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「密やかな結晶」小川洋子著舞台は、閉ざされた島。リボン、鈴、エメラルド、切手、香水、鳥……この島では、何かが一種類ずつ消えていく。実体として無くなるのではなく、人々の記憶から消滅するのだ。もし、それが手元にあれば、捨てるなり、燃やしたりしなければならない。消滅した物のことを覚えている人は、秘密警察による「記憶狩り」で捕らえられ、連れ去られる。かくまう組織もあるが、秘密警察の力は圧倒的で、逃げ延びるのは難しい。島は、不穏な空気に満ちている。小説家の「わたし」は、消滅した物のこと
小川洋子氏の作品、『密やかな結晶』を読みました。小川洋子氏は『博士の愛した数式』が多分有名なのかなと思いますが、私はちゃんと読むの初めてかもしれないです。感想の前にサラッとあらすじ〜ーーーーーーその島では、あるモノがある日突然消滅し、人々もその日を境にそのモノへの記憶や思い出も消えてしまいます。そのモノたちは、今までは必要なモノであったり、なくても困らないモノであったり、時には生き物であったりします。島の人々はそのモノが消滅した日の朝、家にあるそれらを公園などに集まって燃やしたり、
【鉱物言葉集】本などから見つけた鉱物(石)にまつわる言葉をご紹介します。小川洋子著『密やかな結晶』より「ああ、今日はいい引き出しを選んだね。母さんが一番大切にしている“エメラルド”だよ。おばあさんの形見なの。可憐で、貴重で、気品があって、島では1番大切にされていた宝石だったのに、みんなもう、そんな美しさなんて忘れてしまった」p7『密やかな結晶』はある架空の島が舞台の物語。その島に住んでいると、記憶から物や概念が失われていきます。記憶から失われたものが、形あ
ちょいと仕事に絡めて、弾丸で東京行ってきました。久々の一人旅。1日目東京都現代美術館(清澄白河)→岡本太郎記念館(青山)→ロボットカフェ(日本橋)→大学時代のサークルの飲み会(東陽町)2日目東京ジャーミィ(代々木上原)→サークルの別のメンバーとランチ会(東京駅)→帰宅こんな感じのスケジュール。一人旅は本当に久しぶりでそわそわしてたんだけど、「とりあえず本だな」と前日に思い立ち、リュックサックに3冊IN。これが大当たりで、いつもは娘を連れてとか、家族旅行であれやこれやで全く
「密やかな結晶」小川洋子(講談社文庫)世界のどこかにある架空の島その島ではある日突然何かの記憶が消滅してしまうそれは「鳥」だったり「バラ」だったり「写真」だったり「小説」だったりそのたびに人々は思い出を失い過去を失いおそらくは未来を失っていく「島」という閉鎖社会の中で「消滅」という現象を受け入れながら何事もなかったかのように暮らし続ける人々けれど、その「消滅」は確実に人の心を削り取っていくもので身の内に埋められない穴を抱えたまま、人々は
ネタバレあり1994年に刊行された作品が翻訳され、2019年「全米図書賞」翻訳部門の最終候補作、2020年「ブッカー国際賞」最終候補作となり、Amazonstudioで映画化されるという。英語タイトルは”TheMemoryPolice”。小川洋子さんの作品は「博士の愛した数式」を読んだことがあるだけだったが、今年になって夫の親戚のアメリカ人女性が薦めてきて、初めてこのタイトルを知った。彼女は高校で国語の先生をしている。以下が彼女からのメールの文面だ。I'malso
未亡人色のトルコ桔梗
小川洋子「密やかな結晶」この作品は2019年「全米図書賞」翻訳部門と2020年「ブッカー国際賞」の双方で最終候補作に残った作品です。この物語は記憶が少しずつ消滅していく島での話。その消滅したものは物理的消滅可能なものは消滅させなければいけない。ただ、これは決してSFではありません。そして、この物語はいろんな意味で読者に問いかけをしてきます。消滅自体が何の例えなのかいろいろに解釈できます。物語には記憶が消滅しない人々も登場します。しかし彼らは秘密警察によって拉致されていきます。主人公の女性
