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(中学生18装丁する)上下左右に均等に余白を残して印刷が終わりました。そのままでもいいのですが、和紙は柔らかく傷みやすいので、色画用紙に貼っています。印刷の終わった作品は、印刷された部分の縁に白い刷り紙を4~5mm残して、切り取ります。この白い縁が、作品を引き立ててくれます。今回は、中学生なのであまりかわいい色もどうかと思って、シックに黒の画用紙を選びました。薄墨を掛けた版木が彫り上がった状態と、印刷を終えた作品を比べて見ると、薄墨の力を感じられるかと思います。桃里文化教
(中学生17刷る)バレンを握って刷るときが来ました。バレンは、段ボールなどを竹の皮でくるんで、上で結んであるものを使っています。プラスチック製や木製にフェルトが貼ってあるものなども出ていますが、柔らかすぎたり硬い角が当たって線が出てしまったりとなかなかうまくいきません。バレンは、上の結び目をしっかりと持ち、図のように上から体重を掛けられるようにします。体重を掛けて、円を描くように刷り取ります。和紙は丈夫なので、そう簡単には破れません。バレンが傾くと、やっぱり角で線ができてしまうのでぺたっ
(中学生16紙を置く)付け台の新聞紙の端を持ち上げて、版木の下にできた隙間に手のひらを差し込んで、刷り台に移動します。新聞紙の上に刷り紙と同じ大きさの紙を敷いておき、その天地左右を見て中央に置きます。今回は、新聞紙2つ折りと刷り紙が同じ大きさですので、新聞紙の上に置きます。昔は、刷り紙に霧を吹いておくこともしましたが、今は水性のインクを使うのでその必要はありません。湿り気が多すぎると、インクが滲む原因にもなります。刷り紙の裏表ですが、つるつるした表の面で刷ると彫り跡が鮮明に印刷でき
(中学生15インクを盛る)さあ、印刷です。インクは、水性のマヨネーズのようなボトルに入ったものを使っています。キャップの口が細く、きれいに使えます。天気のいい日なら、インクボトルを窓辺の日当たりのいいところにおいて、温めておきます。断然、インクの伸びがよくなります。インクは、練り板の上部に横に「一」の字を書くように出します。削っていない鉛筆1本ぐらいです。その日の初回で練り版に全くインクがない状態と、少しは残っている状態で量は幾分違います。版木のほうも、初めてインクを付けるときは、ちょ
(中学生13仕上がりの確認)ここまで彫れば、一応全部彫れたことになります。仕上げの確認にすることは、3つです。1つ目は、全体の明暗の調子を整えることです。同じ調子にしてしまうのではなく、変化していることが大切です。もう暗くすることは、できませんが。明るい方に明るさの足りていないとこを見つけて彫ります。髪の毛の光の当たる側に何本か彫りを足したり、背景を見て明るいところから徐々に暗くなる変化がなだらかになっているようにしたりします。2つめ目は、輪郭線の確認です。これまた、版木から離れて、目を
(中学生14印刷の準備)さあ、いよいよ印刷です。一気に作業を行うために、準備をします。まず作業台の設置です。①練り板とローラー、②インク付け台、③刷り台、④乾燥場所、⑤新しい刷り紙置き場、⑥新聞紙とゴミ袋となります。①から③は連続して置くと、効率よくできます。①練り板とローラー練り板は、プラスチック製のものが多いですが、浅いバットです。ロ-ラーは、種類がいろいろですが、表面に傷がないか、角が反っていないか、持ち手はぐらつかないかなどを確認します。大抵どこかにスタンドになる部品が付
(中学生12影の中の輪郭線を彫る)髪の毛は線彫りでしたが、手・顔・首も、服装も面を捉えて彫ってきました。始め面で彫ることに迷いのある人は、この影の中の輪郭線を彫りたがります。ただ白くすうっと彫っておけばいいと思うのか、簡単そうに思えるのでしょう。断固として、最後にしてもらいます。背景も仕上げてからの本当の最後です。最後にする理由は、だんだん必要なくなるからです。ここを見てほしいという顔近くや何か持っている手などはしっかり見えてほしいですが、そういうところは大抵光が当たって彫られているの
(中学生11背景を彫る)人物が彫り上がってきたら、持っている物をしっかりと彫ります。自画像には、自分らしさを出すために、ボールやラケットや絵筆など、自分が愛用しているものを入れたい人はたくさんいます。そして、背景です。人物が黒っぽければ背景は白っぽく、人物が白っぽければ背景は黒っぽくするという訳です。全体を同じ調子にしないで、顔の向いている方を明るく、背後や下の方は暗くしておくもの変化がついていいと思います。背景は、実際の教室や風景などをモチーフにする「本物バック」と、空気感を彫る
(中学生10服を彫る)手や顔・髪の毛ができたら、服を彫ります。この辺りまで彫ってくると、自分で彫っていける人が増えます。鉛筆などでデッサンするときには影の方を描いていたので、白い鉛筆で光の方を描く気分で彫っていきます。ちょっとうねるように彫ると、布の柔らかい感じが出せます。もちろん、光が当たる側の輪郭線は大切ですので、輪郭線に向かって彫る時は、切り出しを使います。また、「しわ」というのは、布が山のように高くなったところに光が当たり、その横の谷のように低くなったところが影になっているので
