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ロープウェイから降りると、日が沈みかけていた。私はバスに乗り、十数年ぶりに実家へ向かう事にした。父と最後に連絡を取ったのは、3年前、祖母が亡くなった時だ。当時の私は、初めて連続ドラマの脚本を担当する事が決まり、1秒も無駄にできない時期だった。私は、「仕事があって、葬儀には参加できない」と伝え、父は「分かった」と言った。それっきり、だった。バスの窓に映る街並みは、驚くほど昔と変わっていない。何を作っているのか分からない工場は、当時から壁面のトタンが黒ずんでいたが、今でも同じよ
「君のクイズ/小川哲」(朝日文庫)を読む(12月10日)書店をふらついていたら積んであった文庫で発見。「面白すぎ!!こんなに興奮する謎に出会ったのは久しぶりでミステリーとしても最高。・・/伊坂幸太郎」との帯に目が留まり、即購入しました。内容はクイズ競技の戦いを描いた物だけど、主人公の対戦相手が問題が一文字も読まれぬうちに回答!の過程を描いている過程を描いている作品。結論から言うとこの「ゼロ回答正答」も実はヤラセで無い、推理の結論があることにびっくりする。これはクイズ競技への深い
JETSTREAM・・・作家が描く世界への旅。今週は、作家・小川哲書き下ろし、長崎を舞台にした物語を、お送りしています。今夜は、その最終夜。19歳の冬、役者を目指して長崎から上京した青年は、今や脚本家として、数々のドラマを手掛けるようになっていた。そんな彼に舞い込んできた、同郷・長崎出身の直木賞作家による、自伝的小説の脚本家という仕事。原作を何度も読み返し、上京して以来初めて、故郷・長崎へと帰ってきた青年は、稲佐山の旧登山道を登りながら、父との記憶を辿る。日本三大夜景を前に、父が語
12月12日金曜日〜その4少し眠って…(写真)フェア新刊書評「原武史‐日本政治思想史/天皇制と鉄道が交差する新たな思想史」雑文家平山周吉(R7年6月号新潮社波)、「ダークネス刊行記念対談ミロは孤独を恐れない」桐野夏生×小川哲(R7年8月号新潮社波)、「春日太一の木曜邦画劇場第638回"ジェネリック勝新"と侮るな!最後に強敵菅原文太が待っている!!」(R7年7月3日号週刊文春)、戦後80年「雑誌を後ろから読んだ頃」南陀楼綾繁(R7年8月号図書)、「長島茂雄追悼グラビア
JETSTREAM・・・作家が描く世界への旅。今週は、作家・小川哲書き下ろし、長崎を舞台にした物語を、お送りしています。今夜は、その第3夜。19歳の冬、役者を目指して長崎から上京した青年は、演出家に提案したアイデアがドラマとなり、脚本家としての道を歩み始めた。それから12年。脚本家のコンテストを受賞し、数々のドラマを手がけるようになった今、長崎出身の直木賞作家による自伝的小説の脚本家、という依頼が舞い込む。原作を何度も読み返し、上京して以来初めて、故郷・長崎へと帰ってきた。〜〜〜
JETSTREAM・・・作家が描く世界への旅。今週は、作家・小川哲書き下ろし、長崎を舞台にした物語を、お送りしています。今夜は、その第2夜。19歳の冬、役者を目指し長崎を飛び出した青年は、東京で演技のレッスンに打ち込んでいた。約束されていた映画出演の話は消え、アルバイトに明け暮れる日々。そんな彼に、講師として出会った演出家から、ドラマの設定案を考えてほしい、という連絡が入った。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜演出家から電話があったのは、アイデアを提出した2週間後だった。
JETSTREAM・・・作家が描く世界への旅。今週は、作家・小川哲の書き下ろし、長崎を舞台にした物語を、お送りします。今夜は、その第1夜。長崎空港に向かう飛行機の中で、私は『長崎が遠い』というタイトルの本を読んでいる。長崎市出身の直木賞作家、佐木島英治が書いた、自伝的小説だ。この本を読むのはもう5回目で、色んなページに付箋を付けたせいで、2倍くらいの厚さになってしまっている。私は、この本が嫌いだ。長崎の一風変わった祭り、歴史、食文化。そういったいかにも絵になるテーマに触れながら
