本稿では、『三國志演義の英傑七十選』[注1]の文武両道部門で取り上げた孫堅とその息子の孫策に関して述べる。孫堅も孫策も非業の死を遂げているという事は『三国志演義』ファンのほぼ全員に知られているだろう。その孫堅について、岩波新書の『三国志演義』[注2]では139~150ページの「冷ややかな悪意の対象――孫堅・孫策・孫権」という項目において、陳寿の遺した歴史書の『三国志』では「猛将華雄の首を切りとる戦果をあげた」(同140ページ)のは孫堅であるのに、歴史書の『三国志』をもとにアレンジした小説の『三国