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休みの日に部屋で本を読んでいると家の電話が鳴った。ミカの部屋は二階にあって、電話は一階のリビングにあるものだから、音楽をかけていたりするとそれがわからないということはよくあった。ただ、その日――十一月半ばの月曜だった――にはしっかり聞こえてきた。ミカは本から目を離し、しばらくその音を聞いていた。お母さんはいないのかな?と思いながらドアを見た。父親とユキは仕事に行ってるし、ほんのすこし前に廊下をドスドスと歩いていた母親が出かけたとすると、家にいるのは自分だけということになる。ミカは本を