田村正和を見ていて私に湧き起こってくる印象は端的に<軽さ>です。あの立ち居のどこに重心があるのかそもそも重心なんてものを知らない不思議な漂うような構え、手ひとつ指差すのでも腰から流れるような流麗さと一方で体は何かマリオネットの、ふわりと吊られて遅れて動きが来るあの感じです。それで美貌がまじまじとこちらを見つめてくるんですから言わば間を外されたあとにとどめが来るわけです。三兄弟を見渡して直に阪妻を引き写したようなひとはいませんが(風貌のいがぐりとしたところはご長男なんでしょうが)場面の構え方、芝居