すこし前に下倉バイオさんの『「選択肢」の選択史』を読み、そこで「ゲームシナリオを考えたが中途半端なままで未完」と書いた。小説家は散らばるアイデアをどう一つの作品として完成させているのだろう?に興味があり小川哲「言語化するための小説思考」。本書のテーマは「小説とは何か」なのだけれど、さすがは出版社、いま流行りの「言語化」ワードをタイトルに入れる。それはさておき、美容室と便所サンダルの話、など「相手に伝える」視点は成程。分かりやすく文章を組み直した上でさらに一歩、ちょっと辻褄弱いからとボツ(この話
11月に読んだ📕本『夜の写本師』夜の写本師乾石智子図書館に行ったら、休館日でpassさんに借りた本ファンタジーはほとんど読んだ事がなく、どうかな??と思って読み始めた登場人物が多い。と言うか…ameblo.jp『内海の漁師』これも借りた本内海の漁師アーシュラ・k・ル・グィン多分、SFって初めてだと思う苦手意識があるが、今までも読んでみたら苦手じゃなかった!って事があったのでこれも…ameblo.jp『君のクイズ』君のクイズ小川哲主人公が対戦した相手が、問題を一文字も読まれないまま答え、それ
『言語化するための小説思考』(小川哲)製品詳細講談社☆☆☆刊行直後から大反響!!&たちまち5万部突破!!☆☆☆その文章、「自分のため」に書いていませんか?「伝える」ではない、「伝わる」言葉を、文章を生み出すために、小説家はいつも何を考えているのかーー?『ゲームの王国』『地図と拳』『君のクイズ』『火星の女王』祝デビュー10周年!時代を席巻する直木賞作家・小川哲が、「執筆時の思考の過程(=企業秘密)…www.kodansha.co.jp売れ行き好調なこの本の紹介記事で、
毎月月末は、その月に読んだ本の中から心に残ったものをご紹介しています。セルフ・コンパッションのやさしい実践ワークブックAmazon(アマゾン)${EVENT_LABEL_01_TEXT}ただ今のマイブームのひとつに、セルフコンパッションがある。自分を親友のように、大事に愛おしく思いながら接するメソッドだ。自分に対して思いやりを持つことで得られる恩恵について、科学的根拠に基づいて解説されているのだけど、ちゃんと血の通った文章になっているため、素直にワークが実践出来てよか
小川哲さんの「火星の女王」を読みました火星への移住計画が実現してかなりの時が経ち、当初の熱狂が冷めてしまっただけでなく、むしろ火星からの撤退が検討されているという時代設定です地球でなんらかのトラブルにみまわれて火星に逃れてきた研究者であるリキ・カワナベが、火星にありふれたスペラミンという物質が突然変異したことを発見します火星の独立をもくろむ大立て者が、それを火星人の発見と称して騒ぎ立てるというところから物語が転がっていきます小川さんの宇宙ものというと、昨年の短編集に収録さ
図書館のおすすめ本のところに置いてあって、手に取った。2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻。それからほどなくして出版された本のよう。中学生から知りたいウクライナのこと|書籍|ミシマ社ちいさな総合出版社mishimasha.comまだ戦争は続いている。ウクルインフォルム(ウクライナの国営通信社)の平野高志さんのXやボグダン・パルホメンコさんのyoutubeを通じて細々とウクライナの情報を得ているワタシ。平野さんのXで、戦争中とは思えないような平
最近読んでた本、エッセイと変則的な、推理ものまずエッセイ「侯孝賢と私の台湾ニューシネマ」朱天文台湾ニューシネマの脚本家で侯孝賢監督作品を多く手がけた女性作家が書いたエッセイをまとめた本。これはねえ特に強い興味を持って読んだわけではない。強いて言えば装丁が素敵だから侯孝賢さんの映画を何本か観たことはあるけど、確実にタイトルとか内容とかを覚えてる感じじゃないんだよねなぜかというと、エドワード・ヤンの作品とごっちゃになってるのと、台湾の資本でない作品もあるし台湾じゃない所で撮ってる作品も