おじさんの本屋さん家の近くに平日の15時~20時の間しか営業していない、おじいさんが1人で切り盛りしているような小さな本屋さんがある。ずっと気になってはいたけれど勇気が出なくて素通りしていたその本屋に、今日勇気を出して入ってみた。どんな身近で些細な場所でも、雰囲気に馴染めるかなとか、見るだけで帰ってもいいのかなとか、新しい場所はいつだって緊張する。一度心の中で深呼吸してからじゃないと小心者の私は踏み入ることができない。初めて入ってみたその本屋は、ナンプレや懸賞
ども、蝦読weeklyです。今週読了した本はこちらです。『ドレの神曲』画家のドレがダンテの『神曲』に入れた挿絵と共に抄訳掲載。2度読んで、世界観は好きなのに全然わからない『神曲』。ヴィジュアルつきで読んでみるとどうか、ということで読みました。自分の生きている文化とは違う文化の中で作られた作品なのでヴィジュアルが後押ししてくれる感じです。訳は抄訳ですし、構成も違うので絵を見ながらあらすじ確認という本でしょうか。ドレの絵は初めて見ましたが楽しいし、好きです。バカリズム著『トツ
「密やかな結晶」小川洋子著1994年刊とある島の話彫刻家の母は島では少しづつ何かが消えていくと私にいう古いタンスの引き出しにしまっておいたリボン、鈴、おばあさんの形見のエメラルドなどを見せてくれる母はある日呼び出し状がきていなくなり一週間後遺体で帰ってきた野鳥の研究者の父も亡くなりある日鳥たちもいなくなるそして突然秘密警察がやってきて父の書類や写真を持ち去ったばあやさんも亡くなりその夫おじいさんが時々私の家の手伝いをしてくれるそれから記憶狩りが始まったビルの出口から人々
最近話題になっている鬼束ちひろさん。20年前の曲「月光」に脚光が当たっているようです。ちょっとエキセントリックな人ですが、「月光」は好きです。曲を聴くとその当時何をしていたのか思い出され、僕は宇都宮の顧客先に常駐していたことが思い出されます。もうあれから20年か。。。時がたつのは早い!で、昨日ネットで知ったことなんですが、この「月光」、買い物のレジ待ちしているときにキレそうになった時に浮かんだ曲だそうです。「激昂」→「月光」。ほんとうかなぁ?11月は6冊読みまし
先月読んでいた小説です「密やかな結晶」小川洋子著「フェリー」や「薔薇」など在るものの記憶と存在が順番になくなって、人びとの頭の中や生活から「消滅」してしまう島とそこに住む女性の生活を描いた小説でした。密やかな結晶新装版(講談社文庫)Amazon(アマゾン)902円記憶が残ってしまう人もいて、どこかに連れて行かれてしまうから隠れていたり。戦時中のようなひどい生活なのですが、タイトルの通り密やかにささやかに、静かに進んでいきます。それが美しくもあって、どこかセクシーで。世界
先日近所を歩いていたら、クロネコの人が乗った自転車がパンクする場面に遭遇しました。「ぷしゅ~」「うわ!」うしろの台車にはまだまだ荷物があった様子です。あの後彼はどうしたのかな。。。以前読んだ小川洋子さんの「博士の愛した数式」が良かったのでこちらを読んでみました。舞台となっているとある島では、徐々に“消滅”が進んでいく。”消滅”を誰が発生させているのか、なぜ起こるのかは特に説明はありませんでしたが、おそらく権力者が行っているのでしょう。香水、写真、地図、カレンダー、
密やかな結晶(小川洋子)を読みました。2019年度「全米図書賞」翻訳部門、2020年度「英国ブッカー国際賞」最終候補作。『博士の愛した数式』など数々の話題作で知られる著者が描く、澄明に描く人間の哀しみ。記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。(引用:Amazon
