海外出張から疲れて帰ってきたら、予約していた蓮實重彦の『伯爵夫人』が届いていた。もちろん、文芸誌『新潮』の2016年4月号で作品は一応読んではいるものの、本棚に『陥没地帯』『オペラ・オペラシオネル』と一緒に立てておくミーハー心理で予約しておいたのである。映画に関係する仕事は一切していないが、なにしろ蓮實さんの人生の半分の40年にも達しない期間にすぎないものの、その間ほとんど途切れることなくその著作と付きあってきたし、学生時代にはゼミにも出席したのだから、そのぐらいの軽薄さは許されるだろうと思った