今から楽しみで仕方ない12月13日からNHK総合とBSP4Kで夜10時から放送される特集ドラマ「火星の女王」放送100年を機に展開する「宇宙・未来プロジェクト」の一環として放送されるドラマなのだそう原作はあるけど10月に発売されたばかり積読がそれこそ山のようにあるので最新作までは手が回らないぞでも読んでおきたい…一冊ではある火星の女王[小川哲]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}火星の女王Amazon(ア
小川哲さんの書き下ろし。既にNHKでドラマ化が決まっています。全ては「光が遅すぎるから」という最近のSFではよく使われるテーゼを鍵にしながら物語が展開していきます。これ以上は何を書いてもネタバレになりそうなので、紹介は控えますがですが、面白いです。公開されている映像からすると、ドラマはだいぶ違うものになりそうですが、火星の光景にはわくわくさせられますね。こちらも楽しみです。火星の女王[小川哲]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}
読みました小川哲さんの作品は、『君のクイズ』しか読んだことはないのですが、心理ミステリー要素がおもしろく、ぐいぐい読んだことを思い出しました。書き手は、読み手がいるということを考える必要があるのです。読み手が何を知っていて、何を知りたいか、どこまで書いていいのか、書かなくていいのか…。とても考えさせられました。小説はコミュニケーションであり、小説世界に読者を連れていくためのヒントを教えてくださっています。といっても、この本を読めば小説が書けるというわけではないのです。作者もわからないとおっしゃ
君のクイズ小川哲主人公が対戦した相手が、問題を一文字も読まれないまま答え、それが正解し、やらせ疑惑が出た賞金は一千万だか、対戦相手はそれをも辞退した主人公は、ヤラセとは考えず、対戦相手が出場した番組の全問題等を分析して分かった事があったこの本を読んで、クイズに答えるのも知識だけではダメなんだ・・・ボタンの押し方にも色々あるのを知った問題の先の先の先を読み、番組の傾向などを考えるすごいなと思った仕事が終わってから用事を済ませたらお腹が空いて来て、食べたいものが何種類か・・・
■「君のクイズ」50代男性へのおすすめ度★★☆☆☆←新しい小説(ジャンル)にも目を向けたい50代男性向け目次■「君のクイズ」50代男性へのおすすめ度■あらすじ■感想●自分事に置き換えて読むことができなかった●クイズという題材は新鮮でした■私が気に入った文章1.恥ずかしがって何も答えないこと2.自分を肯定することができた目次を開く■あらすじ内容紹介(「BOOK」データベースより)クイズ大会決勝戦。“僕”の対戦相手はなぜ「ゼロ文字正答」できたのか。
小説「地図と拳」上・下小川哲集英社直木賞受賞作。いわゆる満州もの。上下巻の大長編。長編を飽きさせないためか、視点をコロコロ変えるのですが、個人的にはそのタイミングが合わなかったです・・・。書こうとしていることもわかるし、筆力としても直木賞受賞にふさわしいと思いますが、やっぱりテンポ/リズムって大事じゃないですか。60点
最近読んでた本小川哲「君が手にするはずだった黄金について」この作家さんを最近知った。「君のクイズ」という作品が映像化されるという話題で知った。で、他にどんなのを書いてらっしゃる作家さんなのかしら?と思って調べてみたらこの「君が手にするはずだった黄金について」という作品を知ったわけです。タイトルめちゃ良くないですか?あと装丁が。そういうわけで読んでみた。「プロローグ」「三月十日」「小説家の鏡」「君が手にするはずだった黄金について」「偽物」「受賞エッセイ」の6つの短編、というか最
こんばんは🌆お疲れ様です😊今日は所用で出かけていて夜になったら寒いくらいでした🥶訪問先にちょっとした手土産『青柳総本家』さんの「カエルまんじゅう」名古屋みやげとありますね昨日から読み始めた本📕「君のクイズ」著者小川哲こちらは息子が買った本、息子が買う本は自分だと買わないような内容なのでたまに借りてます。体感温度6度🥶休みはすぐに終わってしまいますね😅
