脚本家・野島伸司が2010年代の幕開けに投じた「GOLD」は、テレビドラマ史における「極北の母性」を描いた野心作であり、同時に過剰なまでのメッセージ性が視聴者の倫理観を激しく揺さぶった問題作である。本作をドラマ全史の中で位置付けるならば、1990年代に社会のタブーを抉り出した野島が、成熟期を経て「強者の論理」という新たな劇薬を茶の間に持ち込んだ転換点と言える。当時、行き過ぎた平等主義やゆとり教育への批判が渦巻く社会情勢を背景に、あえて「美しい敗者より、醜い勝者になれ」と説く本作のスタンスは、極め