密やかな結晶『密やかな結晶新装版』(小川洋子):講談社文庫製品詳細講談社BOOK倶楽部その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。有機物である…bookclub.kodansha
「神戸ニニンガ日誌」(第2,522号)◎小川洋子『密やかな結晶』。島の人々からものの記憶が消えていく。◎写真、リボン、香水、オルゴール……。それらが静かに消えていく。覚えている者は秘密警察に捕まる。◎石は「石」と呼ばれる以前からあるが、消えることはない。大森壮蔵の考える実在は想起を伴う対象であったが、ここでは共に消されてしまう。◎デジタル庁創設計画では、利便性を謳う。本質は監視や統制強化で臣民を黙らせることにある。◎小説を書く「わたし」は、記憶狩りで母を喪い記憶保持者の
最近読んだ本です。「密やかな結晶」小川洋子小川洋子の作品は好きで、けっこう読んでいるのですが、これは読んでいなかった。1999年の作。小さな島で、一つ一つ何かが消滅し、それに合わせてその記憶が島民からも消えていくという話。だいぶ前の作品ですが、新型コロナの影響で行動が制限され、「好きなものや場所が消えてしまうかも」という苛立ちの中で読んだので、心への刺さり方が深かったかもしれません。密やかな結晶新装版(講談社文庫)Amazon(アマゾン)902円
少しずつモノが「消滅」していく島。「記憶狩り」の秘密警察に怯え、ささやかな日常にも静かな不穏が漂う中、花びらの鮮やかさ、野菜スープの湯気、燃え上がる炎の明るさ、手袋の青さなどが際立つ。「わたし」が書き残すタイピストの小説も良い。まさに古いオルゴールの箱に入れて大事にしまっておきたくなる、小川洋子の世界が堪能できる傑作。雪が降り続くと、世界は一面の銀世界になり、全てのものは曖昧な輪郭しか持たなくなるだろう。雪の下に昨日まであったものが今日もあるとは限らないし、
小川洋子作講談社1994,1,英国のブッカー国際賞の最終候補になった。Amazonで、映画化の話もあるとの記事を見て読んでみた。リボン、鈴、ハーモニカ…一つづつ島の人の記憶から消えていく。粛々と。消えたものは戻らない。フェリーが消えて外との交流がなくなり、鳥が飛ばなくなり、薔薇が、木の実が小説が消えていく。人も、それが何であったのか、どんなものだったのか、思い出せない。コロナが流行っている今も、なにか少しづつ消えていって、もう戻らないものがあるんだと感じた。小川洋子のきれいな整った
ようこそお越しくださいました。今年も書きます。どうぞよろしくお願いいたします。大がかりな片づけをすると、思いがけず懐かしいものが発掘されたりする。たとえば、その昔、好きな歌ばかりを録音したカセットテープ。小さなノート式のアドレス帳。買い置きしたまま忘れていた、カメラのフィルム。これらはもう、世の中からほぼ姿を消したものたちだ。あのころのわたしにとって、なくてはならない大切なモノだったが、いまは何の役にも立たない。けれど、世の中からモノは消えても、記憶はわた
ようこそお越しくださいました。今日はいつもと趣向を変えて、あなたにお手紙を書くつもりで書いてみます。来年まで、あと数時間となりましたね。2020年は、たぶんわたしの人生のなかでも特別な1年になるだろうと思います。苦手なマスクが必須だったり、海外旅行が難しくなったり、仕事がぐっと減ってしまったりと、大変なこともあったけれど、そんなに悪いことばかりではなかったな、と思います。たとえば、ずっと悩んでいたことが、コロナの影響で一新。あっけないほどカンタンに、解決してしまったこ
