ブログ記事10件
野焼きが守る里の自然夕方から雨の予報が出ていた那須町小深堀地区。自宅から150キロ、小舎に着くとあたりが白い靄のようなものに包まれています。それに枯草が焼けるような匂い。今年も野焼きが始まりました。毎年野焼きが行わる日は2,3日の違いです。パチパチという燃える音が小舎の中まで届いています。それに焼ける匂いも・・・でも決して怖い音でも、いやな匂いでもありません。どちらかと言えば季節を感じさせる感性を刺激する快感に近いものがあります。野焼きが行われているこのあたりは私のお気に入りの
バアソブの花バアソブ?婆ソブ?ばあそぶ・・・・何の話?そぼ降る雨の中、近所の芦原の中を通り抜ける小径を歩きました。バアソブが咲き始めました。キキョウ科ツルニンジン属のつる植物です。これまでには、ここでしか観察したことのない植物です。バアソブの「ソブ」は長野県木曽地方の方言で「そばかす」のことなんだそうです。そうするとこの花は「お婆さんのソバカス」という意味?この種の非常によく似たツルニンジンは「ジイソブ(爺ソブ)」と言うのだとか・・・とても良く似て同定するのが難しい
サクラソウ今年も野生のサクラソウに出会えました。ここは休暇小舎から500メートルほどの大深堀地区、毎年5月の連休の頃、陽の光がまぶしい那須野ケ原に咲きだします。開花が待ちきれず毎日見にいったりします。年に一回会えた日、とても幸せでした。今ではすっかり少なくなってしまった那須地域の野生のサクラソウ。昭和天皇が監修に関わられた生物学御研究所編、1962年発行の『那須の植物』にはサクラソウについて以下のような記載があります。もう今から57年も前の頃のことです。サクラソウ(図49)
春の野辺で芸者との出会い季節の針を一気に戻したような、那須連山からの風花の舞った翌日。朝の気温は0度近くまで冷え込んでいました。でも太陽はほぼ真東に近い雑木の間から登り始めて季節の移ろいを感じます。暖かい日差しを背に受けて野焼きの終わった小深堀の春の野辺を歩いてみました。♪SunshineonmyshouldermakesmehappySunshineinmyeyescanmakemecry~♪・・・こ~んな気持ち。でもこんな古い歌、
サクラソウの故郷毎年、春先に休暇小舎のある小深堀(那須町の中の地名)付近で野焼きが行われて、小舎に野焼きの薄青い煙がたなびいてくるころになると、いつもサクラソウの事を思い出します。今年も楽しみにしていた野生のサクラソウが咲きだしました。植物学者でもあられる昭和天皇はこの小深堀のあたりを植生調査でよく歩かれたそうです。昭和天皇も編纂に深く関わられた生物学御研究所編『那須の植物誌』にはサクラソウは長南寺、北条、茶臼(黒田原付近)で観察され、特に小深堀には群落が多くあったと記
隣に住んでいるイタチのこと春のような、そして、ちょっと初夏の気配さえも感じたこの2、3日。そして今日は啓蟄。そんな暖かな日に、雪の中で暮らす1月28日のイタチの話です。小舎からわずか50メートルほどの所に定住しているイタチの家族の事がずっと気になっていました。あの大雪の朝、巣の穴の中で、お母さんイタチとお父さんイタチとの間でこんな会話がされていたのかな、などと思ってしまいました。「今朝は玄関が雪で埋まってしまっていますよ。雪かきをして出入りができるようにして下さ
小深堀の秋景色日没まで1時間ほどの森。今年最後の笹刈りをしようとして刈り払い機を持って森の西側の小道を歩いていました。突然雲の間からまばゆい光が差しました。何度も何度も、見飽きるほど、来るたびに見ている小深堀がこんな美しい姿を見せるなんて驚きました。「小深堀」とは昭和天皇が植物観察で歩かれたこともある那須町のローカルな地名です。光は魔術師、わずか2、3分の間現れた秋の盛りのすばらしい絵画のような風景でした。、刈り払い機を放り投げ、急いで小舎からカメラを持ってきて撮影
小深堀での嬉しい再会、カキラン昨年は会えなかったカキラン、今年は会えました。とても暑い日、那須の標高550メートルの小深堀地区でも日中は30度近くまで上がっていました。そんな中、ふうふう言いながら小深堀の湿性草原を散策しました。ありました!カキラン一株。とてもうれしい!!今や多くの県で絶滅危惧種。栃木県では絶滅危惧II類(VU)。昭和37年(1962年)発行の『那須の植物誌』(生物学御研究所編。昭和天皇が編纂に深く関与された書物です)その中に、「このカキラン
那須野原の野生のサクラソウゴールデンウイーク中の那須地方はひどい渋滞と混雑。この時期は那須街道や皇室の御用邸へと続くロイヤルロードには近づきません。その代わりに中心地から少し離れた小舎のある小深堀地域をあてもなく逍遥します。今までに見たこともないほどの大きな野生のサクラソウの群落を稲作を止めて放置された水田跡に見つけました。なんて幸せな気持ち!春の野焼きの効果でしょうか?(写真:2017年5月4日)私は普段は埼玉県に住んでいます。さいたま市の田島が原
ウメバチソウ(梅鉢草)このウメバチソウが小深堀の湿地性草原に咲きだすと本格的な秋の訪れを感じます。秋の七草のオミナエシやキキョウやヤマハギ等は9月にはとうに満開を迎え今では見ることができません。小深堀の原野や畔にこのウメバチソウが咲きだすと休暇小舎の森も色付き始めます。不思議な事に、この近辺では写真の畔、長さ約500メートルほどだけに観察することができます。昭和天皇が編纂に深く関与された『那須の植物誌(NovaFloraNasuensis)』(生物学御研究所編・昭和47年発行)には