(中学生09髪の毛を彫る)次に髪の毛を彫ります。三角刀がいいです。丸刀で彫ると、濡れいているというか、べたっとした感じになります。毛の長さは、彫りのタッチの長さで表します。長い髪の人はすんなりと長く、男子の短い髪はタッチを短くします。旋毛から、頭が球体であることを意識して彫ります。絵を描くときと同じですね。やっぱり、光側は、少し多めに彫ります。あんまり彫りすぎると、白髪のようになってしまうので注意です。毛先が見えている場合は、三角刀を止めずに毛先のように彫り上げておきます。肩やピン
(中学生08顔を彫る)手を彫って、影からだんだん光になる様子や、切り出しと丸刀の使い方が分かったら、腕や首などでさらに練習をします。慣れてきたところで、顔を彫ります。彫る前に、目や鼻などの輪郭線がマジックで太くしてあるか確認します。絶対に削ってしまってはいけません。ここで、切り出しについて一言。切り出しで丸刀や三角刀を止めるのは、輪郭線にぶち当たっていくときです。輪郭線に沿っていく場合は切り出しはいりません。これを説明していると時間がかかるので、手を彫る時は省きました。とにかくやってみ
(中学生07手を彫る)一番最初に彫るのは、手です。細かいので、他の所を彫って慣れてから彫りたいという人もいるかも知れません。でも、手を最初に彫るのには理由があります。彫る時には、注意することはたくさんあります。1つ目は、深さです。版木は、ベニヤの上にシナの薄い板を貼り合わせたシナ合板を使うことが多いのですが、中のベニヤまで彫り込まないように浅く彫ります。浅く彫るには、丸刀・三角等刀・平刀などを寝かせて持ち、浅く刀を入れて彫り上げていく感覚が大切です。2つ目は、木の繊維への対応です。浅
(中学生06薄墨がけ)輪郭線を太くする作業が終わったら、版木全体に薄墨がけをします。薄墨は、多めの水に市販の墨汁を入れたものです。乾くと多少は灰色になってきますが、濃すぎると複写紙の線では見えなくなってしまうこともあります。版木の裏などに試し塗りをして、乾いた状態で線が見える濃さにします。刷毛などで、さっと塗ってしまえばOKです。丁寧に何度も刷毛を動かすと、どんどん墨が入ってしまって濃くなってしまうので、さっと仕上げます。よく乾かしたら、彫りに入ります。乾いてないと、版木がしなしなして
(中学生05輪郭線の確認)転写がすんだ版木は、ボールペンの太さで下絵が写されています。このまま彫りに入ると、線が細すぎて彫刻刀で削ってなくなってしまう恐れがあります。そこで、マジックで描線を太くしておきます。器用な人でも3ミリぐらいはほしいです。描線のちょうど外側に太くしていきます。描線の上をなぞると、ほんの少しですが、指であったり顔であったりした面積が減ってしまうからです。鉛筆などで影を付けた下絵を見てみると、線には3通りあります。白と白の間の線、白と黒の間の線、黒と黒の間の線です
(中学生04光と影)白と黒の2色で考えていきますので、まず元が白いのか黒い(濃い色)のかで分けます。もちろん、その中間の明るさもあります。この下絵では、白になるのは、顔と手です。黒といえるのは、髪の毛と制服です。白である手と顔には少しだけ影を入れます。黒っぱい髪の毛と制服には、光が当たっているところに光を入れます。そうすると、白と黒は、お互いに歩み寄ってくるような感じですね。光と影を考えるとき、自然光ではなく、スポットライトに照らされているように光源の位置を決めます。この下絵の場合
(中学生03複写紙で転写)下絵は、この段階では線描きの状態です。版木に下絵を重ね、本のように一辺だけに3箇所ほどテープで留めます。下絵をめくり、複写紙を敷き詰めます。重ねると、強い筆圧が必要になるので、重ねないようにします。複写紙にテープを貼り付けると、剥がそうとして複写紙を破ってしまうことが多いです。どこを描いたかが見やすく、先が硬いのもということで、赤いボールペンでなぞるのがお勧めです。なぞり終わったら、版木から下絵を外しておきます。桃里文化教室へのお問い合わせ
失敗しない木版画木版画は、学校でよく制作されています。小学校では、だいたいですが、1・2年生はスタンプ遊びやローラー遊びや紙版画が行われることが多いです。3年生で、スチレンボードなどをへらで押してへこませるスチレン版画などをします。でこぼこした手触りの紙や布を使って、紙版画をすることもあります。彫刻刀を購入して木版画を制作するのは、4年生からのことが多いです。木版画といっても、一版多色や掘り進み版画など手法はいろいろあるので、5・6年生では経験を積んでいくのですね。中学校でも、木版画は
(中学生02下絵を描く)下絵は、版木と同じ大きさの用紙に描きます。今回は、自画像です、鏡を使って鏡に映った自分を描きました。鏡を使うと、左右が逆になって見えます。そのまま描くと、右手で持っていたはずの鉛筆は、左手で持っているように描けてしまいます。版画を印刷すると、版木と刷り紙が向かい合うので、ここで左右の反転が起こります。つまり、鏡を使っために起こった左右の反転は印刷でもう一回反転し、もとにもどるというわけです。直接見て描いたものを使った場合は、版木に転写する前に左右を反