小川哲『君のクイズ』本庄絆はなぜ問題文が読まれる前から正解を導き出せたのか。スラムドッグミリオネアみたいだよね!?と思ったら解説で言及があった。クイズプレーヤーってすごいな。分かりそうと思った瞬間に押してるんだね。唇の形まで見てるんだ!?プレーヤーそれぞれクイズに対するスタイルが違っていてもいいと思う。ヤラセはなかった。「僕は答えの欠片に触れる。指先にあった答えを手繰りよせ、しっかりとつかみとる」
今回紹介する記事は2025年1月26日付けの「北海道新聞」の記事です。【「積ん読」の魅惑と効能】というタイトルで、作家兼フリーライター黒田清一氏が、紙の本ならではの静謐な空間について、紹介しています。いつもどおり、「4つ」の視点でこの記事を見ていきます。(4つの視点についてはこちらをご覧ください)☆新聞記事の紹介について(発信者が重視するテーマに関してはこちらをご覧ください)★始めに読んでほしいブログについて(1)内容の要約中学2年生だ
『GOAT』という雑誌に載ってる『落ち着いて』という短編小説を読んだ。作者は、小川哲さん。登場人物は、円満離婚をした夫婦とその息子。元妻は、息子のもとに弁護士から『内容証明』が届いていることを知ることになる。「いったい、なぜ?」中身を知りたいが、息子は成人していて開封もできず元妻は、元夫に相談するのだが・・。しょっぱなから不穏な空気が流れているのだがこの元妻の目線から見た夫が淡々としすぎていて、良く言えば冷静、しかし、AIとしゃべってるような違和感が無きにしもあら
火星の女王小川哲早川書房#架空書店251010④火星の女王[小川哲]楽天市場${EVENT_LABEL_01_TEXT}楽天市場で詳細を見る${EVENT_LABEL_02_TEXT}Amazon(アマゾン)で詳細を見る#251022on#書籍新刊情報#本#予約受付中#予約#読書#火星の女王#小川哲#早川書房#読書好きな人と繋がりたい#読書好きさんと繋がりたい気分よく生きるための私的解釈Amazon(アマゾン)【架空書店本店】
前情報も無く古本屋さんでたまたま手にしましたが、読み始めたら面白くて4時間ほどで一気読みしてしまいました✨↑上の画像ですが、伊坂幸太郎さんの帯コメントが面白くて載せました「頼まれてもいないのに」って(笑)〜プロローグ〜TVのクイズ番組に出場した主人公対戦相手と早押しクイズで攻防を繰り広げ、勝利まであと1問!という刹那最後の問題が一言も読みあげられないうちに、相手が正答を口にして勝敗が決まるいったい何が起きたのか!?信じられない結果に、これはヤラセなのか?それとも…とネット上で
こんにちは😊『地図と拳』日本からの密偵に通訳として帯同した細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。桃源郷の噂に騙されて移住した孫悟空。地図に描かれた存在しないはずの島を探し、海を渡った須野。日露戦争前夜、満洲の名もなき都市に呼び寄せられた人々は、「燃える土」をめぐり殺戮の半世紀を生きる。広大な白紙の地図を握りしめ、彼らがそこに思い描いた夢とは――。(アマゾンの本の紹介に書かれたあらすじより)著者:小川哲*****読み終えるのに
朝日新聞出版■君のクイズ■小川哲(1986-)■2022年■日常(クイズの世界)の謎概要『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』。一作ごとに現代小説の到達点を更新し続ける著者の才気がほとばしる、唯一無二の<クイズ小説>が誕生しました。雑誌掲載時から共同通信や図書新聞の文芸時評等に取り上げられ、またSNSでも盛り上がりを見せる、話題沸騰の一冊です!ストーリー:生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読
掃除、掃除、掃除埃や汚れ、ゴミとなって死んでいる時間の吹き溜まり血栓や宿便やコレステロールのように運気の流れを阻害するそれらに大鉈を振るってきた(つもり)閉された時空に風穴が空き久しく嗅いだことのない新鮮な運気の流れを感じた矢先この2週間ばかり予期せぬ停滞に見舞われた一つは天気だ何と不規則で不愉快な流れだろうかまだらでランダムな雨雲が止んだと思いきやまた強い雨を降らす自分の白金のように磨き上げたルーティンがJRが止まるように停止する次に