺れて、恋人達をそっ
臣「隆二!起きろ❗」臣の声で目が覚めた。臣「マネージャーがエントランスまで来てるって‼早く支度しろ!」慌てて飛び起きる。頭がズキズキと痛む。隆二「痛てて…なんで?今日オフじゃ…」臣はジーンズを履きながら、臣「お前飲み過ぎだよ」臣「昼から急な打ち合わせ入ったって!」隆二「え?聞いてないよ!そんなの」臣「昨日の夜遅くにLINE送ったそうだよ」昨日の夜?臣「とにかく早くしねぇと…ほら❗」隆二のワンショルダーバッグと、キャップを軽く投げる。ボーッとベッドに座ったまま、臣を見上
えっ?おれ…今、隆二に誘惑されたの?あの時がラストだって決めてたのに…お前とはまた、最高の相方に戻って、ツアーに臨もうって…まともに顔を見たら、その決心も揺らぎそうだったから、極力顔を合わせないようにして…だけど、変だよ…酔ってるからって、何でお前から誘ってくるの?隆二「なに?しないの?臣…」臣「…」隆二「こんな状況でも無視すんのかよ!」臣の首に左手を回して、隆二「はい!ど〜ぞぉ!」と、アヒルのように唇を尖らせる。少し困ったような表情を浮かべ、臣「どうなっても知らねぇ
臣「いま開けるから」ドアが開くと、不機嫌そうに臣が出てきた。上半身裸でタオルを首から巻き、髪も濡れている。隆二「え?風呂入ってたの?」俺が来るの判ってるのに?臣「うん…で、なんか用?」プンと酒の匂いがする。隆二「用がなきゃ来ないよ。ここじゃなんだし、中入っていい?」臣「ふーん…いいよ」ふーんじゃねぇよ!めちゃ機嫌悪いし…あの目を見てるだけで、気持ち折れそう…リビングに入るとすぐに、隆二「臣…なんか怒ってんの?最近ずっと俺のこと避けてんじゃない?」臣はこちらを見ないで、冷