小川洋子さんの「密やかな結晶」を読みました。2020年、ブッカー国際賞候補作品。残念ながら受賞は逃しましたが、最終選考まで残りました。作品自体は1994年の作品ですが、昨年イギリスで翻訳され刊行されたそう。英語題は「TheMemoryPolice」作品中で、秘密警察が消滅すべき記憶、物ついて取り締まる事からこの題名でしょうか❓小さい島に住む主人公。小説家。両親はもう居ない。ここでは色々な物が消滅していく。消滅した物はよく思い出せなくなって、記憶からもなくなっていく。たまに
夫と私は、自分が読んで良かった本を勧め合いたいのですが、お互い、全然語学力が足りません。私の方が歩み寄るものでしょうが、辞書なしで読めるものはほとんどないです。わからなくても気にせず、どんどん読めばいいのでしょうが、そういうことがなかなかできません。ですので、ページを繰るのももどかしいという感じの、つんのめるように読むという、読書の楽しみの一つが、全然ありません。たまに、夫が良かったと思う本の邦訳があり、アマゾンでぽちってくれるのですが、私はなんとなく、翻訳したものの、翻訳
とても残念です。厳しいロックダウンを必死に守って、早い段階で、感染者0にこぎつけた、キウイさんの故国ニュージーランド。夫の実家のあるオークランド市で、市中感染が4人出て、今日8月12日の正午から、オークランド市が3日間ロックダウン、レベルは3に引き下げられ、他の年ではレベル2、要ソーシャルディスタンスとなったそうです。最近義母97歳が体調を崩して入院し、昨日退院しました。とりあえずは、住まいである老人施設に併設された病院で、さらに1週間を過ごすことになり、義妹が毎日訪ねる予定
最近読んだ本のことをまとめて書きます。佐藤多佳子「しゃべれどもしゃべれども」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ「ハウルの動く城2アブラダと空飛ぶ絨毯」小川洋子「密やかな結晶」萩耿介「イモータル」我ながらなんて一貫性のない・・・(;^_^Aああ、そうそう、新聞の連載小説で太宰治「斜陽」が終わり、その後、超短編「貨幣」も約一週間で終了。今「富岳百景」が連載中です。この「富岳百景」小説というか、紀行文のような随筆のような、小説家の物の見方、見え方がとても面白い。「
本を読みました☺︎#密やかな結晶#小川洋子粛々と進む消滅。あらゆる物の消滅を受け入れ、順応していく島の人々。とても美しい言葉で描かれる物語は、淡々とした喪失感をより際立たせていました。ゆるやかに消滅していく主人公の様子は、決して深刻ではない絶望感に包まれていて、空虚な気持ちにさえなります。でも最後の最後、光が遠くに見えたような、印象がガラッと変わる不思議で美しい小説でした。とても大切な一冊になった〜!!#柚子本記録
小川洋子著記憶狩りによっていろんなものが消滅してゆく島のお話消滅してしまってもそのことを思い出すこともないので寂しいことはないのかな鈴、エメラルド、船、写真もしそれを目にする機会があってもそれが何だったかも思い出せないカレンダーが無くなって春が来ないことになったずっと降り続く雪ずっと冬のまま作物も育たない私はキンキンに冷えた冬が好きでもそれはある意味春がくるのが分かってるから好きなのかも今はみんな不自由な生活を強いられてるでもいつかは!いつかはきっと心から
久しぶりに、小説を読む。イギリスの文学賞、ブッカー国際賞の候補作6作に小川洋子さんの『密やかな結晶』が入ったとニュースで知ったからだ。なんと1994年の作品。26年前だ。その作品が権威ある賞にノミネートされる、本物のチカラを感じる。「この島から最初に消えさったものは何だったのだろうと、時々わたしは考える」冒頭の一文、しびれます。面白くて、一晩で読了。少しずつ読めばよかった。島の住民が、記憶を一つずつなくしていくという筋立て。お時間のあるときに、おすすめです。