『バケモノの子』は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』で評価を確立した細田守が、親子、師弟、成長という普遍的な主題を、人間界とバケモノ界をまたぐ冒険活劇のスケールへ押し広げた作品である。スタジオ地図が手がけた長編作品の中でも娯楽映画としての推進力は屈指であり、渋谷とバケモノたちの世界「渋天街」を往還する構造によって、孤独な少年が他者との関係の中で自らの居場所を獲得していく過程を描く。一方、前半の完成度に対して後半は主題と物語装置が過密になり、細田作品特有の弱点も露呈し